
ホルモンの話は、気分への効果と直結させない
「筋トレでテストステロンが増える。だから性格が変わる」。この説明を検討するには、まず筋トレ、ホルモンの変化、気分や性格の変化を、それぞれ測って結び付ける必要がある。運動群の気分が改善したという比較だけで、その途中にある生理的な経路まで確定するわけではない。心理的な結果と、原因の特定を分けるのが出発点だ。[7][16]
ホルモンと心理面の関係を考える材料もある。性ホルモンの材料となるDHEAと、その硫酸エステルであるDHEASを扱ったレビューでは、神経系への作用や気分の調節との関わりが論じられている。主に副腎皮質で作られるこれらの物質は、多様な受容体や経路に関与する。単純な「増えれば前向きになる物質」という説明には収まらない。[7]
そのレビューでは、補充による効果は研究や体の系によって一貫せず、受容体の分布、作用経路、組織の反応の違いが結果の多様さに関係すると整理されている。これはDHEAなどを補充する研究の話であり、18〜39歳の女性が筋トレをした場合への直接の適用はできない。補充と運動では介入が異なるからだ。[7]
ここで、物質の名前を混ぜないことも大切だ。DHEAについてのレビューをテストステロンの筋トレ試験として紹介したり、補充の結果を運動の結果として語ったりすると、問いの途中で主語が入れ替わる。ホルモンという共通の見出しが付いていても、研究で行った操作と評価した結果を一つずつ対応させる必要がある。[7]
若い女性に比較的近い対象の研究もある。座りがちな肥満女性37人が、就寝前に異なる栄養を取る群に分かれ、週2日の筋トレと週1日の高強度インターバルトレーニングを4週間行った。後者は強い運動と休息などを交互に行う運動である。すべての群で気分の改善が報告されたが、筋トレだけを行う比較ではない。若い女性の研究でも肥満かつ座りがちな参加者の結果であり、18〜39歳の女性全体に同じ効果を見込むことはできない。[12]
この試験を「女性の筋トレで気分が改善する可能性を考える材料」として読むことはできる。しかし、栄養の介入も有酸素系の運動も含まれている。すべての群が運動しているため、運動をしない場合との違いをこの比較だけで確かめたともいえない。まして、テストステロンが性格を変えたという説明には進めない。[12]
夜のスマホで見かける短い投稿では、「運動した」「元気になった」「ホルモンのおかげ」が一息で続きやすい。読者が確かめるべきなのは、説明が気持ちよくつながるかではなく、研究の比較がそのつながりを実際に試しているかである。気分が良くなったという実感は大切にしながら、原因の名前は急いで付けなくてよい。[7][12]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
活力を保つことと、性格を変えることを分ける
妊娠中の試験は、「改善」という言葉の幅を考えるのに役立つ。妊娠中期の女性134人を、待機群、妊娠に関する教育群、低〜中強度の筋トレ群に無作為に分け、12週間比べた研究である。筋トレは週2回、妊娠22〜34週の期間に実施された。これは研究として管理された条件であり、そのまま個人向けの運動処方にはならない。18〜39歳の女性であっても、妊娠していない場合への直接の当てはめは避ける。[9]
活力の得点の変化は、筋トレ群で−1.8、教育群で−6.44、待機群で−9.11だった。筋トレ群は時間の経過による有意な変化がなく、ほかの群では有意に低下した。筋トレをした人が開始時より大幅に元気になったというより、比較する群で起きた悪化が抑えられたと読む結果だ。疲労の得点にも似たパターンが見られた。[9]
終了時の活力は待機群より高かったが、教育群との差は有意でなかった。何と比べるかで答えが変わるのである。「対照群より良い」という一文を見たら、待機との比較なのか、別の支援を受けた人との比較なのかに目を向けたい。気分の効果を受け取るときには、比較対象も結果の一部である。[9]
期待する変化を現実的に考える際、この違いは小さくない。毎日が忙しい時期には、以前より明るくなることだけが望ましい結果ではない。活力を保てることにも意味を見いだせる。ただし、それを妊娠中以外のすべての女性にも同じように起きると広げず、特定の対象で確認された悪化の緩和として受け止める。[9]
反対の例もある。肥満女性128人を食事のみ、食事と有酸素運動、食事と筋トレ、両方の運動を組み合わせる群に分けた試験では、全員が同じ48週間の集団行動プログラムと食事指導を受けた。気分の変化には群間の有意差がなかった。肥満女性への複合的な支援の比較であり、18〜39歳の女性の筋トレ単独の効果にそのまま当てはめることはできない。運動を追加したことで心理面が必ず上乗せされる、という結果ではない。[20]
この結果は、参加者が誰も気分の変化を経験しなかったという意味ではない。比較した条件の間に差が認められなかった、という意味である。個人の前後の感想と、別の支援を受けた集団との差を分けると、改善と不改善を過剰に対立させずに読める。運動だけに心の変化の全責任を負わせないためにも、この区別は役に立つ。[20]

よくある誤解
