
歯科の点滴の前の15分、緑の眼鏡の試験
医療の場面で緑を使った試験がある。静脈に点滴の針を入れることは、多くの患者にストレス、不安、痛みをもたらす処置である[3]。最近の動物の研究で緑の光が痛みと不安を抑える効果を示したことを受け、2021年の研究は、緑を見ることが、鎮静を受ける歯科の患者の点滴の処置で、ストレス、不安、痛みを減らすかを調べた[3]。
対象は24人の患者で、平均年齢は40.9歳だった[3]。透明の眼鏡と緑の眼鏡を、別の2日に入れ替える形で、処置の前に15分かけた[3]。主な指標は唾液のアミラーゼの活性とストレスに関わる血行動態の変化、次の指標は処置中の不安と痛みの点数である[3]。
透明の眼鏡の日には、唾液のアミラーゼが処置中に始める前より有意に上がったが、緑の眼鏡の日には上がらなかった[3]。処置中の痛みの点数の中央値は、緑の日が17.0で、透明の日の50.0より低かった[3]。著者らは、緑の眼鏡で緑を見ることが、害なく処置中のストレスと痛みを有意に減らしたと結論し、痛みを伴う医療の処置で役立つかもしれないとしている[3]。
24人の歯科の患者の試験で、処置という特別な場面での結果である。結論で挙げられたのはストレスと痛みで、日常の部屋で緑の物を見て気分が変わるかを確かめたものではない。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
光の色の試験で、落ち着きが示されたのは青だった
「水色」や青の検索も多い。この記事で読んだ研究の中に、水色そのものを見せて気分を測った実験はない。近いのは、光の色を変えた試験である。
2026年の探索的な研究は、白内障の手術を待つ患者30人に、青、緑、紫、赤、オレンジ、黄の光を、それぞれ10分ずつランダムな順で浴びてもらい、ふだんの照明を対照にした[13]。不安は言葉で答える尺度で、自律神経の働きは身につけるセンサーで測った心拍変動で調べた[13]。
青い光では、ふだんの照明より不安の点数が有意に低く(2.87点の低下、95%信頼区間1.22〜4.52)、副交感神経の働きを映す心拍変動の値が高かった(5.8ミリ秒の増加)[13]。黄と赤の光では、心拍変動の値が低かった[13]。色の好みは、不安とも心拍変動とも独立には関連していなかった[13]。青は主に落ち着く色として、赤と黄は主に刺激的な色として受け止められた[13]。
手術を待つ30人の探索的な研究で、部屋全体を染める光の実験である。手帳の表紙の色とは、目に入る量も場面も違う。青い絵と自律神経の話は、同じサイトの「自律神経を整える色はある?青い絵の落ち着きと体の反応を分けて研究で読む」に譲る。

赤の効果は、実験室と試合で食い違った
色の効果が研究ごとにどれだけ揺れるかは、緑より赤の研究のほうがよく見える。2008年の研究は、赤を見ると知能検査の成績が下がることを最初の実験で示し、その後の実験で、避けようとする動機に根ざした注意の向け方(全体より細部に向く処理)が、その効果を仲立ちしていることを示した[14]。著者らは、色の心理学の分野で仲立ちの過程を示した最初の例だとしている[14]。
一方、試合の記録で赤のユニフォームの有利を探した2021年の研究がある[15]。著者らは、成績を調べる実験室の研究は女性の参加者が多く、試合の記録を分析する研究はほぼ男性のトップ選手だけ、という男女の偏りを指摘した[15]。そこで、アメリカの女子大学バスケットボールの全国大会を、2012年から2019年の8シーズンにわたって調べた[15]。実験の証拠とは逆に効果は見つからず、複数の色を試しても、順位を考えに入れても、結果は効果なしのままだった[15]。著者らは、比較的長い時間行われ、攻撃性が低く、体の接触が多い団体競技では、ユニフォームの色は勝敗に影響しないと、確信を深めて結論している[15]。ここで試合と食い違ったのは、赤が成績を有利にするという実験の証拠であり、赤で知能検査の成績が下がるという2008年の結果[14]を試合で確かめたものではない。
2014年の総説は、色の研究を広く見渡し、色は大切な意味を運び、人の感情、考え、行動に重要な影響を持ちうるとまとめた[2]。それでも、この分野はまだ発展の初めの段階にあり、効果が出る条件の境目や、効果を強めたり弱めたりする要因、現実の場面への当てはまりについて、強い主張や応用の勧めの前にかなりの研究が要る、と同じ総説は書く[2]。
赤い部屋で筋トレの力が出るかという問いは、同じサイトの「ダイエットの筋トレは赤い部屋で力が出る?周囲の色と実際の成績を読み解く」に譲る。ここで覚えておきたいのは、色の実験で出た効果が、場面を変えると見えなくなることがある、という一点である。
よくある誤解
「緑を見れば、誰でもリラックスできる」。緑と穏やかな感情の結びつきは、主に連想を尋ねた研究で示されたもので、実際に体験する感情を変えるかはまだ分からないとされる[1]。緑を見た後に創造性が上がった実験でも、本人の気分の答えは動かなかった[5]。
「色の効果は、もう実験で証明されている」。総説は、この分野はまだ発展の初めの段階で、現実の場面への当てはまりを確かめる研究がかなり要るとしている[2]。赤のユニフォームの有利も、女子大学バスケットボールの8シーズンの試合の記録では確かめられなかった[15]。
