
経験年数だけでは、感覚の精度は決まらない
初心者の感覚はすべて頼りにならず、経験者の感覚なら必ず正しい。この二分法も研究には合わない。2026年の比較研究では、健康な成人16人を経験者と初心者に分け、スミスマシンのバックスクワットで残せる回数の見積もりを調べた。参加者は女性4人、男性12人で、各群は8人だった。18〜39歳の女性だけでも同じ結果になるかは、この男女混合の比較からは判断できない。[6]
最大重量の70%を用い、限界までのセットと、残り3回、残り1回と見積もって終えるセットを行った。両方の見積もりについて、経験者と初心者の精度に統計的な有意差は認められなかった。動作速度やきつさなどにも群間の有意差はなく、著者らは高い努力水準への事前の慣れが、経験年数を超えて重要かもしれないと述べている。[6]
ただし、有意差がないという結果を、どんな初心者も経験者と完全に同じだと読むことはできない。限られた人数、決まった器具と種目、負荷の条件で得られた結果である。[6] 家で行うダンベルの動作にそのまま同じ精度を保証する数字としては使わず、「初心者だから無意味」と切り捨てない材料として読むのが妥当だ。
一方、2019年のベンチプレス研究では、大学生年代の男性27人を経験者と初心者に分けて比較した。18〜39歳の女性にも同じ経験差が生じるかは、この男性の研究とは分けて考える必要がある。最大重量でのきつさは、経験者が9.86、初心者が9.35で、経験者のほうが高かった。最大重量での平均速度も、経験者のほうが遅かった。他の負荷条件では、速度ときつさに群間の差はなかった。[7]
この研究は、残せる回数に基づく尺度が、大学生年代の男性のベンチプレスの重量や量の調節に使える可能性を結論としている。[7] 使える可能性と、最大重量で経験差があったことは両立する。「使える」と「どの場面でも同じように感じる」は、別の主張だからである。
2016年の平均年齢24.0歳の29人を対象としたスクワット比較研究でも、経験者15人と初心者14人を比べたところ、最大重量では経験者が高いきつさを報告した。速度ときつさには両群とも強い逆方向の関連があり、尺度は日々の負荷調節に実用的と位置づけられた。[1] 身体の感覚には手がかりがある。ただし、その手がかりの読み方まで最初から完成しているとは考えない。
これらを初回の重さ選びに移すなら、自己申告を捨てるのでも、自己申告だけで即決するのでもなく、動作を見てもらいながら言葉を確かめる使い方がよい。負荷管理のレビューが求めているのも、指標で指導者の観察を補うことである。[4] 「軽い」と伝えた後に、どの場面のことかを話せれば、初回の感想は相談の材料になる。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
慣れてからも、初日の重さを固定し続けない
重さを選んでしまうと、同じダンベルを使い続けるほうが記録は簡単だ。しかし、負荷の数字が一定でも、運動する人にとっての余裕が一定とは限らない。この違いを考える材料として、未経験の健康な若年成人31人が参加した、左右の脚を比較するランダム化試験がある。18〜39歳の女性のダンベル運動にも同じ変化が生じるかは、若年成人の膝伸ばし試験から直接決められない。[5]
参加者は片脚ずつの膝伸ばしを週2回、12週間行い、反復は3セットの10〜12回だった。片脚は重量を段階的に調節し、反対の脚は重量を一定にした。筋の断面積は両方で増加し、開始時から最後までの変化は、重量調節側で3.36平方センチメートル、固定側で2.67平方センチメートルだった。個々の測定時点では、条件間の有意差は認められなかった。[5]
ただし、18回目から24回目のセッションに限ると、断面積の増加は重量調節側で大きかった。増加量の条件間差は1.22平方センチメートルで、95%信頼区間は0.59〜1.84だった。[5] 期間全体を通じて毎回明確な差があったように書くと、この研究の結果を強めすぎる。違いが見られた時期まで含めて読む必要がある。
残せる回数にも変化があった。固定側では初回の1.50回から最後の4.08回へ増え、重量調節側では0.47回から0.20回だった。全体の重量と反復を合わせた負荷量、主観的なきつさは、重量調節側で大きかった。[5] 同じ重量という見た目の分かりやすさの内側で、取り組む人の余裕は違っていったのである。
ここから、家庭でも毎回重さを増やすべきだ、あるいは限界近くまで行うべきだと結論することはできない。対象の運動は膝伸ばしであり、ダンベル初心者の開始重量を比べた試験ではない。[5] 日常の選択に持ち帰れるのは、「買った日と同じ重さか」だけでなく、「同じ動作と回数で、今はどの程度残せそうか」も見直すという発想である。[4][5]
日による能力の変動にも目を向けたい。負荷管理のレビューでは、最大重量の一定割合で決める方法は日々の能力変化を十分に反映しない一方、主観的指標や速度を使う方法は、その日の状態をさまざまな程度で反映できると整理している。[4] 記録をそろえる目的は、変化を禁止することではなく、変えた理由を読めるようにすることだ。
家のダンベルは同じ場所に置いてあっても、運動の課題まで固定されているわけではない。重さを変えずに反復回数を変えた日と、反復回数をそろえて余裕を確かめた日を区別すれば、次に相談したいことが具体的になる。これは、負荷と回数、主観的な判断を併せて扱う研究を基にした記録の読み方である。[2][4]

よくある誤解
「初心者は感覚が当たらないから、残せる回数を書いても意味がない」という理解は広すぎる。慣れる回を設けた若い男性の研究では、重量選択に高い再現性があった。一方、別の小規模研究では、スクワットの見積もり精度に経験群間の有意差がなかった。[2][6] 初心者という分類だけで、記録の価値をゼロにしないほうがよい。
「残り1回と書ければ、どんな反復回数でも同じ重量でよい」という考えも違う。同じ残り回数の目標でも、終えるまでの反復回数によって対応する重さは異なった。[2] 研究の割合を暗記するより、比較するときに何回終えたのかを省かないことが大事だ。重さだけ立派に並んだ記録帳は、回数の欄が空だと読み解きにくい。
「精度を上げるには、初回から必ず限界まで確かめるべきだ」ともいえない。限界に近い予想ほど精度が高まる傾向を示すレビューは、予想を行う位置の話をしている。[20] それを、家で毎回限界に達する必要性へ読み替えない。尺度への習熟と、ほかの指標を組み合わせることも研究上の重要な視点である。[3][4]
今日からできること
