
血糖の濃さと、糖が供給される速さは違う
健常者を調べた1999年の研究では、血液中へ糖が現れる速さと、肝臓や腎臓を通過する前後の糖の出入りを調べている。食事の吸収が落ち着いた状態では、肝臓の糖産生の推定量が、全身で糖が現れる速さに相当した。腎臓を通過する前後では、差し引きした糖の出入りは認められなかった。[13]
この「差し引き」が大切だ。血液に糖を渡す働きと、血液から糖を受け取る働きが同時にあれば、出入りの差と産生量は別になる。研究では目印を付けた糖の取り込みも調べ、その有意な取り込みは認められなかった。さらに血液中の目印の割合を使って腎臓の寄与を推定し、小さいと結論した。単に血糖が保たれているから腎臓が作っている、と推測した研究ではない。[13]
対して、2017年のレビューは、一晩の絶食後に腎臓が糖を放出することに加え、全身の糖利用の一部も担うと整理している。送り出す働きと使う働きを同じ臓器が持つという説明は、腎臓の役割を理解する土台になる。ただし、この整理だけで、先の研究との寄与率の違いがすべて解決したとはいえない。ヒトの腎臓からの糖放出をどう評価するかは、2001年のレビューでも方法上の課題として論じられている。[3][6][13]
血糖値という言葉から思い浮かぶのは、血液に糖がどれくらい含まれているかという濃さだ。一方、糖の供給を調べる研究が問うのは、一定の時間にどれだけの糖が血液へ現れるかである。濃さを読むことと、流れを追うことは違う。浴槽の水位だけを見ても、蛇口から入る水と排水口へ出る水の量を個別には決められないのに似ている。[13]
この違いは、朝の空腹感を解釈するときにも関わる。読者が感じる空腹には、臓器ごとの糖の出入りを測る目印が付いていない。空腹を感じた場面の記憶と、血液を採って推定した研究の数値は、別の種類の情報である。自分の感覚から「今日は腎臓が多く働いている」と内訳まで決める根拠にはならない。[3][13]
長い絶食条件では、同じ研究で腎臓からの正味の糖放出が認められ、肝臓の推定寄与だけでは全身の糖の出現を説明しきれなくなった。条件を変えて測ることで、通常の食事間隔では小さく見えた腎臓の寄与が、長い絶食時には大きくなる様子を捉えている。ここで注目したいのは、どちらの臓器が優秀かという順位ではなく、栄養条件に応じて分担が変わるという結果だ。[13]
ただし、この比較を長い絶食の利点として読むことはできない。測定されたのは糖の供給の分担であり、朝食を取る生活と取らない生活で、運動の成果や続けやすさを比較した結果ではない。体がある条件に対応することと、その条件を生活の目標にすることの間には、別の検証が必要である。[13]
研究を読むときは、測定したものから順に言葉を置くと混乱が減る。「健常者」「食事の吸収が落ち着いた状態」「血液へ現れる糖」「腎臓の推定寄与」という順なら、何の割合かを保てる。「朝の燃料の何割」と先に言い換えると、運動中に使った糖の内訳まで測ったように聞こえてしまう。研究の条件を残すのは、専門的に見せるためではなく、答えの範囲を変えないためだ。[13]
腎臓の代謝を扱うレビューは、栄養状態に加え、ホルモンの信号や臓器間での物質のやり取りにも目を向けている。だから、肝臓と腎臓を独立した固定容量のタンクに見立てるだけでは説明が足りない。供給源が複数あるという事実を押さえたうえで、日常の朝にどれだけ担当するかという問いには、条件ごとの測定結果を使う必要がある。[1][3]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「空腹時の糖は全部、肝臓から来る」は正しくない。ヒトの研究間で腎臓の寄与の推定値に違いはあるが、腎臓が糖を作る臓器であることはレビューで整理されている。肝臓の重要性を認めながら、腎臓の参加も残す。この両方を含めた説明が必要だ。[1][3][6][13]
「腎臓が糖を作るなら、食べなくても朝の運動は平気」も飛躍である。腎臓の糖代謝を説明する研究と、運動前の食事の条件を比べて安全性や運動の結果を評価する研究は、答えている問いが違う。糖供給の仕組みがあることを、どんな体調でも空腹のまま運動してよいという許可に変えてはいけない。[1][3][13]
「糖新生が増えれば、脂肪燃焼も増えてよい結果になる」とも決められない。糖新生は糖を供給する過程であり、それが増えたという測定結果を体脂肪の変化と同じ指標としては扱えない。健常者の絶食時の糖供給を測った研究も、朝の散歩による体組成の変化を評価した試験ではない。[1][13]
腎臓の仕事について「多いほどよい」と評価するのも適切ではない。2017年のレビューは、糖尿病のある人では空腹時と食後の腎臓の糖の取り込みと放出が増えると整理している。これは糖尿病患者の代謝の特徴であり、18〜39歳の健康な女性にそのまま当てはめる根拠にはならない。生理的な調節と、病気に伴う代謝の変化は区別する必要がある。糖を作る能力は、健康の点数表ではない。[3]
逆に、腎臓の糖新生があると知って腎臓の病気を心配し始める必要もない。健康な状態の働きを説明する言葉と、個人の病気を判定する言葉は分けるべきだ。腎疾患では糖新生の低下などの変化が論じられているが、朝の空腹感だけから、その状態を自分で判断する話ではない。個別の健康状態や運動の可否は医師に相談する領域である。[1]