「筋トレで女性の性格が攻撃的になる」という主張を、怒りの気分得点で判定することはできない。高齢女性の試験で改善したのは、気分状態尺度で評価した怒りである。持続的な攻撃性という性格特性や、他人に攻撃的に振る舞う行動を測った結果とは区別する。18〜39歳の女性への当てはめにも年齢と生活背景の違いがあり、この試験から性格が変わるかという問いへの答えは出せない。[1]
「重い負荷ほど心にも効く」という単純な関係は示されていない。高齢女性の比較では活力は両強度で改善し、特性不安の有意な低下は中強度群に見られた。線維筋痛症の女性では、低強度でも高強度でも気分全体は有意に改善しなかった。強度を上げさえすれば心理面の悩みが解決する、という規則はこれらの試験から作れない。[5][16]
「自信がつくとは、性格が別人になることだ」という読み方にも距離を置きたい。関連する別の心理面として、高齢者の転倒への恐怖を扱った系統的レビューがある。複数の研究を一定の方法で集めたもので、筋トレ、バランス練習、ヨガなど30研究、計2,878人を含んでいた。大半は女性が多い研究だが、女性だけの筋トレの結果ではない。高齢者の転倒への恐怖を調べた結果であり、18〜39歳の女性の一般的な自信にそのまま当てはめることはできない。[14]
運動直後の転倒への恐怖には小〜中程度の軽減があり、統合できた24研究、1,692人では標準化平均差0.37、95%信頼区間0.18〜0.56だった。標準化平均差は尺度の異なる研究を共通の単位に直した差であり、「37%自信がつく」という意味ではない。研究の確かさは低いと評価され、終了後に軽減が続くかは十分に判断できなかった。[14]
このレビューが教えるのは、「怖さが減った」という変化にも具体的な対象があることだ。転びそうで怖いという感覚の変化を、職場で積極的になれることや恋愛で自信を持てることへ、そのまま置き換えられない。自分が欲しい変化に近い項目を探すほど、研究の結果を暮らしに無理なく取り入れられる。[14]
今日からできること
- 記録は「性格が変わった」より具体的にする。活力、疲労、怒りなど、研究が分けて測った項目から、自分が気になる言葉を選ぶ。別々の変化を一つの印象に押し込まないための工夫だ。[1]
- 強度を上げる前に、求める変化を確かめる。週3日、12週間の高齢女性の試験では、中強度群にも活力と特性不安への利益があった。心理面のために常に最もきつい負荷を選ぶ必要がある、とは読まない。[16]
- 変化の有無だけでなく、その時期の状況もメモする。妊娠中の134人の試験は、活力の上昇より悪化の緩和を示した。始める前と比べて保てていることも、振り返る観点にできる。[9]
- 研究の頻度を、そのまま自分への必須条件にしない。週2回、8週間で改善しなかった試験もある。病気がある場合の負荷や種目は医師に相談し、気分が変わらないことを理由に無理を重ねない。[5]
- ホルモン名の前に比較方法を見る。37人の試験は筋トレと別の運動、就寝前の栄養を組み合わせたものだ。体感が変わっても、筋トレ単独やテストステロンだけの効果と決めない。[12]

オンザショアで、性格より先に通う時間を考える
性格を変える約束より、生活の中で通える場所かを確かめたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で年中無休だ。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。出勤前か帰宅途中か、まずは自分の予定と営業時間を照らし合わせるところから考えられる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを扱う。温かい環境でのヨガと常温のヨガを含め、運動の選択肢がある。ヨガの体験を検討するときも、参加条件と合わせて内容を確かめたい。選ぶ際の情報は店のトップと料金で確認できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約から予定を確かめられる。場所、時間、選択肢を確かめ、続ける仕組みを自分の暮らしに置けるかを考えるための入口である。
参考文献
[1] Effects of intensity and modality of community-based exercise programs on mood profile and functional physical capacity in older women under socioeconomic vulnerability: A randomized trial — Zanini GS, Teixeira do Amaral V, Fernandes B, Verardi CEL, Ciolac EG., 2025, Women’s health (London, England). DOI: 10.1177/17455057251389380
