
ペダルを重くすれば、座面の調整だけでは済まない
帰宅してエアロバイクに乗り、負荷のボタンを押す。時間がないから、今日はペダルを重くして済ませたい。そのとき「座面を合わせたから膝の負荷も同じ」と考えるのは早い。先ほどの14人の実験では、出力を80 Wから120 Wへ増やすことで、膝の外転と伸展の両方のモーメントが増えていた。効果量を示す指標は、それぞれ0.75と0.88だった。[6] 対象は平均年齢57.1歳のサイクリストであり、18〜39歳の女性に同じ差の大きさを当てはめることはできない。
この実験では、高さと出力を別の条件として調べている。[6] 膝の曲がりを調整することと、どれだけ力を出してこぐかを決めることは別の作業だ。運動への意欲が増した日に、座面を変えずペダルの重さだけ増やしたなら、同じ姿勢のつもりでも負荷の条件は変わっている。設定を記録する際に、座面と出力を一緒に残す理由がここにある。
膝の人工関節に測定装置を備えた9人を対象に、関節の接触力を直接測った反復測定の研究もある。対象は人工膝関節置換術後の人で、手術から平均15か月の時点だった。25〜120 W、毎分40回転と60回転、座面の高さを変えた条件で調べている。[8] 接触力とは、関節の面同士に加わる力であり、前の節の回転させる働きとは違う指標である。人工膝関節置換術後の対象から得た結果なので、18〜39歳の健康な女性の関節内の力を表す数値としては使えない。
その研究では、出力が増えると接触力が直線的に増加し、回転数が高い条件では力が小さかった。60 W、毎分40回転の条件では、踏み込むときの合力の最大値は体重の119%だった。また、低い座面で合力そのものは増えなかったが、後ろ向きの剪断力は増えていた。[8] 剪断力は、関節の面をずらす方向に働く力だ。「全体の力は変わらない」と「力の向きも変わらない」は別である。
調べた出力の範囲では、サイクリングの膝の接触力は歩行より小さかった。[8] ただし、人工関節を使用した対象の結果を、健康な若い女性の関節内の力として写すことはできない。ここで役立つのは、自転車の膝の負荷を読むときにも、出力、回転数、力の方向を区別する必要があるという視点だ。
回転数が高いほうがよいという結果も、調べた条件の範囲で読む。[8] 勢いよく回すほど膝が守られるという指示にはならない。自宅の機械で慌ただしくこぐことと、研究で出力や回転数をそろえて比較することは異なる。ペダルを重くした日、速くこいだ日、時間を延ばした日は、それぞれ何を変えたかを言葉にできるようにしておきたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
座面を高くすると、膝と足首の仕事の分担が変わる
座面を高くして膝の仕事が減ったとき、その分の仕事がどこへ移ったかを見る研究もある。競技経験のない健康な男性9人、22〜36歳を対象にした実験は、基準の座面と、それより3 cm高い設定、3 cm低い設定を比較した。回転数やペダルを重くする条件も変え、関節ごとの仕事の分担を調べている。[9] 男性を対象にした結果なので、18〜39歳の女性でも同じ分担の変化が起こるかは、この実験だけでは判断できない。
低い座面から高い座面にすると、足首の関節が担う仕事の割合が増えた。高い座面から低い座面にすると、膝が担う割合が増えた。足首、膝、股関節の動きも座面の高さによって変わっていた。[9] 膝だけを見て設定を決めたつもりでも、脚は共同作業をしている。膝から引き受けた仕事を、足首が黙って片づける場合がある。
ここで測った「仕事」は、関節の力と動きに関する量であり、運動後の疲れの点数や脂肪の減少量ではない。研究者は高い座面で足首が膝の仕事の減少を補う可能性を述べているが、長期に膝のけがが減ったと実証した試験ではない。[9] 膝の仕事が減ることを、そのまま運動全体が楽になることや、けがの予防が保証されることに置き換えない。
高くした座面が快適さの点で不利になる例もある。エリートサイクリスト24人の実験では、自分で選んだ高さ、それより2%高い高さ、2%低い高さを、異なる運動強度で比べた。各条件で6分間こいだところ、2%高い条件では座面にかかる圧力が増え、脚の伸びが大きくなり、快適さが低下した。全体の快適さは、自分で選んだ高さで高かった。[5] エリート競技者の結果を、18〜39歳の女性が日常の運動に使う最適な高さとして、そのまま当てはめることはできない。
競技者の設定を初心者にそのまま勧める研究ではないが、高さの評価に膝の角度以外の情報が必要なことはわかる。[5] 座り心地を無視して「膝のため」と高さを追い込むと、別の困りごとが出ることもある。角度、こぎやすさ、座面の感覚を別々に言葉にして、ひとつの感覚だけで全体に合格を出さない姿勢が役立つ。
ロードバイクではサドル、室内では座面と呼び方が変わっても、膝以外の関節や座面の条件を一緒にみる視点は共通する。[1][9] 一方、街を走ることと室内機でこぐことを、同じ設定だけで同じ負荷になるとは考えない。隣の記事が扱うランニングの屋外とマシンの違いとは問いを分け、ここで確認したいのは、こぎ方を支える脚の仕事の分担である。

よくある誤解
「低い座面は、必ず膝のすべての負荷を増やす」。そう言い切るのは正確ではない。低い座面で膝内転モーメントが増えた研究はあるが、別の研究では内部膝外転モーメントに高さによる差がなかった。直接測った接触力でも、低い座面で合力は増えず、後ろ向きの剪断力が増えた。[6][7][8] 何を測った負荷かを省くと、研究同士が必要以上に矛盾して見える。
「膝の角度を推奨範囲にすれば、痛みを防げる」。2017年の系統的レビューは14論文を検討したが、膝痛のある人を含めた研究は4論文だった。各研究の対象は9〜24人と少なく、質は低〜中程度であった。設定で動きや力、筋活動は変わるものの、設定とけがのリスクの直接的な関連を示す証拠は限られている。[11] 膝痛のあるサイクリストも含む研究群であり、18〜39歳の女性の予防効果を直接示す結果としては使えない。動きが変わることと、将来の痛みが減ることを分ける必要がある。
膝痛がある人の話を、痛みのない人の試験だけで終わらせないためにも、この区別は大切だ。座面の前後位置、足の位置、クランクの長さ、回転数や出力も検討対象になり、痛みのある場所によって影響が違う可能性がある。[11] すでに痛みがある、運動中に痛みが強まるという場合は、座面の数字だけで解決を狙わず医師に相談する。相談時には、どの機械で、どの設定で、どの動作のときに困ったかを伝えたい。
「高い座面にすると、ダイエットの成果も大きい」。ここで引用した座面の実験は、関節の動き、力の働き、仕事の分担や快適さを調べたものだ。[5][6][7][8][9] その結果を体重が減る量の順位には変換できない。エアロバイクをダイエットのために選んだ人でも、座面の調整に求める役割はまず、運動中の条件を整えることである。体重計の数字まで、座面の目盛りに背負わせる必要はない。