「緑の効果は、自然の中にいる効果と同じ」。自転車の実験が変えたのは自然の映像の色だけで、実際の緑地を歩いたものではない[4]。この記事で読んだのは、色としての緑の研究である。色の好みも文化によって大きく違い、普遍的な型は見られなかった[7]。

今日からできること
- 考える仕事の前に、緑の物を一度見てから始めてみる。4つの実験で創造性の成績が上がったが[5]、色の研究はまだ発展の途中とされる[2]。
- 室内のバイクで映像を流すなら、色を抜いた映像や赤く染めた映像より、緑の残る自然の映像を選ぶ。14人の実験では、気分の乱れときつさの感じ方が小さかった[4]。
- 自分で確かめるなら、同じ課題を緑と灰色の背景で日を変えて行い、出来を記録して比べる。色の好みは人と文化で大きく揺れる[7]。
- 「緑だから落ち着く」と感じるとき、それが言葉の連想かもしれないと知っておく。色の区別がつきにくい人も、似た感情を色に結びつけていた[11]。
- 処置の前の不安や痛みが強いときは、医療者に相談する。歯科の24人の試験では緑の眼鏡でストレスと痛みが減ったが[3]、使うかどうかは医療の場で決める。
- 赤いウェアで勝てるとは考えない。女子大学バスケットボールの8シーズンでは、ユニフォームの色の効果は見つからなかった[15]。
色より先に、時間を決める場所としてのオンザショア
色の研究が示したのは、見る色が気分や考えや行動に影響しうる一方で、その効果が研究や場面によって揺れるということだった[2][15]。オンザショアの部屋の色や光で気分や集中が変わる、と示した研究はない。ここで書けるのは、週の決まった時間を置く場所の事実だけである。
店は8:00〜23:30の年中無休で、これは店の開閉の時刻、レッスンの開始は別。平日の朝いちばんは月曜から木曜が10時、金曜が13時で、8時の回は土曜と日曜だけ、遅い回は水曜と金曜の21時から。12月29日から1月3日は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。初めての人の体験レッスン(ヨガ)は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが付く。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。体験の予約、料金のページ、トップページ。
参考文献
[1] Do we feel colours? A systematic review of 128 years of psychological research linking colours and emotions — Jonauskaite D, Mohr C., 2025, Psychonomic bulletin & review. DOI: 10.3758/s13423-024-02615-z
[2] Color psychology: effects of perceiving color on psychological functioning in humans — Elliot AJ, Maier MA., 2014, Annual review of psychology. DOI: 10.1146/annurev-psych-010213-115035
[3] Effects of Green Color Exposure on Stress, Anxiety, and Pain during Peripheral Intravenous Cannulation in Dental Patients Requiring Sedation — Takemura Y, Kido K, Kawana H, Yamamoto T, Sanuki T, Mukai Y., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18115939
[4] Visual color perception in green exercise: positive effects on mood and perceived exertion — Akers A, Barton J, Cossey R, Gainsford P, Griffin M, Micklewright D., 2012, Environmental science & technology. DOI: 10.1021/es301685g
[5] Fertile green: green facilitates creative performance — Lichtenfeld S, Elliot AJ, Maier MA, Pekrun R., 2012, Personality & social psychology bulletin. DOI: 10.1177/0146167212436611
[6] Universal Patterns in Color-Emotion Associations Are Further Shaped by Linguistic and Geographic Proximity — Jonauskaite D, Abu-Akel A, Dael N, Oberfeld D, Abdel-Khalek AM, Al-Rasheed AS, et al., 2020, Psychological science. DOI: 10.1177/0956797620948810
