
気体を変えて動いたのは、中耳の酸素分圧と圧力だった
酸素が粘膜に吸収されて中耳が陰圧になり、飲み込みやあくびで耳管が開いて戻る、という理論がある。二つの実験はその気体を測る。あくびは、耳管が開く例として飲み込みと並ぶ。[15][18]
正常成人22人を調べた研究は成人の測定だが、18〜39歳の女性だけの結果としてそのまま扱うことはできない。鼓室では、鼓室の酸素分圧が53.7±6.5トルで、周囲の約150トルのおよそ3分の1だった。飲み込みで耳管が開いても、分圧は変わらなかった。[15]
モルモット23匹での実験を18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。この実験では、血中の二酸化炭素分圧を一定にし、吸う酸素を21、50、70、100パーセントに変えた。中耳の酸素分圧は39.3±2.2、42.2±0.84、46.6±1.1、54.5±3.7トルと上がった。動脈血の酸素を高くした程度との関係は Y=30.79+0.056×X(r=0.9440)である。拡散速度は1平方センチメートルあたり毎分2.665×10の−5乗ミリリットル、吸収は2.874×10の−5乗ミリリットルで、有意な差はなかった。著者らは、鼓室圧は周囲と同じかわずかに高く、耳管が開くと空気は鼓室から咽頭へ出る、と読む。容積の大きい乳突腔の呼吸の働きを、その結論に含めている。[15]
犬の実験も18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。犬では耳管の働きを外し、血の酸素と二酸化炭素を正常に保つと、酸素吸収による陰圧は圧力計に出なかった。過呼吸で二酸化炭素を下げ酸素を上げると陰圧になり、ティンパノメトリーでも確認された。低呼吸で逆にすると陽圧になった。著者らは、犬の中耳で酸素吸収が陰圧を作る証拠はこの実験にはなく、圧力は拡散しやすい二酸化炭素の高低と揃う、と結論する。[18]
中耳の陰圧を酸素の吸収だけで説明する読みは、犬の実験では支持されない。[18] トンネルで耳が抜ける感覚を、血の酸素が戻った証拠にはしない。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
人のあくびを見ると動く信号は、血流の酸素の名前だった
あくびが人にうつるか、共感と言い切れるかは、既存記事「あくびはなぜ人にうつる?共感の証拠と言い切れない理由を、魚と胎児とアンドロイドで読む」に譲る。魚を共感の材料にする問いも、そちらへ譲る。ここは、画像の酸素が信号の名前であることと、鏡の神経の結論が割れることだけを扱う。
1本目は、あくびの映像と、名前の付かない口の動きを機能的磁気共鳴画像で比べた。あくび特有の血中酸素濃度に依存する信号は、右の上側頭溝の後ろと、左右の上側頭溝の前で増えた。社会的な手がかりに敏感な部位と合う。ミラーニューロン系の中核とされるブローカ領域に、あくび特有の追加の活動はなかった。著者らは、模倣ではなく自動的に放たれる行為の性質と合う、と読む。あくびしやすいという自己報告は、左の扁桃体周辺の活動と負に共変した。[1]
2本目は、あくびの顔と無表情を比べ、右の下前頭回のブロードマン9野が片側で活動したと報告する。著者らはそこをミラーニューロン系の領域と呼び、伝染するあくびは共感の機能的な基盤に基づく、と結論する。9野は、心を読む課題でも活動するとされる。[2]
信号が動く点は共通で、ミラーニューロン系を中核の外に置くか、9野と共感に結ぶかで結論が割れる。対照も、名前の付かない口の動きと、無表情で違う。[1][2] 会議室で隣のあくびがうつる事態は、この映像の段に近い。鼓室のトルや、ラットのシアン化物とは別である。

頸の酸素センサーを、動きで刺激するという仮説
頸動脈小体は酸素の急な変化を感じる。2008年の論文は、あくびの動きが総頸動脈の分岐部でこの器官を機械的に刺激し、覚醒と警戒を上げる、と提案する。短絡の圧迫が血流や、ホルモンその他の物質の放出につながり得る、とも提案する。支えに挙がるのは、頸のあたりの動き、あくびが出る状況と出ない状況、眠気を誘う物質、ホルモンと伝達物質、恒常性と睡眠と覚醒と換気のつながりである。[4] 脳の低酸素を戻す防御反射は、これまで提案され、推測されてきた話として紹介される。著者らが新たに置くのは、機械刺激による覚醒である。[4]
頸動脈小体は、総頸動脈が分かれる場所に位置し、血管が豊富な器官である。仮説の著者らは、あくびに伴う頸の動きや圧迫が、この位置にある器官へ届く可能性に注目した。酸素の変化を感じる器官であっても、今回想定している入力は機械的な刺激である。器官の名前から酸素不足へ戻るよりも、何が刺激するのかを見ると、提案の特徴がつかめる。[4]
さらに著者らは、圧迫が頸動脈小体の短絡血流系に作用し、血流やホルモンなどの物質の放出へつながる可能性を挙げている。筋肉を動かすことが局所の血流に影響し、それが覚醒へつながるという道筋を考えたものだ。頸を動かせば覚醒が高まるという運動の指示ではなく、あくびの機能を説明するための候補である。[4]
この提案の支えとして論じられるのは、あくびが出る状況と出ない状況、眠気を誘う物質、ホルモンや神経伝達物質、睡眠・覚醒・換気のつながりである。[4] ここでいう覚醒は、起きている状態の側の問題だ。眠気の自己評価や、脳波の変化など、どの測り方で捉えるかによって検証する問いも変わる。ラットの研究では、口を開ける大きな吸気より前に、皮質脳電図が覚醒の側へ移った。[3] この時間的な順序は、あくびを最後の吸気だけで捉えないための具体的な観察になる。
別の理論として、1993年のレビューは、パニックを窒息監視機構の誤警報として説明する統合仮説を提示した。二酸化炭素への過敏さを含む理論で、ため息やあくびの伝染も読み直す対象に含まれる。[9] こちらの中心はパニックの説明であり、頸の動きによる覚醒という提案とは、説明しようとする現象が異なる。理論を読むときは、何を説明するための仮説かを先に確かめたい。
