
血液や唾液の値を、そのまま脳の説明にしない
ここまでに出てきた数値は血液や唾液の測定である。これらと、脳の活動を画像で調べる研究は、同じ実験を別の言葉で紹介したものではない。女性42人を対象とした研究では、オキシトシン16 IUを含む鼻スプレー、またはプラセボを用い、安静時の機能的磁気共鳴画像で脳領域どうしの活動のつながりを調べた。セロトニン量を測ったハグの実験ではない。[13]
研究では、後部帯状皮質と脳幹の機能的なつながりに群間の違いが見られた。また、後部帯状皮質と小脳、中心後回とのつながりの変化は、幼少期に母親から愛情を引き揚げられる経験が少なかった参加者に限られていた。著者らは、自己に関わる情報処理や愛情を伴う接触に関連する複雑なネットワークへの作用を推測している。対象者の背景で結果が異なる点も結論の一部である。[13]
脳の画像という言葉には説得力がある。しかし、この結果から「ハグで脳内オキシトシンが増えた」と言うと、接触をしていない薬剤投与の研究を、接触の実験へ書き換えてしまう。「脳で変化があった」という部分だけを抜き出すのではなく、何を与え、何を測ったかを一組にして読む必要がある。[13]
同様に、血液や唾液のオキシトシン値と接触が関連した研究は、その値に関する結果として受け取る。そこで脳の濃度やセロトニンの増加まで測定したかのように言葉を伸ばさない。これは血液検査の価値を低く見る話ではない。測定した場所と指標を文章に残し、研究が調べた範囲を読者にも見えるようにする工夫である。[2][7][13]
恋人との関係を調べた観察研究も、その区別を考える材料になる。若い成人163人を対象とし、交際開始から3か月の恋人120人と、交際相手のいない43人の血漿オキシトシンを比較すると、恋人のいる群で有意に高かった。値は、愛情を伴う接触や肯定的な感情を含む相互的なやり取りだけでなく、相手や関係への不安、心配とも相関していた。[17]
この結果では、オキシトシンの高さは「不安が何もない幸せ」だけと結び付いてはいない。著者らは恋愛関係の初期に重要な役割を果たす可能性を示しているが、幸福感だけを表す指標として読むと、不安との関連を取り落とす。返信を待ってそわそわする夜も、顔を見て笑う夕方も、関係への関心が向いている時間ではある。物質の数値に人間関係の成績表を任せるのは、この研究の読み方としては強すぎる。[17]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
接触してもオキシトシンと結び付かなかった実験がある
女性117人が乳児シミュレーターと関わる実験では、初めて出産した女性54人と、出産経験のない女性63人を比較した。研究者は愛情を伴う接触や乳児への独特の話しかけ方を観察し、関わる前と、その10分後に唾液を採取して複数のホルモンを調べた。相手は実際の赤ちゃんでも恋人でもなく、乳児を模したシミュレーターである。[8]
関わった後には、両群でコルチゾールが低下した。初めて出産した群では接触量とコルチゾール値に逆向きの関連が見られたが、出産経験のない群では見られなかった。一方、オキシトシンとエストラジオールの反応は群間で異ならず、これらのホルモンと行動の関連も認められなかった。同じ実験の中でも、ホルモンごとに結果が異なった。[8]
この実験を根拠に、恋人とのハグの効果が否定されたと言うこともできない。相手と状況が違うからだ。ただし「愛情を伴う接触なら、その量に応じて必ずオキシトシンが多い」という一般化にはブレーキがかかる。肯定的な日常調査と、この実験の結果を一緒に置くことで、接触とホルモンの関係には場面と対象があることが見えてくる。[7][8]
さらに、機械式のマッサージを用いた探索的研究も単純ではない。健康な女性20人の研究では、15分間のマッサージを椅子に座る対照条件と比較し、時間とともに起こる唾液オキシトシンの低下が抑えられた。著者らはこれを放出の促進を示す結果と解釈している。単に「施術後に急上昇した」と置き換えると、実際の結果の形が変わる。[10]
同じ論文の健康な男性46人を対象とした探索的研究は、18〜39歳の女性にそのまま当てはめる根拠にはできない。この男性の研究では、マッサージ後の値は対照条件より高かったが、情緒的な虐待の経験によって反応が異なった。そうした経験を持つ男性では、値が低く、マッサージ後にも増えなかった。それでも、乳児の泣き声や笑い声に対して過剰な握力を使う行動は減った。ホルモンが増えないことと、行動に変化がないことは同義ではなかったのである。[10]
これはハグの代わりに機械式マッサージを勧めるための研究紹介ではない。触覚刺激の研究でも、時間経過との比較、過去の経験、行動と測定値のずれを考える必要があるという話だ。望む気持ちの変化があった時に「必ずこの物質が増えたはず」と遡って決める読み方は、この実験の組み合わせからも支持されない。[10]

よくある誤解
「ハグが心地よければ、セロトニンが増えた証拠になる」。心地よいという感覚は、特定の物質を測定した結果にはならない。日常の接触研究で測られたのは唾液オキシトシンやコルチゾールである。セロトニンという言葉を使うなら、それを測った結果が必要だ。オキシトシンの研究を、そのまま別の物質の証拠にすることはできない。[7]
「オキシトシンが高ければ、それだけ関係が良好である」。交際初期の研究では、値は相互的なやり取りに加えて、相手や関係への不安とも関連していた。関係の良し悪しや愛情の深さを、単独の数値で判定できるという結果ではない。恋人の反応が自分と違っても、それをホルモンの不足や愛情の不足と名付ける根拠にはならない。[17]
「触れられて落ち着かない人も、回数を増やせば同じ反応になる」。日常調査では接触への態度も調べられ、接触に肯定的で孤独を感じている人ほど、精神的な問題を多く報告する関連も見られた。マッサージの研究では過去の経験によりホルモン反応が異なった。全員に同じ反応を要求する読み方は、こうした個人差を落としてしまう。[7][10]
ここでの実用的な判断は、相手が触れられることを望んでいるかを、ホルモンの理屈より先に確かめることである。これは実験が決めた最適な手順ではなく、異なる反応があるという結果を日常で扱う際の姿勢だ。「体によいらしいから」という理由を、相手の返事の代わりにしない。研究の説明が長くなっても、確認の言葉まで長くする必要はない。[7][10]
