
30分以内の昼寝でも、脳卒中のオッズ比は1.27だった
病気との関係は、短い昼寝にも及ぶ。2025年の系統的レビューとメタ分析は、昼寝の長さと脳卒中のリスクの関係を、昼寝をしない人と比べた研究13本で調べた[9]。研究の方法は、ばらつきがとても大きかった[9]。昼寝の長さは脳卒中のリスクと有意に結びつき、1〜30分の昼寝でオッズ比(起こりやすさの比)は1.27、90分を超える昼寝では1.79だった[9]。著者らは、高血圧や糖尿病、軽い炎症など、脳卒中の危険因子につながる仕組みを論じている[9]。
もうひとつ、大きな数字がある。2019年の研究は、7つの地域の116,632人を、中央値で7.8年追った(題名では21か国)[3]。そのあいだに4,381人が亡くなり、4,365件の大きな心血管の病気が記録された[3]。見積もった1日の眠りの合計は、6〜8時間でリスクがもっとも低かった[3]。昼寝については、夜に6時間を超えて眠っている人では、昼寝の時間が、死亡と大きな心血管の病気をあわせたリスクの高さと結びついていた。夜の眠りが6時間以下の人では、そうではなかった[3]。昼寝の時間は、本人の申告による[3]。
夜に十分眠っているのに長く昼寝をする人と、夜が短いので昼寝で埋めている人とでは、同じ昼寝でも意味が違うのかもしれない。これは私の読みで、116,632人の研究は観察研究、脳卒中のほうは昼寝をする人としない人を比べた研究を束ねたメタ分析である。昼寝が脳卒中や心臓の病気を起こすとは言えない。
総説は60分未満でリスクがもっとも低いとし[15]、脳卒中のメタ分析は30分以内でも昼寝をしない人より1.27だった[9]。比べる相手が違う。いまの時点で言えるのは、長い昼寝ほど関連が強いという向きはそろっているが、短い昼寝が病気を防ぐとまでは示されていない、ということだ。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
その夜の眠りを削ったのは、長くて遅い昼寝だった
「昼寝 何分 夜」と打ち込む人が気にしているのは、たぶん今夜の寝つきである。2024年の研究は、16歳前後の153人について、睡眠日誌と活動量計の記録を解析した。一度も昼寝をしない人は除いてある[18]。
昼寝は週に平均2.3回、長さは平均82分、始まる時刻は平均14時58分で、平日と週末で長さも時刻も差がなかった[18]。検索窓に「何分まで」と打つまでもなく、10代の参加者は平均で1時間20分あまり寝ていたことになる。前の晩に眠った長さは、次の日に昼寝をするかどうかも、その長さも予測しなかった[18]。学校のある日は、朝早く起きた日ほど昼寝をしやすく、昼寝の時刻も早まった[18]。
学校のある日にいつもより長く昼寝をすると、その夜の眠りが短くなった。週末にいつもより遅く昼寝から起きると、寝る時刻が遅れた[18]。著者らの結論は、昼寝がその夜の眠りに害になりうるのは、長くて遅い場合に限られるかもしれない、というものだ[18]。
なぜ遅い昼寝が夜に響くのか。手がかりになる古い研究がある。1987年の研究は、昼寝を10時、12時、14時、16時、18時、20時、夜中の4時に置き、それまで起きていた時間を2時間から20時間まで変えた[5]。寝つくまでの時間は午後にもっとも短かった[5]。一方、眠りの脳波のうちゆっくりした波(デルタ波とシータ波)の強さは、時刻とは関係なく、それまで起きていた時間が長いほど強くなった[5]。著者らはこの波を、起きていた時間を測る砂時計にたとえている[5]。
午後2時の昼寝は寝つきやすく、夕方6時の昼寝は砂がたくさん落ちたところで眠ることになる。夕方の長い昼寝が今夜の寝つきを遠ざける、という話と砂時計を結ぶのは私の読みだが、153人の記録で遅い昼寝が寝る時刻を遅らせたことと、向きは合う[18][5]。昼に浴びる光と夜の眠りの関係は、同じ特集の日光の記事に譲る。

分数ではなく、眠りの段階で起こすという試み
タイマーの分数を決めても、その分数だけ眠れるとは限らない。バスケットボールの試験の著者が断ったように、昼寝の機会の長さと眠った長さは同じではない[12]。
そこで、時間ではなく眠りの段階で起こす試みがある。2025年の試験は、昼寝の効果はN2と呼ばれる眠りの段階に入ってから9分で起こすときに最大になる、という前提から出発した[17]。血流の指標から眠りの段階を読み、その時に自動で起こす仕組みを作った。そのうえで健康な大人81人(平均33.6歳)を、自動で起こす群、睡眠ポリグラフ(脳波などで眠りを測る検査)を見ながら人が起こす群、昼寝をせず休む群に無作為に分けた[17]。
昼寝のあとの6回の測定のすべてで、自動で起こした群の眠気と疲れは、休んだだけの群より下がり、人が起こした群と同じくらいだった[17]。一方、数字と記号を置き換える課題の成績が休んだだけの群より上がったのは、人が起こした群の6回目だけで、自動の群では伸びは見られなかった[17]。仕組みは学習のデータを足して作り直され、50人で試すと段階を見分ける精度が上がった[17]。眠気は装置で軽くできても、作業の成績まではまだ届いていない。
