
動作中の筋活動は近づくが、種目によって差も残る
静止してお腹へ注意を向ける練習と、手脚を動かす練習を分ける必要がある。先の成人の研究では、静止中には筋活動の差が出たのに、動的課題では差が認められなかった。研究者は、課題の要求が増すと安定化の戦略が近づくという、動作に依存した調整を示している。ただし、差が検出されないことを、あらゆる動作で完全に同じと読むべきではない。[1]
別の予備的研究では、若い成人20人がプランク、サイドブリッジ、カールアップなどを行った。参加者は男女で、最近の腰痛経験がある人と、痛みの既往がない人が含まれた。18〜39歳の健康な女性だけを対象とした比較ではないため、そのまま初心者女性全体の結果にはできない。横向きで体を支える静止課題では腹直筋の活動がブレーシングで高かった。体を起こすカールアップの持ち上げ局面でも腹直筋はブレーシングで高く、内腹斜筋はホローイングで高かった。[14]
この研究は、動的課題になれば必ず両方法の差がなくなる、という断言への歯止めになる。仰向けでつま先を動かす課題と、上体を持ち上げる課題とでは結果が違う。筋を指定せずに「動くときはこちらが効く」と語ると、腹直筋と内腹斜筋の違いまで消してしまう。初心者向けの説明でも、言葉を短くすることと、結果を一色にすることは別だ。[1][14]
さらに、筋活動が大きくなることと、動作の成績が良くなることにも距離がある。健康な成人30人が、片脚で立ちながら別の脚を複数の方向へ伸ばす課題を行った研究では、へこませる方法も固める方法も、事前の腹部収縮をしない条件より腹筋の活動を高めた。対象は20〜41歳の女性18人、男性12人である。18〜39歳の女性に当てはめる際は、男女を合わせた結果である点を踏まえる必要がある。[5]
後ろ側へ脚を伸ばす方向では、支持脚側の表層多裂筋の共同活動も見られた。しかし、多裂筋の活動と脚を伸ばせた距離には相関が認められなかった。お腹と背中が一緒に働いたという結果を、そのまま「遠くまで脚が届くようになる」と訳せない例である。活動を測った数字と、動作の到達距離は同じ成績表ではない。[5]
ここで相関が認められなかったことは、多裂筋の役割がないという意味でもない。腹部と背部の共同活動が見られたという事実と、その活動の大小から到達距離を説明できなかったという事実を、並べて残す必要がある。よい結果だけを一続きの成功物語にしない読み方だ。[5]
レッスンで「使えている感じが強かった」と思った日は、その感想を残してよい。ただ、次には動作の側も見たい。骨盤が回ったのか、課題をこなせたのか、どの姿勢だったのか。強い感覚だけを成果にすると、研究でも分けている指標を、体験談の中でまた一緒にしてしまう。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
声かけは、全員共通の合言葉ではなかった
「おへそを引き込む」と聞くと分かる人もいれば、「お腹を支える」のほうが動きやすい人もいる。この個人差を考える材料になるのが、健康な28人に複数の声かけを試した反復測定研究だ。へこませる方法の声かけを3種類、固める方法を2種類使い、膝を立てた仰向けと静かに立つ姿勢で、脇腹や表層多裂筋の活動を測定した。[7]
全体として、へこませる方法にも固める方法にも、全員に共通する最良の声かけは見いだされなかった。一方、個人ごとに最も筋活動が高かった声かけは、他の言い方より高い活動を示すことが多かった。研究は、本人に適した声かけを踏まえて教え、確認する必要性を示唆している。言葉を一度聞いて分からなかったことだけで、本人の能力は決められない。[7]
姿勢の影響もあった。内腹斜筋や表層多裂筋では、仰向けより立位のほうが活動を高めやすい傾向が示された。外腹斜筋では姿勢による違いの出方が一様ではなかった。仰向けで教わった感覚を立ったまま再現できないとき、比較している姿勢そのものの違いにも目を向けたい。[7]
ここからレッスンに持ち込めるのは、指示を追加してもらう相談である。「お腹を薄く、と言われても変化が分からない」「脚を動かすとさっきの感覚がなくなる」と具体的に伝える。正しい専門用語を暗唱する必要はない。どの姿勢で何が分からないかを示すほうが、次に試す声かけを相談しやすい。
研究を横断して比べる際も、こうした条件の違いは無視できない。腹筋運動の筋電図研究87本を整理した文献レビューでは、研究間の一貫性が乏しく、効果をまとめて推定する厳密なメタ分析はできなかった。運動の姿勢、腕の支持、下肢の関与、負荷などが検討され、体幹を安定させる運動の選択は参加者の目的や特徴に依存すると整理されている。[3]
このレビューは古い研究を集めたもので、最近の比較試験を置き換えるものではない。それでも「動画で見た一言と違うから、そのレッスンは誤りだ」と即断しないための視点になる。動画の画面には、見ている人の動作の目的も、その人に合う声かけも表示されない。再生回数は筋電図ではない。

よくある誤解
「動的課題で有意差がなかったから、動くときは両方法が完全に同じ」という理解は早い。仰向けのつま先タップでは差が認められなかったが、カールアップの持ち上げ局面では腹直筋が固める条件、内腹斜筋がへこませる条件で高かった。差がなくなるという結果は、調べた動作と測った筋の範囲で読む。[1][14]
「筋が厚く見えた方法が、筋電図でも必ず上になる」という読み方も違う。同じ成人の比較で、腹直筋の厚みは固める条件で大きかった一方、静止中の腹直筋の活動はへこませる条件で高かった。画像の厚みと電気的な活動には、それぞれの測定結果がある。同じ筋の話でも、測定を変えれば答えが変わる。[1]
「下腹をへこませられたら、下腹の引き締め効果を確認できた」という理解には、評価の飛躍がある。ここで取り上げた比較は課題中の筋厚、筋活動、骨盤の回旋などを測ったものだ。その瞬間の腹部の形や感覚から、継続後の体型変化の量を算出することはできない。初心者がまず確認したい成果は、異なる指示で何が変わるかを動作ごとに見分けることである。[1][6]
体型は人によって違う。レッスン中の確認を、他人と同じ腹部の輪郭を作る審査にする必要はない。床に寝た姿勢で薄く見えるかどうかと、脚を動かす際の骨盤の回旋は別に扱う。その区別を保つほうが、研究が実際に測ったことに近い。[6]
今日からできること
- レッスンで「へこませる」と「固める」が出たら、深部の活動を確かめる課題なのか、骨盤の動きを抑える課題なのかを尋ねる。20人のピラティス比較では、この評価が別の結果になった。[6]
- 静止中に分かった感覚を、脚を動かした後にも確認する。18人の比較では、静止と動的課題で筋活動の差の出方が変わった。感覚が変わった場面を言葉にして伝える。[1]
