二の腕痩せの科学 第5回 ボクシングとピラティス、上半身を変える選び方

二の腕を変えたいとき、ボクシングとピラティスのどちらを選ぶべきか。女性を対象にした試験とメタ分析から、筋力・柔軟性・体脂肪に期待できる変化を分けて読む。研究で行われた回数や期間、マットと器具の違い、仕事のある生活で続ける方法まで、上半身の運動を選ぶ手がかりを示す。

仕事帰りの運動を選ぶとき、パンチを打つボクシングと、動作の難しさを調整するピラティスのどちらを予定に入れるか迷う。見た目の違う運動だけに、激しい方が細くなるのか、丁寧に動く方が引き締まるのかと考えやすい。選ぶ入口は、運動の見た目より、何を変えたいかである。

上半身の筋力を育てたいなら、研究で肩の筋力改善が確認されたマットピラティスが候補になる。乳がん治療後の女性を対象とした試験では、週3回、各60分のプログラムで、12週後に肩を横へ上げる筋力などが改善した。[7] ボクシングでは、高齢女性が週2回、各60分を8週間行う試験で、立ち上がって歩いて戻る動作の改善が確認されている。[2] 同じ「上半身を使う運動」でも、測って確かめた成果は違う。

この記事は連載『二の腕痩せの科学』全5回の第5回。前の回:二の腕痩せの科学 第4回 たるみの正体 皮下脂肪の厚みは運動で変わるか

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

上半身を変えるなら、まず筋力と細さを分ける

選び方を具体にすると、腕や肩を使う力を目標にする人は、負荷を調整しながら進めるピラティスを候補にできる。体を動かす能力を目標にする人には、ボクシングも候補になる。根拠はそれぞれ肩や体幹の筋力を調べた試験と、移動動作を調べた試験である。[7][2] 「二の腕が何センチ細くなるか」を共通の採点項目にすると、これらの研究で確認された成果を見落としてしまう。

ここでいう筋力は力を出す能力であり、研究では握る力や肩を動かす力として評価されている。体組成は体の脂肪や脂肪以外の成分などの内訳である。リフォーマーという器具を使ったピラティス試験では、握力計による上肢の筋力と、生体電気インピーダンス法による体組成を別々に測った。[5] 握力の改善は、上半身で力を出す能力の成果として受け取れる。

この違いは、目標の書き方にそのまま使える。「腕を細くしたい」に加えて「上半身を使う動作を練習したい」と書けば、体型だけを待つ計画から、運動内容を選べる計画に変わる。肩の筋力を調べた研究を読むなら肩の動作を、柔軟性を調べた研究を読むなら動く範囲を確認する。目標と確認する項目をそろえると、指導者にも希望を伝えやすくなる。

女性の上半身にも、筋力を伸ばす可能性がある。同じ筋力トレーニングを行った若年から中年の男女を比較した系統的レビュー・メタ分析では、上半身の筋力について17研究の19の結果を統合し、相対的な改善は女性の方が大きかった。筋肥大、つまり筋肉が大きくなる変化には、男女の有意な差は認められなかった。[3] 女性が筋力を育てる可能性を考えるための背景として読める。

その背景を使うなら、「女性だから軽く動くだけでよい」とも、「力がつけばすぐ腕が太くなる」とも決めないことだ。筋力と筋肉の大きさを別々に分析した研究だからこそ、それぞれを別の目標として扱える。[3] 連載の筋トレの回で扱う上腕三頭筋の話と、この回の運動選びも分けて考えたい。ここでは特定の筋肉の種目を増やすより、上半身を使う運動を生活の予定に置く方法を考える。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

ボクシングで確認されたのは、パンチ後の細さではなく動作の変化だ

ボクシングを含むランダム化比較試験、すなわち参加者を無作為に異なる運動へ割り付けた試験では、チリの高齢女性30人を対象にした。ボクシング、テコンドー、弾性バンドの群に各10人を分け、週2回、各60分、8週間の運動を行った。[2] パンチを使う運動を選ぶ際に参照できる具体的な量である。対象は高齢女性なので、20〜30代の読者は対象の違いも含めて予定を相談したい。

運動後には、椅子から立って歩き、戻って座るまでの時間を測る検査で、ボクシングとテコンドーの群が弾性バンドの群より改善した。一方、最大握力の比較では弾性バンドの方が優れていた。体脂肪率、除脂肪量、柔軟性などには有意な変化が認められなかった。[2] 運動の選び方は、握力なら弾性バンド、移動動作ならボクシングというように、確認された項目から考えられる。

腕を動かした量より、変わった項目で運動を選ぶ。[2] この試験で注目したいのは、移動動作の成果だ。腕を使う運動を実施したことは確かでも、体脂肪率の変化は確認されなかった。動作検査が改善したという前向きな結果は、そのまま動作の成果として受け取ればよい。動作を目標にする人には、この結果が選ぶ手がかりになる。

日常へ移すなら、選ぶ際に尋ねる内容が変わる。「腕痩せ向きか」だけでなく、「研究で測ったような全身の動作をどう練習するのか」「今の体力に合わせて内容を変えられるか」を確認する。ここで挙げた問いは教室選びの実用的な提案である。要旨にはパンチの種類、打つ速さ、休憩の取り方が記されていないため、それらを効果の出る固定メニューとして指定することは避ける。

