
筋活動が高いほど、上手な使い方なのか
笑いヨガの研究が測定したのは、運動中の筋活動である。研究者は体幹の活動を引き出す点を評価しつつ、背骨の安定性に向けた神経と筋の動員の仕方を改善する運動となるかについて、さらなる研究が必要としている。ここには、その場で活動したという結果と、目的に合った使い方を学べるかという問いの違いがある。[1]
活動の大きさだけを一律に評価しない例として、腰仙部の神経根障害がある35〜50歳の患者50人の無作為化比較試験が参考になる。通常の理学療法に、動作の制御を学び直す練習を加えた群と、通常の理学療法のみの群を6週間比較した研究である。健康な人の腹筋種目を選ぶ試験ではなく、治療を受ける患者を対象とした研究だ。18〜39歳の健康な女性に、その改善の仕方をそのまま当てはめることはできない。[8]
追加の練習を受けた群では、対照群に比べて腹横筋の活動が増えた一方、脊柱起立筋と表層の多裂筋の活動はより低下し、痛みや生活上の支障もより改善した。すべての筋肉の活動が増えることと、改善が同義ではなかった。この研究では、筋肉ごとの活動の組み合わせが変わっている。[8]
もっとも、これは通常の理学療法と追加の練習を組み合わせた結果であり、追加の練習だけの効果を取り出したものではない。健康な人が背中の筋活動を下げればよい、という指示にもならない。ここで借りたいのは治療法ではなく、活動が増えた筋肉も減った筋肉もある結果を、まとめて「強く使えた」と表さない読み方である。[8]
自宅で動画を見ながら練習する時も、「昨日よりきつかった」という記録と、「指示された動きを再現できた」という記録は分けられる。きつさを否定する必要はないが、きつさだけで筋肉の配分や背骨の安定性を判定しない。笑いヨガの筋活動研究と患者の介入研究は、対象こそ違うものの、単独の数値を目的から切り離さないことを教える。[1][8]
研究を読む時には、測定した場面を文章の主語に戻すとよい。「腹筋が優れている」ではなく、「この課題では、この筋肉の活動が比較対象より高かった」と読む。そうすれば内腹斜筋の結果を体幹全体の成績に広げずに済む。自分で動かす練習にも、笑いを伴う動きにも、それぞれどの問いへの答えなのかを残せる。[1]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
楽しく動く課題でも、確かめる項目は変えない
腹筋運動という形が好きではない人には、動きのある遊びを調べた研究が別の手がかりになる。若い成人20人を対象とした研究では、クランチ、サイドブリッジという従来の体幹運動と、手押し車競争やフラフープなどの運動遊びを比較した。遊びでも体幹の筋活動は同程度、または有意に高く、特に腹斜筋でその傾向が見られた。若い成人での結果を、18〜39歳の女性すべての種目選びにそのまま当てはめるには慎重さが必要である。[9]
同じ論文の別の研究は、青少年76人を対照、従来の運動、運動遊びの群に割り当て、6週間の介入を行っている。運動遊びの群では退屈感が低く、今後も行いたいという意図が高かった。その場の筋活動を測った成人の研究と、練習を続けたい気持ちを調べた青少年の研究は、参加者も評価項目も別である。青少年の心理面の結果は、18〜39歳の女性が運動を続けるかどうかにそのまま当てはめられない。[9]
この分け方は重要だ。成人の筋活動が高かったことと、青少年が続けたいと答えたことをつないで、「大人も長期間続けられ、筋力も高まる」と一本の結論にしない。楽しさは課題を選ぶ材料になるが、今後の意図と実際に続いた行動も同じではない。この論文は、従来の体幹運動だけに選択肢を絞らない可能性を示している。[9]
立川駅北口から帰ってきて、床に寝転ぶ運動には気が進まない日がある。そんな時、「決まった腹筋運動が好きではない」という好みを、「体幹を使う動きは何もできない」という判断へ広げる必要はない。ただし遊びなら何でも同じ筋活動になるわけでもない。研究が比較したのは具体的な課題であり、面白い動画を座って見ることまで同じ運動に数えてはいない。[9]
笑いヨガと運動遊びも、同じ介入として扱わない。前者の比較では内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋などで結果が分かれ、後者では課題によって従来の運動と同等以上の活動が見られた。どちらにも楽しい要素がありそうだからと、同じ仕組みや同じ成果を想定するのは早い。楽しさの名前より、何をして何を測ったかを見る。[1][9]
実際の選択では、動作を学びたいのか、退屈しにくい課題を探したいのかを言葉にするとよい。前者なら動作への説明を求め、後者なら好きな動きの候補を相談できる。筋活動の比較と心理面の比較を分けて読むことで、運動選びの相談も具体的になる。「腹筋をするか、しないか」だけでは見えなかった選択肢である。[9]
運動の記録にも、この区別をそのまま持ち込める。「何をしたか」の欄には種目や姿勢を、「どう感じたか」の欄には退屈さや面白さを残す、といった方法だ。筋活動の実験と心理面の介入を分けた研究にならい、実施した課題と感想を混ぜずに置く。これは研究の運動量をそのまままねる処方ではなく、自分の選択を振り返るための整理である。[9]
その記録を持って相談するなら、「腹筋に効かない」だけでなく、「動作の説明が分からない」「同じ動きを続けるのが退屈だ」と困りごとを具体化できる。前者と後者では、求める説明や候補となる課題が異なる。筋活動と退屈感を別に評価した研究の見方は、自分の困りごとを言葉にする際にも役立つ。[9]

