
研究の「3秒」を、そのまま自分の合格点にしない
収縮時間を具体的に扱った研究として、アキレス腱の性質を調べた実験がある。人が足首で床を押す方向へ力を出したときの腱を対象にしている。18〜39歳の女性の筋力低下を判定する検証としては扱えない。筋力測定と超音波を組み合わせ、最大の力を出す収縮、3秒かけて力を上げる収縮、一定の力を3秒保つ収縮を比較した。[1] ここでは同じ3秒でも、力を上げる時間と、保っている時間が分かれている。
持続収縮の条件は最大腱張力の25%、50%、80%であった。最大の25〜80%の範囲では、力を加える速さによる腱の硬さへの影響は見られなかった。一方、最大の25%までの範囲では力を加える速さの影響があり、力を持続させる方法でその影響が小さくなった。[1] 研究が見ているのは、力のピークだけではなく腱の力学的な性質である。
この結果は、時間の条件を整えることが測定の意味に関わる具体例になる。ただし、腱の硬さを測る方法として使われた3秒を、「3秒保てれば筋力は正常」と読み替えることはできない。[1] 腱を調べるための時間設定と、筋力低下を判断する基準では、答えようとしている問いが違う。
また「3秒かけて増やす」と「3秒間保つ」では、同じタイマーを使っても指示が違う。測る人に確認したいのは、単に何秒かという数字だけではなく、いつから数えるか、何を保つか、どの指示に従うかである。この実験で収縮の方法を分けていたこと自体が、時間だけを抜き出さない理由になる。[1]
検索結果で秒数を見つけたときも、その数字の前後にある名詞を読む。腱の硬さなのか、最大筋力なのか、保持時間なのか。短い数字は覚えやすいが、数字が答えられる問いまで一緒に覚えておきたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
検査の長さと、鍛えるための時間は別に読む
競技動作への効果も扱う等尺性トレーニングのナラティブレビューには、最大筋力を伸ばす目的で最大随意収縮の80〜100%、保持1〜5秒、筋肥大を目的とする条件として70〜75%、保持3〜30秒という整理がある。最大随意収縮とは、自分の意思で出す最大の力のことである。[2] この秒数はトレーニング条件の説明であり、正常と異常を分ける検査時間ではない。競技者の訓練も扱う整理であり、18〜39歳の女性全般に同じ強度と時間を勧める根拠にはしない。
レビューはさらに、最大筋力を目指す条件としてセッション全体の収縮時間30〜90秒、筋肥大を目指す条件として80〜150秒を超える総収縮時間などを示している。[2] 保持時間だけを切り取ると、強さ、合計時間、目標との組み合わせが抜け落ちる。ここから家庭向けの一律の最大努力テストを作るのは適切ではない。
測る課題と練習する課題の関係も見ておきたい。健康な18〜45歳を対象とする32研究、621人の系統的レビューとメタ分析では、止まって力を出す訓練は、動かす訓練より等尺性筋力を伸ばした。標準化平均差は0.43であった。18〜39歳の女性にも年齢範囲は重なるが、その女性集団だけの効果として直接当てはめることはできない。一方、一定の速度で関節を動かす等速性筋力では、訓練方法間の有意差はなかった。[20]
標準化平均差は、測定の尺度が異なる研究をまとめて比べるための効果量であり、力が43%増えたという意味ではない。この分析では、筋力をまとめた結果は動かす訓練に対して0.35、95%信頼区間0.21〜0.48だったが、測り方を分けると先ほどの違いが現れた。[20] 「筋力が伸びる」という見出しの中にも、どんな課題で伸びたかという層がある。
そのため、保持する検査の成績が変わったときも、すぐに全身の動作が同じ割合で変わったと考えない。測定課題に近い力の変化をまず読み、日常で困っていた動作の変化は別に確かめる、という順序が妥当である。[20] この区別なら、記録が伸びた喜びを損なわず、数字に働かせすぎることもない。
訓練のレビューでは、関節角度に応じた筋力の伸びも論点となっている。最大筋力を目指す条件には、複数の関節角度、または目標とする関節角度で行う方法が含まれる。[2] 止まって力を出すという説明が同じでも、どの位置で練習するかが残る。姿勢を変えた後の成績を読む際は、保持の長さに加えて、練習した位置と測った位置も確かめたい。

よくある誤解
「長く保てないなら最大筋力も必ず低い」という理解は、指標を一つにまとめすぎている。膝の痛みがある人の横断研究では、最大の力と等尺性持久力、動かす課題の持久力をそれぞれ測っており、群間差の割合は異なった。[3] 一緒に低い傾向があることと、どれかが残りを完全に説明することは別である。
「測る秒数さえそろえれば比較できる」という思い込みにも注意したい。膝・足首の系統的レビューは、筋群、姿勢、固定方法ごとに測定の性質を評価した。[7] 例えば前回は座位で器具に固定され、今回は違う姿勢で測ったなら、同じ秒数だったという情報だけで続きの記録にしない。検査を行う側に条件を確認するほうが先である。
「再現性が高い検査なら、小さな変化にも必ず意味がある」とも限らない。足首のレビューでは、再現性の根拠が強くても、測定誤差についての判断はなお限定的であった。[8] 数字の変化を見つけることと、その変化を大切な改善・悪化と評価することの間には、別の判断がある。前回より少し低いだけで、自分を筋力低下と決めつける必要はない。
疲れやすいという実感を、検査の保持時間とそのまま同じものにしないことも大切だ。ここで紹介した持久力の測定は、特定の筋群で決められた課題を行った記録である。[3] 夕方の全身のだるさを、そのまま同じ物差しで説明するための研究ではない。生活での困り方は具体的な言葉で伝え、検査値は検査値として一緒に見てもらいたい。
今日からできること
- 手元の検査票で、最大の力、保持時間、反復回数のどれが記録されているかを確かめる。60人の膝痛研究でも、これらは別の指標だった。[3]
- 前回と比べる際は、検査の名称に加えて姿勢や固定条件を確認する。123研究をまとめたレビューでも、測定条件ごとに根拠を整理している。[7]
- 「3秒」という説明を受けたら、力を増やす時間なのか、保つ時間なのかを確かめる。腱の実験ではこの両方が別の条件として用いられた。[1]
- 訓練の保持時間を検査の合格点に流用しない。レビューの1〜5秒や3〜30秒は、目標と力の強さを伴った訓練条件である。[2]
