
ボールを蹴る足と支える軸足、どちらが「利き足」か
ボールを蹴る足が利き足で、体を支える軸足はそうでない足。この分け方は広く使われている。1996年の総説は、まさにこの定義に問いを立てた[3]。広く使われる利き足の定義は、物を操ったり動かしたりする動作に好んで使う足のことで、そのとき反対の足は体を安定させる支えになる、というものだ[3]。例に挙がるのがボールを蹴る動作である[3]。著者らは、利き足の働きの特徴と理論の説明に照らして、この定義を考え直すよう提案し、今後の研究の組み立てと測り方への意味を論じた[3]。
私の読みでは、支える足は「利き足でない足」ではなく、別の仕事を受け持つ足である。蹴る瞬間、片足は動き、片足は体重を受け止める。どちらを「利き」と呼ぶかは、どの仕事を見るかで変わる。蹴る足だけで利き足を決めれば、支える仕事の得意さは数に入らない。
サッカーの利き足の割合を知りたい人に、164研究の統合が返せるのは一行だけだ。運動選手では、一般の人より左足の人が多かった[12]。運動選手全体の比較で、サッカーだけの数字ではない。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
足は手より、脳の左右差を映すのか
利き足が研究者の目を引く理由の一つは、脳の左右差の目印として、利き手より役に立つかもしれないという報告である。1998年の研究は、右利きで左足、左利きで右足のように手と足が「交差」した人と、手と足がそろった人を選んで集めた[1]。感情のこもった言葉を左右の耳に同時に聞かせる課題で、どちらの耳が有利かを調べている[1]。耳の有利さは利き足によって有意に変わり(P=0.003)、利き手では変わらなかった[1]。著者らは、脳の左右差は、ほかの左右の好みより利き足と関係しているのかもしれないと述べた[1]。
同じ年の別の研究は、利き手、利き足、性別を完全に組み合わせて32人を集め、言葉を聞き取る同じ型の課題で調べた[4]。ここでも耳の有利さは利き足で有意に変わり(P<.001)、利き手では変わらなかった(P=.196)[4]。著者らは、左の脳が言葉を受け持つことを手の細かな動きと結びつける進化の説明に、この結果は具合が悪いとした。そのうえで、言葉の左右差は、全身の細かく順序立った動きを左右非対称に制御することと、より近く関係しているのかもしれないと結んでいる[4]。
どちらも、条件に合う人を選んで集めた研究で、後者は32人である。「足のほうが脳を映す」と言い切るには、まだ材料が細い。脳に言葉や感情の左右差があることと、右脳派・左脳派という性格の型があることは別の話で、後者は同じサイトの「右脳と左脳の性格診断にエビデンスはあるか」に譲る。左利きの割合と天才説は「左利きの特徴は本当か」が、腕組みと指組みの左右の癖は同じ特集の「腕組みと指組みで右脳左脳は分かる?」が扱っている。

手と足の左右がそろわなくても、成績との信頼できる関係は示されなかった
手、目、足、耳の利きが左右どちらかにそろっていない人は、勉強でつまずきやすい。この100年、散発的な研究がそう示唆してきた。交差利きと呼ばれる現象である[16]。研究の大半は1960年代と70年代のものだが、学校教育の場では交差利きへの関心が高まり、利きをそろえ直したり固めたりするための働きかけがいくつも作られてきた[16]。
2017年の系統的レビューとメタ分析は、1900年以降の論文から、3〜17歳を対象に2つ以上の体の部位で左右の好みを測った研究を集めた[16]。最終的に入ったのは26本、5〜12歳の子ども合計3,578人である[16]。まとめた結果は、交差利きと成績、交差利きと知能のあいだに信頼できる関係があるという主張を支持しなかった[16]。著者らは、左右の好みの測り方も成績の測り方も研究ごとにばらばらだという、研究の側の大きな欠点も指摘している[16]。
子どもの足は、もともと揺れている。1993年の総説によれば、3〜11歳の子どもでは、利き手に比べて右足を好む傾向がはっきりせず、どちらの足も利き足としない子どもが約2倍いた[20]。利き手で見られる、年齢とともに右に寄っていく流れも、この年齢の足でははっきりしなかった[20]。164研究の統合でも、両足を使い分ける人は子どものほうが多い[12]。小学生が縄跳びをどちらの足からでも跳び始めるのは、足の利きがまだ揺れている年齢の、よくある迷いなのかもしれない。ここは私の読みである。
噛む側と股関節の骨、左右の癖は体のどこまで届くか
足の利きは、口の中の癖とも相関していた。インプラントの治療を受けた81人と受けていない108人に、手、足、目、耳の左右の検査をしたうえでガムを噛んでもらい、最初の一噛みの側を見た研究がある[18]。噛む側と利き足の相関はr=0.49で、利き手とは0.54、利き目とは0.65、利き耳とは0.66と、いずれも有意だった[18]。全体の78.3%が右で噛み、19.1%が左、2.1%ははっきりした好みがなかった[18]。著者らは、インプラントの位置は噛む側の好みを変えなかったとしている[18]。
骨はどうか。2026年の総説は、股関節の骨密度の左右差を調べた研究を、手足の利きとの関わりから見渡し、左右の骨密度に有意な差があるかどうかについて、食い違う結果を見つけた[7]。多くの研究は左右の差を骨の側からだけ見て、手足の利きを考えに入れていなかった[7]。総説の結論は、左右差が有意かどうかは決着していない、というものだ[7]。軸足の側の骨が強い、と言える段階にはまだない。

よくある誤解
「利き足は利き手と同じ側」。164研究の統合で、左利きの人のうち左足は60.1%、右利きの人のうち左足は3.2%だった[12]。そろう人が多いが、そろわない人も少なくない。
「利き足はボールを蹴る足で、軸足は利き足でない方」。この広く使われる定義そのものを考え直すべきだと、1996年の総説が提案している[3]。蹴る足で決めるのは、数ある見方の一つにすぎない。
「手と足の左右がそろわないと、勉強が苦手になる」。26本・3,578人の子どもの研究の統合は、交差利きと成績や知能の信頼できる関係を支持しなかった[16]。
今日からできること
- 蹴る足だけで決めず、階段の一段目、片足立ち、床の物を足で寄せる動作など、いくつかの動作で確かめる。研究の質問票は11の行動で利き足を測った[2]
- 利き手とは別々に書き留める。左利きの人でも、左足が利き足なのは60.1%だった[12]
- 結果を左・どちらでもない・右の3つで考える。多くの質問票は向きを3つに分け、一貫しているかどうかの強さも見る[11]
