心肺機能は赤血球が多いほど高い?血液検査の濃さと酸素を運ぶ総量を分ける

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総量が変わっても、運動能力は同じ割合では動かない

総量を測ればすべて解決する、という話にもならない。男性の一流バイアスロン選手15人を実験群7人、対照群8人に無作為に分けた高地訓練の試験では、実験群で総ヘモグロビン量が6.4%増えた。それでも、段階的に負荷を上げる走行台検査での最大酸素摂取量と最大負荷には、有意な変化が認められなかった。男性の一流競技者の結果であり、18〜39歳の一般女性の運動による変化量へはそのまま当てはめられない。[6]

訓練は3週間にわたり、生活する高度と、持久練習やインターバル練習をする高度を組み合わせたものだった。比較対象も一流選手であり、日常のヨガや散歩をそのまま再現したものではない。「赤血球に関わる値が増えたら、最大酸素摂取量も必ず増える」という単純な予測に対する反例として読むのが適切だ。[6]

変化が見えたのは、最大未満の負荷での効率だった。最大より低い負荷で動く際のエネルギーコストは、実験群で対照群より有意に低下した。体力の変化を最大値だけで見るか、限界より下の動きで見るかで、同じ研究の景色が変わる。総量の増加と最大酸素摂取量の不変を見て、運動に関する変化がすべてなかったと決めるのも早い。[6]

血液の酸素運搬と運動能力の関係を別の方向から検討したのが、献血後の研究である。閉経前の女性10人、平均年齢24.7歳を追った予備的研究では、総ヘモグロビン量は献血前の562 gから499 gへ低下した。最大酸素摂取量も平均7.2%低下し、12週間後でも献血前より平均3.2%低い状態だった。[2]

著者らは、多くの閉経前の女性では12週間で総ヘモグロビン量と鉄の貯蔵が献血前の状態に戻らず、有酸素能力の低下が長引き、続けて献血すると重い貧血になりうると述べている。女性を対象にした点は読者に関係が深いが、人数の少ない予備的研究である。それでも、12週間が過ぎれば回復したと判断してよい結果ではない。血液の総量、鉄の状態、最大酸素摂取量をそれぞれ追った研究として、この警告まで含めて受け止めたい。[2]

男性の研究もある。中程度に訓練された24人を、献血群16人と比較群8人へ無作為に分けた試験では、献血後に最大出力、ピーク酸素摂取量、総ヘモグロビン量が低下した。それぞれ最大の低下は4%、10%、7%で、影響は献血後4週間まで観察された。同じ研究内でも、総量と能力の変化率は一致していない。男性を対象としたため、18〜39歳の女性の低下率や回復期間はこの試験から直接予測できない。[3]

この試験の結論は、最大に近い持久能力は変化したが、最大未満の持久能力は変化しなかったというものだ。高地訓練では最大未満の負荷で変化が見え、こちらでは最大側の変化が目立った。日常の階段の感覚、検査で到達する最大値、競技での出力を、同じ名前でひとまとめにしない理由がここにもある。[3][6]

さらに、赤血球を作る働きに関わる物質を用いた研究を集めた系統的レビューでは、訓練された持久系選手を対象とする10研究が採用された。総ヘモグロビン量、濃度、ヘマトクリットと、最大・ピーク酸素摂取量には改善が見られた一方、最大未満の能力への効果はさらに研究が必要とされた。訓練された選手への物質投与の結果を、18〜39歳の一般女性が通常の運動で得る変化へそのまま当てはめることはできない。これは研究の比較材料であり、自分で物質を使うための提案ではない。[14]

このレビューと高地試験は、片方が正しく片方が誤りという関係ではない。介入の内容、対象、測った能力が異なるからだ。血液の変化が運動能力に関係する証拠と、ある指標だけでは能力の変化を保証できない証拠は、両方とも大切にしたい。検査値を体力へ換算する共通の計算式を、これらの結果から作ることはできない。[3][6][14]

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よくある誤解

「血液検査の赤血球関連の値が高い人ほど、心肺機能も高い」は、測定対象の取り違えを含む。ホッケー選手で最大酸素摂取量と関連したのは総ヘモグロビン量であり、濃度やヘマトクリットではなかった。自分と友人の検査票を並べても、その順番が持久力の順番になるわけではない。[4]

「総量が増えれば、必ず最大酸素摂取量も増える」も成立しない。高地訓練の試験では、総量が増えても最大酸素摂取量は有意に変わらず、最大未満の負荷でのエネルギーコストが改善した。何の能力を評価したいのかが曖昧なままでは、血液側の変化を正しく位置付けられない。[6]

「血が濃いほどよい」という健康全般への広げ方にも根拠はない。赤血球増加症と血栓リスクを検討したレビューでは、原因となる病態によってリスクが異なり、ヘマトクリットだけでは説明できないと論じられている。一方で、「濃いと必ず血栓になる」という決め付けも同じレビューの内容とは合わない。対象は赤血球増加症などの病態であり、18〜39歳の健康な女性の検査値とリスクの対応へそのまま当てはめることはできない。異常値を良し悪しの単純な言葉に翻訳しないことだ。[20]

