
レビューが削れると論じるのは、明け方の最後のレム期
人のレム睡眠は、ノンレム睡眠よりも覚醒と仕組みを多く共有する、と2015年のレビューは論じる。共有として挙げられているのは、食べる行動、食欲、好奇心、探索のための移動、そして感情、とくに恐怖の消去(怖い経験への反応が弱まること)である。ここから先は、計測値の一覧ではなく、その共通を根拠にした配分の議論である。[1]
乳児期のレム睡眠は最もはっきりしていて、その後は覚醒が増えるのと引き換えに減る。その減り方は、無くても足りるように見える、と論じられる。同時に、ヒトの成人は他の哺乳類より多くのレム睡眠を残している。いちばん多いのは、目覚めに近い、夜の最後のレム睡眠期である。減っていくことと、成人がまだ多く残していることが、同じレビューのなかに並ぶ。[1]
議論の中心は、この最後の期をどう見るかにある。最後の期は、覚醒の代わりとして差し出せる。覚醒への圧力が高まると、失ったレム睡眠が後から戻る反跳なしに手放せ、身体を動かすことへ置き換えうる、という筋である。レム睡眠中に運動の出力が抑えられること、つまり筋が脱力することは、その移動の代わりかもしれない、とも書く。確認済みの処方ではなく、置き換えの仮説である。[1]
習慣的に短く眠る人については、この最後の期を失うことが食欲を強め、食べすぎと体重の増加に関わりうる、と議論は進む。夜の睡眠は生理的な断食になり、最後のレム期は食欲を抑える側にも働く、という見立ても同じ論文にある。レム睡眠に、太りにくくする性質がありうる、とも書いている。食欲と体重の本筋は、既存記事「睡眠不足と食欲・ダイエットの科学 ホルモンだけでは読めない翌日の間食」に譲る。[1]
こちらが受け取るのは、配分の位置である。短い夜でレム睡眠の時間が長さに沿って少ない方向だ、というのは、三群の実験の結果である。その少ない分が夜のどこから削られるかについて、レビューは明け方の最後の期を候補に置いて論じている。実験の比例と、レビューの位置の仮説を、一つの計測値として合体させない。[1][9]
身体活動への置き換えも、同じ慎重さで読む。レビューが論じているのは、覚醒の圧力が高まったときに最後のレム期を移動で肩代わりしうる、という仮説である。レッスンが夜のレム睡眠の代わりになる、という読みは、この仮説の範囲を越える。[1]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
二つの過程は、原因を一つに決めないための枠である
眠る量、眠る時刻、睡眠の中身は、環境、概日リズム、起きていた時間など、複数の要因で決まる。概日リズムとは、およそ一日の周期で動く体の調子である。要因を分けるには、環境を一定に保つ手続きや、睡眠と覚醒の時刻をずらす手続きが要る。一つの朝の感想から、原因を一つに決める設計にはなっていない。[2]
説明に使われてきたモデルは、二つの過程をおよそ足し合わせる。過程Sは睡眠の圧で、起きている時間が長いほど高まり、睡眠の恒常性を担う。徐波睡眠のあいだにこの過程は逆転し、そのときの名が過程Sプライムである。過程Cは、深部体温のリズムと並行する一日の波である。二つがおよそ足し算の形で、寝つく時刻と起きる時刻を決める。[2]
この枠は、ふつうの成人の睡眠を記述するのに役立つ、とレビューは述べる。平均と違う眠りにも当てはめてきた。例として挙がるのは、眠りが悪い人、短時間睡眠者、自分の好む睡眠時刻が集団の平均からどれだけずれるかを示すクロノタイプ、そして年齢に伴う変化である。青年期には遅く寝たくなり、高齢になると早く寝たくなる、という記述が続く。眠りが悪い人と短時間睡眠者は、同じラベルの繰り返しとしては書かれていない。[2]
いずれの場合も、睡眠の時刻と構造が変わるという証拠と、その原因の候補を検討する、とレビューは言う。候補には、過程S、過程Sプライム、過程Cの変化が入る。短時間睡眠者の夜が平均と違うとき、原因が圧だけなのか、一日の波だけなのか、環境なのかは、この段では一つに閉じない。[2]
さきの9人と7人の実験は、徐波活動の増え方の差が、睡眠の長さの違いを根拠にこの種のモデルで予測された、と書いている。47パーセントと19パーセントは、その実験の数字である。レビューの側は、過程Sと過程Cの説明である。モデルの名前が共通でも、説明の論文と、脳波を測った論文は別の仕事である。[2][8]
朝に夢が残らなかったことを、過程Sが高いせいだと一つに決めるのも、この枠の使い方ではない。レビューが短時間睡眠者について検討しているのは、睡眠の時刻と構造、そして過程S、過程Sプライム、過程Cの変化である。朝の白紙を、その過程の点数に読み替えない。[2]

マウスの変異で戻ったレムを、人の夢の許可にしない
生まれつき短く眠る体質の話を、人の寿命の表として読む作業は隣の記事に譲る。ここで一段だけ触れるのは、家族性の短い睡眠に関連する変異と、レム睡眠が同じ文に出てくる動物実験である。人の9人と7人の脳波とも、若い熟睡者の三群とも、対象が違う。[5][8][9]
家族性自然短時間睡眠の変異のうち、DEC2-P384RとNpsr1-Y206Hは、タウというたんぱく質が異常にたまる病気のモデルマウスであるPS19で、その病気の現れ方を強く変える遺伝的な要因だった。別の変異Adrb1-A187VをこのPS19に入れた実験では、変異がレム睡眠を戻す助けになり、睡眠と覚醒の中枢である青斑核でのタウの凝集を軽くした。病気のモデルマウスを対象とした結果であり、18〜39歳の女性の睡眠や夢にそのまま当てはめることはできない。[5]
扁桃体の中心核にあってADRB1を持つ神経細胞は、青斑核へ投射していた。その活動を刺激すると、レム睡眠が増えた。変異Adrb1は、中心核から青斑核へのタウの広がりを弱めた。著者らは、この変異がタウの蓄積を和らげ、広がりを抑えることで、タウが蓄積する病気から守る、と示唆している。示唆は、マウスの病気モデルについてのものである。[5]
刺激でレム睡眠が増えたことと、人が夢を見ない朝の説明は、つながらない。戻ったのは、このモデルマウスのレム睡眠である。守る対象として示唆されたのは、タウの蓄積と広がりである。[5]
