ダイエットの食事は残すともったいない?完食の意識と盛る前の量を研究で読む

ダイエット中でも食事を残すともったいない。その気持ちと体重の関係を、完食傾向のメタ分析、日本の調査、提供量を変えた試験から読む。食べ切る人ほど太るとは限らず、一皿の量と完食の意識は分けて考えたい。残すことを目標にせず、盛る前の準備から見直すための具体的な視点を示す。

夕食の皿に、おかずがひとかけら残っている。箸を置きかけて、また手を伸ばす。食べ終わりかけたところで、空腹よりも「これだけ残すのはもったいない」が気になる。食事量を見直そうと思った日に限って、皿の端の料理が宿題に見える。

食べ切る習慣があるから体重が増える、と決めつける必要はない。完食傾向と体格を調べたメタ分析では、全体として明確な関連は認められていない。一方、昼食の提供量を変えた試験では、盛られた量が摂取量に影響している。完食への気持ちと、最初に目の前に置く量は別の問題である。[7][3]

したがって、残せる自分になることだけを目標にしなくてよい。食べる前にどれだけ用意するかを考え、必要なら追加できる形にする。この発想は、日本の成人を対象に食前の量の計画と完食行動を組み合わせて調べた研究にもつながる。ただし、万人に食事を減らす必要があるという話ではない。[1]

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完食傾向と体重には全体で明確な関連がなかった

完食傾向とは、出された食事を全部食べる方向にどの程度傾くか、という習慣のことである。研究では質問票などで測られており、ある日の皿の状態より、普段の食べ終わり方に注目する。食事を最後まで食べた事実と、その人の普段の傾向を区別するところから読み始めたい。[10][7]

複数の研究結果を統計的にまとめるメタ分析では、完食傾向と、身長に対する体重の指標であるBMIとの関係が検討された。対象となったのは22のサンプルで、統合された相関係数は0.04、95%信頼区間は−0.02〜0.10だった。相関係数は一緒に増減する程度を示す数値で、この結果は全体として明確な関連を示さなかった。男女を含む研究の統合値であり、18〜39歳の女性だけの関連を表す数値としては使えない。[7]

信頼区間がゼロをまたいでいる点も大切だ。完食する人の方が一般に体重が多い、という主張をこの分析は支持していない。食べ切ったことを、体重管理に失敗した証拠として扱う読み方には無理がある。皿を空にしただけで、その日の自分を採点する必要はない。[7]

もっとも、全員が同じという意味でもない。研究に含まれる女性の割合や質問票の種類によって結果に違いがあり、男性や特定の尺度を用いた場合には、小さな正の関連がある可能性が示された。自己申告の偏りも考えられるため、「完食は必ず太る」も「完食は誰にとっても無関係」も、結論を広げ過ぎている。[7]

ここでの答えは、体型から完食習慣を推測しないことだ。見た目で「きっと残さず食べる人なのだろう」と考えても、このメタ分析の全体像とは合わない。日々の食事で困っているなら、体型の評価より、どんな量が出され、どう食べ終えているかという具体の場面に戻る方がよい。[7][2]

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一皿の量と完食への意識は別々に働く

女性を対象にした実験室研究では、普段から完食する傾向がある48人と、そうではない41人に、昼食のパスタを提供した。量は通常条件の500gか、大きい条件の1,000gで、好きなだけ食べてもらった。ここでの「通常」は実験の条件名であり、自宅の昼食に勧める量ではない。[2]

大きい量を出された群は、通常量の群より平均100.55g多く食べた。また、完食傾向がある参加者は、そうではない参加者より平均68.21g多く食べていた。目の前の量に伴う差と、普段の完食傾向に伴う差の両方が観察されたことになる。[2]

大盛りへの反応は、完食傾向がある人にも、そうではない人にもみられた。提供量と完食傾向の交互作用、つまり両者が組み合わさることで影響が特別に強まる関係は有意ではなかった。提供量が増えたときの摂取量の増え方は、完食する人もしない人も同程度だった。[2]

残せる人にも提供量の影響がみられた点が、この実験の要点だ。同時に、完食する人を特別に意志の弱い集団として扱う根拠にもならない。最初に出される量は、食べ終わり方とは別に検討する価値がある。[2]

ただし、提供量は実験で変えている一方、普段の完食傾向は参加者自身が申告した特性である。そのため、提供量の条件差と、習慣のある人とない人の差は、同じ意味の因果関係として読めない。完食習慣を直せば平均68.21g減る、と置き換えるのは誤りだ。[2]

