糖質制限中のランニングでケトン体は増える?作る量と筋肉が使う量を分けて読む

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研究が食い違うときは、臓器と測ったものを見る

運動を加えた研究を並べると、「ケトン食で利用が進む」と「利用に関わる遺伝子が抑えられる」という違う方向の結果がある。どちらかを隠すと、話は簡単になる。しかし食事への反応は、何をどこで調べるかによって見え方が変わる。[15][18]

8週間のケトン食を扱ったマウス研究では、ケトン体利用、脂肪分解、脂肪酸の酸化に関わる適応が、消耗する運動の能力向上に寄与する可能性が示された。脂質代謝の反応や、運動に関わる物質IL-6の反応には、筋線維の種類による違いも見られた。[15] 同じ筋肉の内部でも反応は異なる。マウスでの結果を18〜39歳の女性の走力向上にそのまま当てはめることはできない。

一方、4週間と12週間を比較したマウス研究では、ケトン食でケトン体利用に関わる遺伝子の発現が抑えられ、生成に関わる遺伝子の発現は増えていた。脂質利用に関わる遺伝子の増加は短期ではなく長期で見られた。[18] 「糖質を減らしたら、直ちにすべての利用能力が高まる」という一本道では説明しにくい。

この研究では、心臓と骨格筋の糖利用に関わる遺伝子発現も、食事だけの場合には低下したが、運動を組み合わせるとその低下は起きなかった。[18] ケトン体だけを拡大して見るより、糖や脂質の利用も含めて読むほうが、運動との組み合わせで起きた違いが見える。燃料の切り替えは、画面の設定を変更するような単一の操作ではない。

ただし、遺伝子の発現が変わったことと、人が速く走れることは別の結果である。遺伝子発現は、細胞がどの仕組みをどのように準備しているかを調べる指標であり、走行記録そのものではない。[15][18] 走る能力の結果を含む実験でも、動物の消耗する運動と、仕事のあとに気持ちよく走る時間を同じ課題として扱わないようにしたい。

細胞内の信号経路を扱った系統的レビューにも、条件による違いがある。ケトン食やケトン体を扱う研究の多くでは信号の抑制が見られた一方、βヒドロキシ酪酸の補給では別方向の反応があり、組織によって調節が異なる可能性が示されている。[1] 病態モデルを含む検討であり、18〜39歳の女性の日常のランニングに同じ反応が起きるかは、このレビューから決められない。食事、補給、絶食も同じ方法とはみなせない。

このレビューは運動能力のメタ分析ではなく、病態モデルを含めた細胞内の仕組みの検討である。[1] 研究の型が系統的レビューだからというだけで、ランナーへの答えとして最優先できるわけではない。根拠の読み方では、集め方の厳密さと、自分の問いへの近さの両方を確かめる必要がある。

研究を比べる際には、効果の大きさを何の単位で示しているかも確かめたい。濃度の増減、遺伝子発現の増減、走る能力の変化は、共通の点数に換算された結果ではない。[6][15][18] ここで扱う実験の方向が違うからといって、都合のよい結果を多数決で選ぶこともできない。研究ごとに対象と測った指標を結び直す必要がある。

また、肝臓の実験で見た相互作用を、全身の運動効果の否定と読むのも広げすぎである。加算的ではなかったのは、健康な雄マウスで検討した肝臓の代謝経路などの変化だ。[19] 「組み合わせる意味がない」と話を変えるのではなく、「この条件では、この指標は足し算にならなかった」と受け取る。結果の射程を保つことで、食事も走ることも、一つの測定値に振り回されずに考えられる。

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高い値を追う前に、何を成果と呼ぶか決める

朝の測定が高ければ成功、低ければやり直し。こう決めると、運動の目的が濃度を上げることにすり替わる。ところが、筋肉の利用が低いマウスで濃度が高かった結果を踏まえると、血中濃度だけを利用能力の目標にする理屈は成立しない。[6] まず、今日知りたいのは代謝の状態なのか、走りやすさなのかを分けるところから始まる。

例えば「いつもの道を走り終えた」「途中から脚が重かった」「帰宅後も普段の用事ができた」は、生活の記録である。それらをケトン体の生成量に換算することはできないが、走ることを続けたい人が振り返る対象にはなる。濃度が変わった理由を推測し続けるより、走行の記録と測定の記録を別々に残すほうが、何を確かめたのかが明瞭になる。

体重についても同様だ。長短のケトン食を比較したマウス研究では、体重の有意な減少は最初の数週間だけだった。[18] また別のマウス研究では、長期に好きなだけケトン食を食べる条件で、肥満と代謝状態の悪化が見られた。[20] これらのマウスの結果は18〜39歳の女性の体重変化を直接予測するものではないが、ケトン体を作る食事なら体重も健康も自動的によい方向へ進む、という一般化を避ける理由になる。

後者の研究は、脂肪組織の免疫細胞を調べ、ケトン食で炎症を抑える働きに関わる細胞が増える反応も示している。その一方で、長期の自由摂食ではその細胞が減り、代謝状態が悪化した。[20] 好ましい仕組みが見つかったことと、その食事をどの条件でも続ければよいことは同じではない。明るい結果だけを切り取らず、期間と食べ方も含めて受け取る必要がある。

