ヒップアップのEMSは運動と同じ?筋肉が動く実感と形が変わる証拠を読む

ヒップアップのEMSでお尻が動いても、それだけで形が変わるとは限らない。健康な成人の比較試験を軸に、収縮時と安静時の筋厚、身体機能、体組成を読み分ける。医療での利用や電極の研究も、対象と目的を確かめながら、自分で動く運動との違い、強い刺激への期待、安全面の考え方を整理する。

パッドを貼ったお尻が、自分の意思とは別のリズムで動く。この収縮は、力が強くなることや筋肉が厚くなることと、どうつながるのだろうか。ヒップアップのEMSを選ぶ前に、刺激の設定と、研究が測った変化を並べてみたい。

EMSは電流によって自分の意思によらない筋収縮を起こす方法である。ただし、健康な若い成人が筋力トレーニングにEMSを加えた比較試験では、収縮中の筋厚に差があっても、安静時の筋厚、身体機能、体組成には有意な群間差がなかった。「動いたから形も変わる」と直結させることはできない。[1]

現時点での答えは、筋肉への刺激としての働きはあるが、自分で動く運動と同じ結果や、ヒップの見た目の変化を約束するものではない、ということである。[1] 脂肪と筋力の区別は既存記事「背中痩せのグッズは電気で動けば鍛えられる?筋力の変化と脂肪の変化を読み分ける」に譲り、ここではお尻の筋厚と、測っている場面の違いに焦点を絞る。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

「動いた」の次に、何が変わったかを問う

EMSの研究には、神経筋電気刺激という意味のNMESという呼び方も出てくる。電気刺激で筋収縮を起こす介入であっても、試験によって対象の筋肉、運動との組み合わせ、評価する結果が違う。[1][18] 検索画面で同じ「電気刺激」の文字を見つけても、対象と測定項目まで読み進める必要がある。

ヒップアップを望む人が知りたいのは、日常の姿勢で見たときの形かもしれない。一方、研究が測るのは、超音波で測った筋肉の厚み、力を出す能力、運動課題の成績、体組成などである。健康な成人の試験では、これらを別々の評価項目として扱っている。[1] 結果を読む側も、別々の引き出しに入れる必要がある。

たとえば「筋厚が増えた」という紹介を見たら、力を抜いた状態なのか、収縮させた状態なのかを確かめたい。この試験では両方を測り、群間差が出たのは収縮時だった。[1] 文末の短い条件が、期待してよい範囲を大きく変える。電源が入っている時間の変化と、電源を切ったあとの体を、同じ写真のようには扱えない。

また、「差がなかった」は「何をしても変わらない」という意味ではない。運動に刺激を加えた群と、運動だけの群の比較である。[1] 比べる相手を消してしまうと、追加の効果を調べた研究が、運動全体の効果を否定した話に化ける。逆に、刺激を加えた群で変化があったというだけでも、追加した分が役立ったとは決まらない。

自分の目的を先に短い言葉にしておくと、研究を読みやすくなる。「お尻を動かす感覚を知りたい」のか、「力を出しやすくしたい」のか、「安静時の筋肉の厚みを変えたい」のか。健康な成人の比較試験で、収縮時の筋厚と身体機能の結果がそろわなかったことは、こうした目的をひとまとめにしない理由になる。[1]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

健康な成人の試験は「運動への上乗せ」を調べた

中心となるのは、運動競技を専門としない健康な若い成人を対象にした無作為化比較試験である。参加者を偶然の割り当てで分け、筋力トレーニングにEMSを重ねる群と、トレーニングだけの群を比べた。募集されたのは41人で、完了したのは39人、内訳は追加群20人、運動群19人だった。[1] 対象は健康な若い成人であり、18〜39歳の女性だけに同じ追加効果が出るかは、この結果からは判断できない。

両群とも、体幹の運動からなる筋力トレーニングを、1回30分、週3回、8週間行った。追加群では運動中に腹部、お尻、股関節の内側の筋肉へ刺激を加えた。[1] つまり、座って機器に任せる生活と、運動する生活を比べた実験ではない。運動の時間は両群にあり、その上に刺激を足した設計である。

評価には超音波が使われ、腹部、お尻、股関節の内側の筋肉の厚みを、安静時と収縮時に測った。加えて身体機能と体組成も調べている。[1] お尻だけを切り離して見た美容目的の試験と受け取るより、体幹の運動プログラムに対する追加効果の試験と読むのが正確だ。