特に、研究の60分を初心者が休まず打ち続ける時間と読むのは不適切だ。記載されているのはセッション全体の長さである。[2] 参加前には実際の運動内容と休み方を確認し、無理なく行える形を相談する。ボクシングとボクササイズ、キックを含む運動が同じプログラムであると決めず、名称だけでは分からない内容を見ることが選択の軸になる。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

ピラティスは器具の名前より、測った力と負荷の進め方を見る

上半身の筋力を目標にする場合、リフォーマーピラティスの試験は具体的な手がかりになる。過体重または肥満の30〜60歳の女性47人を運動群と対照群に分け、運動群は週3回、8週間取り組んだ。上肢の筋力は握力計、持久力は体幹の持久力検査で評価され、運動群では体組成、上肢の筋力、持久力などに有意な変化が報告された。[5]

この試験は、力を出すことと力を保つことの両方を測っている。[5] 器具を使うピラティスを選ぶ際には、柔軟性だけでなく、どの能力を練習する内容かも確認したい。握る力や持久力を測っている点は、上半身を使う能力を目標にする読者に役立つ。

マットで行う方法にも上半身の筋力を調べた試験がある。ホルモン療法中の乳がん治療後の女性43人を対象としたランダム化比較試験では、週3回、各60分を24週間続け、運動の難しさと反復回数を段階的に増やした。12週時点で肩を横へ上げる筋力や体幹を伸ばす筋力に改善があり、下半身の筋力については24週で成果が報告された。[7]

この研究は、ホルモン療法中の40歳以上の女性を対象にしている。上半身の力を調べる際に、握力以外の検査を使っている点と、負荷を段階的に進めた点が参考になる。[7] ピラティスを選ぶときは、マットか器具かに加え、今の能力からどう難しさを進めるかを尋ねたい。最初から難しい動作をできることより、進め方を把握することが計画になる。

器具とマットを選ぶ際には、同じ条件で比較した試験が役立つ。論文題名ではバレルピラティスとの比較であり、要旨では器具ピラティスと記されている。健康な成人女性20人をマット群と器具群に各10人ずつ無作為に分けた試験では、各50分、週3回、8週間、計24回の運動を行った。両群で骨格筋量の増加と体脂肪率の低下が認められたが、群間の有意差はなかった。腹部や背部の筋活動にも群間差は確認されていない。[19]

この比較では、どちらの方法にも体組成の前向きな変化があった。[19] 続けられる場所、実際の運動内容、通う予定を決めやすいかを選択項目に入れられる。これは個人の好みや目的、状況に応じて選ぶという著者の結論とも合う。[19] まずは、マットと器具のそれぞれで実際に行う内容を確かめたい。

体脂肪の結果は一致しない、だから筋力の成果も見る

成人女性を対象としたピラティスの系統的レビュー・メタ分析は、12研究、約540人の結果をまとめている。体重の平均差は−3.99kg、体格の指標であるBMIの平均差は−1.22で、柔軟性にも有意な改善が認められた。その一方で、体脂肪率、ウエスト周囲径、除脂肪量、握力などの統合結果には有意な効果が認められなかった。[1] 体重の結果だけを切り出して、腕の脂肪の結論にすることはできない。

平均差とは、ここでは研究を統合して比較した差の推定値であり、参加者全員が同じ量だけ変わったという意味ではない。研究の対象、プログラム、方法の質にはばらつきがあり、著者も慎重な解釈を求めている。[1] 統計の読み方を生活に持ち込むなら、この数字を自分の達成ノルマにしないことだ。

肯定的な個別試験もある。運動習慣のない過体重または肥満の30〜50歳の女性37人を無作為に分けた試験では、週3回、各90分のピラティスを8週間実施した。運動群では体重、BMI、体脂肪率、ウエスト、腹部、ヒップ周囲径が減少したが、除脂肪量に有意な変化はなかった。[13] 腕の周囲径の改善値は要旨に示されていない。全身や胴体の測定値を、二の腕固有の結果として伝えないことが大切だ。

違う結果を示した比較研究では、運動から遠ざかっていた成人女性の26人が軽い負荷を多く反復する集団運動、16人がピラティスを行い、どちらも週3回、3か月続けた。前者では有酸素能力や体組成などが改善し、ピラティス群で有意に改善したのは柔軟性だった。[16] ピラティスの名が付いた運動ならどの体組成指標も変わる、という読み方を修正する材料である。

数字で読む上半身の運動

  • ボクシングの比較試験は高齢女性30人。各運動群10人で、対象と規模を押さえたい。[2]
  • ボクシングは週2回、各60分、8週間。動作検査は改善したが体脂肪率は有意に変わらなかった。[2]
  • リフォーマーの試験は女性47人、週3回、8週間。上肢の筋力と持久力の変化を評価した。[5]
  • マットの試験は治療後の女性43人、週3回、各60分。12週で上半身の筋力改善を報告した。[7]
  • マットと器具の比較は女性20人、各50分を週3回、8週間。両群の体組成の変化に群間差はなかった。[19]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約