ダイエットのアプリは通知が多いほど続く?運動日の記録と中断の研究を読む

ダイエットのアプリを開く前に、通知だけで疲れていないか。医療用アプリのレビューや試験から、リマインダーが役立つ場面と、便利でも負担になる場面を分けて読む。運動日の記録では通知の回数だけでなく、受け取る時刻、入力の手間、続けたい気持ちまで確かめるための考え方を示す。

夕食の皿を洗い終えたのに、「今日の記録」の通知が残っている。運動は済ませた。夕食も食べた。それでも画面の中には、まだ終わっていない仕事がある。健康のために入れたアプリから、宿題だけが届く夜だ。

ダイエットのアプリで、通知の多さを継続の目安にする根拠は不足している。医療用アプリの研究では、リマインダーを備えた仕組みに高い参加度がみられる一方、利用者が便利さと通知の負担を同時に感じる例もある。通知の有無と、通知を増やす効果は別の問いである。[2][4]

このページで考えるのは、体重を減らすアプリの順位ではなく、記録の呼びかけが生活に入れる条件だ。医療用アプリの結果を、そのまま健康な人の運動記録や減量の成果に置き換えることはできない。[1][4] 既存記事「スマートウォッチとアプリで痩せるのか 歩数が増えても体重が変わらない理由」に成果の問いを譲り、ここでは通知を受け取ってから入力を終えるまでの負担を読む。

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通知があることと、多いことを分ける

リマインダーとは、予定していた行動を思い出すための呼びかけである。慢性的な心臓・代謝の病気を持つ患者のアプリ利用を扱ったレビューでは、参加度を、自己管理への関与や参加の程度として捉えていた。測定にはログイン数、使用頻度、メッセージのやりとり、完了した課題の数などが使われている。[4] 同じ「続いた」でも、どの行動を数えたかで意味が変わる。

この研究は系統的レビューをさらに検討したレビューで、対象となったのは3件の系統的レビューに含まれる10件の臨床試験・実行可能性研究だった。各研究の人数は6〜270人で、男性が中心だった。慢性疾患の管理を目的とする集団なので、18〜39歳の女性の運動記録にその参加度をそのまま当てはめることはできない。参加度は50〜97%の幅があり、リマインダー機能を備えたスマートフォンの仕組みで高い参加度が報告された。[4]

ここで読めるのは、思い出す仕組みが支援になりうるということだ。この幅は通知の回数を増やしたときの変化を表していない。研究ごとに参加度の数え方も対象も異なるため、単一のアプリの利用者全員に同じ割合を期待する読み方はできない。著者らも、特定の介入における長期の参加度を扱う、より質の高い研究の必要性を述べている。[4]

たとえば運動したことを忘れる人と、運動したのは覚えているが食事の入力が面倒な人では、必要な助けが違う。この違いはアプリを選ぶ際の問いとして使える。前者には思い出す呼びかけが合うかもしれない。後者は通知の数より、呼びかけの後に待っている作業を見たい。忘れたのか、入力する余裕がないのかを、同じ「未記録」に押し込めないことだ。

夜の空欄を見たら、まず自分が何を残したかったかに戻る。運動した日の感触なのか、生活の予定なのか、食事の振り返りなのか。目的が違えば、必要な画面も違う。レビューの参加度には複数の指標が含まれるので、ログイン回数だけを健康管理の完成度と読むのは飛躍になる。[4] 通知を消した数を数えても、運動した日の意味までは決まらない。

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役立つアプリにも、負担は残る

初期の精神病症状がある人や発症リスクが高い人を対象とした多施設ランダム化比較試験では、対面の心理療法に日常生活で使うアプリを組み合わせている。ランダム化比較試験とは、参加者を無作為に分けて介入を比較する研究だ。ただし、ここで読む利用状況や受け入れやすさは、その試験の介入群を調べた二次的な結果である。精神病症状への支援を受ける集団であり、18〜39歳の女性の日常的なダイエット記録へ、その負担の割合をそのまま当てはめることはできない。[2]

試験全体では15〜65歳の148人が割り付けられ、アプリを含む介入群は71人だった。利用ログを分析した58人では、週にアプリを使った回数が13回、通知への応答は週24件のうち6件、25%だった。[2] 開いた回数と、通知に応答した回数は一致していない。すべての通知に応答していなくても、アプリの利用があったことを示す数字である。

さらに振り返りの評価が得られた46人では、受け入れやすさに関する各項目で85〜96%が少なくともある程度の有用性を認めた。一方、91%は通知の数や長さによる負担を少なくともある程度感じていた。[2] 便利だと思うことと、疲れないことは同義ではない。役に立つからこそ我慢して使う、という状態も数字の中に含まれうる。

