食欲を抑える写真は見続けるほど効く?同じ料理でも消えない注意を研究で読む

食欲を抑える写真や待ち受けは、同じものを繰り返し見れば効くのか。食品画像を使った脳波研究と無作為化比較試験を読み、見慣れること、食べたい気持ち、実際に食べる量の違いを整理する。高エネルギー食品への注意が持続する結果から、スマホの画像との付き合い方を考える。

菓子店のメニューで、同じケーキの写真を何度も見返す。形も飾りも覚えたのに、まだ目が向く。食欲を抑える写真を探すなら、まず知っておきたいのは、食品への注意が繰り返しの中でも残るという実験結果だ。[1][2]

健康な成人24人の脳波研究では、画像提示後110〜330ミリ秒に食べ物以外の画像への反応が弱まった一方、食品画像への活動は比較的安定していた。同じ写真を見る方法を、食欲を抑える手段として勧める根拠にはできない。[2]

画面に見慣れることと、食べたい気持ちが収まることは、区別して考える必要がある。既存記事「ダイエットで空腹に慣れても写真で食べたくなる?胃の感覚と欲求の違いを読む」には空腹と欲求の違いを譲り、ここでは同じ写真の反復が何を変えるかに絞る。とくに、注意の変化をそのまま食事量の変化と読まないことが大切だ。[1][2][20]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

同じ写真への慣れは、食べ物の種類で違う

同じものを繰り返し見たとき、行動や脳の反応が変わる現象がある。その変化を食品画像で調べたのが、視覚誘発電位を測定した研究である。視覚誘発電位とは、見た刺激に応じて生じる脳の電気的な反応だ。この研究では、高エネルギー食品、低エネルギー食品、食べ物以外の画像について、最初の提示と反復提示を比較している。[1]

結果は、食品ならすべて同じではなかった。低エネルギー食品と食べ物以外の画像では、視覚誘発電位と、その反応を生む脳の領域の推定結果に変化があった。画像を分類する正確さも上がった。一方、高エネルギー食品の画像への反応は、初回から反復まで大きく変わらなかった。[1]

ここでの「正確さ」は、画像を分類する課題での正確さである。「もう欲しくないと判断するのが上手になった」という意味ではない。研究が測った行動が分類であれば、結論も分類の範囲で読む。待ち受けに設定しておけば食欲が落ちる、という使い方とは距離がある。[1]

また、高エネルギー食品への反応が保たれたことは、「見るたびに必ず食欲が増す」という意味でもない。反応が弱まらなかったことと、反応が増え続けたことは別の結果だ。論文は、高エネルギー食品の報酬としての価値が、反復への反応の違いに関わる可能性を挙げている。だが、この可能性を個人の食べ方の診断に使うことはできない。[1]

この実験を読む軸は、画像の分類と電気的反応の対応である。低エネルギー食品では分類の正確さが上がり、電位と推定された活動源にも変化があった。高エネルギー食品では初回と反復時の反応がほぼ一定だった。同じ反復という操作でも、食品のエネルギー価によって結果が分かれた点が研究の中心にある。[1]

電位は刺激への反応を時間に沿って捉える指標で、活動源の推定はその反応を生む領域を検討する方法だ。行動としての分類成績も合わせることで、単に画像を覚えたかという問いより詳しく反復の影響を調べている。食欲対策への応用を考える前に、どの画像群で、どの指標が動いたかを押さえたい。[1]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

脳波が落ち着くことと、満腹になることは違う

健康な成人24人を対象とした実験であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは別に検証が必要である。同じ高エネルギー食品、低エネルギー食品、食べ物以外の画像を繰り返し見せた研究もある。脳波を周波数ごとの活動に分け、時間の経過に沿って調べた実験だ。周波数帯のうちシータ帯と呼ばれる活動では、食べ物以外の画像に対する反応が、前頭部の電極群で次第に小さくなった。[2]

その変化は、画像提示後110〜330ミリ秒の範囲で観察された。一方、高エネルギー食品と低エネルギー食品の画像では、周波数ごとの活動がより安定しており、注意の関与が持続していると解釈された。参加者ごとの分析では、刺激の種類が明確に線引きされるというより、段階的な違いも示唆された。[2]

先ほどの研究は低エネルギー食品で変化を認め、こちらは低エネルギー食品でも比較的安定した活動を報告している。表面的には違う答えに見えるが、前者は刺激に対する電位の変化、後者は周波数と時間を組み合わせた活動を主に見ている。脳の反応のどの面を測るかで、反復の見え方は変わりうる。[1][2]

