
組み合わせる工夫が、かえって選択を減らすこともある
食品の見せ方を複数組み合わせれば、効果も足し算になるのだろうか。持続可能な料理の選択を増やそうとした研究は、魅力を伝える料理名の説明と、比較用のおとり料理を検討した。説明は言葉による工夫、おとりは選択肢の組み合わせによる工夫である。同じ目的でも、働きかける場所は異なる。[14]
研究は段階を分けて行われた。料理名の説明の魅力を学生に確かめた後、学食の料理を使った420人の無作為化選択研究を実施した。さらに企業の食堂では820人の客が、4週間にわたって翌週の特別メニューに投票した。机上の選択と食堂での投票を含む構成である。学生や企業の食堂の客という対象から、18〜39歳の女性全体の注文行動を直接説明するには隔たりがある。[14]
結果では、説明を付けた料理名のほうが、持続可能性の高い料理の選択頻度を増やすのに効率的だった。一方、おとり効果を狙った条件では、対象料理の選択頻度が減った。料理名の説明とおとりを組み合わせる方法も推奨されなかった。比較相手を用意しただけで、狙う方向へ選択が進むとは限らなかったのである。[14]
この研究の中心は持続可能な料理の選択であり、ダイエット中の中間サイズではない。それでも「仕掛けを増やせば、思いどおりに注文を誘導できる」という単純な理解には歯止めをかける。店側が意図した選択と、実際に人がした選択は分けて確かめる必要がある。[14]
料理名そのものが好みや注文をどう変えるかは、隣の記事「ダイエットの食事は料理名でおいしく感じる?説明の言葉と注文の変化を研究で読む」に譲る。ここで見ているのは、料理をどう呼ぶかではなく、何と並べて比べたかという関係だ。真ん中の料理だけを凝視していても、選択の全体像は見えない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
菓子の組み合わせで、比較相手の働きが変わる
菓子を選ぶ実験では、魅力の低い比較相手を加えることが、健康的な食品とそうでない食品との間で、健康的な選択肢を選ぶ助けになった。一方で、健康的な食品だけの組み合わせでは同じ効果は目立たず、健康的でない食品だけの組み合わせでは効果が顕著だった。選択肢全体の性質によって結果が変わったのである。菓子を選ぶ消費者の結果を、18〜39歳の女性の一食の量へ広げるには、対象と食品の違いを考慮する必要がある。[13]
この研究が手がかりにしているのは、複雑な判断を簡便にする「ヒューリスティクス」である。食品を毎回すべての属性から評価する代わりに、比較相手との関係を手がかりとして選ぶ。その判断の近道を利用し、健康的な菓子に選好が向くかを検討した。[13]
注目したいのは、健康的な食品だけの組み合わせと、健康的でない食品だけの組み合わせで、おとりの働きが違った点だ。比較用の食品を足すという同じ操作でも、もともと何が並んでいるかが結果を左右した。単に選択肢の数を増やす話として読むより、追加した食品と既存の食品との関係を見る必要がある。[13]
ここまでの研究をつなぐと、比較の条件には異なる層がある。豚肉では価格・品質・安全性という属性と、情報が加わる順序。ポケボウルでは、その属性を分けて見るか、全体を捉えるかという考え方。菓子では、選択肢全体の健康的・非健康的という構成である。これらを「大きいものが隣にあるから」の一言で片づけると、選好が動いた条件を取り落とす。[7][9][13]
食事のサイズ表に戻るなら、まず何を比較しているかを確かめたい。量だけの比較だと思っていても、値段や具材の違いが同時に目に入っているかもしれない。これは実験の結論を注文に置き換えるための観察の視点であり、食べる量を減らす効果が確かめられた方法ではない。
サイズの名称だけでは、料理の中身までそろわない。ご飯の量だけを変えるメニューなのか、主菜も付け合わせも変わるメニューなのかは、その店の表示で確認したい。これは栄養の基準値を推測するより先にできる読み取りだ。同じ「中」でも何が中なのかを確かめることで、自分が比較している対象をはっきりさせられる。
小盛りを選べるようにすることと、その中で中間を選ぶことも別の問いである。提供サイズの幅は隣の記事「ダイエットの食事は小盛りを選べれば減る?提供サイズの幅と注文量を研究で読む」で扱う。また、既存記事「ダイエットの食事は大きなお玉で増える?取り分ける道具と一皿の量を研究で読む」は、注文の比較ではなく盛り付ける道具の話である。

よくある誤解
「真ん中なら食事量の目安として正しい」という理解は飛躍がある。妥協効果の研究で扱われたのは、豚肉製品の価格や品質、安全性、あるいはポケボウルの購入意向と支払意思額である。比較の中で選ばれやすい位置と、個人に合う食事量は同じ意味ではない。中間を選ぶ理由があっても、それだけで適量という判定はできない。[7][9]
「高い料理を加えれば、狙う料理が必ず選ばれる」という思い込みも成立しない。価格を使ったオンライン試験では、繰り返し試しても主効果が認められなかった。食堂の料理を扱った研究では、おとりによって対象料理の選択頻度が減った例さえある。「効果」という名称が付いていても、毎回同じ方向へ働く保証ではない。[1][14]
「比較に影響されるのは、考えずに選ぶ人だけ」という決めつけにも注意したい。ポケボウルの実験では、考え方の誘導によって、優位な属性への引きつけと中間への選好が異なって強まった。よく考える人かどうかの人格評価ではなく、どの属性を、どの組み合わせで見たかを考える手がかりになる。[7]
また、こうした実験の結果から、目の前の客や家族の判断を「誘導された」と言い当てることはできない。集団で見られた選択の違いは、その場にいる個人の心の説明書ではない。本人が好きだから選んだ可能性も、予算に合った可能性も残る。研究を読む目的は、他人の注文に心理学の札を貼ることではなく、自分の比較基準を増やすことにある。
