
扁平足の研究を、自分の足へそのまま移さない
扁平足の大学生36人を、ショートフット群と足指を曲げる運動群に無作為に分け、8週間の練習を行った試験がある。足指の握力や足底の感覚、片脚立ちの際の足圧中心の揺れ、お尻の筋肉が働き始める時点などを調べた。足圧中心とは、足裏にかかる圧をまとめた位置であり、その揺れを姿勢制御の評価に使っている。18〜39歳の女性でも、扁平足のない人に同じ結果を当てはめられるかは別に検証する必要がある。[2]
ショートフット群では介入前後で、足指の握力、左右方向の足圧中心の揺れ、大殿筋と中殿筋が働き始める時点に有意な変化があった。足指曲げ群では、測定した項目に有意な前後差がなかった。足裏の小さな運動を、片脚立ちの制御と結びつけて調べた点に、この試験の意味がある。[2]
一方、「片方の群で有意、もう片方では有意でない」という結果だけで、すべての項目で群間の優劣が証明されたと読み替えてはいけない。変化したのも、測定したすべての項目ではない。この試験を受け止めるなら、扁平足の大学生で特定の姿勢制御の指標が変化した、と範囲を保つのが適切である。[2]
姿勢による違いには、足裏以外の条件も絡む。扁平足の32人を調べた実験では、ショートフットに股関節を外へ開く方向へ力を入れる課題を組み合わせ、座位と立位で比較した。股関節の角度を動かさずに力を出す条件を加えると、母趾外転筋の活動は増え、すねの前にある前脛骨筋の活動は低くなった。18〜39歳の女性全体にこの結果を当てはめるには、扁平足の有無や運動条件の違いを考慮する必要がある。[11]
さらに立位では座位より、中殿筋と長腓骨筋の活動が高かった。立って行う運動は、単に足裏だけへ重りを追加するものではなく、他の筋肉も関わる課題だと理解できる。ただし、これは扁平足の人のその場の比較である。股関節へ力を入れる方法が、健康な人全員の長期的な改善を増やすという結論ではない。[11]
「歩き方が変わるか」という問いには、歩行を実際に調べた結果を別に見る必要がある。後脛骨筋腱の機能障害がある男性8人、女性7人の計15人を対象にした研究では、4週間のショートフットの前後で、歩行中の筋活動や足関節の動きを測定した。すねや足の外側の筋活動には変化があったが、構造上の変形と足関節モーメント、つまり関節を回す力の作用は変わらなかった。18〜39歳の健康な女性の歩き方にも同じ効果があるかは、この研究だけでは判断できない。[13]
その研究は比較対照群を置かない前後比較であり、病態のある人を対象としている。歩行の一部の指標が変わることと、足の形が変わることは別だと考える材料にはなる。18〜39歳の健康な女性に同じ変化が起こるかは、この患者群の結果からは判断できない。立った練習から歩き方までを、途切れのない効能としてつなげないことが大切だ。[13]
歩行研究の変化の大きさも見ておこう。足が接地してから体重を受ける初期の局面で、ある時点の前脛骨筋の活動低下の効果量は0.75、95%信頼区間は0.01〜1.49だった。信頼区間は推定の不確かさを表す範囲であり、この結果には小さな変化から大きな変化まで幅がある。平均的な方向だけでなく、その幅も一緒に読むべきだ。[13]
歩行の後半では、別の時点の長腓骨筋の活動低下に効果量1.99、95%信頼区間1.11〜2.86が示された。ただし、これは筋活動の変化を標準化して表した値であり、歩く速さが同じ割合で増えたという数字ではない。足関節の力の作用や構造上の変形に変化がなかったことと並べると、「活動の配分が変わること」を「足が作り替わること」から切り分けやすい。[13]
測る動きに慣れる影響もある。健康な40人を調べた足の筋力評価の研究では、測定日の間に2週間のドーミング動作の練習期間を設けた。ドーミングはアーチをドーム状に使う課題で、その測定には明らかな学習効果が認められた。同じ日の中で測定値が安定することと、練習を経た別の日にも同じ意味で比べられることは、分けて考える必要がある。[3]
家庭で細かな数値を測ろうとする前に、動きを覚えた変化も記録に含めたい。初めより動かせた日を、すべて筋肉が大きくなった日と解釈する必要はない。足の筋力評価に学習効果があった結果は、慣れを含めて経過を見る理由になる。[3]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「すぐできないのは、足裏の筋肉が弱いから」と即断するのは早い。大学生を対象とした予備的な観察研究では、座位で説明を受けてすぐできた人、追加練習後にできた人、できなかった人に分け、筋力や筋肉の形を比較した。女性では、すぐできた群の方が、他の群より足指の握力が低かった。男女とも筋肉の形態やアーチに関する指標に有意差はなく、即座にできることと筋力や筋肉の大きさは一致しなかった。[8]
研究者は、足内在筋と足の外から働く筋肉の協調との関連を示唆している。観察研究が示したのは関連であり、協調が原因だと確定する結果ではない。それでも、初日にうまく動かない足へ、筋力不足の札を貼る必要はない。握る力を増やす練習と、狙った動きを覚える練習を、同じものと決めつけない方がよい。[8]
「片脚立ちで活動が大きいから、座位は省略してよい」という理解も急ぎすぎである。筋活動の比較では片脚立ちが高かったが、長期的な機能を扱うレビューでは座位から立位へ進む方法が使われていた。その場で大きな信号を得る条件と、動きを学びながら続ける構成は、別の問いへの答えなのだ。[1][6]