[7] Color preferences are not universal — Taylor C, Clifford A, Franklin A., 2013, Journal of experimental psychology. General. DOI: 10.1037/a0030273
[10] The stability of colour-emotion associations across colour presentation modes and experimental settings — Al-Rasheed AS, Mohr C, Epicoco D, Jonauskaite D., 2026, Psychonomic bulletin & review. DOI: 10.3758/s13423-026-02881-z
[11] Colour-emotion associations in individuals with red-green colour blindness — Jonauskaite D, Camenzind L, Parraga CA, Diouf CN, Mercapide Ducommun M, Müller L, et al., 2021, PeerJ. DOI: 10.7717/peerj.11180
[13] Designing for calm: exploring the impact of colored light on autonomic regulation and anxiety in patients awaiting cataract surgery — Guerrier G, Hardy E, Robert P, Junod Ponsard N, Renaud P, Rothschild PR, et al., 2026, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2026.1731763
[14] Mediation of the negative effect of red on intellectual performance — Maier MA, Elliot AJ, Lichtenfeld S., 2008, Personality & social psychology bulletin. DOI: 10.1177/0146167208323104
[15] Sweating the connection of uniform colours and success in sport: No evidence for the red win effect in elite women’s NCAA basketball — Goldschmied N, Spitznagel C., 2021, European journal of sport science. DOI: 10.1080/17461391.2020.1727571
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 猫舌はなぜ?熱さが嫌になる温度の人による差と、舌の先の敏感さを研究で読む
- ぬいぐるみの心理的効果は大人にも?抱く形の機器とテディベアの実験を読む
- 腕の重さは何キロ?上腕2.1kgという値と、体重の何%かが研究ごとに違う理由
- 腕の長さは身長と同じ?両腕を広げた幅と背の高さを、日本の子どもの基準値と各国の測定で読む
- 岩盤浴でワキガは弱まる?汗で試した研究は見当たらず、脇の菌と耳あかの型の遺伝子を読む
- 適度なストレスは必要か、ほどよい緊張で力が出る説と、捉え方を変える試験を読む
- 空腹時に眠くなるのはなぜ?空腹で目が冴える説と、断食中の眠気の研究を読む
- 温泉はなぜ気持ちいい?同じ温かさの快さが体の中の温度で変わる仕組みを研究で読む
- 指の運動は脳にいいのか、高齢者の指の体操の試験と、指の動きと認知の関係を読む
- 運動すると顔が赤くなる人とならない人は何が違う?皮膚の血流を変える体力と暑さ慣れ
- 夜に喉が渇くのはなぜ?寝る前の先回りの渇きはマウスで見つかり、人は食事の前後に飲んでいた
- ブルーライトで眠れないは本当か、睡眠との関係を実験室・家庭・メタ分析の試験で読む
- 睡眠不足でクマはできる?他人の目に暗く映った実験と、181人の写真では差が出なかった実験
- 睡眠不足で寿命は縮む?短い眠りも長い眠りも死亡の多さと結びついた追跡研究を読む
- ストレス解消に握るボールは効く?検査や手術の最中に握った試験で、不安と痛みはどう変わったか
- 体脂肪率が何%で生理は止まる?1つの線は引けず、食事の不足を鍵とみる研究を読む
- 体脂肪率は入浴後に下がる?肌を温めた実験と水を飲んだ実験から、湯上がりの数字を読む
- ソイプロテインは女性に危険?イソフラボンの試験は誰に何を測ったか、男女のホルモンを読む
- ホットヨガで汗疹はできる?汗の出口の詰まりとされるあせもの仕組みと、汗をためない工夫
- 夜勤前の仮眠は何時間がよい?試験の多くは夜勤中の仮眠、30分と2時間の眠気と寝起き
- 入浴後に疲れるのはなぜ?湯につかると心拍は上がり血圧は下がる、その数字を研究で読む
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
2







