
好みの曲、包装、食べる場所も結果に関わる
甘さに関わる音楽を、単純に明るい曲という言葉で片付けるのも早い。ミルクティーの実験では、音楽の感情的な印象だけでなく、包装の色も操作した。中立的な包装の色では、否定的な印象の音楽より肯定的な印象の音楽で、飲む前の甘さの予想と飲んだときの甘さの評価が高かった。[11]
包装と音楽の組み合わせにも目を向けたい。肯定的な色の包装では、否定的な音楽より肯定的な音楽の条件で甘さの評価が高い。一方、否定的な音楽の下で甘さの評価が高かったのは、肯定的な色より否定的な色の包装だった。音楽だけを取り出した法則にすると、この組み合わせによる違いが抜け落ちる。[11]
飲む前に期待した甘さと、実際に飲んで報告する甘さも区別したい。店頭で包装を見て「甘そうだ」と思うことと、口に含んで「甘い」と思うことは、同じタイミングの判断ではない。ミルクティーの実験は、その両方を調べ、口にする前後で音と色の関わり方が異なることを示している。[11]
これを日常へ置き換えるなら、おやつを選ぶ場面と食べる場面を分けて振り返る方法がある。曲を聴きながら棚の前で選んだのか、先に買ったものを家で食べたのか。包装を見て甘さを予想していたのか。音源を変えるだけで比べたつもりでも、こうした場面まで変わっていれば、音の違いだけを確かめたことにはならない。[11]
チョコレートアイスクリームの実験は、味の強さを一度だけ答える代わりに、食べている間の感覚の移り変わりを調べた。好きな音楽を聴いた条件では、甘さを感じる時間が最も長かった。一方、快い環境音や、好きな音楽と快い環境音の組み合わせでは、ココアの感覚が優勢な時間が長かった。[13]
楽しい音を足せば、甘さも楽しさも同じ方向に増すという単純な足し算ではない。好きな音楽と快い音を組み合わせると、どちらかだけの場合より肯定的な感情が強かったが、甘さの持続が最長だったのは好きな音楽だけの条件だった。感情の変化と、どの風味が長く感じられたかは別の結果として読む必要がある。[13]
口に入れた瞬間に甘いと感じたのか、溶ける途中にも甘さが残ったのか。この違いを言葉にすると、アイスの研究が測った時間的な側面が分かりやすい。「甘い」の一語には、強い甘さと長く続く甘さが入り込む。音楽でどちらが変わったかを尋ねずに、すべてを甘さが増したと書けば、測っていた対象がぼやける。[13]
別のチョコレートジェラートの実験では、実験室、食べる環境を再現した場所、自然な飲食の場を比較した。参加者がその時点でどんな感覚を感じたかを選ぶ方法で、自然な飲食の場では実験室より、ココアらしさ、甘さ、ミルクらしさが多く挙げられた。好きな音楽と中立的な音楽では甘さが、嫌いな音楽では苦味が多く挙げられた。[19]
感覚を選ぶ方法では、同じ食品でも時間ごとに違う風味が挙げられる。甘さが多く選ばれたという結果を読む際には、その場で何が感じられたかを尋ねた研究だと覚えておくとよい。食べ終えた後の総合的な好みとは、答えている問いが異なる。[19]
ここで増えたのは、ある感覚が起きたという回答である。甘さが増えた割合や、食べた量の減少率に換算することはできない。夕方のカフェと自宅の机では、おやつの感想が違ったとしても、曲だけで説明せず、食べる場所も違ったと受け止める。そのくらいの距離感が、この研究を暮らしに持ち込む際にはちょうどよい。[19]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「甘い音楽をかければ砂糖を減らせる」という理解は、味の評価と食品の配合をつないでしまっている。同じチョコレートで甘さの評点が変わった実験は、配合を変えずに感じ方が変わり得る例である。砂糖を減らした菓子でも同じ楽しみが続くかは、別の比較を要する。甘さの評点を、減らせた砂糖の量として扱うことはできない。[1]
同じ理由で、曲を聴きながら食べたことを、間食を選ぶ際の栄養面の判断の代わりにはできない。袋の中身が同じなら、音の条件を変えても配合は同じである。音楽は食べる経験を観察する入口にはなるが、甘く感じたという感想だけで食品そのものの性質を言い直さないことが大切だ。[1][9]
「甘さが強ければ、満足も強くなる」という思い込みも分けたい。チョコレートの試験では甘さの評価が変わっても、食品を楽しむ程度に対応する変化はなかった。砂糖菓子の研究でも音の存在で味全体の強さが増したが、快さは変わらなかった。味がはっきりしたことと、もう十分に食べたと思えることを一緒にしない読み方である。[1][18]
そもそも甘さの好みを扱ったスコーピングレビュー、すなわち研究領域を幅広く整理するレビューでは、99報が検討された。好みには年齢、食事の条件、遺伝的な要因など多くの項目が関わり、研究ごとに使う濃度や評価方法にも違いがあった。空腹と満腹の状態も好みと関わる要因として挙げられている。音源だけで全員の好みを決めるのは難しい。[2]
「酸っぱい音を聴けば、体も酸味に反応するはずだ」という予想にも実験がある。酸味を連想させる音源、音を消したレモンを食べる映像、無音の基準条件で唾液の量を比べたところ、レモン映像では唾液が増えたが、酸っぱい音源と基準条件の間には有意な差がなかった。味の連想を、生理的な反応の証拠に置き換えてはいけない。[20]
甘い曲が浮かんだからといって、舌や唾液が必ずその連想に合わせて働くという筋書きにはしない。音と味の結び付き、食べたときの報告、体で測れる反応は、それぞれ確かめる対象になる。研究の面白さは、分かりやすい筋書きが通らなかった結果にもある。[9][18][20]