[5] Can different degrees of resistance training improve mood states in patients with fibromyalgia? A randomized controlled trial — Torres Vilarino G, Reis Coimbra D, Guimarães Bevilacqua G, Diotaiuti P, Falese L, 2022, Reumatismo. DOI: 10.4081/reumatismo.2022.1452
[7] The Sex Hormone Precursors Dehydroepiandrosterone (DHEA) and Its Sulfate Ester Form (DHEAS): Molecular Mechanisms and Actions on Human Body — Lin HY, Chen JH, Chen KH., 2025, International journal of molecular sciences. DOI: 10.3390/ijms26178568
[9] Effects of Resistance Training on Fatigue-Related Domains of Quality of Life and Mood During Pregnancy: A Randomized Trial in Pregnant Women With Increased Risk of Back Pain — OʼConnor PJ, Poudevigne MS, Johnson KE, Brito de Araujo J, Ward-Ritacco CL., 2018, Psychosomatic medicine. DOI: 10.1097/psy.0000000000000559
[12] The influence of nighttime feeding of carbohydrate or protein combined with exercise training on appetite and cardiometabolic risk in young obese women — Ormsbee MJ, Kinsey AW, Eddy WR, Madzima TA, Arciero PJ, Figueroa A, Panton LB., 2015, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2014-0256
[14] Exercise for reducing fear of falling in older people living in the community — Kendrick D, Kumar A, Carpenter H, Zijlstra GA, Skelton DA, Cook JR, Stevens Z, B, 2014, The Cochrane database of systematic reviews. DOI: 10.1002/14651858.cd009848.pub2
[15] Strength training induced adaptations in neuromuscular function of premenopausal women with fibromyalgia: comparison with healthy women — Häkkinen A, Häkkinen K, Hannonen P, Alen M., 2001, Annals of the rheumatic diseases. DOI: 10.1136/ard.60.1.21
[16] Comparison of high and moderate intensity of strength training on mood and anxiety in older adults — Tsutsumi T, Don BM, Zaichkowsky LD, Takenaka K, Oka K, Ohno T., 1998, Perceptual and motor skills. DOI: 10.2466/pms.1998.87.3.1003
[20] Exercise in the treatment of obesity: effects of four interventions on body composition, resting energy expenditure, appetite, and mood — Wadden TA, Vogt RA, Andersen RE, Bartlett SJ, Foster GD, Kuehnel RH, Wilk J, Wei, 1997, Journal of consulting and clinical psychology. DOI: 10.1037//0022-006x.65.2.269
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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