今日からできること
- 現在の座面の位置と負荷設定を記録する。14人の試験では80 Wと120 Wで膝のモーメントが変わったため、高さだけをメモして比較を終えない。[6]
- 膝の角度を参考にするなら、停止中か運動中か、ペダルがどの位置かを確かめる。動的評価の33〜43°と30〜40°は、低強度と高強度で分けた推奨である。[1]
- 座面を変えた日は、膝だけでなく足首の動きや座り心地も確認する。男性9人の実験では仕事の分担が変わり、エリート24人の試験では高い設定で快適さが低下した。[5][9]
- ペダルの重さを増やすことを、膝の負荷と無関係な操作と考えない。人工関節の9人を調べた研究でも、出力の増加に伴って接触力が増えた。[8]
- 痛みがあるときは、角度の調整で我慢して続けず医師に相談する。14論文をまとめたレビューでも、設定とけがのリスクの直接的な関連を示す証拠は限られている。[11]

オンザショア立川店で、運動の予定を組む
座面の設定を考えたあとには、次に運動する場所と時間を決める作業が残る。オンザショア立川店は、その予定を組むための選択肢である。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休だ。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。仕事の前と帰りのどちらを運動の時間にするか、生活の予定から検討できる。
ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも用意している。運動を続ける場所を選ぶ際には、種目と通える時間を合わせて考えたい。
運動を選ぶ前に参加条件も確かめたい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店の案内で種目を確認し、次の運動の予定を考える。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金を確認し、通える時間が決まったら体験を予約する。座面の調整と同じく、次の運動も具体的な条件から選びたい。
参考文献
- Cycling Biomechanics Optimization-the (R) Evolution of Bicycle Fitting — Swart J, Holliday W., 2019, Current sports medicine reports. DOI: 10.1249/jsr.0000000000000665
- Effects of bicycle saddle height on knee injury risk and cycling performance — Bini R, Hume PA, Croft JL., 2011, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.2165/11588740-000000000-00000
- Biomechanical considerations for cycling interventions in rehabilitation — Johnston TE., 2007, Physical therapy. DOI: 10.2522/ptj.20060210
- Modifications in pedaling kinematics, saddle pressures and comfort in elite cyclists after alterations in saddle height during ventilatory thresholds — Encarnación-Martínez A, Sendra-Pérez C, Mateo-March M, Pérez-Soriano P., 2025, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2025.2493010
- Does saddle height influence knee frontal-plane biomechanics during stationary cycling? — Hummer E, Thorsen T, Zhang S., 2021, The Knee. DOI: 10.1016/j.knee.2021.01.026
- Cycling with Low Saddle Height is Related to Increased Knee Adduction Moments in Healthy Recreational Cyclists — Wang Y, Liang L, Wang D, Tang Y, Wu X, Li L, Liu Y., 2020, European journal of sport science. DOI: 10.1080/17461391.2019.1635651
- Loading of the knee joint during ergometer cycling: telemetric in vivo data — Kutzner I, Heinlein B, Graichen F, Rohlmann A, Halder AM, Beier A, Bergmann G., 2012, The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. DOI: 10.2519/jospt.2012.4001
- Effects of saddle height, pedaling cadence, and workload on joint kinetics and kinematics during cycling — Bini RR, Tamborindeguy AC, Mota CB., 2010, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.19.3.301
- THE INFLUENCE OF EXTRINSIC FACTORS ON KNEE BIOMECHANICS DURING CYCLING: A SYSTEMATIC REVIEW OF THE LITERATURE — Johnston TE, Baskins TA, Koppel RV, Oliver SA, Stieber DJ, Hoglund LT., 2017, International journal of sports physical therapy. DOI: 10.26603/ijspt20171023
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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