今日からできること
- 食べ慣れたチョコレートで、曲を聴いたときの感想を言葉にする。甘さ、なめらかさ、楽しさを別々に見て、全部を「おいしい」に集約しない。同じ食品で評価を比較した試験が参考になる。[1]
- 比べるなら無音の場面も残す。甘い印象の音と苦い印象の音だけでは、普段からどちらへ動いたのかを判断しにくい。各20人の研究では、無音を含めると解釈が変わった。[18]
- 甘さと苦味を反対側に置かず、それぞれ感じた程度を表現する。甘い側に寄ったことを、甘味そのものが強くなったと決め付けない。別々の尺度を使った研究の発想を借りる方法だ。[18]
- アイスなら、口に入れたときと溶ける途中の感想を分ける。好きな曲で甘さを感じる時間が長かった実験は、強さだけでなく持続にも目を向ける手掛かりになる。[13]
- 包装や場所を変えた日は、その違いも書き添える。音と包装の組み合わせ、実験室と自然な飲食の場の違いが評価に関わった研究を踏まえ、曲だけの効果と決めない。[11][19]
こうした観察に正解の点数は要らない。変わらなかったという感想も残しておけばよい。73人の実験で平均の甘味閾値や、十分に甘味が分かる濃度の強さに差が出なかったように、音を変えても味の評価が動かない結果はある。曲を聴くたびに何かを感じ取ろうと頑張る必要はないのだ。[9]
間食に合わせる曲は、自分が食べる時間をどう過ごしたいかという問いとして選ぶ。そのうえで味が違って感じられたら、甘さなのか、食感なのか、気分なのかを確かめる。砂糖の量の話と音の印象の話を混ぜなければ、おやつの時間は、小さな感覚の違いを楽しむ場にもなる。[1][13]
オンザショア立川店で、通う時間を生活に置く
おやつに合わせる曲を選ぶように、体を動かす時間にも、自分がどう過ごしたいかという問いを置いてみる。静かにヨガに取り組みたいのか、別の種目を試したいのか。オンザショア立川店では、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスも扱う。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングもある。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている場合は利用できない。種目や内容は店舗サイトで確認できる。音と味の研究を、これらのレッスンの効果の根拠にすることはできない。
通う候補の時間が決まったら、場所も確かめたい。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休である。ヨガを体験する場合、税込1,980円に60分のレッスンと、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金ページと体験の予約を、予定を組む際の確認先にできる。

参考文献
[1] “Smooth operator”: Music modulates the perceived creaminess, sweetness, and bitterness of chocolate — Reinoso Carvalho F, Wang QJ, van Ee R, van Ee R, Persoone D, Spence C., 2017, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2016.10.026
[2] Determinants of Sweetness Preference: A Scoping Review of Human Studies — Venditti C, Musa-Veloso K, Lee HY, Poon T, Mak A, Darch M, Juana J, Fronda D, No, 2020, Nutrients. DOI: 10.3390/nu12030718
[9] Sensitive to music? Examining the crossmodal effect of audition on sweet taste sensitivity — Guedes D, Prada M, Garrido MV, Caeiro I, Simões C, Lamy E., 2023, Food research international (Ottawa, Ont.). DOI: 10.1016/j.foodres.2023.113256
[11] Reducing sweetness expectation in milk tea by crossmodal visuo-auditory interaction — Lin X, Liu Y, Huang J., 2024, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2023.107107
[12] The taste & affect music database: Subjective rating norms for a new set of musical stimuli — Guedes D, Prada M, Garrido MV, Lamy E., 2023, Behavior research methods. DOI: 10.3758/s13428-022-01862-z
