
感じた場所と、育った場所を同じにしない
押し終わった直後に太ももの前が熱く感じると、お尻の運動になっていないのではと気になるかもしれない。まず知っておきたいのは、レッグプレスを用いた研究でも、評価する筋肉が研究ごとに違うことだ。ふくらはぎの筋活動を調べた実験、膝の力を推定した実験、太ももの筋厚を追った試験は、それぞれ別の問いに答えている。[4][5][16]
男性10人を対象にした水平型レッグプレスの実験では、ふくらはぎの腓腹筋という筋肉の電気的な活動を測っている。膝が伸びきる側の終わりと、曲げ始めに強い活動がみられ、足首をつま先で下へ押す方向にした条件でも強い活動があった。18〜39歳の女性でも同じ活動になるかはこの男性の実験だけでは判断できず、ここでは足首の条件も測定結果に関わる点を押さえたい。[5]
ただし、これはふくらはぎを測った結果である。上側と下側の足台でおおむね似た活動がみられたからといって、お尻の筋肉については別の検証が必要だ。足首の条件でふくらはぎの活動が変わった結果から、つま先を使えばヒップアップが進むとも言えない。ある筋肉の観察結果を別の筋肉へ貸し出さないことが、フォーム情報を読む基本となる。[5]
筋肉の成長については、未経験の若い女性8人を対象にした無作為割り当ての試験が参考になる。同じ人の片脚にランジ、もう片脚に傾斜型レッグプレスを割り当て、週3日、9週間実施した。左右を同じ人の中で比較する設計で、超音波を使い、太ももの前側にある大腿直筋と外側広筋の筋厚を複数の位置で調べている。[16]
大腿直筋の遠位側、つまり膝に近い測定位置では、ランジで24.8%、レッグプレスで27.3%の筋厚増加が認められた。外側広筋でも複数の位置で増加し、種目と時間の組み合わせによる差は検出されなかった。研究全体の結論は、未経験の女性において両種目が同程度に筋肥大をもたらした、というものである。ここでの筋肥大は、筋肉が大きくなる変化を指す。[16]
測定箇所によって、統計的な判定には違いがあった。大腿直筋の近位側、体幹に近い位置のレッグプレス側は8.9%増加したが、統計的な判定値は0.051であり、この試験で設定した有意の基準には届かなかった。平均値が増えることと、統計的に明確な変化と判定されることも区別したい。[16]
この試験は、レッグプレスで太ももが育つ可能性を具体的に示している。一方、測定したのは太ももの前側であり、足の高さ別のお尻の成長を比べた結果ではない。27.3%という数字を「お尻も同じだけ大きくなる」と使うことはできない。検索した目的がヒップアップであっても、論文が測った場所までヒップに変わるわけではないのである。[16]
また、同じ人の左右を比べた小規模な試験で、差が検出されなかったことを、誰でも必ず同じ効果になる保証にしない。女性を対象にした点は読者に近くても、経験の有無、運動の内容、測定した筋肉まで一致するかを見たい。対象が近いことと、知りたい問いに直接答えることは別々の長所である。[16]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
重さの記録は、足位置の答えになるか
設定を変えて押せる重さが増えると、新しい足位置が正解に思える。しかし、レッグプレスの筋力を調べた研究と、お尻の形の変化を調べる問いは区別する必要がある。筋力の研究でよく使う最大挙上重量は、決められた条件で挙げられる重さを測る指標だ。太ももの筋厚を測る指標とは、結果として数えるものが異なる。[7][16]
高強度と低〜中強度の筋力トレーニングを比較した系統的レビューとメタ分析では、50歳以上の成人を対象とした18研究、計1,283人のデータを統合している。高強度は最大挙上重量の70%以上、低〜中強度はそれ未満として分けられた。レッグプレス筋力の改善は高強度側が大きく、標準化平均差は0.95、95%信頼区間は0.48〜1.43だった。50歳以上の成人の結果であり、18〜39歳の女性の負荷選びにそのまま当てはめることはできない。[7]
標準化平均差は、研究ごとに違う尺度をそろえて群の差を表す値で、ここでの0.95を重量の増加量として読むことはできない。また信頼区間は推定の不確かさを表す。この分析は複数の無作為化比較試験をまとめたものだが、対象は主に若い女性へ向けた足位置の比較ではない。研究の型が強くても、答える問いが遠ければ、その距離を残して使う必要がある。[7]
同じ分析で、腰椎や大腿骨頸部の骨密度、転倒、有害事象には、強度による有意な群間差が認められなかった。筋力に差が出たことを、あらゆる健康指標に差が出たと広げないために併せて読む結果である。有害事象の群間差が明確でないことも、個人が重さを増やしてよいという許可ではない。[7]
ここから足位置の記録へ戻ると、重さだけで設定を判定しない理由が分かる。筋力の数字は筋力の変化として有用である。しかし、足の位置や曲げる範囲が変わった前後を比べて「お尻への効果が上がった」と言うには、測っているものが足りない。体の形を目標にする場合も、重量の数字をそのまま目標の達成度にしないことだ。[4][7][16]
