
硬い筋肉と、よく働く筋肉を混同しない
肩の後ろを触って「硬い」と感じたとき、知りたいのは悪い筋肉の名前かもしれない。しかし、硬さを専門の機器で測ったとしても、痛みや機能を知るには、それぞれの評価が必要になる。腱板の硬さを測定する超音波技術の系統的レビューでは、測定の信頼性と、ほかの指標との対応は分けて評価されている。[8]
このレビューが扱ったのは、せん断波エラストグラフィと呼ばれる、超音波を使って組織の硬さを調べる技術だ。肩の痛みがある人とない人を含む42報を検討した。18〜39歳の女性に限定した結果ではなく、この年代の女性の硬さの判断基準としてそのまま用いることはできない。同じ検者が測る際の棘上筋、棘下筋、小円筋の再現性には、中程度の根拠があった。検者が変わる場合、小円筋についての根拠は限定的だった。[8]
一方、硬さの数値と別の評価との関連は一貫せず、患者とそれ以外を区別する性能や、変化を捉える性質にも結果の不一致があった。著者らは、全体として中程度の信頼性を認めつつ、測定方法を改善する研究が必要だと結論している。同じように測れることと、健康状態を正しく言い当てられることは、別々の課題なのである。[8]
日常で「肩の後ろが張る」と言うときも、感覚を記録することと、原因を決めることを分けたい。専門機器による硬さの測定ですら解釈に条件があるのだから、指で押した感触だけに筋肉の成績表を任せるのは急ぎすぎだ。張った感じを否定する必要はない。その感覚に、特定の腱の損傷という結論まで背負わせないのである。[8][20]
筋肉の活動もまた、別の数字だ。部分的な腱板断裂の患者44人を対象にした無作為化比較試験では、同期型の遠隔リハビリと対面リハビリを比較した。同期型とは、その場でやり取りしながら行う方式である。両群で肩の機能と、棘下筋などの筋活動に改善が見られた。群の平均年齢は55.55歳と57.00歳で、18〜39歳の女性一般に同じ効果をそのまま当てはめることはできない。[19]
それでも痛みの結果は同じではなかった。安静時の痛みは4週時点、活動時の痛みは4週と8週時点で対面群が良好だった。著者らは、対面方式のほうが痛みの軽減に有効で、同期型遠隔方式も機能、筋活動、満足度を改善する実行可能な手段だと結論している。活動が変わったか、痛みが変わったかを分けて見る必要がある。[19]
この試験で比べたのは、腱板の部分断裂に対するリハビリの提供方式だった。動画で同じ動きをまねれば同じ結果になる、という読み方にも進めない。対象の状態と、どのように支援を受けたかまで含めて、試験の結果である。[19]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
痛みを許す研究は、我慢比べではない
棘下筋を鍛える方法を探すうちに、「痛みがあっても動かしたほうがよい」という説明に出会うかもしれない。慢性の腱板の腱障害を持つ患者84人を対象とした無作為化試験の二次解析では、運動中の痛みを異なる範囲に設定し、その設定を守れたかが調べられた。ここでの主な問いは、痛みの許容範囲を分けて実施できるかである。対象は腱障害の患者であり、18〜39歳の女性が自己流で運動する際の痛みの基準に、そのまま当てはめることはできない。[2]
参加者は肩の痛みが3か月を超えて続き、超音波で確認された棘上筋または棘下筋の腱障害がある人だった。介入期間は26週で、痛みを数値で評価する尺度で5まで許す群と、3未満に抑える群に分かれた。どちらも標準化された理学療法のプログラムを行い、痛みや運動を記録していた。[2]
実際の運動中の平均痛みは、許容群で2.8、抑制群で1.6となり、群の間に差が保たれた。痛みを許すという設定でも、平均は許容上限を下回っていた。研究の上限値だけが切り取られると、この実際の様子が抜け落ちる。[2]
この解析は「痛いほど外旋筋が育つ」という主張を検証したものではない。確認されたのは、設定した痛みの範囲を守れたことと、運動や通院の継続状況である。痛みに耐えた人ほど筋力が増えた、という結果に読み替えるべきではない。医療の中で条件を決めた運動を、自己流の我慢の基準へ転用しないことが必要だ。[2]
継続の数字にも読みどころがある。痛みの記録の遵守率は76%から68%へ、運動の記録は75%から61%へ低下した。一方で参加者の75%は、理学療法の全8回のうち6回以上に出席していた。運動そのもの、記録、対面の支援は、ひとまとめの「続いた」では表せない。[2]
記録の遵守率が下がる様子を、意志が弱いという話にしなくてよい。著者らは20週以降の低下について、その時期が最終の理学療法の回と重なる可能性に触れている。支援が終わる時点を考える材料にはなるが、監督の終了が低下を起こしたと確定した結果ではない。筋肉の仕組みを知ることに加えて、取り組みを支える条件にも目を向けたい。[2]
こうした継続の結果を読むときは、記録を残さない日があったことと、運動をしなかったことを同じにしない視点も必要になる。この研究では、痛みの記録、運動の記録、理学療法への出席を別々に扱っていた。自分の取り組みを振り返る際も、「書けたか」と「取り組めたか」を分ければ、何を調整したいのかが具体的になる。記録の割合を、そのまま本人の努力の割合と見なす必要はない。[2]

よくある誤解
「肩の後ろが痛いなら、棘下筋が原因だ」という決め方はできない。肩の病変は、変性、外傷、機械的な要因などが重なる。画像診断では腱の質、筋萎縮、脂肪浸潤などの関連所見も評価する。場所の名前を覚えることと、診断名を付けることの間には、専門的な評価が挟まる。[20]
「外旋筋だから、関節を支える仕事とは別だ」という理解も狭い。腱板は回転と安定性に関与し、棘下筋と小円筋の断裂を模擬した実験でも前方安定性に影響が出た。外へ回す動きが見えない場面でも、筋肉の役割を回転だけに限定しないほうがよい。[5][14]
「硬さを測れば、必要なケアが自動的に決まる」とも言えない。硬さの測定技術には一定の再現性がある一方、ほかの評価との関連や変化の捉え方には一貫しない結果がある。数字が付くと説明が完成したように見えるが、測った対象と、その数字が意味することは別に確かめる必要がある。[8]
「研究でよかった手術なら、誰の肩でも同じようによくなる」という期待にも条件がある。下部僧帽筋の腱移行を扱ったレビューは、外旋機能や残った腱板の状態を重視する。手術の結果を、症状のない人の運動効果や、スタジオでの指導の効果に広げることはできない。[7]
今日からできること
- 名前を整理するなら、棘下筋と小円筋を腱板の仲間として覚える。腱板を構成する4つの筋肉は、回転と関節の安定性に関わる。暗記のゴールを、痛みの自己診断に置かない。[14][20]
- 肩の様子を相談する際は、どこが気になるかに加えて、どの動作で困るかを言葉にする。部分断裂患者44人の試験でも、痛み、機能、筋活動は別々に評価されていた。感覚と動作を分けるための手がかりになる。[19]
