
赤ちゃんの反応を、平均値だけで決めない
乳児の感情調整とは、感情の生じ方やその調節に関わる働きを指す。乳児期の個人差を扱ったレビューは、生後1年の間にも、行動面、生理面、気質面の特徴によって異なる調整のパターンが存在すると論じている。[7] 対象は乳児期の発達であり、18〜39歳の女性自身の感情調整へそのまま当てはめる研究ではない。集団全体の傾向だけを見ると、すべての乳児に当てはまるかのような一般化につながりうるという指摘だ。[7]
このレビューはハグの効果量をまとめたものではない。ハグの実験を家庭へ持ち帰るとき、集団の結果と目の前の子の違いをどう受け止めるか、その背景になる研究である。[7] 「研究では落ち着いたらしい」という情報と、「今日は抱いても落ち着かない」という経験を、どちらかが間違っているものとして争わせる必要はない。
母親の行動も、乳児の特徴との相互作用を含め、感情調整の発達に関係するとレビューは整理している。[7] ここも「母親のやり方ですべて決まる」とは読めない。子の特徴と周囲の関わりの組み合わせを考える議論だからだ。反応の違いを見つけることと、責任の所在を決めることは、同じ作業ではない。
レビューが今後の課題に挙げているのは、複数の方法で反応を捉える研究、時間を追って変化を見る研究、より広く家族の関係を考える枠組みである。[7] これは、赤ちゃんの感情の調整を、その場の表情や母親だけの振る舞いに縮めずに理解しようとする方向だ。[7] ハグの際の心拍を知ることは、その広い問いの中の具体的な窓になる。
家族に研究の話を伝えるときも、「ハグが効くらしい」だけで終わらせず、「抱き方や月齢によって心拍の反応が違った」と伝えるほうが、実験に近い。[2] 言葉を少し足すだけで、親への新しい義務として渡されがちな情報を、子を観察するための知識として共有しやすくなる。決まった反応を引き出す係を、誰かに割り当てる必要はない。
日常のメモを残すなら、「ハグ成功」「ハグ失敗」という欄より、抱く前の様子、誰が抱いたか、どんな動きをしていたかを書くほうが観察に近い。これは家庭向けの観察の提案であり、検証された改善プログラムではない。点数をつけるためではなく、思い込みだけでその日の出来事を片づけないための工夫だ。
たとえば帰宅後、泣いている子を抱く場面を思い浮かべたい。親が望む結果は、料理を再開できることかもしれない。一方、研究が捉えたのは抱かれている間の心拍間隔だった。[2] このずれがあるからこそ、家事が再開できなかった夜を、親子の触れ合いそのものの失敗にしなくてよい。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
抱いている親の側にも、測れる反応がある
ハグの心拍実験では、抱かれる乳児だけでなく、抱いている親にも心拍間隔の増加が見られた。[2] 親が一方的に子を落ち着かせるという図だけでは、測定された出来事を言い尽くせない。測定対象は乳児を抱く親であり、18〜39歳の女性全般に同じ反応が生じるとまでは広げられない。触れ合いの時間には親側の生理的な反応も伴っていた、というのが研究の結果である。[2]
ただし、それはハグが親の疲れを解消するという結論ではない。親の心拍が変化することと、睡眠不足や家事の負担がなくなることは別だ。抱いている瞬間の生理反応を見た研究から、育児全体の負担についてまで答えを出さないようにしたい。[2]
親の受け止め方を考える補助線として、口唇口蓋裂の乳児を対象にした別のランダム化比較試験がある。この試験は、上顎に用いる装置の有無が母親の満足度に影響するかを調べたもので、装置を使う群と使わない群は各27人だった。[19] 対象は口唇口蓋裂の乳児とその母親であり、18〜39歳の女性全般の満足度へそのまま当てはめることはできない。比較したのは装置治療の有無で、抱擁の頻度や強さではない。
母親たちは赤ちゃんを抱いたり、一緒に歩いたりすることには高い満足を示す一方、自分自身のために使える時間には最も満足していなかった。装置の有無で母親の満足度に差はなく、著者らも装置治療が満足度に影響しないと結論している。[19] 特定の医療的背景を持つ家族の結果であり、すべての育児家庭の割合を示すものではない。
それでも、触れ合いをうれしく感じることと、自分の時間が足りないと感じることが同居していた点は読み取れる。[19] 「抱くのが好きなら、疲れないはず」という見方では、この結果を受け止められない。赤ちゃんとの時間を大切にする話に、親が自分の予定を持つ余地も残しておきたい。

よくある誤解
「ぎゅっと強く抱くほど、よく落ち着く」は、今回の心拍実験の結果を表していない。実験は通常のハグと強いハグを分けており、頭の動きが少ないことに伴う大きな心拍間隔の増加は、親のハグで特徴的に見られた。[2] 愛情を伝えたいからと力を追加する、という勧めにはならない。
「月齢にかかわらず、赤ちゃんの反応は同じ」も違う。生後4か月を超える乳児と、それより幼い乳児では、親のハグに対する心拍の反応が異なった。[2] また、個人差のレビューは、乳児の行動・生理・気質が異なる調整のパターンを形づくると論じている。[7] ほかの家庭の子と同じ反応を求める根拠にはならない。