今日からできること
- ハグで何が増えるという記事を見たら、最初に物質名を確かめる。247人の日常調査なら、調べたのは唾液オキシトシンとコルチゾールである。[7]
- 血液か唾液か、脳の画像かを確かめる。父親45人の血漿測定と、女性42人の鼻スプレーを用いた脳画像研究は、違う問いに答えている。[2][13]
- 接触を生活に取り入れるなら、相手の希望を確認する。男性46人のマッサージ研究では、過去の経験により反応が異なったことも覚えておきたい。[10]
- 回数や秒数を健康のノルマにしない。2日間、毎日6回という数字は調査の記録頻度であり、ハグの処方ではない。[7]
- 自分の感想は「ほっとした」「今日は触れられたくない」のように記録する。117人の実験でも行動とオキシトシンは関連しなかった。感覚に物質名を付ける必要はない。[8]

オンザショア立川店で、生活の予定に運動を置く
気分を物質名で採点する代わりに、日々の予定に運動する場所を持つ。その選択肢として、オンザショア立川店がある。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。営業時間は8:00〜23:30、年中無休だが、これは開閉の時刻であり、レッスンの開始時刻とは異なる。年末年始は通常レッスンを休み、会員向けの特別の有料講座となる。
溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングなどがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスン、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。
通い方を考える際は店舗の案内と料金を確認し、体験の予約へ進める。継続する予定を組むための場所として検討してほしい。
参考文献
[2] Physical touch during father-infant interactions is associated with paternal oxytocin levels — Morris AR, Turner A, Gilbertson CH, Corner G, Mendez AJ, Saxbe DE., 2021, Infant behavior & development. DOI: 10.1016/j.infbeh.2021.101613
[4] The Role of Affectionate Caregiver Touch in Early Neurodevelopment and Parent-Infant Interactional Synchrony — Carozza S, Leong V., 2020, Frontiers in neuroscience. DOI: 10.3389/fnins.2020.613378
[7] Affectionate touch and diurnal oxytocin levels: An ecological momentary assessment study — Schneider E, Hopf D, Aguilar-Raab C, Scheele D, Neubauer AB, Sailer U, Hurlemann, 2023, eLife. DOI: 10.7554/elife.81241
[8] Hormonal and behavioral responses to an infant simulator in women with and without children — Sinisalo H, Bakermans-Kranenburg MJ, Peltola MJ., 2022, Developmental psychobiology. DOI: 10.1002/dev.22321
[10] Emotional maltreatment is associated with atypical responding to stimulation of endogenous oxytocin release through mechanically-delivered massage in males — Riem MME, De Carli P, van IJzendoorn MH, Linting M, Grewen KM, Bakermans-Kranenb, 2017, Psychoneuroendocrinology. DOI: 10.1016/j.psyneuen.2017.08.017
[13] Oxytocin effects on complex brain networks are moderated by experiences of maternal love withdrawal — Riem MM, van IJzendoorn MH, Tops M, Tops M, Boksem MA, Rombouts SA, Bakermans-Kr, 2013, European neuropsychopharmacology : the journal of the European College of Neuropsychopharmacology. DOI: 10.1016/j.euroneuro.2013.01.011
[17] Oxytocin during the initial stages of romantic attachment: relations to couples’ interactive reciprocity — Schneiderman I, Zagoory-Sharon O, Leckman JF, Feldman R., 2012, Psychoneuroendocrinology. DOI: 10.1016/j.psyneuen.2011.12.021
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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