ダイエットのおやつの焼き芋は香りも甘い?糖が多い条件と香る条件の違いを読む

ダイエットのおやつに選んだ焼き芋が、口に入れる前から甘く香る。その印象は糖の量と同じなのか。焼く温度と時間、品種による糖と香り成分の違いを食品分析の研究で読む。糖が最も多かった焼き方と、香り成分の種類が多かった焼き方のずれを手がかりに、おいしさの評価と満腹感・食べる量を分けて考える。

焼き芋を割ると、湯気と一緒に甘そうな香りが立つ。まだ食べていないのに「これは甘そうだ」と思う。食品の分析でも、焼き芋には糖だけでなく、焼いた風味に寄与する複数の香り成分が見つかっている。甘そうな匂いを、糖の量の目盛りとして読むのは早い。[3][4]

答えの芯は、糖が多い条件と、香り成分の種類が多い条件は、実験で異なったということだ。オレンジ色の果肉のサツマイモを焼いた実験では、糖の含有量が最も高かった条件とは別の条件で、最も多くの種類の揮発成分が検出された。「甘い」と「よく香る」は隣り合っていても、同じ測定ではない。[3]

既存記事「ダイエットの焼き芋と蒸し芋は何が違う?甘さと水分で運動日の量を考える」には調理法と量の問いを譲る。ここでは焼き芋の袋から立ち上る香りを追い、鼻で感じる甘そうな印象と、食品に含まれる糖を分けて読む。香りを利用した減量法を探す話ではなく、おやつのおいしさをどう理解するかという話である。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

糖が最多の条件と、香り成分の種類が最多の条件は異なる

加熱条件を比べた食品実験は、オレンジ色の果肉のサツマイモを対象に、180℃で70分、210℃で50分、240℃で30分という条件を設けた。研究者は糖の組成と、揮発成分、カロテノイドをそれぞれ分析している。揮発成分とは、ここでは香りの分析対象となる成分のことだ。人が食べ続けて体重の変化を比べた試験ではない。[3]

この実験では、設定された加熱条件の中で温度が高いほど糖の含有量が高くなり、240℃の条件で最大だった。一方、検出された揮発成分の種類が最も多かったのは210℃の条件である。糖の含有量についての順位を、そのまま香りの種類の順位へ置き換えることはできない。焼き芋を「甘さ」という言葉だけで説明すると、このずれが消えてしまう。[3]

ただし、温度だけを変えた比較ではない点にも注意が要る。180℃の条件は70分、240℃の条件は30分と、時間も違っている。したがって「家のオーブンの温度だけを上げれば同じ結果になる」とは読めない。これは温度と時間を組み合わせた加工条件の比較であり、家庭での万能な焼き方の順位表ではない。[3]

香りの種類が多いことと、鼻で感じる香りが強いことも分けたい。この研究が210℃の条件について示したのは、揮発成分の種類の多さである。その数字を「匂いが最も強い」「全員が最もおいしいと感じる」に変えてしまうと、測ったものが変わる。成分の顔ぶれを数えることと、人の好みを聞くことは別の問いなのである。[3]

著者らは210℃の条件について、甘さのバランス、風味の複雑さ、カロテノイドの保持を合わせた条件として評価している。他方、試験管内の消化を模した評価での抗酸化活性やβカロテンの利用可能性は、180℃、210℃、240℃の順だった。何を良さの軸にするかで、先頭に来る条件が変わる。香りの話から、健康にも最適な焼き方だと一足飛びに決めることはできない。[3]

おやつ売り場に戻して考えるなら、香りの印象だけで糖の多い順に並べない、という読み方になる。袋を開けたときの楽しみはそのままに、成分の量を知りたいときは別の情報を見る。香りを楽しむことと、香りに栄養の計算を任せることを分けておくためだ。

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

品種を変えると、糖と香りの顔ぶれも変わる

風味には材料の品種も関わる。中国東北部で栽培されるオレンジ色の果肉のサツマイモを扱った研究では、3品種の生と焼いた試料について、官能評価と機器分析を組み合わせて比較した。官能評価は、人が食品の味や香りなどを評価する方法である。電子鼻や電子舌も使われているが、人の感想を機械の数値と同じものとして扱った研究ではない。[4]

この比較では、焼くことで麦芽糖と可溶性の糖が増え、それらは官能特性と強く関連していた。麦芽糖は分析された糖の一種である。甘さの評価と総合的な官能評価の得点は、麦芽糖、可溶性糖、還元糖の含有量などと有意な正の相関を示した。糖の分析を脇へ置いて、すべてを香りの効果で説明するのも正しくない。[4]

