糖質制限中のマラソンは同じ速さでもきつい?酸素の必要量と燃料の違いを読む

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ランナーの短期試験では効率が変わらなかった

一方で、低糖質の条件なら必ず運動効率が悪くなる、という読み方も正しくない。2023年の研究では、訓練された男性ランナー9人が、体内に蓄えられた糖であるグリコーゲンを減らす運動を行い、その後の糖質摂取を多くする条件と少なくする条件を経験した。翌日に走る記録や走行効率などを調べる設計だった。男性競技者の短期的な反応であり、18〜39歳の女性が糖質制限を続けた場合の結果としては使えない。[8]

その結果、糖質が少ない条件で脂肪利用は増えたが、走行効率とクリティカルスピードには変化がなかった。クリティカルスピードはこの研究で測られた持久的な走力の指標である。燃料の配分が動いても、走りの各指標が一斉に動くわけではないという例になる。[8]

測った走行距離は50 mから3000 mで、いずれの記録にも条件間の有意差がなかった。3000 mの平均は低糖質条件で651.7秒、高糖質条件で646.4秒だったが、この平均の差をそのまま「糖質制限で遅くなる量」として使ってはいけない。検定では差が明確でないという結果を優先する。[8]

さらに、一部の参加者は低糖質条件の方が良い記録を出していた。研究全体の平均と個人の反応も同じではない。ただし、少人数のなかに好成績の人がいたことをもって、誰にでも低糖質が有利だとすることもできない。研究は個人の要因を考慮する必要性を指摘している。[8]

競歩の結果と違うから、どちらかが間違いなのだろうか。まず、比べている食事の時間軸が違う。ランナーの試験は運動後から翌日にかけて糖質の利用可能量を急に変えたもので、競歩の試験は強い糖質制限を続けながら練習した介入だった。短期の調整と継続的な食事法を、同じ箱に入れないことで結果を理解しやすくなる。[4][5][8]

走行距離の違いにも意味がある。このランナー試験の結果は、そこで測った距離と条件での成績である。マラソン終盤まで同じ効率が保たれるかという問いへの直接の答えにはしない。逆に、競歩の成績低下を短距離の走行にもそのまま移せない。自分の練習に近い結果を探すときは、競技名だけでなく、測った距離と食事操作を一緒に読む必要がある。[4][8]

スポーツ栄養の合意文書も、すべての選手に一つの食事法を勧める立場ではない。競技、練習段階、個人の状況に合わせることを重視している。脂肪利用が増える可能性と、高強度での効率を保つ必要性を、目的に応じて考える立場である。[2]

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「慣れれば戻る」は期間だけで決められない

始めた直後の変化と、続けた後の変化を分けることには根拠がある。訓練された選手を扱った2026年の系統的レビュー・メタ分析は、介入から7日以内に測った研究では成績低下が見られ、より長い期間では成績が維持または改善するという時間的な傾向を報告している。対象は訓練された選手であり、18〜39歳の女性一般にも同じ時間経過が当てはまるかは、このレビューだけでは判断できない。[1]

ただし、この傾向は「自分もその日を越えれば必ず楽になる」という期限ではない。同じレビューでは、最大下、つまり全力より低い強度での運動効率について、扱った研究の50.0%で効率低下が報告されていた。成績を保てることと、少ない酸素で同じ速度を保てることは、ここでも同じ結論にならない。[1]

このレビューの割合は、人の割合ではなく研究の割合である。「研究の半数で効率低下」を「参加者の半数が走れなくなる」と訳してはいけない。また、脂肪利用を測った30研究ではすべて増加が見られ、増加幅は28〜200%と幅広かった。代謝の変化はそろいやすくても、運動成績まで同じ方向にそろうわけではなかった。[1]

2019年のレビューは、持久系選手で食事に適応した後も中〜高強度の運動成績が維持される例を扱う一方、最大酸素摂取量の70%を超える強度では、脂肪利用の増加と運動効率の低下が重なると整理している。ここでの割合は研究上の強度であり、時計に出る最大心拍数の割合へ読み替える数字ではない。持久系選手の知見なので、18〜39歳の女性の日常運動の強度境界としては使えない。[3]

時間だけで説明できないことは、競歩の試験からも分かる。3週間や25日間の介入でも効率や成績の問題が残った。短期低下からの回復を示すレビューと、長めの介入で低下が残る試験を両方読むと、「慣れ」の一語では強度や評価項目の違いを覆えない。[1][4][5]

さらに再検証の研究では、その後に高糖質食へ戻してレース前の調整を行ったが、低糖質・高脂肪食を先に行ったことによる優れた反発的な成績向上は検出されなかった。糖質を減らして苦しい時期を作れば、後で大きな見返りがある、という筋書きをこの試験は支持しなかった。[4]