- 1か月あけて、同じ動作でもう一度確かめる。中国語版の質問票は、30日あけた答え直しで0.869の一致を示した[5]
- 子どもの足の左右がはっきりしなくても、それだけで心配の種にしない。3〜11歳では、どちらの足も利き足としない子が手の場合の約2倍いた[20]
右の足からでも左の足からでも、オンザショア立川店へ
研究が示したのは利き足の割合と測り方で、運動の効果ではない。当店のレッスンで利き足が変わる、左右差が整う、とは言わない。右足の人も左足の人も、決まった時間に体を動かす場所として使ってもらえればいい。
場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口を出て徒歩1分。レッスンの軸は溶岩プレートを敷いたスタジオで行うホットヨガで、ヨガだけで25種類以上ある。常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも選べる。
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参考文献
[1] Footedness is a better predictor than is handedness of emotional lateralization — Elias LJ, Bryden MP, Bulman-Fleming MB., 1998, Neuropsychologia. DOI: 10.1016/s0028-3932(97)00107-3
[2] The measurement of foot preference — Chapman JP, Chapman LJ, Allen JJ., 1987, Neuropsychologia. DOI: 10.1016/0028-3932(87)90082-0
[3] A question of foot dominance — Gabbard C, Hart S., 1996, The Journal of general psychology. DOI: 10.1080/00221309.1996.9921281
[4] Footedness is a better predictor of language lateralisation than handedness — Elias LJ, Bryden MP., 1998, Laterality. DOI: 10.1080/713754287
[5] Translation, cultural adaption, and test-retest reliability of Chinese versions of the Edinburgh Handedness Inventory and Waterloo Footedness Questionnaire — Yang N, Waddington G, Adams R, Han J., 2018, Laterality. DOI: 10.1080/1357650x.2017.1357728
[7] On the left-right asymmetry in hip bone mineral density: review and remarks — Tsorlakis N, Koidou E, Grigoropoulou M, Grouios G., 2026, Journal of clinical densitometry : the official journal of the International Society for Clinical Densitometry. DOI: 10.1016/j.jocd.2026.101760
[10] Handedness — Ocklenburg S, Güntürkün O., 2025, Handbook of clinical neurology. DOI: 10.1016/b978-0-443-15646-5.00016-6
[11] Inventories of Human Lateral Preference: A Systematic Review — Bazo NS, Marcori AJ, Guimarães AN, Teixeira LA, Okazaki VHA., 2023, Perceptual and motor skills. DOI: 10.1177/00315125231212326
[12] Four meta-analyses across 164 studies on atypical footedness prevalence and its relation to handedness — Packheiser J, Schmitz J, Berretz G, Carey DP, Paracchini S, Papadatou-Pastou M, 2020, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-020-71478-w
[16] Is crossed laterality associated with academic achievement and intelligence? A systematic review and meta-analysis — Ferrero M, West G, Vadillo MA., 2017, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0183618
[18] The influence of partial implant-supported restorations on chewing side preference — Nissan J, Berman O, Gross O, Haim B, Chaushu G., 2011, Journal of oral rehabilitation. DOI: 10.1111/j.1365-2842.2010.02142.x
[20] Foot laterality during childhood: a review — Gabbard C., 1993, The International journal of neuroscience. DOI: 10.3109/00207459309024106
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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