「泣きやまないなら、絆が足りない」という判断は、心拍の研究の範囲を越える。著者らの親子の絆への示唆は、抱かれたときの生理反応から考えられたものであり、泣き声を使った親子関係の採点ではない。[2] 採血時に泣く時間が短かった試験も、抱擁と母乳吸啜を組み合わせた医療場面の比較である。[1] 結果をひとつの育児の合格基準へ縮めないことが大事だ。
また、「親のハグ」という言葉を見て母親だけの役目に狭めることも避けたい。心拍実験の結論は親子のハグについて述べている。[2] 母親の行動を扱ったレビューや満足度の試験を併せて読んでも、それぞれの研究対象の名前を、家庭内の役割を固定する規則には変えられない。[7][19]
今日からできること
- 抱く力を増やすことを目標にしない。抱いて支える条件とハグ、強いハグを分けた実験の結果は、「強いほどよい」という指示ではない。[2]
- 反応を見るときは月齢も考える。生後4か月を超える群と未満の群で異なった結果を、誕生日の合否判定にせず、発達による違いとして受け止める。[2]
- 泣き声だけで触れ合いを評価しない。心拍の実験と、採血時の泣く時間を比較した試験では、測ったものも場面も違う。[1][2]
- ほかの子との比較より、その子の様子を言葉にする。乳児期の感情調整には、行動・生理・気質の個人差があるというレビューを手がかりにする。[7]
- 親自身の予定も相談する。抱くことへの満足と自分の時間への不満足が同居した試験を、家庭で負担を話し合うきっかけにする。[19]
これらは論文から生活へ引き寄せた考え方であり、心拍を下げるための実施手順ではない。家庭で抱くたびに測定を始める必要もない。研究を知ったことで観察する視点が増え、同時に「こう反応しなければならない」という決めつけが減る。その程度の距離で使える情報にしておきたい。
抱き方や健康状態に個別の不安がある場合は、医師に相談する。採血など医療処置を受ける場面の対応も医療者と確認する事項だ。痛みの試験を読んで、家庭の判断だけで処置の仕方を変更する話にはしない。

親自身の予定を置く場所としてのオンザショア
育児の予定とは別に、自分が体を動かす時間を置く。そのための続ける仕組みとして、オンザショア立川店の場所やレッスンを確認する、という選び方がある。店舗はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングを扱っている。ヨガのレッスンは25種類以上だ。営業時間は8:00〜23:30だが、これは店の開閉時刻であり、レッスンの開始時刻とは異なる。家族と予定を調整するときは、参加したい回の時刻を確認することになる。
参加する内容を選ぶ際には、妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがあることを確認したい。医師から運動を止められている方は利用できない。レッスンの種類は店舗サイト、通い方の条件は料金ページで確認できる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。家族と参加できる時間を相談したうえで、体験予約へ進める。
参考文献
[1] Effect analysis of embracing breast milk sucking to relieve pain of neonatal heel blood sampling: a randomized controlled trial. — Wu H, Zhang J, Ding Q, Wang S, Li J., 2021, Annals of palliative medicine. DOI: 10.21037/apm-21-329
[2] Infants Show Physiological Responses Specific to Parental Hugs. — Yoshida S, Kawahara Y, Sasatani T, Kiyono K, Kobayashi Y, Funato H., 2020, iScience. DOI: 10.1016/j.isci.2020.100996
[7] Emotion regulation in infancy through the lens of individual differences: Insights and future directions. — daSilva EB., 2025, Infant behavior & development. DOI: 10.1016/j.infbeh.2025.102096
[19] Presurgical orthopedics and satisfaction in motherhood: a randomized clinical trial (Dutchcleft). — Prahl C, Prahl-Andersen B, Van’t Hof MA, Kuijpers-Jagtman AM., 2008, The Cleft palate-craniofacial journal : official publication of the American Cleft Palate-Craniofacial Association. DOI: 10.1597/07-045.1
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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