フラフープで腰回りは細くなるか 重いフープを使った小さな比較試験の結果

フラフープで腰回りが減った試験でも、体重や体幹の持久力まで同じように変わるとは限らない。加重フープと歩行を比べた研究、女性の小規模試験、楽しさを調べた実験から、腹囲・脂肪・筋肉を分けて確かめる。ゲームやフラダンスとの違いにも触れ、日常で試すときの評価の仕方を考える。

腰回りが細くなることと、体幹が粘り強く働くこと。その両方を「お腹に効いた」で片づけると、フラフープの研究の面白い食い違いを取り逃がす。加重フープを使った研究には、腹部の脂肪割合や体幹の筋肉量に好ましい変化を認めたものがある。しかし別の試験では、周囲径が減っても体幹の持久力は改善しなかった。[1][2]

この違いは、どちらかを間違いと決める話ではない。何を測り、何と比較したのかで、受け取れる答えが変わるという話だ。腹囲の変化を知りたい人、体重を落としたい人、単調な運動から離れたい人では、注目する結果も違ってくる。[1][2][3]

フラフープを使って体を動かしている人たちの様子を収めた横長の写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

加重フープを歩行と比べると何が見えるか

軸になるのは、過体重で糖尿病のない成人を対象にした無作為化比較試験だ。参加者を偶然の割り当てで分け、加重フープと歩行を順番を入れ替えて両方行う、クロスオーバーという設計だった。募集したのは55人で、53人が完了した。フープだけを始めた前後を見るよりも、比較相手がはっきりした研究である。[1]

使ったフープの重さは1.5kgで、それぞれの運動の期間は6週間だった。ここで重要なのは、フープと歩行によるエネルギー消費の増加が同程度だった点だ。「こちらのほうがたくさん運動したから」という説明だけに頼らず、違う動きのあとに何が変わるかを見ようとしたのである。[1]

体重の変化はフープで−0.6kg、歩行で−0.5kgで、運動間の差は有意ではなかった。対して腹囲はフープで−3.1cm、歩行で−0.7cmと、フープでの減少が大きかった。体重がよく似た動きをしていても、腰回りまで同じとは限らない結果だ。体重の優劣と腹囲の優劣を、ここでは分けて受け取る。[1]

この試験で最初に重視した評価項目は、腹部の領域に占める脂肪の割合だった。体組成は、脂肪や筋肉など体の中身を評価する二重エネルギーX線吸収測定法で調べた。腹部の脂肪割合はフープで有意に低下し、歩行との変化の差も認められた。また、体幹の筋肉量の増加は歩行よりフープで大きかった。[1]

腹部の脂肪割合は、この試験の主要評価項目、つまり中心に据えて検証した指標である。腹囲はメジャーで捉える外側の寸法、体組成測定は体の中身を評価する方法だ。試験では両方の測定を組み合わせ、フープの前後で外側と内側がどう動いたかを調べている。[1]

試験を終えた参加者の開始時の平均は、腹囲92cm、BMI28だった。BMIは体格を表す指標で、この試験では過体重の人を対象とする条件とともに示されている。糖尿病のない参加者が、加重フープと歩行をそれぞれ経験した結果が、腹囲や体組成の比較につながっている。[1]

クロスオーバーの設計には、同じ人が別の運動も経験するという特徴がある。運動に対する反応が異なる他人同士を比べるだけでなく、その人の別の期間の結果も比べる手がかりになる。ただし、今回の参加者がどちらの運動を先に行うかは無作為に決めた。単に全員がフープをしてから歩いた話と区別しておくと、比較の組み立てが見えやすい。[1]

腹囲の変化は、フープで−3.1±0.3cm、歩行で−0.7±0.4cmと報告され、運動間の差の検定ではp<0.001だった。体幹筋肉量の増加の差もp<0.05で、統計上有意とされた。一方、体重の変化はフープで−0.6±0.2kg、歩行で−0.5±0.2kgで、有意差はなかった。腹囲、筋肉量、体重を並べると、同じ参加者を調べても項目ごとの結論が異なることが具体的に分かる。[1]

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腰回りが減っても、持久力は増えなかった

別の加重フープの試験には女性18人が参加したが、運動後の再評価に戻ったのは13人だった。期間は6週間で、腰やヒップの周囲径、体幹の筋持久力、皮下脂肪の厚さを運動前後で比べている。歩行との無作為比較とは異なり、参加者自身の前後の変化を見る小規模試験だった。[2]

平均では腹囲が3.4cm、ヒップの周囲径が1.4cm減った一方、体幹の筋持久力の検査には有意な改善がなかった。さらに、測った部位の皮下脂肪の厚さを足した値は増えていた。腰回りが減ったという好ましい結果だけを取り出すと、この試験の結論を狭く切り取ることになる。[2]

