筋トレの総負荷量は同じ人なら比べられるか、重量更新と体の負担を読む記録法

筋トレの総負荷量が増えたのに楽な日も、合計は同じなのにきつい日もある。同じ人の記録を比べるとき、重量と回数だけでは見えない違いを、睡眠制限の試験やセット構成のメタ分析から読む。負担感も近かった研究を合わせ、休憩、動きの速さ、評価の時点をどう残すかを考える。

重りを片付けて、筋トレの記録を開く。前回より重い物を持てたのに、終わったあとのきつさは少ない。別の日には、同じメニューを終えただけでずいぶん消耗した。「合計が同じなら、自分への負担も同じ」と考えると、記録と体感がかみ合わなくなる。

答えは、同じ人の比較にも総負荷量は使えるが、それだけでは体への負担までそろわない、である。筋トレ経験のある女性を対象にした睡眠制限の試験では、総負荷量の減少は小さい一方、運動後の負担感や下半身の動きの速さには、より大きな変化があった。[2]

種目をまたぐ合計の比べ方は、既存記事「筋トレの総負荷量の目安は種目で変わる?同じ合計でも違う運動を見分ける話」に譲る。ここで考えるのは、同じ人が重量を更新していくときの比較である。数字の伸びと、その日に引き受けた負担を、記録の別々の欄に置いて読む。[1][2]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

総負荷量ときつさは、別の出来事を記録している

総負荷量は、扱った重量と反復回数を使って運動の量を表す方法である。筋トレの実施量を外側から記録する指標として使われる。一方、運動全体をどれほどきつく感じたかを尋ねるセッション自覚的運動強度は、本人が受けた負担の側を記録する。研究では、前者を外的負荷、後者を内的負荷の評価に用いている。[6][17]

帳面に残る仕事と、その仕事を終えた人の感じ方は、似ていても同じではない。重さを更新できたという出来事は、負担感の記録が増えても消えない。反対に、合計を達成したからといって、いつもと同じ楽さで終えたことにはならない。睡眠を変えた試験は、この違いを具体的に示している。[2]

ただし、感じ方だけを本当の答えとして扱うのも早い。健康な男性のベンチプレス実験では、総負荷量と自覚的運動強度に正の相関が認められた。多くの仕事をした回ほどきつく感じる関係も、実際に観察されている。合計と体感にはつながりがある。ただし男性で得られた関係を18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、女性での検証も必要である。[16]

日常の記録に置き換えるなら、合計の欄は「どれだけ行ったか」、負担感の欄は「その実施が自分にどう感じられたか」に対応する。どちらかの欄に、もう片方の答えまで代筆させない。研究でも外的負荷と内的負荷を区別して測っており、同じ記録表に残す意味はこの区別にある。[2][6]

重量の更新を喜ぶことと、負担が増えた理由を確かめることは両立する。合計が伸びた日にきつかったとしても、達成した量は、その日の成果として残る。ただ、次回も同じ条件だったと決めず、何を変更した記録なのかを確認したい。セット構成の比較では、量の違いだけでなく休憩などの違いも同時に扱われている。[1][4]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

合計がほぼ同じでも、睡眠で比較の条件が変わる

睡眠制限を調べたランダム化クロスオーバー試験には、筋トレ経験があり、月経が規則的な健康な女性が参加した。対象は18〜35歳の10人である。同じ参加者が、床に入っている時間を5時間にした条件と、7時間以上にした条件をそれぞれ9晩経験し、各条件で4回の筋トレを行った。[2]

クロスオーバーとは、同じ人が別の条件も経験する比較の方法だ。この試験は、もともと強い人と弱い人を並べただけではない。自分の過去と現在を比べたい読者にとって、同じ人でも睡眠条件によって記録の読み方が変わる点が重要になる。[2]

睡眠制限による総負荷量の減少は1%未満だった。一方で、下半身の複数の関節を使う種目では、重りを持ち上げる局面の平均速度が最大15%遅くなり、セッション自覚的運動強度は11%高くなった。上半身の種目では、同様の平均速度の低下は認められなかった。[2]

合計だけ見れば「ほぼいつもどおり」である。しかし動作の速さと本人の感じ方を見ると、同じように終えたとは読み切れない。数字の帳尻は合っても、動作と負担感には変化があった。研究の結論も、睡眠制限では運動の量より、動作速度という質の指標に変化が現れやすかったとしている。[2]