- 外旋の運動中に痛みがある場合は、研究の数値だけを自分の許容値にしない。84人の解析で使われた痛みの設定は、診断と理学療法の支援を伴う条件だった。続く痛みや動かしにくさは医師に相談する。[2]
- 続け方を考えるなら、運動の実施と記録を分けて振り返る。26週の介入で記録の遵守率は低下しており、書けなかったことだけで取り組み全体を失敗扱いにしない。[2]
- 画面越しの指導を選ぶ際は、その場で相談できる方式かも確認する。44人の試験で検討されたのは同期型のリハビリで、対面群の痛みの結果が良好だった。方式の違いを飛ばして、遠隔ならすべて同じとは考えない。[19]

オンザショア立川店で、続ける予定を考える
肩の筋肉の名前を知ったあとは、運動を生活のどこに置くかという問いが残る。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオだ。
営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。ただし、これは店の開閉時刻で、レッスンの開始時刻とは異なる。予定を立てる際は、その日のレッスンを確認する。年末年始の12/29〜1/3は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加の条件を確かめたうえで、店のトップで予定を、料金案内で料金を確認できる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験予約は、通う時間を具体的に決めてから利用できる。
参考文献
[2] Adherence to Exercise Intervention Including Pain Threshold, Exercise and Physiotherapy Sessions for Patients With Chronic Rotator Cuff Tendinopathy. — Åxman S, Svensson RB, Cullum C, Magnusson SP, Kjær BH., 2026, Archives of physical medicine and rehabilitation. DOI: 10.1016/j.apmr.2026.07.009
[4] Lower trapezius tendon transfer for posterior-superior irreparable rotator cuff tears: a comprehensive narrative review. — Baek CH, Kim BT, Kim JG, Lim C, Van Duy Ho A, Miranda LA, Duerinckx Q., 2026, JSES reviews, reports, and techniques. DOI: 10.1016/j.xrrt.2026.100700
[5] Simulated tears of antero-posterior rotator cuff force-couple and reduced glenoid concavity decrease anterior glenohumeral stability: a robot-assisted biomechanical analysis of a load and shift sequence. — Karlsfeld MJ, Wermers J, Tänzler S, Sußiek J, Herbst E, Katthagen JC., 2026, Archives of orthopaedic and trauma surgery. DOI: 10.1007/s00402-026-06383-4
[7] Lower Trapezius Transfer for Irreparable Posterosuperior Rotator Cuff Tears. — Sanchez-Sotelo J., 2024, Current reviews in musculoskeletal medicine. DOI: 10.1007/s12178-024-09885-z
[8] Measurement properties of shear wave elastography for evaluating rotator cuff muscle stiffness: a systematic review. — Borms D, Van Bladel A, Steyaert A, Hougs Kjær B, Maenhout A., 2025, Journal of shoulder and elbow surgery. DOI: 10.1016/j.jse.2024.10.014
[13] USMSIT/NMUSIT Fundamental Guide on Diagnostic and Interventional Shoulder Ultrasonography. — Chang KV, Wu WT, Tsai YY, Chi SY, Mezian K, Ricci V, Boudier-Revéret M, Özçakar L., 2026, Journal of medical ultrasound. DOI: 10.4103/jmu.jmu-d-25-00156
[14] Various Strategies of Tendon Stem/Progenitor Cell Reprogramming for Tendon Regeneration. — Ahn SY., 2024, International journal of molecular sciences. DOI: 10.3390/ijms252111745
[19] Is synchronous telerehabilitation effective in the treatment of rotator cuff tears? – a randomized controlled trial. — Zirek E, Analay Akbaba Y, Guven MF., 2025, Physiotherapy theory and practice. DOI: 10.1080/09593985.2025.2526021
[20] [Lesions of the rotator cuff and biceps tendon]. — Yel I., 2024, Radiologie (Heidelberg, Germany). DOI: 10.1007/s00117-023-01251-3
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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