同じ研究で特定された揮発性有機化合物は70種類に上る。その中でβダマセノン、マルトール、βイオノンが、焼いた風味への主要な寄与成分として挙げられた。名前を暗記する必要はない。大切なのは、焼き芋の匂いには複数の成分が寄与している、という見取り図だ。[4]

研究者はでんぷんの含有量、粒の大きさ、結晶構造にも品種差を見つけた。そして、でんぷんの構造的な特徴と糖化の効率が、焼いたときの風味形成を調整する重要な役割を持つと結論づけている。焼き上がったものの甘さを比べる前から、材料には違いがある。焼き方を比べる際には、材料の品種もそろえて考えたい。[4]

ここでいう相関は、ある数値が高い試料で別の数値も高いという関係である。麦芽糖だけを増やしたら総合評価が必ず上がる、とまで試した結果ではない。総合評価には味と香りが関わり、でんぷんの性質も同時に調べられている。関連する項目の中から、自分の好きな成分だけを原因として選ばない読み方が必要になる。[4]

たとえば前に買った焼き芋と今日の焼き芋で印象が違っても、すぐに「今日は自分の舌がおかしい」と決めなくてよい。品種と加工条件を比較した研究には、食品側の違いを考える材料がある。ただし、研究で扱った品種の順位を、そのまま店頭のすべての品種の順位として使うこともできない。[3][4]

焼く前の芋にも、甘い香りにつながる成分がある

生のサツマイモを対象とした別の食品分析では、色の異なる果肉を持つ5品種から、計66種類の揮発性有機化合物が同定された。焼き芋の香りを考えるとき、加熱後に何ができたかだけでなく、加熱前の材料にどのような成分があるかも研究の対象になっている。[17]

この研究ではテルペノイドとアルデヒドが主な揮発成分群で、相対的な香りへの寄与を評価する指標を使い、15成分を主要な香り成分として挙げている。それらは花様、甘い、脂肪様の香りに寄与すると評価された。生の芋の分析にも「甘い」という香りの表現が登場する。甘い香りという言葉は、焼き目の色だけを指す言葉ではない。[17]

さらに研究者は、でんぷん、可溶性糖、アミノ酸、脂肪酸を、香り成分の前駆体となり得るものとして調べた。前駆体とは、別の成分ができるときのもとになる物質を指す。糖は香りのもととなる候補にも含まれる。材料の成分がどう関係し合うかを調べることで、香りのでき方に近づこうとする研究である。[17]

ただし、この分析で見つかった関連も、そのまま人の甘さの感覚を操作する実験にはならない。可溶性糖と特定の香り成分との相関は、香りだけを足して甘さが何点上がるかという結果ではない。芋の中の化学的な関係と、食べる人の知覚を、同じ一文で飛び越えないことが大切だ。[17]

日常の言葉では「甘そう」「甘い」「好き」が続けて出てくる。食品分析では、糖の含有量、香り成分の組成、人による評価と、それぞれ観察する入口がある。研究の面白さは、普段なら続けて口にする感想を、別々の問いにほどいてくれるところにある。[3][4][17]

生の芋で見つかった66種類と、別の焼き芋の研究で見つかった70種類も、引き算して「焼くと4種類増える」とは読まない。対象の品種も実験も異なるからだ。成分数はその研究で同定された顔ぶれを示す数字であり、別々の研究を加工前後の同じ試料としてつなぐ数字ではない。[4][17]

この違いを押さえると、数の多さだけをおいしさの点数にする必要もなくなる。品種比較の研究は成分の検出と官能評価を組み合わせている。香り成分が何種類あるかを調べる作業と、それを含む食品がどう評価されたかを調べる作業の両方がある。食べた印象を説明するには、分析の数字だけで話を閉じないことも大切になる。[4]

数字で読む焼き芋の糖と香り

180℃・70分、210℃・50分、240℃・30分:温度と時間を組み合わせて比較した加熱条件である。[3]

210℃・50分:比較した条件の中で、揮発成分の種類が最も多かった。[3]

3品種:生と焼いた試料の味、香り、でんぷんの性質を比較した研究が扱った。[4]

70種類:焼き芋の品種比較研究で同定された揮発性有機化合物の総数に当たる。[4]

5品種・66種類:別の生の芋の分析で扱った品種数と同定された揮発性有機化合物の数である。[17]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約