運動習慣の記録は過去の自分と比べる?アンケート項目と順位の違いを研究で読む

運動習慣のアンケートで、回数や歩数だけでなく何を尋ねればよいのか。過去の自分との比較、他人との順位、見た目と動ける感覚を分け、記録を次の行動に返す項目例を考える。成人の利用者調査と尺度開発、若者の予備研究、日常活動の研究から、分かることと断定できないことを読む。

運動の記録ノートを開くと、先週より歩いた日にも「順位は下がった」と書いてある。自分の活動は増えたのに、成績は悪くなったように見える。順位表の誰かの頑張りまで、自分の反省欄に引き受ける必要があるだろうか。まずは、その数字が誰と何を比べているのかを確かめたい。

運動習慣の記録を振り返るなら、過去の自分の活動と他人との順位を別の欄に置くのが、問いを整理する出発点になる。ただし、自分との比較なら必ず続く、競争より優れている、とまでは断定できない。利用者調査で確認された使い方と、継続を増やす効果の証明は区別する必要がある。[7]

アンケートの項目例としては、「どんな活動をしたか」「以前の自分と比べて何が変わったと感じたか」「他人と何を比べたか」を分けて考えられる。これは本記事の記録案であり、検証された尺度の転載ではない。研究では体の比較にも、見た目と能力という異なる面が扱われている。その違いを、自分用の記録を作る際の手がかりにするのである。[5]

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過去の自分と比べる欄と、順位を見る欄を分ける

「先週より歩いた」と「仲間より歩いた」は、同じ歩数を使っていても答えている問いが違う。前者で基準になるのは過去の自分、後者で基準になるのは別の人だ。アンケートを作るときには、どちらを尋ねたいのかを先に書き出したい。「比較してやる気になったか」だけでは、比較の相手も、何に反応したのかも混ざってしまう。

運動用アプリの使われ方を調べた混合研究では、通常の記録の更新や通知に加えて、競争、比較、自分との比較などが利用者の行動として整理された。混合研究とは、質問への回答のような数量的情報と、自由記述のような言葉の情報を組み合わせて検討する研究である。ここでは、機能の存在そのものより、利用者が実際に何に使っていたかが問われた。[7]

対象は米国在住で定期的に運動している成人の利用者442人であった。記録の更新を挙げたのは351人、通知による働きかけを挙げたのは319人だった。一方、競争を挙げたのは99人で、新たな使い方として整理された自分との比較は3人だった。これは各機能の効果量ではなく、調査でその使い方を挙げた人数である。定期的に運動する米国の成人の利用実態であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、この調査から判断できない。[7]

自分との比較が少なかったから役に立たない、とは読めない。逆に、珍しい使い方だから深い効果がある、とも読めない。この研究は利用実態を捉える横断調査と利用者のコメントの分析であり、比較方法を無作為に割り当てて継続率を比べた試験ではない。自分との比較を勧める際も、この研究が支えるのは使い方の存在までと捉えるのが適切だ。[7]

競争への参加と、その後の歩数を問う話は、既存記事「運動習慣のアプリは競争すると続く?ランキング参加と数か月後の歩数を読む」に譲る。ここで扱うのは順位表の選び方ではなく、記録を読み返したときに、以前の自分の何を確認したいかという問いだ。

たとえば、記入欄を「運動は順調か」だけにせず、「前の記録と比べた活動の違い」「順位を見たか」「見た後にどう感じたか」と書き分ける案がある。比較した事実と気持ちを別々に残すためである。気持ちの欄を作ること自体に継続効果が証明された、という提案ではない。あとで自分の回答の意味を読めるようにするための工夫だ。

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見た目の比較と、動けることの比較は同じではない

比較の相手を決めても、比較する内容が曖昧なままでは記録を読みにくい。「前よりよくなった」という感想は、見た目への満足なのか、重い荷物を持つときの感覚なのか、運動への気持ちなのか。本人にはつながった経験でも、質問票では別々の問いとして考える余地がある。

成人の身体に関する社会的比較の傾向を測る尺度の開発研究は、体型や筋肉の見た目だけに注目する従来の測定を広げ、筋力、持久力、柔軟性などの能力も扱った。他人と体を比べる行動には、外見と能力にまたがる複数の側面がある、という構成を検討した研究である。[5]

