
血液が増えなくても体力の成果はありうる
鍛えた人を対象にすると、異なる結果も見える。男性27人、女性8人の競技者をHIIT追加群と対照群に分けた試験では、3週間に11回、最大心拍数の90〜95%で4分間の運動を繰り返した。HIIT群の総ヘモグロビン量は753±124gから760±121gとなったが、有意な変化とは判定されず、血液量と血漿量も変わらなかった。競技者への追加練習の試験なので、18〜39歳の運動初心者の女性に同じ結果を当てはめるには、運動歴の違いを考える必要がある。[7]
数字が少し上がったことと、研究として増加を確認できたことは別だ。この試験で血液が増えたと書くのは誤りになる。さらに、HIIT群だけを介入前と比べると最大酸素摂取量は3.5%上がったものの、対照群との変化の差を示す交互作用は認められなかった。研究の結論も、通常練習への追加によって、対照群を上回る血液指標や最大酸素摂取量の改善は得られなかったとしている。[7]
したがって「体力は伸びたが血液は変わらなかった」とだけ紹介するのも、この試験には粗すぎる。群の中で起きた変化と、対照群との比較を分ける必要がある。運動をした人だけの前後を見れば、比較試験の大切な半分が消えてしまう。[7]
別の無作為化試験は、血液指標と体力の変化が同じ群にそろわない例を示した。過体重または肥満の成人30人(平均年齢41±9歳)を、4分のHIIT、1分のHIIT、中強度の持続運動に分け、6週間比較した。最大酸素摂取量が有意に増加したのは4分のHIIT群で、増加率は10%。他の群より改善が大きかった。18〜39歳の女性全般に当てはめるには、年齢と体格の条件の違いに注意が必要である。[6]
ところが、血漿量5.6%、ヘモグロビン総量6.5%の増加が報告されたのは1分のHIIT群だけだった。しかも、この血液指標には群間差がなかった。「1分のHIITのほうが血液を増やす」と順位をつけることもできない。体力の伸びが最大だった群と、血液指標の群内変化が見られた群は一致していなかったのである。[6]
同試験では4分のHIIT群で推定された1回拍出量が14.4%増えていた。1回拍出量は、心臓が1回の拍動で送り出す血液の量だ。ただし、ここでは酸素脈から計算した推定値である。研究者は最大酸素摂取量の改善にこの変化が関わると考えた。測定方法も添えることで、直接測った血液量と推定した心機能を混同せずに済む。[6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
研究を横断すると血液より送り出す働きが目立つ
健康な成人を対象とした32研究、369人を統合した系統的レビューとメタ分析では、HIIT後の血液関連指標で統計的に有意な変化が認められたのは血漿量だった。総ヘモグロビン量まで一律に増えると読める結果ではない。短い全力運動を繰り返すスプリント型の運動とHIITでも、適応する項目は異なっていた。対象年齢は18〜65歳で、18〜39歳の女性だけの効果を示す分析ではない。[4]
一方、さまざまな健康状態の男女946人、45研究を対象にした別のメタ分析では、最大酸素摂取量の効果量は0.83、1回拍出量は0.69、心拍出量は0.49だった。効果量は異なる研究の変化を共通の物差しで表したもので、増加率そのものではない。血漿量、血液量、ヘマトクリットの効果量は0.06〜0.14と小さかった。対象は20〜76歳で健康状態も幅広く、18〜39歳の女性に同じ効果量を当てはめることはできない。[5]
この分析は、最大酸素摂取量が増加した研究を対象に、強いインターバル運動による循環機能の変化を調べたものだ。HIITをした全員が同じ成果を得る割合を示しているわけではない。そのうえで、体力向上に伴う中枢の酸素供給の改善を、血液量の大幅な増加だけでは説明しにくいことが分かる。[5]
血漿量の有意な増加を見いだす分析と、血液関連指標の効果を小さいとする分析は、必ずしも矛盾しない。前者は健康な成人を中心にインターバルの種類別の適応を調べ、後者は対象の健康状態にも幅があり、最大酸素摂取量が増えた研究を集めている。「変化が検出されたか」と「変化の大きさはどれほどか」も違う問いである。[4][5]
女性が自分の運動を考えるなら、研究参加者の内訳にも目を向けたい。32研究を統合した分析の女性は49人で、全体の369人に比べ少なかった。男女を含む研究だからといって、若い女性に同じ程度の変化が確立したとは限らない。結果の方向を参考にしながら、自分に起きる量まで約束されたと受け取らない姿勢が要る。[4]
スタミナという日常語にも幅がある。駅の階段、長い買い物、決まった負荷での自転車は、それぞれ違う場面だ。研究でも、最大酸素摂取量と運動を続けられる時間は別々に評価され、持続時間が増えた群すべてで最大酸素摂取量が有意に増えたわけではない。何が楽になったかを具体化すると、採血の数字に成果の判定を任せずに済む。[6]
運動能力の検査を受けていなくても、日常の場面を具体的に言葉にすることはできる。ただし「階段が楽だった」という感覚を、研究室で測った最大酸素摂取量や総ヘモグロビン量に換算することはできない。比較試験が別々に測定した項目を、日常の印象の中で再び一つに戻してしまわないようにしたい。[6][7]
その点で、運動の成果を説明する言葉には順序がある。「前より動きやすい」は自分の経験の記録で、「血液量が増えた」は測定を要する説明だ。血液量が変わらなかった研究や、送り出す機能の変化が目立った分析を知っておけば、経験を大切にしたまま、理由については幅を残しておける。[5][7]

よくある誤解
「血が濃くなったら酸素を運ぶ総量も増えた」という読み方には飛躍がある。単回の運動後には血漿量が減り、継続後には増える場合がある。濃度を使って血漿量の変化を推定する研究と、総ヘモグロビン量を測る研究を、同じ指標として引用してはいけない。[7][13][19]
「血液量が変わらなければHIITは無駄だった」という判定も合わない。過体重または肥満の成人の比較試験では、最大酸素摂取量が最も伸びた群と、血液指標に群内の増加が見られた群は別だった。体力と血液を同時に測った研究こそ、変化の一対一対応を崩している。[6]
「きつい運動を長くすれば酸素運搬も比例して伸びる」とも言えない。運動の本数を倍にした単回の研究では、血漿量の反応は時間に左右されたが、エリスロポエチンの反応は上乗せされなかった。体液の変化、ホルモンの反応、その後の総ヘモグロビン量を、一本道の成果としてつなぐのは早い。[19]
また、競技者の練習を再現すれば初心者にも同じ結果が出る、という考えも避けたい。血漿量のレビューでは、未訓練者の継続後の増加は比較的一貫していたが、訓練者では結果が一致していない。強度の名前だけでなく、運動を始める前の状態が結果を読む手掛かりになる。[13]
今日からできること
- 成果を記録するときは、採血値と運動の記録を別欄にする。最大酸素摂取量10%の増加と血液指標の変化が同じ群にそろわなかった比較試験を、判断の手掛かりにする。[6]