共通しているのは、高エネルギー食品の画像では、繰り返しても反応や注意が持続する側面があったことだ。ただし、成人24人の実験で見えた脳波の特徴を、あらゆる年齢や生活場面へ広げることはできない。電車内で通知を確認することと、実験で画像提示を受けることは、同じ作業ではない。[1][2]

脳波の数字を読むときは、単位にも立ち止まりたい。ミリ秒は刺激のあとに反応を観察した時間であり、「これだけ見れば満腹になる」という閲覧時間ではない。食べる量の減少率でもない。短い時間の脳の反応を、食事を我慢するための長い視聴手順に変えてしまうと、研究とは別の話になる。[2]

研究の図で線が下がっていれば、食欲も下がったように見えるかもしれない。しかし、縦軸が脳波の活動なら、その線が表すのは脳波である。満腹感、食品の好ましさ、実際の摂取量は、それぞれ測るべき対象だ。食品画像への注意が持続したという結果は、写真を見せるだけの対策を慎重に扱う理由になる。[2][19][20]

「画像を使った試験」の中身まで確かめる

食品画像を使った研究には、単なる反復とは異なる操作もある。成人41人を対象にした無作為化比較試験では、高エネルギー食品に否定的な感情を伴う画像を、低エネルギー食品に肯定的な画像を組み合わせた。比較群では、中立的な、ばらばらにした画像を食品画像の前に提示した。[19]

対象は体格指数が25以上の成人で、介入群22人と比較群19人に分かれている。18〜39歳の女性全般にそのまま当てはめられるかは、この対象条件と分けて考える必要がある。感情を伴う画像の提示は20ミリ秒で、意識的に知覚するより短い提示として設計された。これは、好きな料理をスマホの待ち受けにして眺める状況とは大きく異なる。画像の選び方も、提示の順番も、試験の操作の一部なのである。[19]

介入後、高エネルギー食品に対する脳の一部の領域の反応が比較群より低下し、食品画像の評価も下がった。研究では、注意の配分や食品の合図が持つ目立ちやすさの変化として解釈されている。画像を介した働きかけに意味がありうることは示すが、「同じ料理を見続けたから飽きた」という説明にはならない。[19]

ここには、比較する相手の重要さもある。介入前後だけを見るのでなく、別の画像を組み合わせた比較群との差を確かめているから、感情との組み合わせを含む操作について検討できる。研究の型が無作為化比較試験であっても、検証した操作を飛び越えて、写真一般の効果とすることはできない。[19]

さらに、画像研究を調べた系統的レビューでは、2001〜2024年に発表された490本の論文を分析し、約53.7%が食品画像の出所を特定していなかった。これは脳の活動を画像化する機能的磁気共鳴画像法の研究を対象とした調査である。刺激に使う画像のばらつきや報告の不十分さが、研究同士の比較を難しくする問題として挙げられた。[5]

料理の写真ならどれでも同じ材料、とはいかない。「食品画像を使用」という短い説明のあとには、選んだ画像と提示条件がある。試験の見出しだけを読んで待ち受けを選ぶ前に、見るだけの操作か、別の課題との組み合わせかを確認したい。写真の存在と、写真の効き方を検証したことは別である。[5][19]

食品の評価を変えた試験と、画像への慣れを調べた実験は、問いの出発点も異なる。前者は食品と感情の結びつきに働きかけ、後者は繰り返しの中で反応がどう変わるかを観察している。どちらも食品写真が登場するからといって、同じ仕組みの証拠として足し合わせることはできない。まず操作の違いを見てから、結果の共通点を探す順番がよい。[1][19]

待ち受けという使い方では、画面を開く用事も、写真を見る長さも、そのときの生活場面に含まれる。一方、試験では画像の提示と課題が組み立てられている。実験の条件を日常の写真に移すときには、この間にある違いを省かない。反復提示で反応が保たれた結果は、眺める回数だけを増やす提案を支えるものではない。[1][2][19]

数字で読む食品画像の研究

24人:反復する食品画像への脳波を調べた研究の健康な成人参加者数である。[2]

110〜330ミリ秒:食べ物以外の画像で、前頭部のシータ帯の慣れが見られた時間帯である。[2]

41人:感情を伴う画像と食品画像を組み合わせた無作為化比較試験の対象者数である。[19]

20ミリ秒:その試験で食品画像の直前に別の画像を提示した時間で、推奨閲覧時間ではない。[19]

490本:食品画像の出所や報告方法を調べた系統的レビューの分析対象論文数である。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約