
平均のずれが小さくても、自分のずれは残る
韓国の研究は、45〜55歳の女性93人を対象としている。初日に主観的な睡眠などを質問票で調べ、機器では7日間にわたって睡眠と身体活動を測った横断研究だ。ある時点で複数の特徴の関係を見る設計であり、運動を割り付けて睡眠の捉え方の変化を試した研究ではない。45〜55歳の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[2]
睡眠の主観と客観のずれを表す指数の平均値は0.02、標準偏差は0.18だった。一方、範囲は−0.55から0.52であった。標準偏差は値の散らばりを表す。平均値だけを見るとずれが小さく見えても、参加者それぞれの値には散らばりがあった。この指数は分数ではないので、数字をそのまま「何分眠れていなかった」に置き換えることもできない。[2]
研究では、多くの値が一致の許容範囲に収まったものの、個人差があるとされた。総睡眠時間で有意な差がなかったという結果も、全員の日誌が機器と一致したという意味にはならない。集団の結果を読むときには、差の平均と個人の散らばりを一緒に見る必要がある。[2]
たとえば、家族と「日誌は案外合うらしい」と話す場合でも、合計時間の集団の結果と、自分の寝つきの記憶は分けておきたい。参加者の平均は、自分の夜の訂正値には使えない。「私はいつも短く見積もるはずだ」と一定の時間を足してしまうのも、この結果を越えた使い方である。[2]
さらに、この研究で客観測定とされたものは手首の機器であり、脳波を用いる睡眠ポリグラフ検査と同じ測定ではない。客観的という言葉は、本人の感想とは別の方法で測ったことを表している。検査名を省いて「科学的には眠れていた」とだけ言うと、比較の相手が見えなくなる。[1][2]
主観の調査と機器の記録の取り方にも目を向けたい。この研究では初日の質問票と、その後の機器による記録を用いている。自分が毎朝書く日誌と同一の手続きではない。似た言葉で「主観と客観」と呼んでいても、どの期間を振り返った報告かを確認してから、自分の記録と重ねるのがよい。[2]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
気分や活動量が変わることと、眠りの変化は別だ
中年女性の研究では、心理的な更年期症状や機器で評価された睡眠段階が、睡眠の捉え方のずれと関連していた。18〜39歳の女性に、更年期に関わるこの結果をそのまま当てはめることはできない。心理的な更年期症状の回帰係数は0.31、レム睡眠は0.29、浅い睡眠は0.44であった。ただし横断研究であるため、更年期症状がずれを引き起こしたという因果関係までは示さない。[2]
この結果を「気の持ちよう」と片づけるべきではない。研究は、身体的な測定と本人の報告に加え、心理社会的な評価も組み合わせる重要性を指摘している。睡眠の悩みを伝えるときに、眠ったと思う時間だけでなく、その時期の心身の困りごとを一緒に伝えるという発想につながる。[2]
では、日々の活動が増えれば、眠りも必ず変わるのか。生活の中に組み込む身体活動を調べた系統的レビュー・メタ分析には、成人8,551人を含む38研究が入っていた。歩く、立つなどを含む介入で、身体活動や心理的な結果に改善が見られた一方、睡眠については記述的な統合で有意な効果が認められなかった。多様な成人をまとめた結果であり、18〜39歳の女性に限った睡眠への効果としては判断できない。[6]
ここでは研究間の違いも大きく、結果によって効果が異なっていた。「歩いたから必ず眠れる」という期待にも、「眠りが変わらなければ歩いた意味がない」という判定にも、この研究はつながらない。活動量、気分、睡眠を別々の結果として読むことが、運動の評価を必要以上に狭めない助けになる。[6]
別の対象でも同じ注意が要る。HIVとともに暮らす50歳以上の成人を対象とした系統的レビュー・メタ分析では、10件のランダム化比較試験、計372人が含まれた。生活の質と有酸素能力には有意な改善が見られたが、睡眠の質には有意な効果が認められなかった。これは特定の健康状態にある人たちの結果であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[10]
生活の質とは、暮らし全体の状態を捉える評価であり、寝つきの時間そのものではない。心肺の働きがよくなった結果と、朝に満足して起きられたかという結果を並べても、それぞれ別の評価として扱う。このレビューで睡眠の質の解析には研究間のばらつきもあったため、眠りへの効果が完全にないと断定する読み方も避けたい。[10]
これらの結果と高齢者の複合プログラムの試験は、異なる問いへの答えとして読める。対象、介入、測った結果が異なる。寝つきの主観と客観のずれが減ること、睡眠の質がよくなること、活動量が増えることは、それぞれ別の問いである。研究を読む際の見出しにも、日誌の欄にも、この区別を残しておきたい。[1][6][10]

よくある誤解
「脳波で眠っていたなら、つらかった感覚は無意味だ」という誤解がある。日誌と客観測定のずれを調べた試験では、寝つきのずれの変化が不眠症状の変化と関連していた。主観は捨てるべき雑音として扱われていない。むしろ、客観測定と併せて検討する対象になっている。測定結果を伝える場面でも、朝の困りごとを消す理由にはしない。[1]
「寝つきのずれが減ったなら、夜中の目覚めも正確になった」という理解も違う。同じ研究で両者は別々に評価され、中途覚醒時間のずれには有意な変化がなかった。寝つきが楽になったのに夜中の覚醒が気になる、といった記録があっても、ひとつの採点欄に押し込む必要はない。変化のあった項目と、気になる項目を併記する方が研究の読み方に沿っている。[1]