小さな人の実験と、病気のマウスを、同じ「ショートスリーパーは夢を見ない」の答え欄に並べない。人の実験が示したのは、レム睡眠の量が眠った長さに比例したこと、徐波睡眠の時間は長い群で少なかったこと、断眠後の徐波活動の増え方は長い人で大きかったこと、そして短い人がより高いノンレムの圧のもとで暮らしている一方、調節の仕組みは違わなかったことである。マウスが足すのは、家族性の変異を病気モデルで見たときのレム睡眠であって、朝の夢の日記ではない。[5][8][9]
よくある誤解
「夢を見ない朝は、レム睡眠が無かった夜だ」は、記録の取り違えである。短い人と長い人を分けた基準は、習慣的な睡眠の長さだった。レム睡眠の量はその長さに比例した。比例の相手は、眠った長さである。朝に物語を思い出せた回数ではない。夢が残らないことを、レム睡眠の欠席届にすると、別の欄を夜の構造だと思い込む。[9]
「短い睡眠は、長い睡眠を同じ割合で縮小しただけだ」も、徐波睡眠の結果と合わない。長い群は、三つの条件のすべてで、他の群より徐波睡眠が少なかった。群の差は主に2番目と3番目の周期にあり、条件の差は主に1番目の周期の徐波睡眠にあった。レム睡眠だけが、眠った長さに比例していた。全部の段階が同じ比率で縮む絵は、この記録にはない。[9]
「普段から短い人ほど、寝不足のあと深く眠り返す」も、9人と7人の脳波とは逆を向く。徐波活動の増加は長い人で47パーセント、短い人で19パーセントだった。寝つくまでの時間とレム睡眠の密度の低下も、長い人のほうが大きかった。短い人はノンレムの圧が高い状態で暮らす。そのことと、調節の仕組みが違うことは、実験では分けられている。圧の高さを、仕組みの故障や、回復の大きさの証拠にしない。[8]

今日からできること
- 朝のメモは、夢を思い出せたかと、眠った長さを別の欄にする。三群の研究で長さに比例したのはレム睡眠の量であり、夢の記憶の回数ではない。[9]
- 6時間未満と9時間超は、9人と7人を選んだ実験の境界として読む。自分のアプリの表示を、その場で体質の診断にしない。[8]
- 寝不足の翌日に「短い人ほど深く跳ね返る」と期待しない。徐波活動の増え方は、長い人で47パーセント、短い人で19パーセントだった。[8]
- 明け方の睡眠を運動で削る計画に、最後のレム期の議論を使わない。身体活動への置き換えは、レビューが論じた仮説である。[1]
- マウスの変異でレム睡眠が戻ったことを、人が短く眠ってよい許可にしない。戻ったのは、病気のモデルマウスのレム睡眠である。[5]
メモの目的は、自分がショートスリーパーかどうかの合否を出すことではない。夢の記憶、眠った長さ、断眠のあと、明け方の時間を、別々の情報として残すことにある。別々にして初めて、比例したのはどの量で、増え方が大きかったのはどちらの群で、仮説にとどまるのはどの文かが見える。[1][8][9]
オンザショア立川店で、眠る時間も残る予定を選ぶ
運動の予定は、夜の睡眠を削らずに置ける時間から考えたい。明け方のレム睡眠を身体活動で置き換えるというレビューの仮説は、レッスンの効果を示したものではない。[1] オンザショア立川店で続ける枠を探すときも、通う時刻と帰宅後の予定を先に確認する。
営業時間は8:00〜23:30、年中無休だが、開閉の時刻とレッスンの開始は別である。8時の回は土曜と日曜だけで、平日の最初は月曜から木曜が10時、金曜が13時。夜の遅い回は水曜と金曜の21時開始である。12/29〜1/3は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。店のトップで予定を確かめ、料金と体験の予約へ進める。
参考文献
[1] Human REM sleep: influence on feeding behaviour, with clinical implications — Horne JA., 2015, Sleep medicine. DOI: 10.1016/j.sleep.2015.04.002
[2] Daily rhythms of the sleep-wake cycle — Waterhouse J, Fukuda Y, Morita T., 2012, Journal of physiological anthropology. DOI: 10.1186/1880-6805-31-5
[5] Mutant β1-adrenergic receptor improves REM sleep and ameliorates tau accumulation in a mouse model of tauopathy — Dong Q, Ptáček LJ, Fu YH., 2023, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. DOI: 10.1073/pnas.2221686120
[8] Homeostatic sleep regulation in habitual short sleepers and long sleepers — Aeschbach D, Cajochen C, Landolt H, Borbély AA., 1996, The American journal of physiology. DOI: 10.1152/ajpregu.1996.270.1.r41
[9] The time course of slow wave sleep and REM sleep in habitual long and short sleepers: effect of prior wakefulness — Benoit O, Foret J, Bouard G., 1983, Human neurobiology.
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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