
救急の医師と看護師、整備士の現場で
実験室の外の試験もある。2006年の試験は、大学病院の救急部で3夜続けて12時間の夜勤をする医師と看護師49人を、仮眠なしの群と、夜中の3時に40分の仮眠の機会がある群に無作為に分けた[3]。仮眠の群の90%が眠ることができ、平均の睡眠時間は24.8分だった[3]。40分の枠をもらっても、眠れた時間はその6割ほどだったことになる[3]。
朝7時半には、仮眠の群のほうが注意がそれる回数が少なく(3.13回と4.12回)、活気を多く、疲れと眠気を少なく報告した[3]。点滴の針を入れる模擬の作業は速く終える傾向があった(66.40秒と86.48秒、統計的に有意ではない)[3]。一方、仮眠の直後の4時には、記憶の検査の成績が仮眠の群で悪かった[3]。模擬の運転では、仮眠の群に危ない運転と眠気のしぐさが少ない傾向も見られた[3]。それでも著者らは、3時の仮眠は7時半の成績と本人の評価を良くしたが、仮眠の直後には記憶が一時的に悪くなり、夜勤明けの模擬の帰宅運転では、仮眠の群が仮眠なしの群より良い成績を出したわけではなかったと結論している[3]。
2002年の試験は、12時間の夜勤で働く航空機の整備士の男性24人を対象にした[4]。夜勤の2夜それぞれで、夜中の1時から3時の間に20分の仮眠の機会を設けた週と、仮眠をとらない週を比べた[4]。1夜目の20分の仮眠は、勤務の終わりの注意の課題の反応の速さを良くしたが、2夜目には成績への効果がなかった[4]。どちらの夜も、本人の感じる疲れ、通勤の運転中の眠気、その後の眠りの長さと質には、有意な効果がなかった[4]。著者らは、職場での短い仮眠には、1夜目の夜勤の成績の落ち込みを打ち消す見込みがいくらかあるとまとめている[4]。
現場の試験は、どちらも「効いた」と「効かなかった」が混ざっている。朝の作業の成績は良くなっても、帰りの運転まで良くなったとは言えない。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
2回に分けて眠る、女性12人の試験
長さの組み合わせを試した、小さな試験もある。2024年の予備的な試験は、健康な女性12人に、夜の時間帯の三つの条件を経験してもらった[11]。22時半から0時と2時半から3時の2回眠る条件(90分の後に30分)、23時半から0時と2時半から4時の2回眠る条件(30分の後に90分)、そして仮眠なしである[11]。
90分の仮眠は、どちらの時刻でも寝起きのぼんやりを伴い、30分の仮眠の寝起きのぼんやりはわずかだった[11]。仮眠から2時間後には、2回眠った二つの条件のどちらでも、仮眠なしより反応が速く、誤りが少なかった[11]。90分の後に30分を足すと本人の感じる疲れと反応時間が減り、30分の後に90分を足すと明け方の成績が保たれた[11]。著者らは、夜の仕事の間に2回仮眠をとると眠気と疲れを和らげ、成績を保てるとし、組み合わせの順で効き方が違ったと結論している[11]。
女性だけを対象にした点は、この記事の読者に近い。ただ、12人の予備的な試験である。90分の仮眠が寝起きを重くした、という点は、2時間の仮眠の起きた直後の重さ[12]と同じ向きを向いている。

夜勤明けの昼の仮眠は、15分と45分
夜勤の後の昼の仮眠についても、長さを比べた試験がある。2022年の試験は、交代勤務の後の研修医105人を、仮眠なし、15分の仮眠、45分の仮眠の三つの群に35人ずつ無作為に分け、12時、15時、18時に認知の検査をした[15]。
仮眠なしに比べて、15分と45分の仮眠はどちらも、15時の時点で本人の感じる眠気と認知の成績を含むすべての測定を良くし、その一部は18時まで続いた[15]。指で机をたたく速さの検査では、15時に、15分の仮眠のほうが45分の仮眠より大きく良くなった[15]。著者らは、交代勤務の後の研修医で、昼の仮眠、とくに15分の仮眠が、自律神経の働きと関わる認知の制御の改善と結びついていたと結論している[15]。
連続する夜勤の合間に眠る昼の仮眠は、次の夜勤の「前」の仮眠でもある。ただ、この試験が見たのは同じ日の午後と夕方の成績で、次の夜勤の成績ではない。
長さを決める前に、「いつの、何のため」を決める
夜勤中の仮眠の長さを比べた研究を、系統的レビューがまとめている[17]。救急と公共の安全に関わる人を対象にした実験研究を探し、10,345件の記録から、7本の実験研究を報告する11本の論文が残った[17]。参加者は合わせて140人で、研究の設計、仮眠の時刻や長さ、測った結果には大きなばらつきがあった[17]。短い、中くらい、長い仮眠を比べた結果はまちまちで、7本すべてに重い偏りの危険があり、証拠の質は低いと評価された[17]。著者らは、今ある最良の証拠に基づけば、夜勤中の仮眠の長さは、仮眠の後の時間と、良くしたい結果に基づいて決めるべきだと結論している[17]。
この結論を、ここまでの試験に当てはめてみる。仮眠の直後の30分を作業に使うなら、短い仮眠のほうが寝起きが軽かった試験がある[11]。ただし30分の仮眠でも、起きた直後には注意が落ちた[12]。勤務の終わりの朝や夜勤明けの成績を見るなら、2時間の仮眠が上回った試験がある[9][12]。勤務の後の昼の眠りを守りたいなら、50分の仮眠がそれをいくらか損なった試験がある[5]。ただし30分と2時間を比べた試験では、勤務の後の眠りは長さで違わなかった[9]。何を良くしたいかで、答えが変わる。