練習段階に応じて糖質のとり方を調整する考え方は、合意文書では有望とされている。それでも、具体的な実施は個別の状況に合わせる話である。レース直前に自分だけで強い制限を追加することと、専門家と計画を立てることを同じ方法として扱わない。持久運動と高強度運動の成績維持には、糖質を使える状態を確保する方法の根拠が一貫していると整理されている。[2]

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よくある誤解

「脂肪をたくさん使えるほど、マラソンの燃費もよくなる」という理解は、競歩の介入試験では否定された。全身の脂肪利用が増えても、同じ競技速度での酸素コストは増えていた。脂肪の利用速度は燃料の使い方を示すもので、競技効率の成績表ではない。燃料の交代を確認しただけで、記録の改善まで約束されたことにはならない。[4][5]

「最大酸素摂取量が伸びたなら、同じペースも必ず楽になる」という理解も、この研究とは合わない。ピークの有酸素能力が向上しても、低糖質・高脂肪群では練習による競歩記録の改善が得られなかった。体力測定の良い数字と、普段の運動で必要になる酸素量は別々に眺めたい。上限が伸びても、使う側の条件が同時に変わりうるからである。[5]

「長く続ければ、食事による不利はすべて消える」という決め方も早い。適応後の成績維持を示す研究がある一方、数週間の介入で効率低下が残った研究もある。待った日数だけで解決とせず、どの強度で、何の成績を保てたのかを確認する必要がある。慣れたという感想と、競技速度での効率が改善したという測定結果は同じ証拠ではない。[1][3][4]

そもそも、研究で使われた強い糖質制限と、夕食のご飯を少し残すような日常の変更は同じ介入ではない。再検証で用いられた低糖質・高脂肪食は、糖質と脂肪の量を明確に管理した食事だった。食事名だけを共通点にして、自分の息切れの原因を断定する読み方は避けたい。[4]

今日からできること

  • 練習の記録に、速さときつさを分けて残す。レビューで酸素コスト増加と主観的きつさが重なったのは一部の条件であり、感覚だけから効率を決めない。[3]
  • 読んだ研究には、対象と期間を書き添える。男性ランナー9人の翌日評価と、競歩選手の25日間の介入を区別すると、自分の練習への距離が見えやすい。[4][8]
  • 脂肪利用の増加を見たら、同じ速さの酸素消費と競技成績も確認する。毎分0.6 gから1.3 gへの増加と、記録の悪化が併存した例がある。[4]
  • 食事を変えてからの変化を振り返る際は、7日という数字を回復の締切にしない。レビューの期間別の傾向と、数週間でも低下が残った試験を併せて考える。[1][4][5]
  • マラソンに向けて食事法を大きく変える前に、スポーツ栄養を扱う専門家へ練習内容と食事の状況を伝える。競技と練習段階、個人の事情に合わせるという合意文書の立場を判断の軸にする。[2]

これらは、糖質制限を始めるための手順ではない。いま行っている練習と食事を、同じ物差しで点検するための工夫である。体重の変化を良し悪しの中心に置かず、続けたい活動に対して、どの条件で動きやすいかを言葉にする。個別の健康状態や食事療法の変更は医師に相談する。

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ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。持参する物や予定を考える際には、この内容も確認の材料になる。

通い方は料金ページ、店の案内は公式サイト、体験は予約ページで確かめられる。

参考文献

[1] Effects of Low-Carbohydrate and Ketogenic Diets on Aerobic Performance in Trained Athletes: A Systematic Review and Meta-Analysis — Gawelczyk M, Kaszuba M, Zając A, Maszczyk A., 2026, Nutrients. DOI: 10.3390/nu18050740

[2] Consensus Document of the Spanish Nutrition Society (SEÑ) on Nutritional Strategies in Sports — Mielgo-Ayuso J, Macho-González A, Úbeda N, Sánchez-Oliver AJ, Martínez-Ferrán M,, 2025, Nutrients. DOI: 10.3390/nu17243862

[3] Impact Of Ketogenic Diet On Athletes: Current Insights — McSwiney FT, Doyle L, Plews DJ, Zinn C., 2019, Open access journal of sports medicine. DOI: 10.2147/oajsm.s180409

[4] Crisis of confidence averted: Impairment of exercise economy and performance in elite race walkers by ketogenic low carbohydrate, high fat (LCHF) diet is reproducible — Burke LM, Sharma AP, Heikura IA, Forbes SF, Holloway M, McKay AKA, Bone JL, Leck, 2020, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0234027

[5] Low carbohydrate, high fat diet impairs exercise economy and negates the performance benefit from intensified training in elite race walkers — Burke LM, Ross ML, Garvican-Lewis LA, Welvaert M, Heikura IA, Forbes SG, Mirtsch, 2017, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jp273230

[8] The effect of acute manipulation of carbohydrate availability on high intensity running performance, running economy, critical speed, and substrate metabolism in trained Male runners — Ramonas A, Laursen PB, Williden M, Kilding AE., 2023, European journal of sport science. DOI: 10.1080/17461391.2022.2130097

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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