この臨床レビューは、運動をする一般の人の安全な目標値を設定したものではない。病気の診断や治療を、自分の心肺機能の向上策へ転用する理由にもならない。健診で指摘を受けた値は医師に相談する。高い数値を褒めるにも、低い数値を怖がるにも、先にその数値が何を表しているかを確かめたい。[20]

また、女性の献血研究で長い回復経過が示されたからといって、息が上がる場面をすべて献血や赤血球のせいにすることもできない。研究が追ったのは、特定の女性集団での献血後の変化である。その結果は相談時の背景として役立つが、個人の不調の原因を検査票なしに決める道具ではない。[2]

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今日からできること

  • 検査票では、気になる数字の項目名と単位をそのまま控える。「ヘモグロビン」とだけ覚えず、濃度を測った値なのかを確認する。代表選手34人の研究でも、濃度と総量は別の方法で測られていた。[4]
  • 前回と値を比べる際は、採血日と運動の記録を並べ、変化の理由は医師に尋ねる。16日間の特殊な安静実験では、血漿量の減少と濃度の上昇が同時に生じており、濃度の変化だけで赤血球の増減を決められない。[8]
  • 献血後に息切れや疲れが続くときは、献血した時期も伝えて医師に相談する。女性10人の研究では、多くの女性で12週間では総ヘモグロビン量と鉄の貯蔵が戻らず、続けて献血すると重い貧血になりうると著者らが警告している。[2]
  • 運動の記録には、限界で出した結果なのか、余力のある負荷での感覚なのかも書き添える。男性24人の試験では、献血の影響が最大と最大未満の能力で異なっていた。[3]
  • 血液の数値を上げること自体を練習目標にしない。3週間の高地訓練で総量が増えても最大酸素摂取量は有意に増えなかった。検査の評価と、自分が続けたい運動の予定を分けて考える。[6]

記録の目的は、体を数字の競争へ連れ出すことではない。相談する時に、何を測った値なのか、どんな運動の変化があったのかを取り違えずに伝えるためだ。血液を測る研究と運動能力を測る研究が別の検査を組み合わせているように、暮らしの中でも、検査票と運動の経験を並べておく。そのうえで判断を医師に委ねる方が、数値から独自の目標を作るより筋が通る。[2][4]

オンザショア立川店で、運動を予定に置く

血液の数字を上げることより、今の体調で続けられる運動を予定に置きたい。オンザショア立川店では、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティスも選べる。ヨガだけでも25種類以上のレッスンがあり、参加した運動と、その日の息の弾み方を記録する機会にできる。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。検査値についての相談は医師に行い、参加できる運動を確かめておきたい。

営業時間は8:00〜23:30、年中無休。JR立川駅北口から徒歩1分で、所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。

店のトップ、料金ページ、体験の予約で内容を確認できる。次の健診の数字だけを待つより、毎週の予定に無理のない運動の枠を置き、自分が何を続けられたかも残していこう。

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参考文献

[2] Impact of a single blood donation on hemoglobin mass, iron stores, and maximum oxygen uptake in pre-menopausal women-A pilot study — Wachsmuth NB, Haupt S, Bauer P, Schierbauer JR, Treff G, Steinacker JM, Rilstone, 2024, Transfusion. DOI: 10.1111/trf.17917

[3] Effect of Repeated Whole Blood Donations on Aerobic Capacity and Hemoglobin Mass in Moderately Trained Male Subjects: A Randomized Controlled Trial — Meurrens J, Steiner T, Ponette J, Janssen HA, Ramaekers M, Wehrlin JP, Vandekerc, 2016, Sports medicine – open. DOI: 10.1186/s40798-016-0067-7

[4] Total hemoglobin mass, iron status, and endurance capacity in elite field hockey players — Hinrichs T, Franke J, Voss S, Bloch W, Schänzer W, Platen P., 2010, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e3181a5bc59

[6] The effects of hypobaric hypoxia on erythropoiesis, maximal oxygen uptake and energy cost of exercise under normoxia in elite biathletes — Czuba M, Maszczyk A, Gerasimuk D, Roczniok R, Fidos-Czuba O, Zając A, Gołaś A, M, 2014, Journal of sports science & medicine. DOI: なし

[8] Red cell volume and [erythropoietin] responses during exposure to simulated microgravity — Branch JD, Pate RR, Bodary PF, Convertino VA., 1998, Aviation, space, and environmental medicine. DOI: なし

[14] Recombinant Human Erythropoietin Effects on Well-Trained Athletes’ Endurance Performance: A Systematic Review — Alberdi-Garciandia A, Santos-Concejero J., 2025, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports13030078

[19] Techniques to Assess the Effect of Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors on Blood Volume in Patients with Diabetic Kidney Disease — Vinje V, Bomholt T, Rossing P, Lundby C, Oturai P, Hornum M., 2024, Nephron. DOI: 10.1159/000534396

[20] Re-evaluation of hematocrit as a determinant of thrombotic risk in erythrocytosis — Gordeuk VR, Key NS, Prchal JT., 2019, Haematologica. DOI: 10.3324/haematol.2018.210732

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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