運動の記録に重さを書くなら、その横に設定の言葉も置く。高い足位置にした日、足幅を変えた日、いつもより浅い範囲で行った日は、同じ条件の記録としてひと続きに扱わない。この整理は、重量を伸ばす楽しさを失わせるためではない。何が伸びた記録なのかを、後で読み返せるようにするためである。[4][7]

よくある誤解
「高い足位置なら膝にかかる力は小さくなる」。男性リフターの比較実験では、高い位置と低い位置の間で膝の力に差が認められなかった。この条件で、足の高さだけを理由に膝の負担が減るという思い込みは支持されなかった。一方、足幅や曲げる深さでは力の違いがみられている。足位置という言葉を、高さだけの意味で使わないほうがよい。[4]
「つま先を外へ向ければ、狙う筋肉を確実に切り替えられる」。正面と外向き30度を比べた実験では、筋活動と膝の力に差がなかった。別の静止条件の研究では、位置や傾斜の変更が膝のモーメントに影響している。両者は評価した条件と指標が違い、単純な矛盾ではない。向きが何に影響するかを添えずに語ると、結果が食い違って見える。[3][4]
「レッグプレスで筋肉が増えた研究があるなら、高い足位置でお尻も育つ」。女性の試験で測ったのは太ももの前側の筋厚であり、足位置別のお尻の成長ではない。筋活動、関節の力、筋厚という測定対象を混ぜると、研究が示した以上に都合のよい結論になる。運動の名前が同じでも、足の高さの問いに直接答える研究かを確かめたい。[4][16]
今日からできること
- 足台に足を置いたら、まず現在の高さ、左右の幅、つま先の向き、戻す深さを担当者と共有する。男性10人の実験のように条件を分け、次の比較の出発点にする。[4]
- 高い位置を試すなら、担当者と確認した現在の位置を基準に、幅とつま先の向きを保ったまま高さだけを変える。戻す深さと重さもそろえて比較し、お尻と太もも裏の感覚は別々に記録する。高い位置で幅を広げたときの太もも裏の活動増加を、お尻に最適な高さ・幅の証明として使わない。[4]
- 幅を比べる日は高さを固定し、狭い条件と広い条件を混ぜずに記録する。男性の実験では、広い条件で後十字靱帯の張力が大きく、レッグプレスの狭い条件で圧縮力が大きかった。幅を変える判断は、お尻の感覚だけで決めない。[4]
- つま先を外へ向ける前に、正面向きとの違いを確認する。外向き30度との比較では筋活動と膝の力に差がなかった。図の角度を目標にせず、足位置と深さを共有するための記録として使う。[4]
- 続けた結果を見直すときは、重さ、設定、その場の感覚を別の項目で振り返る。若い女性8人の9週間の試験が測ったのは太ももの筋厚である。お尻の変化を目標にする場合も、その数字を自分の成長率や必要期間に置き換えない。[16]

オンザショアで、通う時間から運動を組み立てる
足位置を比べる記録と同じように、運動を続ける予定も具体化したい。設定を確かめる日と通える時間を、生活の中に置いて考える。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休である。朝に動く日も、仕事や講義のあとに立ち寄る日も、営業時間を予定と照らして検討できる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。レッスンの選択肢には常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガを行い、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。通う予定を具体化する際は、料金と店の案内を確認し、ヨガを試す場合は体験予約へ進める。
参考文献
[3] Evaluation of foot position and orientation as manipulated variables to control external knee adduction moments in leg extension training — Kolditz M, Albin T, Abel D, Fasse A, Brüggemann GP, Albracht K., 2019, Computer methods and programs in biomedicine. DOI: 10.1016/j.cmpb.2016.09.005
[4] Effects of technique variations on knee biomechanics during the squat and leg press — Escamilla RF, Fleisig GS, Zheng N, Lander JE, Barrentine SW, Andrews JR, Bergema, 2001, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1097/00005768-200109000-00020