この変化率は、試験の条件と対象に限って読む必要がある。対象は筋トレ経験のある少人数の女性であり、続けて睡眠を制限した条件である。たまたま夜更かしした朝の状態を、そのままこの数字に当てはめることは避けたい。自分の感覚から変化率を推定する使い方でもない。[2]

それでも、記録を見る問いは変えられる。「合計が減っていないから問題ない」ではなく、「同じ合計を、どんな睡眠のあとに、どんな動きで終えたか」と考える。家庭の記録では睡眠の事情を短く添える案がある。専門的な速度測定と同じものではないが、比較条件を忘れないためのメモになる。[2]

時間を詰めると、重量更新以外の負担も混ざる

仕事帰りに予定がある日は、筋トレを早く終えたくなる。ここで休憩を短くしたり、別の種目を続けたりすると、合計が似ていても比較条件は変わる。スーパーセットとは、種目をほとんど休まず連続させる方法である。通常のセット構成との比較をまとめた系統的レビュー・メタ分析が、この違いを調べている。[1]

分析には19研究、313人が含まれた。全体では反復回数と総負荷量は通常の方法と同程度で、セッションの時間は短かった。一方、自覚的運動強度は高く、標準化平均差は0.77だった。標準化平均差とは、異なる測定を比較するために差を共通の尺度で表した値であり、きつさが77%増えたという意味ではない。[1]

量を保ったまま時間を短くできるという利点と、きつさが増えるという負担が同居する。この結果を、同じ合計なら同じセッションだった、と読むことはできない。予定に間に合ったことは成功でも、体への負担は前回と異なっていた。[1][1]

しかも連続させる種目の組み合わせによって結果は異なった。互いに反対の働きをする筋肉を組み合わせる方法では反復回数が多く、動作の性質が似た種目を組み合わせる方法では総負荷量が少なかった。スーパーセットという名前だけで、すべて同じ変化が起こると決めないことが大切だ。[1]

別のランダム化クロスオーバー試験では、12人が重量、反復回数、休憩の異なる筋トレを行った。運動全体の自覚的運動強度は、パワーを狙う構成で3.0、筋力を狙う構成で4.5、筋肥大を狙う構成で8.5だった。筋肥大を狙う構成では、運動後の跳躍能力の低下も長く続いた。この12人での結果を18〜39歳の女性全体の負担の目安にするには、対象を絞った検証が必要になる。[4]

ただし、この試験では複数の条件を一緒に変更している。休憩だけが原因で負担感が変わった、と切り分けることはできない。重量を更新した日には、休憩も短くしていなかったかを確認する。これは原因を断定する作業ではなく、「重量だけを変えた比較」だったかを確かめる作業である。[4]

比較するときは、その研究がその場の反応を測ったのか、続けたあとの変化を測ったのかも分けたい。スーパーセットの分析には、運動中や運動後の乳酸、自覚的運動強度と、長期的な筋力や筋肥大が含まれる。同じ研究群の中でも、負担感の違いと長期的な変化は別々の結果である。その場できつかった事実から、将来の成長まで一足飛びに読まない。[1]

また、乳酸の値が高かったという結果を、自分の帰り道の疲れと同一視しない。分析では乳酸も負担感も通常の構成より高かったが、測っている対象はそれぞれ異なる。家庭で残す感想と血液の検査は、測るものが違う。研究で複数の項目を測る理由は、ひとつの結果に体の反応を全部代表させないためにもある。[1]

睡眠の試験でも、下半身と上半身で速度の結果が異なった。今日は何となく全身が駄目だった、と広げる前に、どの動作で違いを感じたかを残す案がある。研究で測った速度そのものを感想から再現することはできないが、種目を区別する記録なら、次に振り返る場面を具体化できる。合計の横に短い言葉を置く余地は、ここにある。[2]

数字で読む総負荷量と内的な負担

19研究・313人:通常のセットとスーパーセットを比較したメタ分析に含まれた。[1]

1%未満:睡眠制限による総負荷量の減少。筋トレ経験のある女性の試験での値である。[2]

11%:同じ睡眠制限の試験では、セッション自覚的運動強度がこの割合で増えた。[2]

最大15%:睡眠制限時に下半身の種目で遅くなった、持ち上げる局面の平均速度である。[2]

0.77:スーパーセットで高かった自覚的運動強度の標準化平均差である。[1]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約