
生活に入れる順番は、目標、予定、見直す日だ
研究から運動を選ぶときは、目標と実行量を一緒に読む。上半身の力を育てる目的なら、週3回、8週間のリフォーマーの試験や、週3回、各60分のマットの試験が候補を考える材料になる。[5][7] 全身の動作を練習したいなら、ボクシングの週2回、各60分、8週間という条件を参照できる。[2] 実際に調べられた量を、指導者と予定を相談する材料にする。
仕事がある生活では、先に週の予定を確認したい。研究に合わせるために予約だけを詰め込むより、通う時間を確保できるか、移動を含めて無理がないかを見る。週3回の条件を参照する場合には、その回数を置ける曜日があるかを書き出す。[5][7] 空いたら行くという予定と、行くために空けた予定は違う。実行可能な曜日から、続ける計画を具体にしていく。
研究の期間も、生活の見直しに使える。8週間の試験を読んだなら、翌日の見た目だけで方法を決めず、そこまで取り組める予定を考える。[5][19] 長い研究では、12週と24週に別々の評価が行われ、上半身と下半身で成果が報告された時点も異なった。[7] 体のすべての指標が同じ速さで変わるという予定を立てない方が、検証された結果を正確に使える。
次に、記録する内容を目標へ合わせる。たとえば上半身の力を選んだなら、レッスンで行った動作、難しさ、指導者と確認した負荷を残す。体組成を目標にするなら、測る項目と方法をあらかじめ決める。研究でも上肢の筋力、持久力、体組成を別の検査で調べている。[5] 感想として「よく動いた」と書くことはできるが、その感想を測っていない腕の脂肪の減少へ読み替えない。
家庭での記録は、予定と実行した内容を確認するために使える。運動を行った日と内容が残れば、まだ始めたばかりなのか、計画したプログラムを続けたのかを区別できる。研究の筋力評価は握力計や肩の力の検査であり、鏡の印象とは異なる。[5][7] 見た目を記録したい場合も、それは見た目の記録として扱う。測ったものの名前を正しく付けるだけで、運動の評価はかなり明確になる。
マットか器具かで迷う人は、内容を体験してから予定へ置く方法をとれる。比較試験では、女性20人が同じ頻度と期間で取り組み、両方法の間に有意な差を認めなかった。[19] 自分が動作の説明を理解しやすいか、内容を続けたいと思えるかも確認材料になる。研究の比較条件を押さえたうえで、説明の分かりやすさや予定の組みやすさを自分の選択項目に加えよう。
両方の運動を選ぶ場合にも、混ぜれば効果が倍になると計算しない。指定のボクシング試験は別々の運動群を比較し、ピラティスの比較試験もマットと器具の別群を調べたものである。[2][19] 組み合わせの最適な配分はこれらの要旨に示されていない。まずどの成果を追いたいかを決め、別の運動を加えるなら指導者と予定や負荷を相談する、という実用的な選択でよい。
強度は、段階的な進め方に注目したい。女性37人のピラティス試験は、本人が感じる運動のきつさを数値化する尺度で、11〜17へ段階的に強度を上げた。[13] この研究で用いられたのは、段階的に強度を上げる進め方である。[13] マットの試験でも難しさと反復回数を時間とともに増やしている。[7] 強さを競うより、調整の過程を確認したい。
具体的なパンチの種類やピラティスの個々の種目、反復回数は、実際に参加するプログラムで確認したい。種目を選ぶ際には、研究で調べられた運動の種類と量を参照し、実際の動作や負荷は指導者と確認する。[2][5][7] 数字のある予定と、体に合わせた中身を一緒に用意することが、暮らしへ下ろす手順になる。
体脂肪が主な目標なら、運動選びをこの比較だけで終えなくてよい。ピラティスの統合結果では体脂肪率の有意な効果が確認されず、別の集団運動との比較では後者の体組成の改善が大きかった。[1][16] 全身の脂肪を減らす運動の比較は二の腕痩せの科学 第3回へ譲る。この回で持ち帰るのは、好きな運動の名前と目的を結び直し、成果の測り方を決めることである。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「腕をたくさん動かせば、腕の脂肪だけが減る」という期待は、ここで読んだ試験からは支持できない。ボクシングの比較では体脂肪率に有意な変化はなく、ピラティスの個別試験で報告された体組成の改善も、腕だけを狙った脂肪減少を検証したものではない。[2][13][19] 全身を使うプログラムの結果と、部分痩せの証明を混同しないことだ。
「ピラティスなら筋力も脂肪も同じように変わる」という思い込みも修正したい。成人女性のメタ分析では体重と柔軟性に改善があった一方、体脂肪率と握力の統合結果は有意ではなかった。[1] しかし、握力を調べたリフォーマーの個別試験や肩の筋力を調べたマットの試験では、上半身の筋力の改善が報告されている。[5][7] 統合結果と個別試験が違う点を消さず、対象や実施方法を添えて読む。
同じことは、効果がなかった項目の扱いにもいえる。集団運動との比較でピラティス群に確認された有意な改善は柔軟性だった。[16] だからピラティスに何の価値もない、と結論するのは飛躍である。柔軟性を目標にする人には、その結果が選択材料になる。脂肪減少を最優先にする人には、別の運動も比較する材料になる。運動の評価は、目標が変われば着目する項目も変わる。
「器具の方が高度だから、二の腕にも必ずよい」という判断も急がない。マットと器具を比較した小規模試験では、体組成と筋活動の変化に群間の有意差はなかった。[19] また、リフォーマーの筋力試験の対象は過体重または肥満の女性で、マットの肩の筋力試験は治療後の女性である。[5][7] 対象が違う別々の研究を並べ、その差だけで器具の順位を決めることはできない。
部位ごとの測定を詳しく知りたい場合は、連載の別の回も参照できる。お腹のピラティスはお腹痩せの科学 第4回、姿勢の測定は姿勢の科学 第3回で扱う。同じ運動が登場しても、測る部位と問いは違う。この回では腕や肩の力、体組成、続ける量へ焦点を絞る。

今日からできること
- 上半身の筋力を目標にするなら、リフォーマーピラティスの週3回、8週間という研究条件を相談の材料にする。各回の時間や具体的な種目は要旨にないため、指導者と内容を確認する。[5]
- マットピラティスを選ぶなら、週3回、各60分で難しさと反復回数を徐々に増やした研究を参考にする。12週の肩の筋力改善は治療後の女性の結果であり、自分への保証にしない。[7]
- ボクシングを選ぶなら、週2回、各60分、8週間の試験で確かめたのは移動動作の改善と捉える。研究と同じ内容か、負荷や休み方を確認してから予定を組む。[2]