仮眠とカフェインを組み合わせた試験[6]もあるが、量や時刻を自分で決める材料として使うことは勧めない。昼寝の前のコーヒーの話は、同じサイトの「疲労回復の昼寝前にコーヒーを飲む?仮眠と組み合わせる効果と目覚めを研究で読む」に譲る。

よくある誤解
「仮眠は長いほど回復する」。2時間の仮眠が勤務の終わりや夜勤明けの成績で上回った試験はある[9]。しかし2時間の仮眠から起きた直後は、仮眠の前より眠気と集中のしにくさが強く[12]、90分の仮眠は寝起きのぼんやりを伴い[11]、50分の仮眠は勤務の後の昼の眠りをいくらか損なった[5](30分と2時間では差がなかった試験もある[9])。系統的レビューは、長さの比較の結果はまちまちだとしている[17]。
「仮眠から起きれば、すぐに頭がさえる」。起きた直後には、注意の成績が落ちていた[12]。40分の仮眠の機会の直後には記憶の成績が悪く[3]、メタ分析でも良くなったのは主に起きてから30分後だった[19]。
「夜勤中に仮眠をとれば、帰りの運転も安心」。救急の医師と看護師の試験では、夜勤明けの模擬の帰宅運転で、仮眠の群が良い成績を出したわけではなかった[3]。整備士の試験では、通勤の運転中の眠気に有意な効果がなかった[4]。夜勤中の仮眠と職場の安全の関係を調べた研究は、2014年のレビューが集めた13本の中に一つもなかった[2]。
今日からできること
- 仮眠から起きて10〜15分は、大事な作業や運転を入れない。寝起きのぼんやりは約10〜15分続いた[5]。
- 起きてすぐの30分は、記憶が要る仕事を避ける。改善は主に起きて30分後からで、直後は記憶が落ちた[19]。
- 仮眠の枠は、実際に眠れる時間より長めに見ておく。40分の枠で、眠れた人の睡眠は平均24.8分だった[3]。
- 長さは「いつの、何のため」で選ぶ。直後に動くなら短め[11]、朝や夜勤明けの成績なら長めが上回った試験がある[9]。
- 夜勤の前の夕方に横になれる日は、その時間をとる。夕方の仮眠が夜の覚醒と成績を良くした試験がある[6]。長さを比べた試験は、読んだ中にはない。
- 夜勤明けに運転するなら、仮眠をとったことを安心の材料にしない。帰宅運転の模擬で、はっきりした差は出なかった[3]。
勤務表が毎週変わる人へ、オンザショア立川店の時刻の事実
仮眠の研究が示したのは、眠る長さより先に、いつの何のために眠るかを決めることだった。運動の予定も同じで、勤務表と並べて置ける時刻の事実がないと決められない。ここではその事実だけを書く。ヨガが夜勤の眠気を減らすと示した研究は、この記事で読んだ中にはない。
オンザショア立川店の営業は8:00〜23:30で、年中無休である。ただし、これは店の開く時刻と閉まる時刻で、レッスンの開始は別だ。8時の回は土曜と日曜だけで、平日の朝いちばんは月曜から木曜が10時、金曜が13時。夜の遅い回は水曜と金曜の21時に始まる。12月29日から1月3日は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。体験レッスン(ヨガ)は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く。妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。体験は体験の予約から申し込め、料金は料金のページ、店の案内はトップページにある。
参考文献
[2] Effects of napping on sleepiness and sleep-related performance deficits in night-shift workers: a systematic review — Ruggiero JS, Redeker NS., 2014, Biological research for nursing. DOI: 10.1177/1099800413476571
[3] Improving alertness and performance in emergency department physicians and nurses: the use of planned naps — Smith-Coggins R, Howard SK, Mac DT, Wang C, Kwan S, Rosekind MR, et al., 2006, Annals of emergency medicine. DOI: 10.1016/j.annemergmed.2006.02.005
[4] The impact of a nap opportunity during the night shift on the performance and alertness of 12-h shift workers — Purnell MT, Feyer AM, Herbison GP., 2002, Journal of sleep research. DOI: 10.1046/j.1365-2869.2002.00309.x