このアプリは、対面の心理療法で扱う技能や技法を日常生活でも使うための介入である。運動や食事を入力するリマインダーとは、呼びかけの目的も、その後に行う課題も異なる。91%という負担の割合や通知への応答率は、この治療の文脈で読む数字であり、通知が中断を引き起こしたことを示す比較でもない。[2] 読者が持ち帰れるのは、便利さだけを聞くと負担を見落とす、という評価の視点だ。「役立ったか」と「受け取るのが重かったか」を別々に考える価値がある。

仕事中に通知を見て、帰宅後に入力するつもりだった。ところが帰宅すると、今度は別の記録を求められる。これは研究の参加者の具体例ではなく、運動日の生活に置き換えて考える場面である。呼びかけを読んだ瞬間に動けるのか、後回しにするだけなのか。未応答を怠けと決める前に、通知が届いた場所と、その後に必要な手順を思い出したい。

回数より先に、受け取れる時刻を考える

がん患者の臨床上の生活に合わせて通知を共同設計した研究は、頻繁な通知とその時刻が生む負担に注意を向けている。技術者、心理学の専門家、腫瘍の専門医、患者が設計の各段階に関わり、患者に届きやすくしてデータ収集を支える個別化された通知の仕組みを作った研究だ。がん治療中の生活を前提にした設計なので、18〜39歳の女性の運動日にそのまま適用できるかは別に確かめる必要がある。[13] 利用者の生活を、完成後の付け足しにしない考え方である。

この設計研究を、個別化した通知なら必ず継続率が上がるという効果の証明として扱うことはできない。[13] それでも、朝の固定時刻に一律に鳴らす仕組みと、その人の予定に合わせる仕組みでは、設計の出発点が違う。運動記録へ応用するなら、設定画面に「時刻を変えられるか」という問いを持ち込める。何時が正解かを決める処方ではなく、選べる余地を確認する提案だ。

高血圧の人の塩分摂取を扱うアプリ介入では、過去のデータから通知が有効そうな状況を学ぶアルゴリズムの設計が報告されている。アルゴリズムとは、判断を進める手順である。この仕組みは、通知後30分以内にアプリを開きそうな状況で呼びかけ、過去に有効性が低かった状況では送らないよう設計された。高血圧の人の塩分管理という目的があり、18〜39歳の女性の運動記録に同じ判断手順が合うかは別の検討を要する。[5]

重要なのは、30分が運動記録に適した時間という意味ではないことだ。研究ではアプリを開くという目標に対し、どの状況で呼びかけるかを学ばせている。[5] 夜の通知を朝に変えるだけで成果が出ると約束する話でもない。通知の成功を何で測るかを、先に決める必要がある。

この方法論の報告では、学習の目標、最適化する時間幅、統計モデル、計算の負担、途中で集まるデータの欠測などが課題として挙げられている。[5] 受け取らなかった通知にも、判断の難しさがある。運動日の設定を考えるときは、高度な機能名より「その呼びかけのあと、私は入力できるか」を見るほうが具体的だ。中央線の満員電車の中で片手がふさがっているなら、その時刻は自分の候補から外せる。

通知を選ぶ前に、運動日のどの場面を支えてほしいかも決めておきたい。行く予定を忘れないための呼びかけと、終わった運動を記録するための呼びかけでは、必要な時刻も入力内容も違う。前者なら出かける前、後者なら振り返れる場面を候補にするという整理だ。これは読者が設定を点検するための例であり、研究で比較した最適な時刻ではない。

アプリを開くことを目標に設計された通知は、開いたあとに運動や食事がどう変わるかとは区別して評価する必要がある。[5] 自分の設定でも、通知を見たこと、記録を終えたこと、予定していた行動をしたことを混ぜないようにしたい。起動できる通知でも、記録したい項目にたどり着けなければ設定を見直す余地がある。通知の音を変える前に、その先で何をしたいのかを言葉にする。

数字で読む通知と参加の違い

3件の系統的レビュー、10件の試験など:慢性の心臓・代謝の病気を対象に、参加度の測り方も含めて検討したレビューである。[4]

週24件のうち6件、25%:心理療法とアプリを組み合わせた試験の利用ログでの通知応答であり、運動の達成率ではない。[2]

91%:同じ試験の振り返り評価で、通知の数や長さに少なくともある程度の負担を感じた割合である。[2]

平均3.4分:交代勤務の看護師を対象にした小規模な実行可能性研究での入力時間である。[6]

17%と56%:若い嚢胞性線維症患者の予備的評価で、継続希望と日常生活の支援という別の質問から得られた割合である。[15]

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