
痛みの点数を、重量の代わりにしない
「痛くないなら軽いはずだ」と判断すると、痛みの数値と負荷の数値が入れ替わる。膝蓋腱症の14人を対象にした無作為化クロスオーバー研究では、片脚のレッグプレスを、6回、10回、14回反復できる最大負荷の条件で比較した。これらをそれぞれ6RM、10RM、14RMと表す。RMは、ここでは反復できる最大回数を基準にした負荷の表し方である。膝蓋腱症の患者の比較であり、18〜39歳の女性全般に適した負荷の推奨には使えない。[3]
参加者は各条件で運動した後、運動中の痛みを0から10の数値で評価した。0は痛みなし、10は最悪の痛みを意味する。平均の痛みは6RMで4.5、10RMで4.5、14RMで4.6だった。標準偏差はそれぞれ1.7、1.7、2.0であり、負荷条件の間に統計学的に有意な差はみられなかった。[3]
数字が近いからといって、負荷が同じだったことにはならない。研究では異なる相対負荷を用いている。逆に、この研究で痛みに差がなかったから、誰でも負荷を上げてよいという推奨には使えない。対象は膝蓋腱症のある人で、同じセッションの中の比較だった。診断のない初心者の負荷選びや、長期的な安全性の判定にそのまま移すものではない。[3]
この試験は「きつさ」ではなく「痛み」を尋ねた点も見落としたくない。重くて努力を要する感覚と、どこかが痛むという申告は、相談の際にも別の欄で伝えたい。負荷条件を変えても痛みの評点が変わらなかったという結果は、痛みの数字だけから重さを逆算する読み方を支えない。[3]
ジムを出てからスマホに「今日はつらかった」とだけ残すと、後から読む自分にも意味が曖昧になる。動かすために力が要ったのか、途中で痛みを感じたのか、それとも指示の意味が分からず困ったのか。医学的な判断を自分で付けるのではなく、指導者や医師へ伝える文章として分けて残す、という使い方が考えられる。[3][17]
先の競技者の試験は、痛みの変化を運動の前後で測っていた。一方、レッグプレスの試験は各負荷で運動中に経験した痛みを比べた。どちらも痛みの数字を使っているが、答える時点も比較の目的も違う。同じ点数という表記だけで、別の研究の数字を自分の経過表のようにつなげてはいけない。[3][10]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
表記の比較と、運動そのものの比較を見分ける
割合と重さのどちらが分かりやすいかを考える際には、「同じ運動を別の書き方で伝えたのか」を確認したい。ここまでの研究で比べていたのは、運動の形式、相対負荷、あるいはカフの条件である。これらの結果から、数字を割合にするだけで自信が付く、重さの単位なら怖くなる、といった心理的な効果を導くことはできない。[3][10][17]
これは、数字の伝え方を気にする必要がないという意味ではない。相談の場面では、自分が読み取れた情報と、まだ確かめたい情報を分ければよい。「割合は書いてあるが基準が分からない」「重さは分かるが、どの動作の記録か曖昧だ」という聞き方なら、好みの問題と指示の不足が混ざらない。
たとえば、メニューを別の用紙へ写す時には、数字の大きい欄ばかりが目に入る。そこで単位だけを付け足して終えるのではなく、運動名、割合の基準、実際に行った条件という順で読み返す。研究で具体的な角度や収縮の方法が指定されていたことを思い出すと、数字の周囲の文章も処方の一部だと捉えやすい。[10]
また、結果の数字と指示の数字も区別する。最大の力に対する割合は運動を設定するための数値であり、運動後の痛みの点数は結果を評価するための数値である。比率を使っているか、整数を使っているかという見た目より、何の役割で記録されたのかを見る。膝の試験でも、負荷の設定と痛みの評価には異なる尺度が用いられていた。[10]
ゴムのレビューも、数字の役割を考える補助線になる。ひずみを測る装置を用いる提案は、負荷を把握しながら処方を考えるためのものだ。測定して得た値と、本人が口にした感覚を同じものとして扱う提案ではない。器具の表示、測定値、本人の感想を並べる場合には、それぞれが何を表しているかを残す必要がある。[2]
これから運動を始める人にとって、研究の数値をすべて手帳に移す必要はない。必要な問いは、練習前に何を設定し、練習中に何を行い、終わって何を伝えるかである。用紙を埋めること自体を目的にせず、次に担当者と話した時に「前回と何を比べたいのか」が言える記録を目指したい。
読み返せる記録にするなら、他人へ説明する場面を思い浮かべるとよい。メニューの写真だけを送られて、担当者は同じ課題を思い描けるだろうか。割合の基準が切れていないか、器具名が抜けていないか、感じ方の欄が痛みの欄と混ざっていないか。研究の条件を日常へ移す時には、数字を増やすより、すでにある数字の意味を失わないことを優先したい。[3][10][17]
たとえばゴムで行った肩の運動を「重かった」と書いた記録は、その日の感想として残せる。しかし、それだけを測定された負荷量として扱うことはできない。肩のレビューが負荷の定量化を課題にしていることを踏まえれば、感想を残す欄と、測った条件を書く欄を分ける発想になる。測れなかった値を推測で埋めず、次回相談したい点として言葉にしておくのである。[2]

よくある誤解
「同じ割合なら同じ強度」という理解は、基準を省いている。80%という同じ表記でも、最大の等尺性の力を基準にする場合と、8回反復できる最大の重さを基準にする場合がある。割合の前に、何を最大として測ったかが必要だ。数字をそろえるより、基準の名前をそろえることから始めたい。[10]