周囲径、皮下脂肪の厚さ、持久力は、同じお腹に関わる測定でも役割が違う。周囲径が小さくなったことを、そのまま皮下脂肪が薄くなった証拠や、姿勢を保つ能力が増した証拠に使うわけにはいかない。この試験の著者らは体の量の分布が変わった可能性に触れているが、何がどの程度動いたのかを断定する材料として扱うのは慎重でありたい。[2]

前の試験の筋肉量の増加と、こちらの持久力の改善なしは、単純な矛盾でもない。前者は量を、後者は検査で発揮された持久力を扱っている。しかも対象や比較方法もそろっていない。服の腰部分にゆとりが出たときに「筋力もついたはず」と追加点をつけるより、まず腰回りについての変化として喜ぶほうが、測定結果には忠実だ。[1][2]

また、再評価まで来た人が参加者全員ではなかったことも忘れたくない。完了者の前後で見えた変化を、始めた人すべてに同じように起きる変化として紹介すると、研究の対象が広がってしまう。小さな試験は試す価値のある仮説を生むが、その結果を器具の保証書に変えるのは早い。[2]

皮下脂肪については5か所の測定値を合計し、体幹の持久力についても5種類の検査を用いていた。持久力は、姿勢を保って力を出す等尺性の検査で評価されている。周囲径を測るだけで終わらず、複数の検査で運動前後を調べたことが、この小規模試験の特徴だ。腹囲の減少はp<0.01、ヒップの減少はp≤0.05と報告され、皮下脂肪の合計値の増加もp≤0.05だった。外側の寸法が減った結果と、皮下脂肪の測定結果が違う方向に動いた点に、著者らは体の量の分布という観点から注目している。[2]

楽しさには、体脂肪とは別の研究がある

フラフープを続ける理由が「数字に効くから」だけなら、数字が動かない時期はつらい。研究では、運動した直後の気分や、また運動したいと思うかも調べられている。米国の18〜45歳の女性120人を、フープか歩行を行う群に無作為に割り当てた実験では、それぞれ30分の運動前後で自己申告の気分や今後の運動意向を評価した。[3]

フープ群では歩行群に比べ、運動後の気分がより好ましく、今後の有酸素運動への意向も強かった。ここでの成果は「その場の気分」と「これから行いたいという意向」である。長期間の継続率や体脂肪の減少を示す試験として読むと、研究の役割がずれる。著者らも、長く追う研究で継続との関係を調べる課題を挙げている。[3]

運動の意向と気分の関係も、この実験の論点だった。研究者らは、運動直後の気分と今後の運動意向を自己申告で測り、珍しい運動を経験した場合と、なじみのある歩行を行った場合を比べている。フープ群は58人、歩行群は62人。別々の女性を無作為に割り当てた比較であり、それぞれが同じ30分の課題を行った。[3]

遊びを含む体幹運動については、若い成人20人の筋活動と、思春期の76人の心理的反応を別々に調べた研究もある。筋活動を測った実験では、フラフープを含む複数の運動遊びを、腹筋運動や横向きで体を支える運動と比較した。遊びの運動は、特に腹斜筋で、従来の体幹運動と同程度か、より高い活動を示した。[6]

思春期の参加者を対象とした6週間の介入では、運動遊びの群で退屈感が低く、将来の実践意向が高かった。ただしフープだけを独立させた効果ではなく、複数の遊びを組み合わせた群の結果である。若者の集団から、中年の大人の長期的な減量へ話を飛ばさず、運動の形を変えると退屈さも変わり得るという手がかりとして受け取れる。[6]

体幹を調べる研究同士でも、評価の内容は多様だ。運動遊びの研究の心理的な評価には、楽しさだけでなく退屈さも含まれていた。介入前後に楽しさを測る尺度を使い、将来また実践したいかも尋ねている。比較したのは対照群、従来の体幹運動群、運動遊びの群で、運動の内容と心理的な反応を対応させた設計だった。[6]

気分の結果を詳しく見ると、フープ群では快い方向の感情に加え、前向きで活発な感情の評価も高かった。一方、不快で活力の低い感情の評価は低くなっていた。単に「楽しかったか」という一問だけでなく、感情の方向と活発さを含む複数の面から、運動直後の反応を捉えていたのである。[3]

数字で読むフラフープの試験

55人を募集し53人が完了:加重フープと歩行を順番を変えて行った比較試験である。[1]

1.5kg:比較試験で用いたフープの重量であり、初めて使う人への推奨重量を意味しない。[1]

12.8分/日:比較試験中に参加者がフープを行った平均時間であり、効果を保証する境界線ではない。[1]

18人のうち13人:女性の前後比較試験で、運動後の再評価を受けた人数である。[2]

120人:フープと歩行のあとに、女性の気分や将来の運動意向を比較した実験の規模である。[3]

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宮川涼 Founder

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