開発過程では専門家13人による評価を経て、成人597人のオンライン調査で構造を検討し、さらに大学生210人で関連する概念との関係と時間を置いた安定性を確認した。時間を置いた確認は1か月間隔だった。成人と大学生での検証であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは別途検討が必要だ。回答が想定した構造を示すかまで調べている点が、自作の記録欄との違いである。[5]

ここで気をつけたいのは、尺度が対象にしたのは社会的比較、つまり他人との比較の傾向であることだ。その結果を「過去の自分を比べれば習慣になる」という結論に置き換えることはできない。質問票の性質を確かめる研究と、質問票に答えた後で運動が増えるかを調べる研究も、目的が異なる。[5]

研究では、この尺度が既存の外見の比較や一般的な比較の測定を超えて、全般的な自尊感情の違いの一部を説明した。一方、摂食障害の症状や心理的苦痛については、追加で説明できる違いは確認されなかった。体に関する比較を細かく測れたことと、心の状態を何でも説明できることは同じではない。[5]

この区別を日常の記録に持ち込むなら、「体の形への感想」と「動作で気づいたこと」を別の文章にしてみる案がある。ヨガで手が床に近づいた感覚を書きたい日もあれば、帰り道でどう感じたかだけを残したい日もある。どちらも体重の変化へ翻訳する必要はない。ここで作るのは、自分が確かめたいことを表す欄だ。

また、隣のマットの人と同じ姿勢に見えたという記録と、前の自分より動きやすかったという記録も分けたい。同じ「できた」の文字でも、基準が違うからである。研究に基づく尺度の点数を名乗らず、記録の見出しを「動作で気づいたこと」とするだけなら、何を記したかが読み返す人にも伝わる。

記録を見ることと、行動が変わることを取り違えない

スマホに数字がたまること、数字を見て考えること、次に運動すること。手帳なら同じページに書けるが、調べる際には別の出来事として扱いたい。記録が続いたという回答だけから、運動そのものが増えたと決めるのは早い。アプリの利用実態の研究で、記録の更新や通知がよく使われたという結果も、運動量の増加幅を示したものではない。[7]

思春期の若者を対象にしたスマートウォッチと健康用アプリの予備研究は、記録を通した経験を考える材料になる。参加者27人を対象に12週間行われ、体重管理や食事、健康情報を理解し使う力に関する情報をアプリで集め、活動と睡眠の客観的情報を時計から収集した。研究の中心には、こうした仕組みを実施できるかという実行可能性の検討があった。思春期の対象者から得た結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[1]

話し合いの分析からは、自分で取り組む力、自覚と自己調整、自分との比較と振り返りという主題が見いだされた。機器を使う中で自分の生活を意識する経験があったことを示している。ただし、この結果を成人女性の運動継続率の改善幅として紹介することはできない。対象も測った内容も、ここで知りたい問いとは異なるからだ。[1]

生活の中の記録案としては、「入力したか」と「その後に予定を変えたか」を分けることが考えられる。帰宅後にグラフを開いたが何もしなかった日、数字を見て翌日の外出に歩く区間を入れた日。それぞれを別の言葉で残す。記録を見る行為を、行動した証拠として数えないための設計である。

利用者の言葉の扱いにも、人数とは別の注意点がある。この調査では公開コメント15,000件を集め、そのうち2,674件が使い方の主題に自動分類され、1,182件が人の確認で関連するものと判断された。質問に答えた人と、公開コメントを書いた人は同じ集団として数えられない。言及の多さと利用者の割合も、区別して読む必要がある。[7]

たとえば同じ機能に関する調査回答とコメントの言及を足した値は、その機能によって運動が続いた人数ではない。手元の記録でも、「画面を何度も開いた」という感想を、そのまま「何度も運動した」という回答へ移してはいけない。何を数えた数字なのかを欄の名前に残しておくことが、こうした取り違えを避けるための記録案になる。[7]

数字で読む記録と比較の研究

442人:定期的に運動する米国の成人利用者への調査であり、運動を始める前の人全体の代表ではない。[7]

351人:記録の更新という使い方を挙げた人数で、運動が増えた人数ではない。[7]

3人:調査で新たな使い方として自分との比較を挙げた人数で、効果の大きさを示さない。[7]

597人:身体に関する比較尺度の構造を調べた成人のオンライン調査の対象者数である。[5]

27人・12週間:若者向けの機器とアプリを使う予備研究の規模と期間である。[1]

38研究・8,551人:日常生活に組み込む身体活動を検討した成人対象の研究をまとめた規模である。[15]

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