
探す目標と、交際が続くかは別の問いである
候補を探している時間の評価から、交際が成立したあとの関係へ視点を移そう。Potarcaはスイスの2018年の調査データを使い、アプリで出会ったカップルと、ほかの場で出会ったカップルを比べた。全般に、関係への満足と生活満足には出会い方による差がなかった。対象はスイスのカップルであり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、国や交際段階の違いを考える必要がある。アプリで出会う関係は質が低いと、一括りにはできない結果である。[18]
アプリで形成されたカップルでは、デジタルではない場で出会ったカップルより同棲の意図が強かった。アプリで相手を見つけた女性では、対面の場で見つけた女性より、子どもを持つ希望と意図も強かった。ただし意図は、その後に実際に同棲や出産をしたという結果ではない。ここでも、尋ねたものの範囲に戻る必要がある。[18]
この結果は、候補を見続けて迷う人がいないという反証ではない。すでにカップルになっている人の満足と、探している最中の選びにくさは、研究が扱う場面から違う。候補の多さに負担がありうるという質問紙研究と、成立した関係の満足に全般的な差がないという調査は、両立する。[4][18]
ここでは、調査の対象になった人にも注目したい。成立したカップルを調べる研究は、相手を探し続けている全員の経験を代表する範囲は限られる。交際に至った人の満足を示す結果から、アプリを開けば誰でも同じ関係を得られると予測するのは飛躍である。一方、探索中の迷いを理由に、成立した関係まで低く評価する必要もない。どの段階にいる人への質問かを区別すれば、異なる研究を無理に勝ち負けに並べずに読める。[4][18]
利用動機の研究も、この整理に役立つ。Oroszらは、414人、346人、298人を対象とする別々の研究で動機や問題的利用との関連を検討した。対象はアプリ利用者であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめて、利用目的から問題の有無を判定することはできない。問題的利用とは、単に候補が多いという話ではなく、その研究で測定された利用上の問題を指す。動機には性、恋愛、自尊心を高めること、退屈があり、特に自尊心を高めるための利用が問題的利用と強く関連した。[20]
また、一般的な自尊心より、人とのつながりへの欲求が満たされないことが、自尊心を高める利用動機の強い予測変数となっていた。その動機は問題的利用の強い予測変数でもあった。これは質問紙と統計モデルによる関連であり、退屈で開いた人や返信を待つ人に、そのまま問題があると判定する道具ではない。[20]
読み手への応用としては、開く前の目的を言葉にしてみることを提案したい。いまの会話を進めたいのか、新しい相手を探したいのか、誰かから反応が来たことを確かめたいのか。いずれの気持ちも、候補の人数そのものとは違う。人数を管理しているつもりで、実は反応を待つ時間に困っているなら、見直したいのは別の部分かもしれない。
探し終える条件については、Landgrenらの数理モデルも示唆的だ。これは交際相手を割り付けた試験ではなく、限られた時間のなかで、不確かな報酬を持つ方策を探す数学的なモデルである。モデルでは、満足して探索を終える最適なしきい値は有限で、利用できる報酬の平均より高かった。高望みをしすぎることの期待費用は、慎重すぎることより大きかった。[12]
ただし、探索できる時間が長ければ最適なしきい値は上がり、報酬が分布する形によっても変わった。つまり、モデルの中でも最適な止め方は条件次第である。他人のよりよい結果との比較で探索環境を評価すると、期待される成績が大きく損なわれることも示された。友人の交際報告を見て比較基準を増やす場面を考えるきっかけにはなるが、人の恋愛で同じ効果量が出ると証明した研究ではない。[12]
人には意思があり、選ぶ側であると同時に、相手から選ばれる側でもある。数学の報酬を人の価値に翻訳する必要はない。借りられるのは、探す時間と比較の基準を無限にはできない、という問いの立て方だ。自分が譲れない条件を大切にすることと、見ていない誰かが必ず上回ると考え続けることを、同じ行為として扱わずに済む。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
よくある誤解
「候補を減らせば恋人ができる」は、研究より強い断定である。候補が多いという認識には、独身である可能性の低さとの関連も、選択過多との関連もあった。候補を減らす介入によって交際成立率が上がると実証した結果ではない。増やすか減らすかの二択にする前に、自分が比較に困っているのか、出会いが足りないのかを分けたい。[4]
「候補が多い女性ほど、今の相手に不満になる」という言い方にも注意が要る。候補、交際への後悔、満足、継続意思を結ぶ間接的な関連が有意だったのは男性のみだった。女性読者に向けた記事だからといって、対象や性別の違いを消してよいわけではない。自分の迷いを説明する言葉として便利でも、研究の結果を超えてしまう。[4]
「アプリへの不満は、そこでできた恋愛も不幸だという証拠」でもない。利用への満足と対面のデートへの満足は別に測定されており、スイスのカップル調査では出会い方による関係満足の全般的な差はなかった。探す過程が面倒であることと、その後の関係に満足できることは、切り分けて考えられる。[17][18]

今日からできること
以下は、研究結果を踏まえた整理の提案である。何人に絞れば満足するかを保証する手順ではない。質問紙研究と数理モデルで得た知見を、生活の判断に使える問いへ置き換えている。[4][12]
- 画面を閉じる前に、困ったのが「候補がいない」「比較が終わらない」「会話が進まない」のどれかを言葉にする。804人の研究では、候補の広さと選択過多を分けていた。人数だけを感想の代わりにしない。[4]
- 利用への満足と、実際に会った時間への満足を別々に振り返る。1,387人の調査でも評価対象は分かれていた。操作の疲れを、その相手と会話した印象に上書きしないためのメモとする。[17]
- 開く目的を確認する。3つの研究では恋愛や退屈、自尊心を高める動機などを区別した。会う相手を探す日と、誰かの反応が気になる日を、自分の記録では同じ利用にまとめない。[20]