また、これは昼食のパスタを使った研究である。皿に残った料理の重さから、体重の将来までを計算する試験ではない。食事中の摂取量を測る実験と、体格との関係をまとめる研究では、答えている問いが違う。前の節のメタ分析と結果が食い違って見えても、摂取量と体格という測定対象の違いを踏まえて読むことができる。[2][7]

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「もったいない」の強さは摂取量そのものではない

食品を無駄にしたくない気持ちは、完食傾向と関連している。その気持ちと、実測した食事量や体重との関係は、分けて調べられている。食品廃棄への懸念を調べた一連の研究は、この違いを示している。[5]

この研究では、食品を無駄にすることへの懸念を測る5項目の尺度を作り、その性質を確かめたうえで、食行動や体重との関係を検討した。無駄を気にする人ほど、残り物を食べるなど、廃棄を避けようとする意向が強かった。自己申告による完食傾向との関連もみられた。[5]

一方で、客観的に測った体重や、過体重・肥満に該当する可能性との関連は認められなかった。大きな昼食を出した実験でも、食品廃棄への懸念は、実際に食べた量を直接にも間接にも予測しなかった。心の中の「残したくない」と、実際に口に入った量は同じ測定ではない。[5]

この区別があると、食べ過ぎた日の説明を急いで決めずに済む。「食べ物を大事にする性格だから仕方ない」と固定する前に、最初の量が多かったのか、残すことが気になったのかを分けて振り返れる。食品廃棄への懸念だけから摂取量を説明できなかった結果は、性格だけに原因を集めないための手掛かりになる。[5][2]

ドイツ語版の完食傾向の質問票を検討した207人の調査でも、完食傾向は食品廃棄への懸念や、子どもの頃に完食を勧められた経験と関連していた。全体では体重や自己制御との関連はなかった。昔の食卓の言葉が現在の習慣と結び付く可能性はあるが、親の言葉が今の体重を決めたという因果関係までは示していない。女性が76%を占める207人の調査だが、18〜39歳の女性に限った関連として一般化するには慎重さが必要だ。[10]

同じ調査では、ダイエットがうまくいっていない人の中では、完食傾向の高さと体重の高さに関連がみられた。集団全体では関連がなくても、特定の状況で関係が表れることはある。それでも、困っている人を質問票だけで見分けたり、昔のしつけを原因と断定したりする材料ではない。[10]

量を変える試験は「性格を直してから」を求めていない

成人111人を含む3つの無作為化比較試験の統合解析では、昼食の提供量を変えたときの摂取エネルギーを調べている。参加者は男性55人、女性56人で、同じ人が異なる量の条件で食べる、繰り返し測定の設計だった。男女混合の成人の結果なので、18〜39歳の女性にも同じ大きさの変化が起こるかは、この統合結果からは判断できない。[3]

条件は、大きめの通常量を100%とした場合、小さめの通常量が約75%、通常より小さい量が約50%である。多くの参加者では、提供量を減らすとその食事の摂取エネルギーも減った。量を減らしても摂取量が一貫して変わらない集団がいる、という強い証拠は得られなかった。[3]

解析では、完食傾向だけでなく、食品廃棄への懸念、自己制御、満腹への反応、感情に伴う食べ方なども検討された。しかし、どの特性も、提供量を小さくしたときの影響を一貫して左右するという説得力のある証拠はなかった。量への働きかけを、特定の性格の人だけに限る理由は薄いという結果だ。[3]

これは、自宅でも食事を半分にすべきだという指示ではない。研究の割合は条件を比べるための設定であり、その人の必要量ではない。日常に持ち帰るなら、「完食癖が変わらなければ何もできない」と考えず、食べる前の提供量を検討する余地がある、という部分である。[3]

数字で読む完食と一皿の量

22サンプル:完食傾向とBMIの関係をまとめたメタ分析の規模。[7]

相関係数0.04:同分析の統合値。95%信頼区間は−0.02〜0.10で、明確な関連を示さなかった。[7]

100.55g:女性の昼食実験で、大きいパスタを出された群が通常量の群より多く食べた平均差。[2]

111人:提供量を変えた3試験の統合解析に含まれた成人の人数。[3]

1,707人:食前の量の計画と完食行動を調べた日本の成人調査の人数。[1]

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