「低い割合なら、きつさも小さい」という決め方にも注意が要る。最大1回の挙上重量の30%にそろえた走幅跳選手の試験でも、血流制限の有無によって主観的運動強度や痛みが違った。低負荷という表現は、本人の感覚が必ず軽いという保証ではない。ただし、これを家庭で血流制限を試す理由にしてはいけない。研究の条件を読み分けるための例である。[17]
「痛みの点数が同じなら、負荷も適切にそろっている」とも言えない。膝蓋腱症の比較では、異なる反復可能な最大負荷に対し、痛みの平均値は近かった。痛みを報告することと、運動の負荷を表すことには違う役割がある。痛みが続く場合の負荷判断は、点数だけで自己完結させず医師に相談する。[3]
今日からできること
- 割合で指示を受けたら、何に対する割合かを確認する。研究の80%にも異なる基準があるため、数字と基準の名前を一緒に記録する。[10]
- 8RMのような表記を写す時は、反復できる最大回数を基準にした負荷だと分かる形にする。重さや回数を自己判断で変更する前に、担当者へ意味を確認する。[10]
- 重量の割合と本人のきつさを別に伝える。30%の重量でも条件によって感覚が異なった研究を、自分の推奨値ではなく、記録を分ける理由として使う。[17]
- 痛みを数値で報告する時は尺度の意味も伝える。0から10を使った研究では両端の意味が定められていた。運動中か運動後かも添える。[3]
- 前回と比べる前に、負荷の数字に加えて動作の方法を読み直す。4週間の競技者の試験でも、保持する運動と動かす運動は区別されていた。[10]

オンザショア立川店で、数字の先に続ける時間を置く
数字の書かれたメニューを、日々の予定のどこへ置くか。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。運動を生活の中で続ける場所を考える時には、強度の表示だけでなく、通う時間と移動の条件も選ぶための材料になる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。
当店は溶岩プレートを敷いたホットヨガスタジオであり、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングなどもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。研究の設定値をそのまま当店の効果へ結び付けるのではなく、予定に運動の時間を置く仕組みとして検討する場所である。
妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。まず参加条件を確認し、店舗情報と料金で通い方を考えたい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。予定に合う時間を選ぶ入口は体験の予約である。
参考文献
[2] Elastic band resistance for shoulder rehabilitation: Clinical applications and practical exercises — Green B, Cronin J, Cadogan A, Ryan C, Rumpf M., 2025, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2025.01.014
[3] Increasing or decreasing load during resistance training is not associated with changes in pain among individuals with patellar tendinopathy: a randomized crossover study — Toustrup JL, Lyng KD, Hunniche SS, Mølgaard K, Olesen JL, Riel H., 2025, Disability and rehabilitation. DOI: 10.1080/09638288.2024.2417765
[10] Isometric Contractions Are More Analgesic Than Isotonic Contractions for Patellar Tendon Pain: An In-Season Randomized Clinical Trial — Rio E, van Ark M, Docking S, Moseley GL, Kidgell D, Gaida JE, van den Akker-Sche, 2017, Clinical journal of sport medicine : official journal of the Canadian Academy of Sport Medicine. DOI: 10.1097/jsm.0000000000000364
[17] Influence of blood flow restriction cuff width on acute metabolic, perceptual, and landing responses to low-load resistance exercise in trained long jump athletes — Wang C, Yang H., 2026, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2026.1912080
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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