- 血液の話を読むときは「濃度」「血漿量」「総ヘモグロビン量」のどれかを確認する。3週間の試験でもこれらの量は別項目として測られている。[7]
- 測った日の運動との間隔を記録する。運動直後と24時間後を分けて調べた研究のように、比較の時点をそろえる意識を持つ。検査の具体的な条件は医療機関に確認する。[19]
- 初心者が競技者の3週間11回という練習回数を、そのまま自分の予定表に入れない。これは鍛えた人の試験条件であり、対照群を上回る改善を保証した設定でもない。[7]
- 続ける目的を階段や自転車などの具体的な場面で言葉にする。6週間の比較でも、運動を続けられる時間と最大酸素摂取量は異なる動きをしている。血液量だけを目標にしない。[6]

オンザショア立川店で続ける時間を選ぶ
血液の数字を目標にする前に、生活の中で運動の時間をどこへ置くかを考えたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。仕事や用事のある日の予定と照らし、通う時間を検討できる場所である。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分にある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、HIIT、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。運動を続ける場所を探すときには、種目だけでなく、自分の予定に置ける時間も確認したい。
選ぶ際には利用条件を先に確かめたい。医師から運動を止められている方は利用できず、妊娠中の方は溶岩ホットヨガの対象外となる。常温のマタニティヨガも選択肢にある。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンとバスタオル2枚・フェイスタオル1枚・ヨガマットのレンタルを含む。
レッスン選びの入口は店舗トップ、費用は料金ページ、ヨガの体験は予約ページで確認できる。血液量の予測を予約の理由にせず、続けられる運動と時間を予定表に置いておきたい。
参考文献
[2] Effects of resistance-based training and polyphenol supplementation on physical function, metabolism, and inflammation in aging individuals — Flensted-Jensen M, Weinreich CM, Kleis-Olsen AS, Hansen F, Skyggelund NS, Pii JR, 2026, GeroScience. DOI: 10.1007/s11357-025-01839-8
[3] Changes in V̇O 2max after 6 wk of Intensity Domain-Specific Training: Role of Central and Peripheral Adaptations — Inglis EC, Rasica L, Iannetta D, Mackie MZ, Maturana FM, Keir DA, Macinnis MJ, M, 2025, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000003697
[4] Effect of Interval Training on the Factors Influencing Maximal Oxygen Consumption: A Systematic Review and Meta-Analysis — Rosenblat MA, Granata C, Thomas SG., 2022, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-021-01624-5
[5] Change in Central Cardiovascular Function in Response to Intense Interval Training: A Systematic Review and Meta-analysis — Astorino TA, Causer E, Hazell TJ, Arhen BB, Gurd BJ., 2022, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000002993
[6] Comparison of Three Popular Exercise Modalities on V˙O2max in Overweight and Obese — Bækkerud FH, Solberg F, Leinan IM, Wisløff U, Karlsen T, Rognmo Ø., 2016, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000000777
[7] Effect of 3-week high-intensity interval training on VO2max, total haemoglobin mass, plasma and blood volume in well-trained athletes — Menz V, Strobl J, Faulhaber M, Gatterer H, Burtscher M., 2015, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-015-3211-z
[13] The Effects of Exercise Training on Plasma Volume Variations: A Systematic Review — Zouhal H, Rhibi F, Salhi A, Jayavel A, Hackney AC, Saeidi A, Govindasamy K, Tour, 2023, International journal of sports medicine. DOI: 10.1055/a-1667-6624
[19] No differences in the erythropoietin response to acute high-intensity exercise when duration is doubled, despite augmented post-exercise plasma volume expansion — Tripp T, Caswell A, Edgett B, MacInnis MJ., 2025, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2025-0115
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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