- 初回の記録には、種目、重量、終えた回数と、終えた時点で残せそうな回数を並べる。残り1回を目標にしても、3回と8回では対応する負荷が違った研究を、欄を分ける理由にする。[2]
- 初回は重量を探す前に、比較する反復回数を指導者と決める。研究では3回、5回、8回を別の課題として扱った。家で全部を試す指示ではなく、回数をそろえて重量を相談するための例である。[2]
- 慣れる機会を設けてから、同じ条件の記録を比べる。若い男性の研究は慣れる1回と測定2回を分けており、初日の印象だけで重量を確定していない。[2]
- 次回に反復回数を変えたなら、その変更も残す。3回、5回、8回という課題の違いを含めて重量を読んだ研究のように、数字を単独で比べない。[2]
- 慣れた後は、同じ回数で余裕が増えた記録を、重さを上げる相談のきっかけにする。脚の試験は3セット、10〜12回を週2回、12週間続けて負荷を比較した。これはダンベル初回の推奨セット数ではなく、条件を決めて負荷を見直した例である。[4][5]

オンザショアで、続ける予定も一緒に考える
初回の感想を次の運動へ持ち越すには、続ける場所と時間も考えておきたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオである。パーソナルトレーニングのほか、常温のヨガやピラティスもある。
営業は8:00〜23:30で年中無休だが、これは店の開閉時刻であり、各レッスンの開始時刻とは別だ。年末年始の12/29〜1/3は通常のレッスンを休み、会員向けの特別の有料講座になる。通う予定は、店の営業時間と参加する回を分けて確認したい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている場合は利用できない。参加できる種目を確認したうえで、店の案内と料金で予定を検討できる。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。これはダンベルの重量測定を目的とする体験ではなく、ヨガに参加する入口である。ヨガの体験は予約ページから選べる。
参考文献
[1] Novel Resistance Training-Specific Rating of Perceived Exertion Scale Measuring Repetitions in Reserve — Zourdos MC, Klemp A, Dolan C, ほか, 2016, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001049
[2] Repetitions in Reserve Is a Reliable Tool for Prescribing Resistance Training Load — Lovegrove S, Hughes LJ, Mansfield SK, Read PJ, Price P, Patterson SD, 2022, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003952
[3] Validity of Rating of Perceived Exertion Scales in Relation to Movement Velocity and Exercise Intensity During Resistance-Exercise: A Systematic Review — Petro JL, Ferrari G, Cardozo LA, ほか, 2025, Sports health. DOI: 10.1177/19417381241260412
[4] Training for Muscular Strength: Methods for Monitoring and Adjusting Training Intensity — Suchomel TJ, Nimphius S, Bellon CR, Hornsby WG, Stone MH, 2021, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-021-01488-9
[5] Time course of muscle hypertrophy with and without progressive overload — Ferrari O, Silva DG, Camargo JBB, ほか, 2026, International journal of sports medicine. DOI: 10.1055/a-2980-6473
[6] Objective Accuracy in Estimating Repetitions in Reserve in the Back Squat: An Analysis between Experienced vs. Novice Subjects — Droguett FAB, Festa RR, Quintana NAT, ほか, 2026, Journal of human kinetics. DOI: 10.5114/jhk/205218
[7] Efficacy of the Repetitions in Reserve-Based Rating of Perceived Exertion for the Bench Press in Experienced and Novice Benchers — Ormsbee MJ, Carzoli JP, Klemp A, Allman BR, Zourdos MC, Kim JS, Panton LB, 2019, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001901
[20] Feasibility and Usefulness of Repetitions-In-Reserve Scales for Selecting Exercise Intensity: A Scoping Review — Bastos V, Machado S, Teixeira DS, 2024, Perceptual and motor skills. DOI: 10.1177/00315125241241785
この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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