「土踏まずの見た目が変わらなければ失敗」でもない。健康な人のレビューでは、短期にアーチの動きやすさが変わらなくても機能には改善があった。病態のある人の前後比較でも、歩行中の筋活動の変化と構造上の変化は一致しなかった。形、筋活動、動作の評価を分ければ、見た目だけで練習を採点せずに済む。[1][13]

今日からできること
- 椅子に座って足裏を床につけ、足指を強く握る動きと区別しながら、土踏まずを縮める動きを試す。保持時間は研究で使われた5秒を参考にし、途中で動きが崩れたら力を緩めてやり直す。これは研究の条件を参考にした練習案である。[1][5][6]
- 座位で足指ばかりを握らずに動きを確かめられたら、両脚立ちで同じ動きを試す。立つと体が揺れて足裏を確認できなくなる場合は座位へ戻す。これは姿勢を選ぶための確認点であり、効果が実証された合否基準ではない。片脚立ちを急がず、座位から立位へ進む研究の考え方を使う。[1][6]
- 足指を握る動きとアーチを使う動きを区別して確かめる。8週間の比較試験でも別の運動として扱われており、足指を強く握れることだけを完成の目印にしない。[2][8]
- その日の感触と、続けた後の変化を分けて記録する。レビューの4週間と8週間は異なる評価時点であり、毎回の練習直後に足の形が変わることを目標にしない。[1]
- 動的課題を増やす前に、何を比較したいかを決める。17人の実験では、かかと上げにショートフットを足しても活動増加は有意でなかった。種目を足すこと自体を目的にしない。[6]
痛みや診断済みの足の問題がある場合は、自己流で立位や片脚の課題を増やす前に医師に相談する。ここで紹介した病態のある人の研究は、診断や治療の指示の代わりにはならない。健康な参加者の運動実験と、扁平足や腱の機能障害がある人の試験を読み分けることも、自分に合う入り口を選ぶ作業である。[2][6][13]
練習を誰かに見てもらう際は、「足裏を鍛えたい」だけでなく、座ると足指ばかりが動く、立つと体が揺れる、と困っている場面を言葉にしたい。すぐにできるかどうかが握力や筋肉の大きさと一致しなかった研究は、できなさを具体的に伝える意味を教えてくれる。足裏の運動にも、力を出す前に動きを整理する余地がある。[8]
オンザショア立川店で、通う時間と場所を決める
座って足裏の動きを覚える時間と、全身を動かす時間を生活の中に置く。そのための場所を考えるなら、通う時間と駅からの距離も選ぶ材料になる。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。通勤や買い物の予定と照らし合わせて、運動の時間を生活に置くための条件を確認できる。
当店は溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどを扱っている。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。種目や環境を選び、通う予定を決める場所として検討してほしい。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店の案内と料金で条件を確かめ、予定が合えば体験予約へ進める。

参考文献
[1] Effects of intrinsic foot muscle strengthening on the medial longitudinal arch mobility and function: A systematic review — de Souza TMM, de Oliveira Coutinho VG, Tessutti VD, de Oliveira NRC, Yi LC., 2023, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2023.05.010
[2] Effect of short foot exercise on lower-limb motor control function during single-leg standing in university students with flatfoot: A randomized controlled trial — Suzuki M, Kuruma H, Kato K, Gota Y, Kase H, Fujimoto H, Nagashima R., 2024, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2024.02.023
[3] Functional assessments of foot strength: a comparative and repeatability study — Bruening DA, Ridge ST, Jacobs JL, Olsen MT, Griffin DW, Ferguson DH, Bassett KE,, 2019, BMC musculoskeletal disorders. DOI: 10.1186/s12891-019-2981-6
[5] A comparison of abductor hallucis muscle activation and medial longitudinal arch angle during nine different foot exercises — Katakura M, Rezende MAG, Calder JDF, Kedgley AE., 2024, Gait & posture. DOI: 10.1016/j.gaitpost.2024.06.008