選手向けの2025年の総説は、もう少し手で扱える目安を出している。昼寝にいちばんよい時間帯は13時から15時で、朝起きてから5〜6時間後[13]。前の晩の眠りに応じて20〜40分か60〜90分を選び、昼寝から運動までは少なくとも60分あけるとよい[13]。昼寝の効き目は運動の強さと関係していた[13]。
よくある誤解
「短い昼寝なら、起きてすぐ頭がさえる」。運動習慣のある17人の試験では、25分の昼寝でも起きて30分の成績はそのあとより低く、だるさが抜けるまで少なくとも1時間かかった[7]。30分の昼寝の効果は、起きて10分後のテストには表れず、3時間後に出た[14]。短い昼寝が軽いのは確かだが、軽いことと、起きてすぐ頭がはっきりすることは別である。
「長い昼寝は損をする」。60分を超える昼寝は冠動脈の病気や糖尿病のリスクの高さと結びついていたが、これは関連である[15]。選手の試験では、60分を超える昼寝で持久力の伸びがいちばん大きく[6]、90分の昼寝は起きて2時間近くたってから、一部の指標で25分より大きく良くなった[7]。損か得かは、昼寝のあとに何をするか、どれだけ待てるかで変わる。
「タイマーの分数が、眠った分数だ」。横になってから眠りに落ちるまでの時間があるので、休む機会の長さと眠った長さは同じではない[12]。昼寝の効果を眠りの段階で狙う試みでは、N2に入ってから9分という目安が前提に置かれていた[17]。

今日からできること
- 昼寝のすぐあとに、大事な判断を置かない。25分の昼寝でも、だるさが抜けるまで少なくとも1時間かかった[7]
- 午後の昼寝は60分以内を目安にする。60分未満で頭の働きの伸びがいちばん大きく、60分を超えると病気のリスクの高さとの関連が出ていた[15]
- 今夜の眠りを守りたい日は、昼寝を長くしすぎず、遅い時刻に回さない。153人の記録で、長い昼寝はその夜の眠りを短くし、遅く起きた昼寝は寝る時刻を遅らせた[18]
- 昼寝のあとに運動するなら、60分以上あける。選手向けの総説の提案で、体力テストの試験でも昼寝のあと60分起きていてから測っていた[13][12]
- 昼寝の時刻は13時から15時、朝起きてから5〜6時間後を目安にする。選手向けの総説の提案である[13]
- 長く眠ってもすっきりしない昼寝や、日中の強い眠気が何日も続くときは、医師に相談する
昼寝から1時間あけて、オンザショアへ
選手向けの総説が勧めていたのは、昼寝から運動まで60分以上あけることだった[13]。昼休みに目を閉じた日なら、仕事の帰りには十分に時間がたっている。当店のレッスンで眠気がとれるとは言わない。昼の重さが抜けたあとの夜に、体を動かす時間を決めておく場所として使ってもらえればよい。
夜の遅い回は水曜と金曜の21時開始で、店は8:00〜23:30に開いている。年中無休だが、年末年始(12/29〜1/3)は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。
初めてなら体験レッスン(ヨガ)が税込1,980円で、60分のレッスンとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが入る。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できないが、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。体験の予約、料金、店のトップから確かめられる。
参考文献
[3] Association of estimated sleep duration and naps with mortality and cardiovascular events: a study of 116 632 people from 21 countries — Wang C, Bangdiwala SI, Rangarajan S, Lear SA, AlHabib KF, Mohan V, Teo K, Poirie, 2019, European heart journal. DOI: 10.1093/eurheartj/ehy695
[5] EEG power density during nap sleep: reflection of an hourglass measuring the duration of prior wakefulness — Dijk DJ, Beersma DG, Daan S., 1987, Journal of biological rhythms. DOI: 10.1177/074873048700200304
[6] The effect of daytime napping on the athletic performance of team ball sports athletes: systematic review and meta-analysis — Zheng J, Ye Y, Li X, Peng J., 2026, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2026.1878224
