有酸素運動で遅筋は乳酸を使う力も育つ?筋肉間の受け渡しと疲れにくさを読む

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変わらなかった試験と、逆向きに見える動物実験

運動を追加しても輸送体が増えなかった試験も押さえておきたい。アマチュアのサッカー選手30人を無作為に群へ割り付けた研究では、通常のサッカー練習に、全身の電気刺激を重ねたジャンプ運動、電気刺激のない同様の運動などを比較した。追加する運動は週2回、7週間であった。日常的に競技を行う選手の試験なので、18〜39歳の一般女性が運動を始めたときの変化にそのまま当てはめることはできない。[4]

最大酸素摂取に関わる指標、疲労困憊までの時間、MCT1密度などについて、時間、群、両者の組み合わせによる有意な効果は認められなかった。著者らは、この刺激では持久力や輸送体への課題の特異性が不足したと考察している。運動をした事実と、狙った機能を変える刺激になったかは、同じではない。[4]

この結果は「運動しても意味がない」という結論ではない。すでに日常的にサッカーを行っている人に、特定のジャンプ運動を追加したときの結果である。歩く習慣を作る人の変化まで否定してはいない。研究を生活へ移すときは、対象者が元から何をしていたかも読む必要がある。[4]

さらに、輸送体は増えるほどよい、という単純な図にも収まらない動物実験がある。MCT4を欠くマウスでは、高強度運動中に筋肉内の乳酸蓄積が強まった。その状態で高強度インターバルトレーニングを組み合わせると、高強度での運動能力と代謝の適応が強まったのである。遺伝的にMCT4を欠くマウスの結果であり、18〜39歳の女性の通常のトレーニングにそのまま当てはめることはできない。[18]

この実験では、糖を分解する酵素群の活性に加え、ミトコンドリアがピルビン酸を酸化する能力も高まった。ピルビン酸は糖の代謝と乳酸の産生を考える際に関わる物質だ。MCT4は筋肉で作られた乳酸を循環へ放出する主要な経路であり、それを欠かせた実験は、乳酸が筋肉内に残ることの働きを探っている。[18][13]

ヒトの練習でMCT4が増えた研究と、欠損マウスで適応が強まった研究は、前提が大きく違う。前者は通常の選手が練習した際の変化、後者は遺伝的に輸送体を欠く条件の検証である。両方を「乳酸を運ぶ力」という言葉だけで並べ、どちらが正解かを決めることはできない。[6][18]

マウスの結果から、人が乳酸を筋肉にため込むほどよい、と勧めることもできない。ここで得られるのは、乳酸の蓄積と適応には、不要物を外へ出すという説明だけでは捉えられない関係があるという視点だ。遺伝子を変えた動物の結果を、今日の追い込み方へ直結させないことが大切である。[18]

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血液の乳酸だけでは、受け渡しの中身は分からない

血中乳酸が低ければ、筋肉がたくさん取り込んだと考えたくなる。しかし、乳酸の産生と除去を整理したレビューでは、トレーニングは産生を減らす側にも、除去を増やす側にも働くとされる。血液に残る濃度は、出てくる量と使われる量の釣り合いを反映するのである。[13]

産生側では、筋肉内の糖の貯蔵物であるグリコーゲンの分解、ホルモン反応、どの筋線維を使うか、酸化能力などが関わる。除去側では、肝臓で乳酸から糖を作る働きや、筋肉での輸送と酸化が関与する。血中の値を見ただけで、そのどこが変わったかまで分けて判断することはできない。[13]

たとえば、以前と同じ運動で血中濃度が低くなったとしても、「受け取り口が増えたから」と説明を固定しないことだ。産生の抑制と利用の増加は、どちらも候補になる。乳酸の数字を体力の成績表として読む場合も、その数字が複数の働きの結果であることは残しておきたい。[13]

疲れにくさを考える場面でも、乳酸輸送だけを主役にしすぎないほうがよい。持久運動のトレーニングを整理したレビューでは、以前は運動していなかった人の適応として、活動筋の毛細血管密度、血液量、最大酸素摂取に関わる指標の増加、同じ絶対強度での運動時心拍の低下が挙げられている。変わる場所は筋肉の受け渡し口だけではない。[14]

ここでいう同じ絶対強度とは、同じ仕事量の運動として比べる視点である。生活の記録にするなら、同じ坂道、同じ歩く区間など、比較する場面をなるべくそろえると振り返りやすい。ただし、歩きやすくなった感覚から、毛細血管や血液量、輸送体のどれが変わったかを特定するものではない。[14][6]

さらに、乳酸の産生を考えるレビューは、ピルビン酸が作られる速さが、その酸化を上回ると乳酸が蓄積すると説明している。ここにも、作る側と使う側の釣り合いがある。輸送という境界の働きだけを取り出すと、その内側で燃料を処理する能力を見落とす。受け渡し口と使い道を一緒に見ることが、乳酸利用を理解する手がかりとなる。[13]

