間食はストレスで増える人と減る人がいる?食べる量と空腹感を分けて研究で読む

ストレスがあると間食が増える日も、食欲がなくなる日もある。女性を対象とした試験や系統的レビューから、空腹感、甘いものへの欲求、実際の摂取量が同じに動かない理由を読む。急な緊張と日頃の負担の違い、平均値に隠れる個人差、自分の反応を責めずに確かめるための着眼点を示す。

夕食前、菓子の袋を開けたのに、ひと口で手が止まった。昼の会議の緊張は残っているが、空腹なのか、甘い味が欲しかったのか、自分でも答えに迷う。「ストレスがあると食べる」は、誰にでも同じ向きに起こる反応ではない。実験研究を集めた系統的レビューでも、体のストレス反応と摂食の変化は一様ではなかった。[1]

答えの芯は、緊張したかどうかと、何をどれだけ食べたかを別に見ることだ。妊娠後期の女性を対象とした無作為化比較試験では、ストレスを与えた群のほうが摂取熱量は少なかった。一方、日常で感じるストレスと食事の質の低さには関連がある。急な緊張と日頃の負担を同じ話にすると、この違いを見落とす。[13][16]

既存記事「ストレスで食べてしまう仕組みと対処法 コルチゾールだけでは語れない食欲」には仕組みの全体像を譲る。ここで確かめたいのは、間食が増える人と減る人がいること、そして「お腹が空いた」と「実際に食べた」が同じ答えにならないことである。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

緊張の強さだけでは、食べる行動を説明できない

感情や緊張を実験室で引き起こし、その後の食行動を調べる研究がある。人から評価される課題、計算の課題、感情を動かす刺激などを使い、心拍や血圧、ホルモンと、食べたい気持ちや食べた量を測る。日常の出来事の再現よりも、負荷をそろえて反応を比較するための方法だ。[1]

こうした実験を43件まとめた系統的レビューでは、生理的反応と行動の両方が活発になって摂取量が増える場合だけでなく、体は反応しても観察できる行動の変化がない場合などが整理された。心臓が速く打つことと、菓子が多く減ることは同義ではない。生理的な反応と行動をつなぐ過程まで調べる必要がある。[1]

このレビューが扱う食関連の結果は広い。空腹感、食べたい気持ち、特定の食品への強い欲求、過食への衝動、食べ物に対する反応を抑える働き、実際の摂取量が含まれる。研究の見出しに「食欲」とあっても、その中で何を測ったのかが違う。欲求の質問に答えることと、皿に残った食品の量を測ることには距離がある。[1]

例えば帰宅途中に「甘いものが食べたい」と思い、実際には夕食を選ぶ場面がある。反対に、空腹を強く意識しないまま、机の菓子をつまむ場面も想像できる。これは生活を見直すための例であり、どちらの人が多いかを示す数字ではない。研究を読むときには、その例のどの部分に相当する測定なのかを探したい。[1]

同レビューでは、感情に応じて食べる傾向、食事を抑えようとする傾向、慢性的なストレス、食べ物の刺激への反応などが、ストレスと食行動の関係に関わっていた。感情的摂食とは、ここでは気持ちの変化に応じて食べる傾向を指す。ストレスの有無だけで結論を出すより、食べる人の背景も見る必要がある。[1]

心理的な要因の具体例は、食品の刺激への反応である。レビューでは、感情的摂食の傾向や過食性障害がある人で、反応を抑える働きの低下、感情反応の強さ、食品刺激への敏感さが整理された。目の前に菓子がある場面で何に注意が向くかも、緊張の強さとは別の論点になる。こうした特徴を持つ対象の結果を、18〜39歳の女性全般の反応としてそのまま扱うことはできない。[1]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

減る試験と変わらない試験を、増える話と並べる

妊娠後期の女性110人を対象とした無作為化比較試験では、人前で評価されるストレス課題と対照課題を比べた。ストレス群では心理的な負担が実際に強くなったが、不健康と分類された食品の選択が増えるという予想は支持されなかった。むしろ、その選択は少なく、摂取した熱量も少なかった。対象は妊娠後期であり、18〜39歳の女性一般の間食へそのまま当てはめることはできない。[13]

ここでは「ストレスがあれば必ず食事の選び方が悪くなる」という一律の予測は否定された。ただし対象は妊娠後期の女性であり、その場で与えた急性の負荷の結果である。妊娠していない成人の帰宅後の間食や、長く続く仕事の負担まで、同じ方向に変わると広げることはできない。[13]

この試験では日常のストレスや抑うつの訴えも調べている。対照群の中では、それらの得点が高いことと、不健康と分類された食品を多く選び、熱量を多く摂ることが関連した。実験で急に加えた負荷の効果と、もともと抱えている日常の負担との関連は、同じ研究の中でも区別されていた。[13]