今日からできること
次の工夫は、食べる量を減らす効果が検証された手順ではない。比較の影響を調べた研究を手がかりに、注文理由を確認するための提案である。最小サイズを選ぶ競争にせず、食べたいものと量を考える余地をつくりたい。[1][7][9]
- 注文前に、いま重視する条件を言葉にする。価格なのか、料理の中身なのか、量なのか。属性の見方で購入選好が異なった実験を、決め手を確かめるきっかけにする。[7]
- 中間サイズが気になったら、端のサイズをいったん隠したつもりで、その料理自体を読み直す。極端でない位置が好まれた研究と、自分が食べたい理由を区別するための問いかけだ。[9]
- 追加の案内を見る前に何を頼むつもりだったかを思い出す。先に選択してから比較情報を加えると効果が弱まった実験は、情報の順序を振り返る材料になる。[9]
- 「比較したら魅力的だった」と「食べてちょうどよかった」を別々に記録する。購入意向を測った研究を、食後の適量の証明として使わないための整理である。[7]
- メニューの工夫を見つけても、その場で効果を決めつけない。オンライン試験の2つの結果はいずれも主効果なしだった。仕掛けの存在より、自分が何を選びたいかへ目を戻す。[1]
外食のたびに実験をする必要はない。昨日の注文を思い出し、「中間だったから」以外の理由をひと言添えるだけでも、問いは具体的になる。具材が好きだった、予算に収まった、食後の予定に合うと考えた。どれも自分が確かめたい理由になり得る。中間という席順から離れて料理そのものを見る、という使い方だ。

オンザショア立川店で、予定に合う運動の場を探す
食事をどのサイズにするかとは別に、日々の予定の中へ運動の時間をどう置くかも考えたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は8:00〜23:30で、全曜日同じ、年中無休。通う場所と時間を照らし合わせ、続ける予定を考えるための条件として確認できる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、運動の場を選ぶ際には種目の違いも確認したい。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。自分が参加できる種目を確かめてから、通える時間と照らし合わせたい。
ヨガの体験は税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。費用は料金ページ、店舗の案内は公式サイト、体験の手続きは予約ページで確認できる。
参考文献
[1] Menu engineering to encourage sustainable food choices when dining out: An online trial of priced-based decoys. — Attwood S, Chesworth SJ, Parkin BL., 2020, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2020.104601
[7] Context effects on healthy food choice under situational modes of consumer thinking: A case study with poke bowls. — Choi BJ, Choi BJ, Kim J., 2025, Applied psychology. Health and well-being. DOI: 10.1111/aphw.70010
[9] Compromise Effect in Food Consumer Choices in China: An Analysis on Pork Products. — Wu L, Gong X, Chen X, Hu W., 2020, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2020.01352
[11] Consumers’ decoy effect when purchasing pork with traceability technologies. — Chen M, Liu P, Wu L., 2022, Frontiers in public health. DOI: 10.3389/fpubh.2022.941936
[13] Attract the best: The attraction effect as an effective strategy to enhance healthy choices. — van den Enden G, Geyskens K., 2021, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0259521
[14] When a Combination of Nudges Decreases Sustainable Food Choices Out-Of-Home-The Example of Food Decoys and Descriptive Name Labels. — Ohlhausen P, Langen N., 2020, Foods (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/foods9050557
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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