中央線の改札に間に合ったことは、実験室の筋肉検査にはならない。それでも、以前と同じ道をどう動けたかは、自分の運動を振り返る言葉になる。「乳酸がなくなった」という見えない説明を付けず、動いた場面と体感をそのまま残してよいのである。

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よくある誤解

「乳酸は出ないほうがよい」という理解は、筋肉が乳酸を燃料にする事実と合わない。乳酸は産生される一方で、酸化的な筋線維などに利用される。筋肉は出す側と使う側の両方に立っている。受け渡しを読む記事では、乳酸をゼロにすることを目標に置く理由はない。[11][12]

「遅筋さえ増えれば疲れない」という説明は、持久力に関わる働きを狭めすぎている。酸化的な線維が乳酸の利用や輸送に適していることと、持久力をその性質だけで説明できることは別である。持久運動への適応には血液量や毛細血管なども関わり、ヒトの試験ではMCT1が変わらないまま運動成績が伸びた例もある。[12][14][6]

「運動で輸送体が増えたなら、それが成績向上の原因だ」という読み方にも注意したい。自転車選手の試験ではMCT4と成績に変化があったが、それだけで成績向上の全体をMCT4に帰せない。ジャンプ運動の試験ではMCT1などに有意な変化がなかった。どの人に、どの刺激で、何を測ったかまで含めて結果なのである。[6][4]

レビューの全体像と個別試験の結果が違って見えても、都合のよいほうだけを選ぶ必要はない。レビューは乳酸利用が適応しうることを示し、個別試験は変化が一律ではないことを示す。体の仕組みを知ることは、自分の成果を特定のたんぱく質名で断定することではない。[11][12][6][4]

今日からできること

  • 運動の記録では、動いた内容と感じたきつさを分けて書く。6週間で持久力が伸びてもMCT1は変わらなかった試験を踏まえ、体感から輸送体の増減を決めつけない。[6]
  • 散歩などを振り返るときは同じ道や動きで比べる。同じ絶対強度での変化を扱う研究の視点を借りるためであり、乳酸を推測して点数化するためではない。[14]
  • 競技選手の6週間の強度配分を、そのまま自分の予定表に移さない。対象は鍛えられた男性12人である。まず、研究の対象と自分の運動経験が違うことを確認する。[6]
  • 週2回、7週間の追加運動でも輸送体が変わらなかった試験を覚えておく。続ける回数だけで判断せず、何の動きを練習しているかを指導者と共有する材料にする。[4]
  • 乳酸をためること自体を練習の目標にしない。MCT4を欠くマウスの適応は、人が追い込み方を決める直接の根拠にはならない。[18]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショア立川店で、通う時間を生活に置く

続ける予定を考えるなら、体内の輸送体の名前より先に、自分が通える時間を予定表に置きたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休である。朝の予定に入れるか、仕事の帰りに立ち寄るか。生活の中に運動の場所を決める際の選択肢となる。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分だ。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、通う内容を考える余地もある。

参加にあたって、妊娠中は溶岩ホットヨガの対象外となり、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。

ここは乳酸輸送の変化を約束する場所としてではなく、運動を生活に組み込む場所として考えたい。店の案内と料金を確認し、予定に合う場合は体験の予約へ進める。

参考文献

[4] Seven Weeks of Jump Training with Superimposed Whole-Body Electromyostimulation Does Not Affect the Physiological and Cellular Parameters of Endurance Performance in Amateur Soccer Players — Wirtz N, Filipovic A, Gehlert S, Marées M, Schiffer T, Bloch W, Donath L., 2020, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph17031123

[6] Six weeks of a polarized training-intensity distribution leads to greater physiological and performance adaptations than a threshold model in trained cyclists — Neal CM, Hunter AM, Brennan L, O’Sullivan A, Hamilton DL, De Vito G, Galloway SD, 2013, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00652.2012

[11] Lactate transport in skeletal muscle – role and regulation of the monocarboxylate transporter — Juel C, Halestrap AP., 1999, The Journal of physiology. DOI: 10.1111/j.1469-7793.1999.0633s.x

[12] Muscle as a consumer of lactate — Gladden LB., 2000, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1097/00005768-200004000-00008

[13] Lactate production and clearance in exercise. Effects of training. A mini-review — Stallknecht B, Vissing J, Galbo H., 1998, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/j.1600-0838.1998.tb00181.x

[14] Training techniques to improve endurance exercise performances — Kubukeli ZN, Noakes TD, Dennis SC., 2002, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.2165/00007256-200232080-00002

[18] Monocarboxylate transporter 4 deficiency enhances high-intensity interval training-induced metabolic adaptations in skeletal muscle — Tamura Y, Jee E, Kouzaki K, Kotani T, Nakazato K., 2024, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jp285719

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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