[5] Electromyographic behaviour of the gastrocnemius muscle during knee extension and flexion performed on the leg press — Tassi N, Guazzelli Filho J, Gonçalves M, Vitti M, Krool LB., 1999, Electromyography and clinical neurophysiology. DOI: なし
[7] Effectiveness of High-Intensity Versus Low-To-Moderate-Intensity Resistance Training in Improving Muscle Strength and Bone Mineral Density in Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials — Shen YC, Chen KH, Hou WH, Kang YN, Shen WT, Hoang KD, Huang YL, Chen C., 2026, Geriatrics & gerontology international. DOI: 10.1111/ggi.70607
[16] Comparable regional hypertrophy of the knee extensor muscles in response to resistance training with machines versus free weights: a randomized within-subject approach — Amanuma MT, Ikeda PLT, Sakamoto MT, Justino JC, Abreu NS, de Sena Silva MV, de S, 2025, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2025.09.027
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- ウォーキングの目線は足元に向ける?近くと進行先で変わる足取りの安定を読む
- ウォーキングミーティングの効果は?歩く速さより発想を広げる時間と案の選び方を読む
- ウォーキング瞑想の効果は散歩と違う?足への注意と気分の変化を比べて読む
- ウォーキングマシンは外歩きと同じ?ベルトの動きと一歩ごとの力を比べて読む
- ウォーキングの靴は柔らかいほどよい?クッションと着地の衝撃を分けて読む
- ウォーキングの歩数別効果は何歩と比べた数字?研究の基準と仕事中の足し方を読む
- ウォーキングのリストウェイトは効果がある?腕の負担と消費の増え方を読む
- ショッピングモールのウォーキングは続く?雨の日の歩数と参加を支える条件を読む
- ウォーキングの消費量は時計で分かる?心拍数とカロリー推定の誤差を比べて読む
- ウォーキングの腹式呼吸は足取りと合う?息の深さと歩行の同期を研究で読む
- スクワットは椅子が低いほどきつい?座面の高さで変わる脚の負担と回数を読む
- スクワットの膝サポーターで力は増す?安心感と挙げられる重さを分けて読む
- スクワットでランニングは楽になる?走る練習とは別に育つ脚の力を研究で読む
- スクワットで足は速くなる?重さの記録と短いダッシュの伸びを分けて読む
- スクワットは階段を下りる力にも役立つ?上る動きとは違う減速の働きを読む
- スクワットキープはどの角度でも強くなる?止めた位置と力が伸びる範囲を読む
- スクワットで脳に届く酸素は変わる?立つ瞬間としゃがむ瞬間の血流を読む
- スクワットのバーは肩のどこに載せる?高い位置と低い位置で変わる脚と腰の分担
- スクワットはふくらはぎにも効く?膝を曲げた姿勢と足首を支える働きを読む
- スクワットは腕を前に伸ばすと楽になる?膝の深さと脚の負担を分けて読む
- スクワットの効果が分からないとき速さを見る?セット中の減速と疲れを読み解く
- スクワットとバックランジは何が違う?後ろへ引く足と脚の分担を研究から読む
- ヒップアップのうつ伏せ脚上げは膝を曲げる?お尻と太もも裏の分担を読む
- ヒップアップのケーブルは斜め後ろへ引く?脚の方向と筋肉の分担を研究で読む
- 有酸素運動と認知機能、動いている最中も頭は働く?終了後の判断の速さと比べて読む
- ヒップアップのEMSは運動と同じ?筋肉が動く実感と形が変わる証拠を読む
- ヒップアップの階段登りは上体を傾ける?お尻の働きと形の変化を分けて読む
- ヒップアップの立ったまま脚上げは腰も反る?骨盤を支える動きと負荷を読む
- ヒップアップで太ももも太くなる?スクワットとヒップスラストの育つ部位を読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2