- 記録を見せるときは、持ち上げるときと持ち続けるときのどちらで困るのかも書き添える。最大の力と等尺性持久力の差が同じではなかった研究の区別を、相談の整理に生かせる。[3]
記録用のメモには、測った値に加えて、受けた指示を自分の言葉で残す方法がある。「押し始めから数えた」「決めた位置で保った」といった一言なら、後日見直したときに時間の意味を思い出せる。腱の実験のように、同じ秒数でも収縮の方法は分かれるためだ。[1] 数字の横に短い動詞を置くと、記録が生活の言葉に戻る。
例えば帰宅後に疲れを感じた日のメモであれば、「今日は弱かった」で閉じず、どの荷物をどこまで運び、何が困ったのかを残す。これは家庭で限界保持テストを行う提案ではない。検査を受ける際に、聞きたいことを整理するための書き方である。痛みや力の入りにくさについて判断が必要な場合は、医師に相談する。

オンザショアで、ポーズの秒数より参加する内容を選ぶ
姿勢を保つ運動が気になったら、検査の秒数を目標にする前に、どんなレッスンに参加するかを考える。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上あり、店のトップで内容を確認できる。検査の保持時間と、参加したい運動の選択は、それぞれ目的を確かめて進めたい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件を確認したうえで、通う時間を予定に置く。朝に通うか、用事の帰りに寄るかも選ぶ手掛かりになる。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休で、JR立川駅北口から徒歩1分。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。
ヨガの体験は税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約を確認し、持ち物と参加する時間を具体的にできる。記録を伸ばすための秒数探しから、暮らしに置ける運動の選択へ進むための案内だ。
参考文献
[1] Loading rate and contraction duration effects on in vivo human Achilles tendon mechanical properties — McCrum C, Oberländer KD, Epro G, Krauss P, James DC, Reeves ND, Karamanidis K., 2018, Clinical physiology and functional imaging. DOI: 10.1111/cpf.12472
[2] Brief Review: Effects of Isometric Strength Training on Strength and Dynamic Performance — Lum D, Barbosa TM., 2019, International journal of sports medicine. DOI: 10.1055/a-0863-4539
[3] Influence of symptom frequency and severity on hip abductor strength and endurance in individuals with patellofemoral pain — Van Cant J, Declève P, Garnier A, Roy JS., 2021, Physical therapy in sport : official journal of the Association of Chartered Physiotherapists in Sports Medicine. DOI: 10.1016/j.ptsp.2021.02.001
[7] Portable Dynamometry Is Reliable for Measuring Knee and Ankle Strength in Daily Practice: Results From a Systematic Review With Meta-analysis and Evidence Gap Map Using the COSMIN Methodology — Gajardo-Burgos R, Jaque de la Barra T, Ramírez-Campillo R, Waiteman MC, Sáez de , 2026, The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. DOI: 10.2519/jospt.2026.14091
[8] Measurement Properties of Hand-Held Dynamometry for Ankle Strength Assessment: A COSMIN-Based Systematic Review and Meta-Analysis — Lourenço Ferreira MH, Völker Oliveira JV, Junior NC, Dutra de Oliveira TM, Santo, 2026, Musculoskeletal care. DOI: 10.1002/msc.70285
[20] Effects of isometric vs. dynamic resistance training on isometric and isokinetic muscular strength: A systematic review with meta-analysis — Ghayomzadeh M, Li J, Eidy F, Keshavarz M, Sabag A, Fornusek C, Hackett DA., 2025, Journal of science and medicine in sport. DOI: 10.1016/j.jsams.2025.07.011
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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