
全身の運動も選択肢になる
首・肩の筋力トレーニングを有力な候補に置くことと、ほかの運動に意味がないと考えることは別である。549人のオフィスワーカーを対象にした1年間のランダム化比較試験では、首・肩に特化した筋力トレーニング、全身の運動、一般的な健康情報のみで運動プログラムを設けない群を比較した。[13]
首・肩に特化した筋力トレーニング群は180人、全身の運動群は187人、比較群は182人だった。運動を行った群では、比較群より首・肩の症状の期間と強さが低くなった。一方、群全体で見ると、特定部位の筋力トレーニングは全身の運動より優れてはいなかった。[13] 全身を動かす方法も、継続する運動の候補に残せる。
これは、首・肩を対象にした筋力トレーニングでより大きな効果を認めたレビューと、読み方をそろえておきたい部分である。[3][13] レビューは複数の試験を集めた結論であり、長期試験はその試験の対象と運動条件での比較だ。選び方としては首・肩の筋力トレーニングをまず検討しつつ、自分が続けられる全身の運動も候補に残す、という整理になる。
長期試験では、開始時に症状のなかった人に限ると、首・肩の筋力トレーニング群で追跡時の症状の割合が低かった。[13] すでに痛みのある人の症状を軽くすることと、痛みのない人に新しく症状が出ることを減らすことは、研究上も分けて考えるべきだ。同じ「効く」という言葉でも、誰に何を期待するかで中身が変わる。
この試験で仕事の能力の指標と病欠日数は変化しなかった。開始時の仕事の能力はすでに高く、前年の病欠も少なかったことが、要旨では説明として挙げられている。[13] 首・肩のつらさが軽くなることから、仕事の成績や欠勤まで改善すると広げない姿勢が必要だ。運動の目的は、まず自分の困っている症状や動作に結びつけておく。
日常の計画では、首・肩の運動を行う場所と、全身の運動を続ける場所を一緒にしてもよいし、別にしてもよい。職場で短い実施枠を取り、別の日には全身を動かす予定を持つという考え方もある。生活への組み立て案として、仕事中の実施枠と別の日の運動予定を見渡し、無理なく続く配分を考えたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
動き方を確認して続ける意味
自宅で運動を続けたい人には、動き方を確認できる仕組みも検討材料になる。2022年のランダム化比較試験は、首が前に出る、肩や背中が丸まるといった姿勢の特徴と首・肩の痛みを持つオフィスワーカー36人を、オンラインで監督を受ける運動群、職場で行う運動群、通常の活動を続ける比較群に分けた。[19]
運動を行う群の実施期間は8週間だった。オンラインで監督を受ける群は比較群に対し、首・肩の痛み、姿勢の角度、仕事の能力、肩周辺の一部の筋活動で改善を示した。両運動群とも、開始時点から追跡時点までに痛みや姿勢の角度の改善があった。[19] 筋活動とは、筋肉が働く様子を測る評価である。
この研究からは、姿勢と痛みの条件を持つ人が、内容を定めた運動を続けた例として学べる。[19] オンライン群では監督を受けながら実施しており、内容の確認と実施を組み合わせていた。自分で運動内容を選ぶときは、研究の「監督を受ける」という条件も見落とさずにいたい。
指導を受けるなら、動きの形だけでなく、どの部位を対象にした運動なのか、負荷をどう決めるのか、つらさが出たときどう扱うのかを確認する。研究のオンライン群では、監督を受けることと運動の実施が組み合わされていた。[19] 説明を受けた内容を自分の言葉で確かめられると、単に見よう見まねで行う状態から進める。
続けるための工夫として、実施予定と実際に行った内容を残し、うまく行えなかった動きは次の相談で伝える方法がある。これは研究結果を生活に取り入れるための運用案だ。できなかった日を責める材料にせず、時間と内容を調整するために使いたい。

研究の限界は、対象と期待の幅にある
ここまでの中心は、オフィスワーカーを対象にした研究である。年齢や生活背景が異なる読者、スマホだけを長く使う人、産後すぐの人に同じ結果が出るかは、この資料だけでは判断できない。[1][3][8] スマホ首という通称は相談の入口にできるが、その言葉から痛みの原因や必要な運動を確定することは避ける。
2024年のレビューでは、採用した8本すべてに高いバイアスのリスクがあり、根拠の確実性は低いと評価された。[1] バイアスとは研究の結果に偏りが入り得ることだ。筋力トレーニングが有望という方向と、効果の見積もりに不確かさがあるという評価をセットで受け止めたい。2017年の職場レビューの中程度の質という評価も、同じ対象・試験をそのまま指すものではない。[3]
予防については、開始時に首の痛みがない成人を対象にした5本の試験、計1722人をまとめた2023年のメタ分析がある。参加者の80%はオフィスワーカーだった。運動は、介入なしまたは最小限の介入と比べ、12か月以内に首の痛みが新しく起きる可能性を減らす方向を示し、根拠の確実性は中程度だった。[20]
ただし、欠けた追跡データの扱いを変えた検討では結果が頑健でなく、臨床的な意味の大きさは不明とされた。[20] 予防の研究で効果があったから、いまある痛みが治ると結びつけることはできない。痛みがある人の改善と、痛みがない人の予防では、参照する研究も目標も違う。自分がどちらを目的にしているかを先に定める。
今回の要旨だけでは、個々の運動の安全な負荷や有害事象の全体像まで確かめられない。具体的な種目、重さ、反復回数、ストレッチの保持時間は指導者に確認する。10分は少人数の職場試験で用いた時間であり、万人に最適な処方と断定できない。[7][8] オンラインでの成果も、監督を受けた条件を含めて読む。[19]痛みを我慢して継続することは勧めない。つらさが強いときや判断に迷うときは、運動メニューを増やす前に相談を優先する。
よくある誤解
「首の位置さえ戻れば、肩こりの問題も終わる」という見方は、成果を狭くしすぎる。首の痛みを扱う研究は、痛み、生活上の支障、生活の質を別々に測っている。[1] 姿勢の特徴を持つ人への小規模試験でも、姿勢の角度と首・肩の痛みは別の評価項目だった。[19] 写真の変化を目標にするなら、それとは別に困る作業や動作も伝えておきたい。
「筋力トレーニングは時間を倍にすれば、その分だけ効く」という見方には、時間を比べた試験が参考になる。30人の職場研究では、1日10分と10分を2回の間に有意な差はなく、両群を合わせた痛みの改善が報告された。[7] 時間を増やす前に、決めた内容を安全に行えるか、実施頻度を確保できるかを確認する。長さだけを目標にすると、研究の条件から離れてしまう。