- 探索を終える条件を、自分の予定や重視する関係と結びつけて考える。有限の探索を扱った数理モデルは、無限に高い基準を支持していない。ただし、具体的な人数や時間はモデルから借りず、自分で決める。[12]
- 出会い方だけで交際後の質を決めつけない。2018年のスイスの調査では関係満足に全般的な差がなかった。会う手段の評判と、目の前の相手とどんな関係を築きたいかを分けて考える。[18]
比較を終えたあとの予定を、オンザショアで考える
相手探しとは別に、自分の予定を持っておきたい。その予定の選択肢として、オンザショア立川店には溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温ヨガやピラティスがある。レッスンに通う仕組みとしての案内であり、恋愛の判断やアプリへの満足を変える効果をうたうものではない。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。営業時間は8:00〜23:30だが、開店の時刻とレッスンの開始時刻は別だ。予定に入れる際は実際のレッスンを確認したい。年末年始の12/29〜1/3は通常レッスンを休み、会員向けの特別な有料講座となる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。内容は店のトップ、費用は料金ページ、日程は体験の予約から確認できる。誰かの返信を待つ時間とは別に、足を運ぶ予定を置く。そのための場所として検討できる。

参考文献
[4] Mate Choice Plurality, Choice Overload, and Singlehood: Are More Options Always Better? — Apostolou M, Constantinidou L, Kagialis A., 2024, Behavioral sciences (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/bs14080703
[12] Optimal ambition in business, politics, and life — Landgren E, Langendorf RE, Burgess MG., 2026, Physical review. E. DOI: 10.1103/dfw8-vhjk
[17] Finding Intimacy Online: A Machine Learning Analysis of Predictors of Success — Vera Cruz G, Aboujaoude E, Rochat L, Bianchi-Demichelli F, Khazaal Y., 2023, Cyberpsychology, behavior and social networking. DOI: 10.1089/cyber.2022.0367
[18] The demography of swiping right. An overview of couples who met through dating apps in Switzerland — Potarca G., 2020, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0243733
[20] The personality, motivational, and need-based background of problematic Tinder use — Orosz G, Benyó M, Berkes B, Nikoletti E, Gál É, Tóth-Király I, Bőthe B., 2018, Journal of behavioral addictions. DOI: 10.1556/2006.7.2018.21
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 30代女性のヘアカラーで年齢の印象は変わる?同じ顔の髪色を変えた実験を読む
- 30代女性の血圧は朝と夜で違う?平均だけでは見えない睡眠中と起床後の波
- 腕の描き方は向きで変わる?イラストを見る目と身体のイメージを研究で分ける
- ダイエット向きのレトルトカレーは箱で選ぶ?健康そうな表示と盛り付けの盲点
- ダイエットのおやつの焼き芋は香りも甘い?糖が多い条件と香る条件の違いを読む
- ダイエットサプリを飲むと食べ過ぎる?効くという期待と食事の選び方を読む
- 岩盤浴の衛生面は温かければ安心?汗が残る布と接触する面の菌を研究で読む
- 好きな人の香りは記憶だけで見分けられる?親子の体臭と正解の条件を読む
- 水風呂の朝の効果は目覚めの気分だけ?冷たい刺激と注意力の変化を読み分ける
- 貧乏ゆすりが不快なのはなぜ?見る側の感情と注意を分けて読む研究の現在地
- 鳥肌は自分の意思でも立てられる?寒さも音楽もないときの反応と感動を分けて読む
- 寝る前の暗記は読むより思い出す方が残る?小テストと睡眠の組み合わせを読む
- 曇りや雨の日に眠いなら室内の光を変える?昼の眠気と作業の正確さを読む
- レム睡眠の夢は話のつながりが違う?ノンレムと比べる言葉と記憶源の研究
- 塗り絵は右脳だけを使うのか?左右の分担と見ながら手を動かす研究を読み解く
- 人見知りでも文字なら話せるのはなぜ?カメラの有無と自己開示の違いを読む
- ペットボトル緑茶の健康成分は保存で変わる?温度と配合で違うカテキンの残り方
- お腹が鳴るのが恥ずかしいのはなぜ?音を聞かれた事実と注目される予想を分ける
- ガムの集中力効果はスポーツにも届く?注意課題から競技へ渡る前に読むこと
- 夕方に眠くなるならコーヒーと仮眠は一緒?昼の試験を夕方に移せるか研究で読む
- 左利きの人の特徴は道具で変わる?右手用の設計と慣れた動作を研究で読み分ける
- カラオケでストレスが溜まるのはなぜ?歌う楽しさと評価される緊張を分けて読む
- 独り言で探し物は見つけやすくなる?名前と見た目の一致で変わる視覚の働き
- 高いところで手汗が出るのはなぜ?実際の高さと仮想の崖で比べる怖さと体の反応
- よく笑うと運動代わりになる?安静時との差と消費エネルギーの実測から読む
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
2