結果では、EMS追加群の収縮時の筋厚は運動だけの群より大きく、有意差があった。一方、安静時の筋厚には有意な群間差がなく、身体機能と体組成にも有意差はなかった。[1] 肯定的な結果と、差が出なかった結果は同じ試験から出ている。どちらかを省けば、話が都合よくなる。

この結果から、刺激を重ねることで収縮時の反応が変わる可能性は考えられる。しかし、安静時の筋厚と体組成については、追加群の優位性は確認されなかった。[1] ヒップアップという言葉を、筋収縮から見た目まで一気に運ぶ便利な箱にしないことだ。

試験の期間を、自宅で使う際の達成期限へ変換するのも避けたい。8週間という数字は、この運動と刺激の組み合わせを比較した観察期間である。[1] 同じ長さだけ使えば誰でも同じ体になる、という予定表ではない。中央線で帰宅して、残った時間をどう使うか。その判断に必要なのは、期間の数字より、研究と自分の使い方が似ているかどうかである。

収縮時の筋厚を、安静時の形に置き換えない

収縮時に測った厚みと、力を抜いた状態で測った厚みを区別する意味は、試験の結果そのものに表れている。同じ参加者、同じ運動期間であっても、追加群が優位だった項目と、群間差がなかった項目が分かれた。[1] 測定時の状態を省いた「筋厚に効果」という見出しだけでは、この大切な違いが消える。

さらに、身体機能も別である。この試験は体幹の安定性に関する課題や股関節の筋パワーなどを評価したが、全体として身体機能に有意な群間差はなかった。[1] 筋肉の測定値が変われば、日常のあらゆる動作も同じように良くなる、という読み方はできない。厚みを測る検査と、体を動かす課題は、問いが違うからである。

体組成の結果も同様だ。体組成では、運動へのEMS追加による有意な上乗せ効果は確認されなかった。[1] ここから「お尻の刺激で脂肪も落ちる」「輪郭も上がる」と続けるのは飛躍になる。筋肉が収縮した事実を、体の別の部分の変化を保証する証拠として使わない。

買い物の場面では、説明文の主語を入れ替えてみるとよい。「筋肉が動く」を「普段の形が変わる」に置き換えても、同じ研究が支えているだろうか。今回の比較試験で支持されたのは収縮時の筋厚の群間差であり、安静時の筋厚や体組成での追加効果ではない。[1] 似た言葉の間に橋があるかを確かめるだけで、期待の置き場所が変わる。

変化を求めること自体に問題はない。体の形は人それぞれであり、ヒップアップを目標にするかどうかも自分で選んでよい。ただ、研究を利用するなら、測定された項目の名前を残したい。収縮時の結果をそのまま受け取ることは、期待を捨てることではなく、確かめられた内容に期待を合わせることである。[1]

研究の結果を生活へ持ち帰る際には、「追加したことで何が違ったか」という問いを保ちたい。両群に運動がある試験なら、EMSの有無による差が手掛かりになる。片方の群の開始前と終了後だけを見せられると、共通して行った運動の働きまで、電気刺激だけの成果として受け取りやすい。この試験の身体機能と体組成に関する群間比較は、その早合点を止める材料になる。[1]

有意差がないという結果を、完全に同じだったとの証明に置き換えるのも慎重でありたい。ここでの表現は、対象となった健康な若い成人と、この運動条件のもとでは、安静時の筋厚や体組成で追加群の優位性が確認されなかった、である。[1] 万人に無効と言い切ることと、効果を約束しないことの間には幅がある。

たとえば説明を聞くときには、筋肉の測定をした場面と、自分が変えたい場面を並べてみる。収縮させている検査中なのか、普段の服を着て立っているときなのか。試験で群間差が出た収縮時の筋厚を、後者の見た目まで運ぶには、別の評価が必要になる。[1] 写真の印象より先に測定項目の名前を見ることは、研究を日常の判断に使うための小さな手順である。

数字で読むお尻の電気刺激

41人を募集し39人が完了:健康な若い成人を対象にした、運動へのEMS追加の比較試験である。[1]

1回30分・週3回・8週間:両群が行った体幹の筋力トレーニングの条件であり、機器だけの使用時間ではない。[1]

149人:集中治療中の患者を対象にした試験の人数で、健康な人の美容目的の集団とは異なる。[7]

15人:電極の大きさと位置による快適さを比較した健康な参加者の人数である。[18]

22人・2週間:中臀筋への刺激を運動に重ねる実施可能性の研究で、見た目の変化を示す数字ではない。[20]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約