「伸ばす運動は、その場でしか意味がない」という決めつけも研究に合わない。慢性的な首の痛みがある人を対象にした試験では、4週間の首・肩周辺のストレッチを追加した群で、痛みや首の機能の改善がより大きかった。[8] ただし、要旨の結果は決まった頻度で続けたプログラムのものだ。実施した頻度と期間まで含めて、ストレッチの計画を立てたい。[8]

今日からできること
- 首・肩が気になる人は、始める前に指導者へ種目と負荷を確認し、仕事の予定に1日10分の運動枠を置く。研究例は首・肩に特化した高強度の4種目を週5日、8週間行ったものであり、負荷は個別に確認する。[7]
- ストレッチを選ぶ人は、開始前に首・肩周辺の動き方を確認し、1日2回、週5日、4週間という比較試験の条件を予定づくりの参考にする。[8]
- 運動を始める人は、実施日ごとに行った内容、首・肩の痛み、困った動作を記録し、4週間のストレッチや8週間の筋力トレーニングを振り返る相談に持参する。痛みと生活上の支障を別々に評価した研究を、記録の項目選びに生かす提案だ。[1][7][8]
- 全身の運動を続けたい人は、次の予定を立てるときに首・肩の運動とともに候補に残す。1年間の職場試験では、両方の方法で首・肩の症状が軽減した。[13]
- 妊娠中・持病・服薬中・けががある人は始める前に医師に、産後すぐの人は産科の医師や助産師に相談する。実施中に痛みを我慢して続けず、負荷や動き方の相談を優先する。
スマホを閉じた後の運動予定を、オンザショアで考える
スマホ首や肩こりをきっかけに運動を続ける場所を探すなら、仕事後にも通える時間帯を確認したい。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業、年中無休で、生活に合わせて運動の予定を考えられる。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオだ。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングを扱う。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。種目やレッスンを選ぶ際の情報は店のトップで確認できる。
ヨガ・ピラティスの体験レッスンは税込1,980円、60分で、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。料金と体験の予約を確認し、通う予定を考える入口にできる。
医師から運動を止められている人は利用できず、妊娠中の人は溶岩ホットヨガに参加できない。暖かい室内で行うため、暑さが苦手な人や持病のある人は常温のレッスンか医師への相談を選び、妊娠中の人は参加先を医師に相談する。
参考文献
- The influence of exercise on pain, disability and quality of life in office workers with chronic neck pain: A systematic review and meta-analysis. — L. Jones et al., 2024, Applied ergonomics. DOI: 10.1016/j.apergo.2023.104216
- Workplace‐Based Interventions for Neck Pain in Office Workers: Systematic Review and Meta‐Analysis — Xiaoqi Chen et al., 2017, Physical Therapy. DOI: 10.1093/ptj/pzx101
- Dose-response of resistance training for neck-and shoulder pain relief: a workplace intervention study — A. Saeterbakken et al., 2020, BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-020-0158-0
- The effectiveness of a neck and shoulder stretching exercise program among office workers with neck pain: a randomized controlled trial — Punjama Tunwattanapong et al., 2016, Clinical Rehabilitation. DOI: 10.1177/0269215515575747
- One-year randomized controlled trial with different physical-activity programs to reduce musculoskeletal symptoms in the neck and shoulders among office workers. — A. K. Blangsted et al., 2008, Scandinavian journal of work, environment & health. DOI: 10.5271/sjweh.1192
- Corrective exercises administered online vs at the workplace for pain and function in the office workers with upper crossed syndrome: randomized controlled trial — Z. Yaghoubitajani et al., 2022, International Archives of Occupational and Environmental Health. DOI: 10.1007/s00420-022-01859-3
- Effectiveness of exercise interventions for preventing neck pain: A systematic review with meta-analysis of randomized controlled trials. — Florian Teichert et al., 2023, The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. DOI: 10.2519/jospt.2023.12063
この記事の情報は2026年10月時点のものです。妊娠中・産後の方、持病のある方・服薬中の方は、運動を始める前に医師にご相談ください。
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