[7] The effects of sleep inertia following EEG-monitored short and long naps on perceptual, cognitive, and physical performance in recreational athletes — Boukhris O, Suppiah H, Kerkeni M, Trabelsi K, Chtourou H, Driller M., 2026, Chronobiology international. DOI: 10.1080/07420528.2025.2597953
[9] Nonobvious connections between napping and stroke: a systematic review and meta-analysis — Kaźmierski R, Jurga S, Wojtasz I, Kostanek J, Łukasik M, Watala C., 2025, Sleep medicine reviews. DOI: 10.1016/j.smrv.2025.102157
[10] Strategic daytime napping enhances agility and lowers perceived exertion but does not improve fatigue resistance in adolescent soccer players — Öncü M, Eken Ö, Aldhahi MI., 2026, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-026-39637-7
[12] Effects of 30- and 90-Minute Afternoon Nap Opportunities on Field-Test Performance in Female Collegiate Basketball Players — Fang S, Ye Y, Gao Y, Li X., 2026, Journal of visualized experiments : JoVE. DOI: 10.3791/73475
[13] The effects, mechanisms and strategies of daytime napping on athletes: a narrative review — Yu H, Yang C, Xu C, Zhuang Y., 2025, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-025-05724-2
[14] Afternoon naps can improve prospective memory performance by strengthening cue monitoring — Ding Y, Gao C, Gan J, Guo Y., 2025, Psychological research. DOI: 10.1007/s00426-025-02221-1
[15] Multiple Health Outcomes of Daytime Napping: A Comprehensive Umbrella Review — Du P, Li J, Hua Z, Sun Y, Song S, Liao Y, Cheng S, Li X., 2026, Public health reviews. DOI: 10.3389/phrs.2026.1609013
[17] Effects of optimal timed automatic awakening from a short daytime nap on cognitive performance, alertness, and fatigue — Suzuki Y, Suzuki C, Suzuki Y, Kawana F, Ohigashi T, Maruo K, Watanabe T, Abe T., 2025, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-025-21008-3
[18] Bidirectional associations between the duration and timing of nocturnal sleep and daytime naps in adolescents differ from weekdays to weekends — Leong RLF, Tian L, Yu N, Teo TB, Ong JL, Chee MWL., 2024, Sleep. DOI: 10.1093/sleep/zsae147
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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