今日からできること
- 朝の運動について読む際は、「朝」という時刻だけでなく、一晩の絶食後の話かを確かめる。レビューの20〜25%はその条件に付いた数字である。[3]
- 腎臓の糖の数字に出会ったら、産生、利用、ろ過、再吸収のどれかを確認する。日々の約180gというろ過量を、糖新生の量へ置き換えない。[3][5]
- 研究結果をメモするなら対象と条件も一緒に残す。健康な人の5±2%と、60時間の絶食後の24±3%を一つの数値に丸めない。[13]
- 朝食や運動の方法を選ぶ根拠にする前に、何を比べた研究なのかを読む。健康な人の絶食時の測定結果は、朝食を取る場合と取らない場合の運動の成果を比べた結果ではない。[13]
- 体の仕組みを知ることと、自分の運動の可否を判断することを分ける。腎臓の糖新生には栄養状態だけでなく病気に伴う変化も関わるため、個別の相談は医師に向ける。[1][3]
散歩の予定を立てる際に、腎臓の分担率を暗記する必要はない。むしろ持ち帰りたいのは、数字を読んだときに対象と条件を落とさない習慣だ。「腎臓も糖を作る」という事実は残し、「だから朝は食べない方がよい」という結論は足さない。それだけでも、体の仕組みの話と運動の方法の話を混同しにくくなる。[1][3][13]
空腹時の糖供給には、肝臓とともに腎臓も参加する。一方で、その臓器間の調節を知ったことが、朝の予定を無理に変える理由にもならない。朝に動く場面を考えるための知識として、腎臓を体内の地図に加えておく。割合に意見の違いがあるところは、その違いも地図に残したままでよい。[3][6][13]
オンザショア立川店で、朝に限らない時間を選ぶ
運動の予定は、朝一という条件だけで決めるものではない。続ける時間を日常の中で選ぶ場所として、オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。早い時間に予定を置く場合も、帰り道に立ち寄る場合も、営業時間を確かめて自分の予定と組み合わせられる。
場所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分だ。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。朝の糖供給の研究を、これらのレッスン固有の効果へ結びつけるのではなく、通う場所と時間を考えるための情報として案内したい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店舗の案内と料金を確認し、予定が決まったら体験の予約へ進める。

参考文献
[1] Renal gluconeogenesis: a key metabolic hub in health and kidney disease — Sellami S, Verissimo T, Dalga D, de Seigneux S., 2026, Nephrology, dialysis, transplantation : official publication of the European Dialysis and Transplant Association – European Renal Association. DOI: 10.1093/ndt/gfag092
[3] Renal glucose metabolism in normal physiological conditions and in diabetes — Alsahli M, Gerich JE., 2017, Diabetes research and clinical practice. DOI: 10.1016/j.diabres.2017.07.033
[5] Glucose handling by the kidney — Mather A, Pollock C., 2011, Kidney international. Supplement. DOI: 10.1038/ki.2010.509
[6] Renal gluconeogenesis: its importance in human glucose homeostasis — Gerich JE, Meyer C, Woerle HJ, Stumvoll M., 2001, Diabetes care. DOI: 10.2337/diacare.24.2.382
[13] Contributions by kidney and liver to glucose production in the postabsorptive state and after 60 h of fasting — Ekberg K, Landau BR, Wajngot A, Chandramouli V, Efendic S, Brunengraber H, Wahre, 1999, Diabetes. DOI: 10.2337/diabetes.48.2.292
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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