よくある誤解
「自然に出る収縮は、自分で力を入れる収縮より弱いはずだ」とは決められない。笑いヨガの比較では、内腹斜筋の活動は従来の運動より高かった。一方で腹直筋などはおよそ半分だったので、「笑いのほうが強い」と逆向きに決めることもできない。しかも笑いヨガと自然な笑いを同一視しないことが前提である。[1]
「笑った時と同じ感覚を作れば、腹筋運動が正しくできている」という考えにも飛躍がある。笑いヨガの平均筋活動の結果から、個人が感じたお腹の感覚の正確さは判定できない。仰向けの呼吸実験でも、胸横筋と腹筋の活動の組み合わせを分けて観察している。動いたという実感から、特定の筋肉を特定の割合で使ったとまでは言わない。[1][3]
「筋電図の値が高い種目を選べば、動作の目的も達成できる」とも限らない。笑いヨガの研究は、背骨の安定性に向けた動員の改善には追加の検証を求めている。患者の練習を調べた研究でも、活動が増えた筋肉と減った筋肉があった。数値は、対象と課題と評価の目的を伴って初めて読める。[1][8]
今日からできること
- 笑った後にお腹を使ったと感じたら、感覚の場所と場面を書き分ける。研究で測った5筋も同じ反応ではなかったので、感想を「腹筋全体の成績」に広げない。[1]
- 腹筋運動の説明を受ける時は、どの動作を練習しているのかを確認する。笑いヨガでおよそ半分の活動だった筋肉もあり、似た感覚だけで種目を置き換えない。[1]
- 呼吸の指示で迷ったら、息を吐くことと体を動かすことを分けて質問する。健康な成人12人の実験でも、呼吸に関わる筋肉を別々に測っている。[3]
- 従来の腹筋運動が退屈なら、動きのある別の課題を相談する。成人20人の比較は選択肢を考える材料になるが、研究の運動遊びと好きな遊びを同じものとして扱わない。[9]
- 「続けたい」と思えた日は、その気持ちも記録する。青少年の6週間の研究で評価した今後の意図と、実際に行った運動の記録は分けて残す。[9]

オンザショアで、動き方を選ぶ時間を持つ
動き方を確かめる時間を生活のどこへ置くか。その場所の候補として、オンザショア立川店がある。営業時間は8:00〜23:30で、全曜日同じ、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分という位置も、通える時間帯と合わせて確認したい店の事実だ。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけでも25種類以上のレッスンを用意している。どの時間に何を続けるかを考えるための選択肢である。
参加条件も先に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。予定と条件は店のトップと料金で確認し、試す時間が決まったら体験の予約へ進める。
参考文献
[1] Laughing: a demanding exercise for trunk muscles — Wagner H, Rehmes U, Kohle D, Puta C., 2014, Journal of motor behavior. DOI: 10.1080/00222895.2013.844091
[3] Triangularis sterni muscle use in supine humans — De Troyer A, Ninane V, Gilmartin JJ, Lemerre C, Estenne M., 1987, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/jappl.1987.62.3.919
[8] Effect of Kinetic Control Retraining on Electromyographic Activity of Trunk Muscles in Patients with Lumbosacral Radiculopathy: A Randomized Controlled Trial — Ezzat MM, Salem NA, Ahmed SM, ElKholy MM, Elsherif AA, Abdallah SA, Rehab NI., 2026, Journal of musculoskeletal & neuronal interactions. DOI: なし
[9] When core training meets play: Comparing trunk muscle activation and motivation across conventional exercises and games-based approaches — Vera-Garcia FJ, Elvira JLL, Prat-Luri A, Flores-Parodi B, Alonso-Roque JI, Cerve, 2026, Psychology of sport and exercise. DOI: 10.1016/j.psychsport.2026.103199
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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