[5] Promoting alertness with a short nap during a night shift — Sallinen M, Härmä M, Akerstedt T, Rosa R, Lillqvist O., 1998, Journal of sleep research. DOI: 10.1046/j.1365-2869.1998.00121.x
[6] Laboratory and field studies of naps and caffeine as practical countermeasures for sleep-wake problems associated with night work — Schweitzer PK, Randazzo AC, Stone K, Erman M, Walsh JK., 2006, Sleep. DOI: 10.1093/sleep/29.1.39
[7] Associations between sleep, cognitive function, and work performance among rotating shift and night-shift healthcare workers: A systematic review — Nuako I, Frimpong E, Dang-Vu TT., 2026, Sleep health. DOI: 10.1016/j.sleh.2026.07.013
[9] The effect of a night shift nap on post-night shift performance, sleepiness, mood, and first recovery sleep: A randomized crossover trial — Patterson PD, Hilditch CJ, Weaver MD, Roach DGL, Okerman TS, Martin SE, et al., 2024, Scandinavian journal of work, environment & health. DOI: 10.5271/sjweh.4129
[11] A 90- followed by a 30-min nap reduces fatigue whereas a 30- followed by a 90-min nap maintains cognitive performance in night work: A randomized crossover-pilot study — Oriyama S., 2024, Sleep medicine. DOI: 10.1016/j.sleep.2024.03.010
[12] Are Short Duration Naps Better than Long Duration Naps for Mitigating Sleep Inertia? Brief Report of a Randomized Crossover Trial of Simulated Night Shift Work — Patterson PD, Okerman TS, Roach DGL, Hilditch CJ, Weaver MD, Patterson CG, et al., 2023, Prehospital emergency care. DOI: 10.1080/10903127.2023.2227696
[15] Night shifts in interns: Effects of daytime napping on autonomic activity and cognitive function — Fan J, Wang L, Yang X, Zhang X, Song Z, Wu S, et al., 2022, Frontiers in public health. DOI: 10.3389/fpubh.2022.922716
[17] Does the evidence support brief (≤30-mins), moderate (31-60-mins), or long duration naps (61+ mins) on the night shift? A systematic review — Patterson PD, Liszka MK, Mcilvaine QS, Nong L, Weaver MD, Turner RL, et al., 2021, Sleep medicine reviews. DOI: 10.1016/j.smrv.2021.101509
[19] Napping and cognitive performance during night shifts: a systematic review and meta-analysis — Dutheil F, Bessonnat B, Pereira B, Baker JS, Moustafa F, Fantini ML, et al., 2020, Sleep. DOI: 10.1093/sleep/zsaa109
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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