だからといって、血中ケトン体の低さを健康の証拠に反転させることもできない。ここまでの実験は、値を上げる競争にも、下げる競争にも根拠を与えていない。[6][18][20] 数字に判定させたい内容を広げすぎないことが、この記事で使える実用的な線引きである。

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よくある誤解

「走ったあとケトン体が高ければ、筋肉でたくさん使えた」は成立しない。利用に関わる仕組みが弱くなったマウスでは、運動後の血中ケトン体が高く、取り出した筋肉のミトコンドリアでは利用が低かった。[6] 濃度が高いという観察から利用量の増加まで飛躍した部分が誤解である。血液の数値そのものを否定する必要はない。

「食事で増えるなら、運動を足せばもっと増える」も決めつけられない。食事と運動の肝臓への作用は加算的でなかった研究があり、別の研究では運動を組み合わせたときに血中ケトン体の変化が小さかった。[18][19] 食事と運動という同じ組み合わせでも、測る臓器や指標を省いた標語にはできない。

「ケトン食で走力が上がった研究があるから、人でも同じように速くなる」という受け取り方にも距離がある。8週間の研究が示したのはマウスの運動能力と代謝関連の変化である。[15] 対象を人に替え、さらに若い女性の日常のランニングへ移すには、その条件で確かめる必要がある。動物実験は仕組みを考える材料であり、そのまま献立を決める表ではない。

今日からできること

  • ケトン体の数字を記録するなら、食事、運動、測定を行った場面も言葉で添える。濃度だけで生成と利用を分けられないことを前提にし、高い値を目指して食事や運動を変更しない。[6][10]
  • 数字と走った実感を別の欄にする。走る能力が低くても運動後の濃度が高かったマウスの結果を、両者を同じ成績にしないための注意点として使う。[6]
  • 食事法を紹介する情報では、動物か人か、期間はどれだけかを確認する。4週間と12週間で脂質利用関連の反応が違った研究を、人の適応日数として使わない。[18]
  • 週5日、1日60分というマウスの実験条件を、自分への運動ノルマに置き換えない。食事と運動の効果が足し算になるとは限らなかった結果まで一緒に読む。[19]
  • ケトン体を上げることを目的に、極端な食事制限や消耗する運動を追加しない。食事管理や測定を治療の一部として行っている場合、その変更は医師に相談する。血中濃度と利用能力が一致しない実験を、自己流の調整を急がない理由にする。[6]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショア立川店で、数字とは別に通う時間を持つ

測定値を追う日にも、運動の予定を生活の中に置くという選び方がある。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオだ。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休である。仕事や講義の前後に通う時間を考える際は、この場所と時間を予定の軸にできる。

溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、走る日とは別に、参加する種目と通う時間を選ぶ場として検討できる。ケトン体の濃度を成果として約束する場ではなく、運動を予定に組み込む仕組みとしての案内である。

参加条件も予定を立てる前に確かめたい。医師から運動を止められている方は利用できず、妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。種目は店舗サイト、費用は料金ページ、参加の予定は体験予約で確認できる。

参考文献

[1] The effects of ketone bodies and ketogenesis on the PI3K/AKT/mTOR signaling pathway: A systematic review — Matawali A, Yeap JW, Sulaiman SF, Tan ML., 2025, Nutrition research (New York, N.Y.). DOI: 10.1016/j.nutres.2025.04.010

[6] The muscle specific MEF2Dα2 isoform promotes muscle ketolysis and running capacity in mice — Kumar S, Ji X, Iqbal H, Guan X, Mis B, Dave D, Kumar S, Besler J, Dash R, Xia Z,, 2025, EMBO reports. DOI: 10.1038/s44319-025-00578-3

[10] Quantifying endogenous and tracer-derived ketone bodies using a dual-label UHPLC-MS/MS method — Adámez-Rodríguez S, Queathem ED, Hayir A, Marina ML, Castro-Puyana M, Puchalska , 2026, Talanta. DOI: 10.1016/j.talanta.2025.128919

[15] An 8-Week Ketogenic Diet Alternated Interleukin-6, Ketolytic and Lipolytic Gene Expression, and Enhanced Exercise Capacity in Mice — Ma S, Huang Q, Tominaga T, Liu C, Suzuki K., 2018, Nutrients. DOI: 10.3390/nu10111696

[18] Short-term and long-term ketogenic diet therapy and the addition of exercise have differential impacts on metabolic gene expression in the mouse energy-consuming organs heart and skeletal muscle — Shimizu K, Saito H, Sumi K, Sakamoto Y, Tachi Y, Iida K., 2018, Nutrition research (New York, N.Y.). DOI: 10.1016/j.nutres.2018.09.004

[19] Response of Liver Metabolic Pathways to Ketogenic Diet and Exercise Are Not Additive — Huang TY, Goldsmith FR, Fuller SE, Simon J, Batdorf HM, Scott MC, Essajee NM, Br, 2020, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000002105

[20] Ketogenesis activates metabolically protective γδ T cells in visceral adipose tissue — Goldberg EL, Shchukina I, Asher JL, Sidorov S, Artyomov MN, Dixit VD., 2020, Nature metabolism. DOI: 10.1038/s42255-019-0160-6

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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