[13] Musical and Non-Musical Sounds Influence the Flavour Perception of Chocolate Ice Cream and Emotional Responses — Lin YHT, Hamid N, Shepherd D, Kantono K, Spence C., 2022, Foods (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/foods11121784
[16] ‘Striking a Sour Note’: Assessing the Influence of Consonant and Dissonant Music on Taste Perception — Wang Q, Spence C., 2016, Multisensory research. DOI: 10.1163/22134808-00002505
[18] A bittersweet symphony: Evidence for taste-sound correspondences without effects on taste quality-specific perception — Höchenberger R, Ohla K., 2019, Journal of neuroscience research. DOI: 10.1002/jnr.24308
[19] The effect of music on gelato perception in different eating contexts — Kantono K, Hamid N, Shepherd D, Lin YHT, Brard C, Grazioli G, Thomas Carr B., 2018, Food research international (Ottawa, Ont.). DOI: 10.1016/j.foodres.2018.06.030
[20] Music to Make Your Mouth Water? Assessing the Potential Influence of Sour Music on Salivation — Wang QJ, Knoeferle K, Spence C., 2017, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2017.00638
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 間食の量の目安はフォークで変わる?一口の大きさと食べる場所を研究で読む
- 間食の飲み物はグラスの形で減る?飲む速さと量の見積もりを研究で読み解く
- 間食を減らすには透明な袋を避ける?中身が見える包装と購入意向を研究で読む
- 間食は金属のスプーンで味が変わる?健康な選び方と素材・苦味の研究を読む
- 間食の果物は冷凍でビタミンが減る?栄養を比べる前に見たい保存日数と加工条件
- 間食のオートミールは一晩浸すと違う?フィチン酸とミネラル吸収を研究で読む
- 間食の種子はすりつぶすと栄養が届く?丸ごと食べる場合と消化を研究で読む
- 間食のココアは色が濃いほど成分が多い?アルカリ処理とフラバノールの読み方
- 間食の豆は発芽で栄養が変わる?プロテインの量と消化しやすさを分けて読む
- 間食の飲み物に緑茶は熱湯でいれる方がよい?成分の量と渋味を分けて読む
- 運動習慣で基礎代謝量は増える?筋トレと有酸素運動を続けた後の変化を読む
- 間食の冷凍野菜は加熱済みなら栄養が少ない?下ゆでと保存後の違いを研究で読む
- 間食のふすまは細かいほど働く?食物繊維の量と粒の大きさを分けて研究で読む
- 有酸素運動の効果は瞳孔に出る?目の反応と運動後の注意力を分けて研究で読む
- スクワットは足指を握ると安定する?足裏の圧と膝の動きを分けて研究で読む
- スクワットは目を閉じると動きが変わる?効果の期間より先に知りたい揺れの研究
- 前屈できないときは座る方が伸びる?立位との違いと骨盤の動きを研究で読む
- 間食のりんごは茶色くなると栄養も減る?切り口の色と成分の変化を研究で読む
- 柔軟性を上げるストレッチは途中で休む?連続して伸ばす場合との可動域を読む
- 呼吸法で瞳孔も揺れる?リラクゼーションと目の反応を分けて読む自律神経の研究
- 間食の飲み物、コーヒーは紙で変わる?油分とカフェインを分けて研究で読む
- 疲労回復にスヌーズは役立つ?二度寝の時間と起きた後の注意力を研究で読む
- 疲労回復の目覚ましは音で選ぶ?旋律と起きた直後のぼんやりを研究で読む
- 筋肉痛は音楽で和らげることができる?痛みへの注意と戻る筋力を分けて読む
- 疲労回復で寝返りは少ないほどよい?運動後の眠りと体の動きを分けて研究で読む
- 間食の温めた牛乳に膜ができるのはなぜ?見た目とたんぱく質の栄養を分けて読む
- 汗をかく量は食後にも変わる?食事で生まれる熱と運動の発汗を分けて読む
- HIITタイマーの秒数が長く感じるのは疲労?時計と出力を分けて研究で読む
- 間食の卵は蒸すと消化が変わる?ゆで卵との違いを食感と加熱条件から読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2