- マットと器具で迷うなら、各50分、週3回、8週間の比較で群間差がなかったことを踏まえ、実際の内容と通いやすさを選択材料にする。[19]
- 上半身の力を目標にする人は、週3回の予定を組むとき、各回の運動内容と難しさを記録する欄も用意する。8週間の試験でも上肢の筋力と体組成は別々に測っている。[5]
- 妊娠中・産後すぐ・持病・服薬中・けががある人は、始める前に医師に、産後は産科の医師や助産師に相談する。痛みを我慢して続けず、内容や参加の可否を確認する。
オンザショアで、パンチとピラティスを続ける時間を探す
ボクササイズやピラティスを生活に入れるなら、通える時間と実際の内容を一緒に確認したい。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で、仕事の前後も含めて運動を続ける時間を検討できる。
店はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT(短い高強度の運動と休みを繰り返す方法)、パーソナルトレーニングを扱う。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
ヨガ・ピラティスの体験は税込1,980円、60分で、バスタオル2枚・フェイスタオル1枚・ヨガマットのレンタル込みだ。店の案内で種目を確かめ、料金と体験の予約から予定を検討する。
医師から運動を止められている方は利用できず、妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。「暑さが苦手な方・持病のある方・妊娠中の方は常温のレッスンか医師への相談を」という注意も、参加する内容を選ぶ際に確認したい。

参考文献
- Effects of Pilates Programs on Body Composition, Flexibility, Muscular Strength, Balance, Functional Performance and Respiratory Function in Adult Women: A Systematic Review and Meta-Analysis — Čedomir Bajčetić et al., 2026, Sports. DOI: 10.3390/sports14090407
- Effects of Different Interventions Using Taekwondo, Boxing, and Elastic Band Training on Body Composition and Physical Function in Chilean Older Women: A Randomized Controlled Trial — Edgar Vásquez-Carrasco et al., 2025, Life. DOI: 10.3390/life15071049
- Sex Differences in Resistance Training: A Systematic Review and Meta-Analysis. — Brandon M. Roberts et al., 2020, Journal of Strength and Conditioning Research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003521
- Effects of reformer pilates on body composition, strength, and psychosomatic factors in overweight and obese women A randomized controlled trial — Ozge Gokalp et al., 2025, Scientific Reports. DOI: 10.1038/s41598-025-09683-8
- Mat Pilates improves lower and upper body strength and flexibility in breast cancer survivors undergoing hormone therapy: a randomized controlled trial (HAPiMat study) — Josefina Bertoli et al., 2022, Disability and Rehabilitation. DOI: 10.1080/09638288.2022.2032410
- The effect of Pilates exercise on body composition in sedentary overweight and obese women. — R. Şavkın et al., 2017, The Journal of sports medicine and physical fitness. DOI: 10.23736/s0022-4707.16.06465-3
- The effect of a three month, low-load- high-repetitions group-based exercise program versus pilates on physical fitness and body composition in inactive women. — Christiana Evangelou et al., 2021, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2020.08.017
- The effects of mat Pilates exercise and barrel Pilates exercise on body composition and muscle activity in adult women. — Dong-hun Seong et al., 2025, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2025.05.054
この記事の情報は2026年10月時点のものです。妊娠中・産後の方、持病のある方・服薬中の方は、運動を始める前に医師にご相談ください。
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