手術の8人と冬の魚は、別の低酸素である
前立腺を経尿道的に切除する男性患者30人の研究である。18〜39歳の女性の日常生活にそのまま当てはめる対象ではない。この研究では、脊髄くも膜下麻酔のあと脳灌流圧が有意に下がり、頸静脈球の酸素飽和度も手術前の61パーセント±1を下回って有意に低下した。麻酔は高比重0.5パーセントのブピバカイン3ミリリットルを、座って第3・第4腰椎のあいだへ入れ、第10胸髄の高さまでブロックした。[16]
終わり近く、8人にあくび、いらだち、落ち着かなさ、吐き気がそろった。著者らは灌流液の吸収による症候群の早いサインとみなした。この8人では、頸静脈球の酸素飽和度が55パーセント未満のデータの点が63パーセント、50パーセント未満の点が42パーセントあった。神経の症状は、灌流液の吸収だけでなく脳の酸素化の障害でも起こり得る、と結論する。[16] あくびは、下がったデータの点と並ぶサインである。対象は脊髄くも膜下麻酔下の手術中の8人であり、ホットヨガの部屋のあくびと同じサインにはしない。
冬のオオクチバスの研究も、18〜39歳の女性への直接の根拠にはならない。この魚では、成魚9匹が溶存酸素1リットルあたり2.0ミリグラム未満の水を避け、中間の濃度は使っていた。幼魚は、同じ閾値未満であくびと上下の移動が変わり、組織の乳酸は変わらなかった。著者らは、この濃度が冬の行動の臨界かもしれないと書き、要因は複数だとも書く。[13] 行動の名前が同じでも、条件は冬の溶存酸素である。乳酸が動かないので、行動の変化を嫌気的代謝の証拠にはしない。

よくある誤解
「あくびの回数を数えれば酸素飽和度が分かる」という読み方は、相関と測定を取り違える。129人の研究で、あくびの頻度と平均酸素飽和度との相関は r=−0.31 だった。[6] これは集団の中での関連を表す数値であり、個人の回数を酸素飽和度へ換算する式ではない。日中のあくびを記録する場合も、眠気や前夜の睡眠を伝える手がかりとして使うのが、この研究の結論に沿う。
「画像研究で酸素の信号が増えたなら、酸欠を補った証拠だ」という理解も修正したい。機能的磁気共鳴画像の研究が比較したのは、あくびの顔と別の映像を見たときの脳活動に関係する信号である。[1][2] 研究で使う「酸素」という単語は共通でも、測定している現象は違う。
「耳が抜けたら血の酸素も戻った」という実感にも、測定の取り違えがある。中耳の研究が追ったのは、鼓室の酸素分圧や圧力だった。[15][18] あくびで起こる感覚を言葉にするとき、耳の圧が変わった感じと、目が覚めた感じを別々に伝えるだけでも、経験の中身が具体的になる。
今日からできること
- 会議であくびが出ても、その場を酸欠と決めず、眠気と並べて見る。無呼吸が疑われる129人では、あくびの頻度はエプワース尺度と r=0.46 で正の相関だった。[6]
- あくびの多さを話すとき、平均順位を回数と呼ばない。無呼吸指数30超の群は平均順位75.76、5未満の群は43.48である。[6]
- 15分に3回以上は、脳梗塞の患者を観察した区切りである。10人では期間の平均が58時間、161人では42.9パーセントにこの区切りのあくびがあった。午後の自分の回数を、この定義の患者に当てはめない。[5][12]
- 隣のあくびがうつったら、映像でも起きる反応として扱う。動いたのは、映像を見たときの血流の酸素に依存する信号である。[1][2]
- 耳を抜くためにあくびをしても、血の酸素が戻った証拠にはしない。成人22人の鼓室の酸素分圧は53.7±6.5トルで、周囲の約150トルのおよそ3分の1だった。[15]
- 日中の強い眠気や、いびきとあくびの多さが気になるときは、前夜の睡眠と翌日の様子を整理して医師に相談する。129人の研究も、終夜検査と翌日のあくびを組み合わせて調べた。[6]
あくびの理由が割れても、オンザショア立川店では時刻を先に固定する
午後のあくびを酸欠の補充だと決めなくても、体を動かす時刻だけは週の初めに固定できる。論文が分けて見せるのは、あくびと酸素の測り方が場面で違うということであり、オンザショア立川店のレッスンが酸素を補うという話ではない。続ける仕組みとして、週に1回か2回の枠を先に置く。
予定を決めるときは、店の案内 https://ontheshore.jp/ と料金のページ https://ontheshore.jp/price/ を確認できる。体験の予約は https://site.locaop.jp/C0aVK?_src=hp にある。ヨガの体験は税込1,980円の60分で、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。
営業の開閉は8時から23時30分、年中無休である。これは店の開閉の時刻で、レッスンの開始とは別だ。8時の回は土曜と日曜だけで、平日の朝いちばんは月曜から木曜が10時、金曜が13時、夜の遅い回は水曜と金曜の21時開始である。12月29日から1月3日は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
妊娠中の人は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている人は利用できない。溶岩プレートを敷いたホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上ある。場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3階である。
参考文献
[1] Yearning to yawn: the neural basis of contagious yawning — Schürmann M, Hesse MD, Stephan KE, Saarela M, Zilles K, Zilles K, Hari R, Fink G, 2005, NeuroImage. DOI: 10.1016/j.neuroimage.2004.10.022