[6] Abductor hallucis muscle activity during short foot exercise in combination with static and dynamic functional tasks — Koshino Y, Kimura M, Samukawa M, Kasahara S, Ishida T, Tohyama H., 2024, Gait & posture. DOI: 10.1016/j.gaitpost.2024.08.008
[8] Relationship of Physical Factors to the Acceptability and Unacceptability of Short Foot Exercise: A Preliminary Study — Sota K, Bokoi A, Shiromaru T, Sano H, Shibata Y, Kawaguchi K., 2025, Progress in rehabilitation medicine. DOI: 10.2490/prm.20250040
[11] Effect of Isometric Hip Abduction on Foot and Ankle Muscle Activity and Medial Longitudinal Arch During Short-Foot Exercise in Individuals With Pes Planus — Choi JH, Cynn HS, Yi CH, Yoon TL, Baik SM., 2020, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2019-0310
[13] Effects of a 4-Week Short-Foot Exercise Program on Gait Characteristics in Patients With Stage II Posterior Tibial Tendon Dysfunction — Kim J, Lee SC, Chun Y, Jun HP, Seegmiller JG, Kim KM, Lee SY., 2020, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2019-0211
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 太ももの筋トレ、膝伸展の部分反復は曲げた側か伸ばした側か?育つ部位の違いを読む
- 下半身の筋トレは膝立ちで後ろへ倒れる?前ももの長さと負荷を研究で読み分ける
- 太もも裏の筋トレはゴムで体を支える?膝立ちで倒れる動きと負荷の調整を読む
- 内転筋の筋トレマシンは深く座ると違う?股関節の角度と内ももの力を研究で読む
- ヒップアップの脚を開く器具は前傾する?座る角度とお尻の筋活動を研究で読む
- 脂肪燃焼はランニングと自転車で違う?同じ強度で比べる有酸素運動の燃料
- ふくらはぎの筋トレは下の範囲だけでよい?かかと上げの深さと筋肉の成長を読む
- 女性の腕の筋トレは曲がった棒を選ぶ?まっすぐな棒との比較で迷わない読み方
- 女性の胸の筋トレはバーを真上に押す?斜めの軌道と肩にかかる力を研究で読む
- 女性の肩の筋トレは手のひらを向かい合わせる?家で迷う握り方と研究の読み方
- 大胸筋の筋トレ、女性は腕を開いて閉じる?フライとプレスの違いと肩の負荷を読む
- 女性の腹筋運動は手を頭の後ろに置く?胸で組む形と負荷の違いを研究で読む
- 有酸素運動の頻度を減らしても体力は保てる?持久力を維持する負荷と条件を読む
- クロスプランクの効果は手足を上げるほど増す?片脚上げと深部の筋肉を研究で読む
- コペンハーゲンプランクは膝を台に置く?足首支持で変わる内ももの負荷を読む
- 間食のナッツで血圧も変わる?血中脂質とは分けて読む置き換え試験と選び方
- ヨガの足指は親指だけ別に動かせる?まとめて曲げる運動と筋肉の使い分けを読む
- スクワットのジャンプは腕を振ると高くなる?脚だけでは決まらない連動を読む
- スクワットで跳ぶ前はどこまで沈む?女性が知りたい深さと跳躍の高さを読む
- ウォーキングの靴底は丸いと歩きやすい?前へ転がる形と足首の負荷を研究で読む
- 有酸素運動は一度動いて休むと楽になる?準備運動と酸素の立ち上がりを読む
- 有酸素運動のきつさは脚と息で分けて答える?全身の点数だけでは見えない負担
- HIITは大事な予定の前に本数を減らす?強度を保つ調整と動ける力を読む
- ストレッチは振動を加えながら伸ばすと違う?同時と後からの効果を研究で読む
- 運動前のストレッチは動く幅を少しずつ広げる?大きさより先に確かめたい準備の効果
- 女性の筋トレを想像するときは目を閉じる?景色の有無と動きの鮮明さを研究で読む
- ヨガマットの凹凸は立つ感覚を変える?厚さとは別に読む足裏の刺激と姿勢の揺れ
- 筋肉痛の日は運動していい?ヨガの片脚立ちと痛みだけでは測れない姿勢の揺れを読む
- 女性の筋トレは左右で違う重さを持って歩く?偏った負荷と体幹の働きを読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2