「運動すれば眠りも必ず改善する」という約束には根拠が足りない。生活に組み込む身体活動のレビューや、HIVとともに暮らす高齢者のレビューでは、ほかの結果に改善があっても睡眠の効果は示されなかった。逆に、これを理由にあらゆる運動の睡眠効果を否定することもできない。違う対象の結果をひとまとめにせず、自分が求めている変化に対応した指標を見ることが必要だ。[6][10]
日誌と測定値が違った場合に、どちらか一方だけを本当の夜として残す必要もない。前者には本人の経験が、後者にはその測定法による記録がある。ずれを見つけたら、寝つきなのか合計時間なのか、測定法は何かを添えて読み直す。ずれそのものを検討した研究があることは、両方を並べて扱う理由になる。[1][2]
今日からできること
- 朝の記録では、寝つくまでと、寝ついた後に起きていた時間を分ける。高齢者の試験で別々の結果が出た項目を、ひとつの「眠れない」にまとめないための工夫だ。[1]
- 運動した内容と睡眠の感想は併記し、原因の欄は急いで埋めない。55人と58人を割り付けた試験の後者は、教育や睡眠衛生も含むプログラムであった。[1]
- 機器の数字を日誌に写すなら、測定法も添える。93人の女性の研究で使われた機器の記録と、脳波を使う検査は区別して読む。[1][2]
- 記録日数を研究の数字だけで決めつけない。7日間という設定は女性の観察研究の方法であり、個人の夜を診断する基準ではない。[2]
- 医師に相談する際は、寝つきの実感、途中の目覚め、機器の記録があればその測定法を一緒に伝える。主観と客観に心理社会的な評価も組み合わせるという研究の視点を、相談の準備に生かせる。[1][2]

オンザショアで、運動を生活の予定に置く
運動の予定と翌朝の眠りの感想を並べて残すなら、まず生活の中で通える時間とレッスンの内容を確かめたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。続ける場所の候補として、時間と内容を照らし合わせたい。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。スタジオの案内はオンザショア立川店に掲載している。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。通う前にレッスンを体験する機会として利用できる。料金は料金ページ、申し込みは体験の予約で確認できる。
参考文献
[1] Effects of mindfulness-based therapy for insomnia and a sleep hygiene/exercise programme on subjective-objective sleep discrepancy in older adults with sleep disturbances: Exploratory secondary analysis of a randomised clinical trial — Shaif NAS, Doshi K, Lim J., 2022, Journal of sleep research. DOI: 10.1111/jsr.13700
[2] Sleep misperception and associated factors among middle-aged women in Korea: a cross-sectional study — Kim G, Chin M, Hahn S, Kim YS, Kwon YH, Park YH., 2025, Journal of Korean biological nursing science. DOI: 10.7586/jkbns.25.032
[6] Unraveling the miscellaneous physical and psychological effects of unstructured physical activity interventions on adults: A systematic review and meta-analysis of the current evidence — Zhi S, Li J, Zhang T, Wang L, Feng Y, Sun J., 2026, International journal of nursing studies. DOI: 10.1016/j.ijnurstu.2026.105606
[10] The benefit of physical exercise in improving quality of life, VO<sub>2</sub> max and sleep quality among older adults living with HIV: A systematic review and meta-analysis — Hidayat J, Chen MY, Pfeiffer S, Dewi YS., 2026, Geriatric nursing (New York, N.Y.). DOI: 10.1016/j.gerinurse.2026.104159
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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