別の無作為化クロスオーバー試験では、思春期の女子120人が、くつろぐ条件と社会的な評価を受けるストレス条件を経験した。クロスオーバーとは、同じ参加者が条件を変えて比較に参加する方法である。測ったのは自由に食べた食品の熱量、添加糖、固形脂肪などであった。思春期の女子の結果を、18〜39歳の成人女性にそのまま当てはめるには年齢や生活条件の違いがある。[17]

この試験では、アフリカ系米国人の参加者はストレス条件よりもくつろぐ条件で多く食べた。一方、非ヒスパニック系白人とヒスパニック・ラティーナの参加者では、条件間の摂取量に差がなかった。全員が同じ方向に動くという筋書きにはならなかったのである。[17]

集団間の違いを、そのまま個人の生まれつきの性質とみなすことはできない。ここでの読みどころは、思春期の女子を対象に、同じ参加者でも場面を変えて調べたとき、減る結果と変わらない結果が並んだことだ。「ストレスをかければ食べる量が増える」という説明だけでは、この実験の結果を受け止めきれない。[17]

実験でそろえるのは、負荷を受ける場面と、そのあと食品を選べる条件である。日常では、会議が終わってすぐ食べる日も、買い物や夕食の支度を挟む日もある。実験室での条件比較は急な負荷への反応を捉える一方、帰宅後までの出来事を含む食生活とは時間の切り取り方が違う。この区別を置くと、次に見る空腹感の測定条件も理解しやすい。[13][17]

空腹感と食べる量は、測り方から分ける

空腹感そのものが変わることを調べた研究もある。無作為化二重盲検クロスオーバー試験では、ヒドロコルチゾンという薬剤と生理食塩水を別の条件で投与し、翌朝の空腹時の感覚や脳の血流を比較した。心理的なストレス時に相当する水準の糖質コルチコイドによって、空腹感の評定が高まった。[19]

糖質コルチコイドはストレスに関わるホルモンの仲間である。この試験では、空腹感の変化とともに、食行動の調整に関わる複数の脳領域で血流の低下が認められた。ただし薬剤を投与した翌朝の空腹時の試験であり、嫌な連絡を読んだあとに間食を何個食べるかを直接試したものではない。[19]

したがって、「ホルモンが空腹感に影響する」という結果を、「ストレスのある人は必ず間食を増やす」と読み替えることはできない。感覚が結果である研究と、食品の摂取量が結果である研究は、答えている問いが違う。食欲という便利な言葉が、その違いを隠してしまう。[1][19]

女性40人に標準化した心理的ストレス課題を行い、血液中のレプチンを繰り返し測った研究では、ストレス中にレプチンが増えるほど、その後に脂肪や甘味の多い食品を食べる量が少ないという関係が認められた。レプチンは満腹の調節に関わるホルモンであり、この研究は食べる量が少なくなる側の個人差を調べている。[5]

これはレプチンを操作して摂取量を減らした比較試験ではない。変化とその後の摂取量との関連を捉えた初期の知見である。だから「レプチンを増やせばよい」という実践方法にはならないが、ストレス反応を増食だけに結び付けないための材料にはなる。[5]

感覚、血液の数値、食べた量を並べると、同じ人を見ていても異なる側面を測っていることが分かる。空腹が強いかを聞く質問は無駄ではないし、食品をどれだけ食べたかという記録も大切だ。ただし、片方をもう片方の代用にせず、それぞれの変化を読むことが出発点になる。[1][5][19]

研究を比べる際には、食べる前が空腹だったのか、食事のあとだったのかという条件にも目を向けたい。翌朝の空腹を評定する試験と、ストレス課題のあとに食品を選ぶ試験を同じ列に並べても、そのまま間食の予測にはならない。[13][19]

ホルモンの名前が同じでも、実験で投与した場合と、体内で自然に変化した濃度を追った場合では、結果の意味が異なる。前者は投与条件による感覚の違いを比較し、後者は反応と行動の結び付きを探している。血液の値だけを家庭での間食対策へ置き換えるより、何を操作し、何を観察した研究かを押さえるほうが、体の仕組みを正確に読める。[5][19]

数字で読むストレスと食行動

43研究:感情を実験的に動かし、生理的反応と食関連の行動を調べた系統的レビューが採用した。[1]

110人:急性ストレス後に摂取熱量が少なかった試験の対象は、妊娠後期の女性である。[13]

120人:思春期の女子を対象に、くつろぐ条件とストレス条件を比べた。[17]

40人:レプチンの変化とストレス後の食品摂取量との関連を調べた女性の人数である。[5]

相関係数−0.35:日常のストレスと食事の質を統合した値であり、摂取量が35%増えたという意味ではない。[16]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約