
体組成計の値と、呼気から測る値を分ける
体重を入力すると基礎代謝の数字が出る。その便利さの一方で、数値を「測った」のか「予測した」のかを見落としやすい。完全母乳の女性40人を対象にした予備研究は、体組成分析から推定する安静時消費と、身体計測値などを用いる14の予測式による値を比較した研究である。[15]
体組成分析からの推定値の中央値は1515.0 kcal、95%信頼区間は1477〜1582 kcalと報告された。予測式による値は、式によって1149.7 kcalから1576.8 kcalまで幅があった。同じ対象を扱っても計算の方法で値が違う、というのがこの結果の読みどころである。授乳女性すべての安静時消費が、この範囲内に収まるという意味ではない。[15]
この研究では、予測式全体の一致度が低く、多くの場合に過小推定されていた。比較した中ではMüllerらの式が最も正確で個人差も小さかったとされた。ただし、比較の基準になったのも体組成分析による推定である。呼気から消費を調べた実測値との検証と、同じ強さで扱うことはできない。[15]
一方、過体重・肥満の授乳女性を対象とした別の検証研究では、間接熱量測定という、呼吸に関する測定からエネルギー消費を求める方法が使われた。産後10週では71人、24週では64人、15か月では57人のデータがあり、体重を用いる式と除脂肪量を用いる式を合わせて36の予測式を検証している。除脂肪量とは、体重のうち脂肪以外の部分を指す。対象は過体重・肥満の授乳女性であり、18〜39歳の女性でも、体格や授乳状況が異なる場合にそのまま当てはめることはできない。[18]
この検証では、実測値の±10%以内に入れば正確な予測と定義した。その条件を、すべての測定時点で女性の80%以上が満たした式は6つあった。体重を使う式のうち成績が最も良かったHenryの式では、正確な予測の割合は全体平均83%であり、体重や授乳状況が変わっても性能が保たれていた。[18]
先の予備研究が予測式の一致度の低さを示し、こちらの検証が性能の良い式を見いだしたことは、どちらかを捨てる理由にはならない。対象集団、比較の基準、正確さの判定が違う。授乳期の予測式をすべて無用とするのも、どの機器の表示でも信用できるとするのも、結果の範囲を越える。[15][18]
しかも、平均83%という数字は「自分の値が83%正しい」という意味にはならない。一定の誤差内に入った人の割合である。予測値を眺めるときは、小数点まで表示されているかより、どの集団で、何を基準に確かめられた方法なのかが重要になる。細かな表示は、個人への正確さを保証しない。[18]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
「代謝を上げる食べ物」より、補う目的を確かめる
「産後 基礎代謝 上げる」と検索して食べ物の答えを探すと、追加の栄養をとる話と、代謝を高くする話が混ざりやすい。授乳期の必要量のレビューで扱われるのは、母乳づくりに伴う需要をどう補うかである。食べ物を代謝のスイッチとして選ぶこととは、目的が異なる。[3][6]
Deweyのレビューは、授乳期の追加たんぱく質を、母乳のたんぱく質濃度から約15 g/日と見積もる考え方を紹介している。一方、母乳に含まれるたんぱく質以外の窒素成分の費用まで考えると、約20 g/日という見積もりになる。窒素出納、つまり体に入る窒素と出る窒素の収支をみた研究とも後者は整合するとされる。[6]
ここでも、同じ「追加量」という言葉の中に計算の前提の違いがある。たんぱく質を増やすと基礎代謝がその分だけ高くなる、という結果ではない。また、追加分だけを切り出せば食事全体が整うわけでもない。栄養の数字を読む際には、総量なのか普段の食事に対する追加量なのかを先に確認したい。[6]
同レビューは、低いたんぱく質摂取が母乳量に影響する可能性は低い一方、母乳中の窒素の一部の分画を変える可能性があると述べる。したがって「母乳が出ているから自分の栄養は十分」と、量だけから食事を評価することも避けたい。母乳の量という結果と、母体の食事をどう整えるかという課題は、重なっていても同一ではない。[6]
夕方、ようやく自分の食事を用意できた場面を考える。そこで必要なのは、食材に基礎代謝を何単位上げる力があるかという採点ではなく、授乳の追加需要を含めて食事を考える視点である。数字が気になるときは、現在の食べ方や授乳状況を書き出し、医師への相談に使う。レビューの平均的な追加量だけで自分の不足や過剰を断定しない。[3][6]
食欲の強さだけで消費の内訳を見分けることも難しい。エネルギーの出入りを扱ったレビューでは、食欲と必要量の関係は、活動の程度やエネルギーを使う理由によって異なるとされ、授乳もその理由に含まれている。妊娠や授乳だけでなく、アスリートの運動中断や肥満者の減量後も扱うレビューなので、18〜39歳の授乳女性の食欲をそのまま説明する結果としては使えない。空腹を感じたこと自体を、基礎代謝の上昇を確かめた証拠にはできない。[1]

よくある誤解
「授乳で使う分は、そのまま基礎代謝に足される」という思い込みがある。授乳の費用は母乳量や効率から推定され、正味の追加必要量には組織からの動員も関わる。食後の代謝は上がっても基礎代謝は上がらないとしたレビューもあり、すべてを安静時の増加として扱う説明は成り立たない。[3][8]
「推定式で低く出たら、代謝が壊れている」という読み方も飛躍である。授乳女性の予備研究では式による値の差があり、過体重・肥満の産後女性の検証では、定めた誤差内によく収まる式もあった。画面の数値から健康状態を診断する前に、推定という方法に幅があることを思い出したい。値への不安が続く場合は、医師に相談する対象である。[15][18]