[2] Mirror neuron activity during contagious yawning–an fMRI study — Haker H, Kawohl W, Herwig U, Rössler W., 2013, Brain imaging and behavior. DOI: 10.1007/s11682-012-9189-9
[3] Yawning responses induced by local hypoxia in the paraventricular nucleus of the rat — Kita I, Sato-Suzuki I, Oguri M, Arita H., 2000, Behavioural brain research. DOI: 10.1016/s0166-4328(00)00295-3
[4] Does yawning increase arousal through mechanical stimulation of the carotid body? — Matikainen J, Elo H., 2008, Medical hypotheses. DOI: 10.1016/j.mehy.2007.06.027
[5] Insular and caudate lesions release abnormal yawning in stroke patients — Krestel H, Weisstanner C, Hess CW, Bassetti CL, Nirkko A, Wiest R., 2015, Brain structure & function. DOI: 10.1007/s00429-013-0684-6
[6] Importance of yawning in the evaluation of excessive daytime sleepiness: a prospective clinical study — Catli T, Acar M, Hanci D, Arikan OK, Cingi C., 2015, European archives of oto-rhino-laryngology : official journal of the European Federation of Oto-Rhino-Laryngological Societies (EUFOS) : affiliated with the German Society for Oto-Rhino-Laryngology – Head and Neck Surgery. DOI: 10.1007/s00405-014-3302-1
[9] False suffocation alarms, spontaneous panics, and related conditions. An integrative hypothesis — Klein DF., 1993, Archives of general psychiatry. DOI: 10.1001/archpsyc.1993.01820160076009
[12] Pathological Yawning in Patients with Acute Middle Cerebral Artery Infarction: Prognostic Significance and Association with the Infarct Location — Aksoy Gündoğdu A, Özdemir AÖ, Özkan S., 2019, Balkan medical journal. DOI: 10.4274/balkanmedj.galenos.2019.2019.7.49
[13] The influence of dissolved oxygen on winter habitat selection by largemouth bass: an integration of field biotelemetry studies and laboratory experiments — Hasler CT, Suski CD, Hanson KC, Cooke SJ, Tufts BL., 2009, Physiological and biochemical zoology : PBZ. DOI: 10.1086/591806
[15] Partial oxygen tension of middle ear cavity in a normobaric environment — Koyama S., 1989, Nihon Jibiinkoka Gakkai kaiho. DOI: 10.3950/jibiinkoka.92.68
[16] Does spinal anesthesia affect cerebral oxygenation during transurethral prostatectomy? — Atallah MM, Hoeft A, El-Ghorouri MA, Hammouda GE, Saied MM., 1998, Regional anesthesia and pain medicine. DOI: 10.1097/00115550-199823020-00002
[18] Experimental evidence against middle ear oxygen absorption — Buckingham RA, Stuart DR, Geick MR, Girgis SJ, McGee TJ., 1985, The Laryngoscope. DOI: 10.1288/00005537-198504000-00012
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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