- 声かけが分からないときは別の言い方を相談する。28人の研究でも全員共通の最適な声かけはなかった。「仰向けでは分かるが立つと分からない」と姿勢も添える。[7]
- 脚の高さや到達距離だけで腹部の使い方を採点しない。30人の片脚課題では、多裂筋の活動と到達距離に相関がなかった。動きの目的を指導者と確認する。[5]
- 研究の「5秒を3回」を、そのまま自宅練習の処方にしない。これは比較試験の条件だ。初心者は種目の難しさも含めて相談し、痛みや個別の健康上の不安は医師に相談する。[6]

オンザショア立川店を、動作の疑問を持って通う場所に
お腹の使い方を考える時間を、通う予定の中に置く。オンザショア立川店は、営業時間が8:00〜23:30、年中無休で全曜日共通だ。仕事や講義の前後など、自分の生活で通える時間を検討するための条件になる。続ける仕組みとして場所を選ぶときは、学びたい種目に加え、日々の予定との組み合わせも見ておきたい。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分にある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどを扱い、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加するレッスンを検討するときは、店の案内と料金を確認する。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。これはヨガの体験内容である。ヨガを試す予定が決まったら、予約ページで通える時間を選べる。
参考文献
- Effects of Abdominal Bracing Versus Abdominal Hollowing on Abdominal Muscle Thickness and Activation During Static and Dynamic Trunk Stabilization Tasks in Healthy Adults — Jung KH, Shin D., 2026, Medical science monitor : international medical journal of experimental and clinical research. DOI: 10.12659/msm.952117
- Abdominal Hollowing vs. Abdominal Bracing: A Scoping Review of Clinical Trials on Effectiveness for Trunk Stability and Rehabilitation — Golob I, Opara Zupančič M, Kozinc Ž., 2024, Journal of functional morphology and kinesiology. DOI: 10.3390/jfmk9040193
- Electromyographic studies in abdominal exercises: a literature synthesis — Monfort-Pañego M, Vera-García FJ, Sánchez-Zuriaga D, Sarti-Martínez MA., 2009, Journal of manipulative and physiological therapeutics. DOI: 10.1016/j.jmpt.2009.02.007
- Effect of volitional preemptive abdominal contraction on superficial multifidus response in healthy subjects during unipodal lower extremity reach task — Garcia L, Drusch A, Hooper T, Yang HS, Kublawi M, Brismée JM, Sizer P., 2025, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2025.02.010
- The Effects of Abdominal Hollowing and Bracing Maneuvers on Trunk Muscle Activity and Pelvic Rotation Angle during Leg Pull Front Pilates Exercise — Jung EJ, Oh JS., 2022, Healthcare (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/healthcare11010060
- Effect of verbal instructions on trunk muscle activity during volitional preemptive abdominal contraction — Ward A, Drusch A, Chen YR, Ouellette M, Brismée JM, Hooper T, Wilford K, Seeber , 2024, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2023.11.033
- Effects of abdominal hollowing and abdominal bracing during side-lying hip abduction on the lateral rotation and muscle activity of the pelvis — Kim DW, Kim TH., 2018, Journal of exercise rehabilitation. DOI: 10.12965/jer.1836102.051
- Not only static: Stabilization manoeuvres in dynamic exercises – A pilot study — Vaičienė G, Berškienė K, Slapsinskaite A, Mauricienė V, Razon S., 2018, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0201017
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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