「授乳婦の研究なら、体組成計の表示の正確さも確認済みだ」という理解にも注意が要る。完全母乳の女性40人の予備研究では、比較の基準は体組成分析からの推定値だった。一方、過体重・肥満の産後女性の検証では、間接熱量測定の実測値を基準にした。どちらもヒト授乳婦のデータだが、推定同士の一致と、実測にどこまで近いかは、確かめている内容が違う。家庭の機器の表示を読むときも、研究で比較された方法と同じかを先に確認したい。[15][18]
人の産後の生活へ戻すなら、他人より基礎代謝が高いかを競うより、同じ名前の数字が何を測っているかを確かめる方が役に立つ。授乳の追加需要、安静時の消費、日常の活動、食事からの補いを混ぜないことが、この問いへの出発点になる。[3][6][10]
今日からできること
- 手元の表示が実測か推定かを確認する。授乳女性40人の予備研究では、体組成分析の推定値と14の予測式を比較している。機器やアプリの数字を見る際にも、まず方法の説明を読む。[15]
- 授乳の費用と食事の追加量を別の欄に書く。完全母乳の費用2.62 MJ/日と、組織からの動員を織り込んだ追加量1.9 MJ/日は、意味が違う数字である。自分の摂取目標に直結させず、相談時の区別に使う。[3]
- 食事を考える際は、約500 kcal/日という値が、完全母乳で緩やかな体重減少を織り込んだレビューの正味の追加量だと確認する。産後の誰にでも当てはめる食事指示として扱わない。[6]
- 推定値の差を見て、すぐ食事を減らさない。産後10週・24週・15か月の検証では、実測値との誤差を定めて式を評価していた。生活や授乳状況と一緒に値を医師に伝え、必要な評価を相談する。[18]

オンザショアで、通う時間と運動の種類を選ぶ
産後に運動を生活へ戻す場所を考えるときは、通える時間と選べる運動を照らし合わせたい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30、年中無休で、全曜日同じである。JR立川駅北口から徒歩1分、所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。
当店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意し、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱っている。時間と種類を見比べ、続ける場所を選ぶための選択肢として案内している。
医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。内容は店舗トップ、料金は料金ページで確認できる。体験予約は、予定に合う機会を選ぶ入口である。
参考文献
[1] Impact of Energy Turnover on the Regulation of Energy and Macronutrient Balance — Bosy-Westphal A, Hägele FA, Müller MJ., 2021, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.23133
[3] Energy requirements during pregnancy and lactation — Butte NF, King JC., 2005, Public health nutrition. DOI: 10.1079/phn2005793
[6] Energy and protein requirements during lactation — Dewey KG., 1997, Annual review of nutrition. DOI: 10.1146/annurev.nutr.17.1.19
[8] Postprandial thermogenesis in lactating women — 著者名なし, 1991, Nutrition reviews. DOI: 10.1111/j.1753-4887.1991.tb03024.x
[10] Food energy requirements in humans — Pellett PL., 1990, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.1093/ajcn/51.5.711
[15] Resting Energy Expenditure during Breastfeeding: Body Composition Analysis vs. Predictive Equations Based on Anthropometric Parameters — Bzikowska-Jura A, Szulińska A, Szostak-Węgierek D., 2020, Nutrients. DOI: 10.3390/nu12051274
[18] Predictive equations for estimating resting energy expenditure in women with overweight and obesity at three postpartum stages — Halland Nesse S, Ottestad I, Winkvist A, Bertz F, Ellegård L, Brekke HK., 2020, Journal of nutritional science. DOI: 10.1017/jns.2020.16
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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