
自分では駄目だったと思っても、誤りの量は別に確かめる
成人40人を対象とした実験は、実際の成績と本人が思う成績の差を調べた。対象は19〜39歳で、女性は22人だった。十分に休んだ日、長時間の断眠、回復睡眠を含む日程で、難しさの異なる算術課題と、注意を持続させる反応課題を測定した。断眠の最後の検査は60時間の時点だった。女性を含む成人の実験だが、18〜39歳の女性だけの結果として当てはめるには、男女を合わせた集計である点を考慮する必要がある。[4]
断眠中は両課題の客観的な成績が低下し、回復後には改善した。しかし、自己評価のずれ方は同じではない。注意の課題では断眠中の成績を比較的正しく見積もれた一方、算術課題では、自分の低下を実際より大きく評価した。難しい課題ほど、出来の悪さを大きく見積もる傾向が強かった。[4]
眠い人は必ず自分の低下に気づかず、過信する。そんな説明だけでは、この結果を扱えない。計算では実際より悪く評価する方向にもずれたからだ。「全然数えられなかった」という印象と、本当に何を間違えたかは別々に残す意味がある。ただし、長時間の断眠下の結果であり、普段の寝不足にも同じずれが生じると決めることはできない。[4]
回復後にも違うずれがあった。注意の課題では、成績がどれほど改善したかを本人が実際より大きく評価した。回復した気がすることを、すべての機能が同じように戻った証拠にはできない。研究では、断眠中か回復後か、計算か注意かによって、自己評価の精度が変わっていた。[4]
運動の記録に置くなら、「今日は駄目」という総評の横に、確認できた出来事を書き添える方法が考えられる。回数が分からなくなったのか、途中で止めたのか、記録を忘れたのか。これは睡眠不足を治す方法ではなく、自己評価と観察を分けるための記録上の提案だ。算術課題で主観と客観がずれた研究を、必要以上に自分を責めない読み方につなげたい。[4]
記録を見直すときも、埋まっていない欄を失敗と決める必要はない。「不明」として残すほうが、あとから推測で埋めた数字より、何が起きたかを確かめやすい。回数を覚えていないことと、動作をしなかったことは違う。今日の印象と今日の記録を分けるだけでも、次に比べたいものがはっきりする。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
現場の計算ミスと脳画像は、それぞれ違う証拠だ
交代勤務の看護師100人を調べた研究では、日勤終了時と夜勤開始から3〜4日後の認知成績を比べている。対象は20〜50歳で、女性97人、男性3人だった。夜間には32%の人で数学的な誤りが増え、注意や記憶の検査でも夜間の成績低下が報告された。日常に近い働き方の中で、数を扱う問題が観察された例である。女性が多い集団でも、交代勤務の看護師という職業と年齢範囲が異なるため、18〜39歳の女性一般へ同じ割合を当てはめることはできない。[5]
ただし、睡眠条件を無作為に割り付けた徹夜実験とは違う。勤務の時間帯や働く条件が重なっているため、誤りの増加を睡眠不足だけの因果効果として読むことはできない。32%という値も、看護師の特定の比較の結果だ。自宅で運動する人の同じ割合が回数を間違える、と置き換える数字ではない。[5]
ここで大切なのは、「実生活で観察されたから、自分にもそのまま当てはまる」と急がないことだ。職場での検査と自宅の反復運動では、目的も手順も異なる。反対に、実験室の計算だから日常とは無関係だ、と切り捨てる必要もない。実験は睡眠条件の比較、現場の研究は働く状況を含んだ観察として、それぞれ役割がある。[3][5]
脳画像にも別の役割がある。言語学習、算術、注意を分ける課題を扱ったレビューでは、断眠後の脳活動は課題ごとに違った。言語学習と注意を分ける課題では前頭前野や頭頂葉の活動増加、算術課題ではそれらの活動低下が報告された。著者らは、取り組む認知処理によって適応の仕方が変わるという仮説を示している。認知課題を扱うレビューの説明であり、18〜39歳の女性の運動場面に固有の脳反応として当てはめることはできない。[1]
さらに、健康な13人が言語学習と算術を組み合わせる課題を行った研究では、通常睡眠後と35時間の断眠後を比較した。行動上の低下は軽度だった一方、断眠後は前頭前野と頭頂葉の活動が増えた。著者らは、成績の監視や注意の維持に、より多くの注意資源が必要になった可能性を論じている。健康な少人数の対象での結果であり、18〜39歳の女性全体にも同じ反応が生じるかは別に検証する必要がある。[8]
これらから、脳が明るく写れば能力が上がった、活動が減れば数の理解が壊れた、と単純には読めない。成績と脳活動は別の測定である。活動増加は「寝不足でも余力がある」の証明にもならない。課題に応じた反応の違いとして読むと、普段どおり答えられた日にも、処理の様子まで同じだとは言い切れないことが分かる。[1][8]
ただし、ここからヨガの呼吸を数えるときの脳活動まで説明するのは飛躍である。言語学習と算術の組み合わせを、呼吸と動作の組み合わせと同じ課題にはできない。脳画像の研究は、外から見た成績だけでは処理の違いを捉えきれないという考えを支える材料として使い、特定の運動方法の優劣を決める材料にはしない。[8]

よくある誤解
「数え間違えたのだから、数の理解そのものが落ちた」は言い過ぎである。徹夜実験では計算だけでなく注意や作業記憶にも低下があった。運動中に途中の数を見失った場面なら、何を覚えていたか、どこで中断したかも振り返る対象になる。計算検査の低下と、数の理解を失うことを同じにしない。[3]
「正しく答えたなら、寝不足の影響はない」とも限らない。思春期群の睡眠制限実験では、正確さを保ちながら反応時間が長くなった。逆に若年成人群では、眠気が増えても作業記憶に有意な変化はなかった。正確さ、速さ、眠さは、研究でも足並みがそろわない項目である。[6]
「本人の感覚はいつも楽観的だから当てにならない」という言い方も粗い。長時間の断眠を扱った研究では、算術の出来を実際より悪く見積もった。一方、注意課題での自己評価は、断眠中には比較的正確だった。感覚を全面的に捨てるのではなく、どの課題の、どの時点の評価かを確かめたい。[4]
計算が得意な人への誤解も残りやすい。普段の成績がよいことは、睡眠不足への抵抗力の証明ではなかった。かといって、得意な人ほど運動の回数を間違えると逆向きに断言するのも不適切だ。研究が測ったのは計算や記憶などの成績であり、運動中の反復回数の記録そのものではない。[2]
今日からできること
- 記録には回数だけでなく、迷った場面を短く添える。計算、注意、作業記憶を調べた182人の実験を踏まえ、「数え直した」「中断後に不明」と区別するための提案だ。[3]
- 最終的な数が合ったかと、数を確かめるのに手間取ったかを分ける。5日間の睡眠制限で、思春期群には正確さを保ったまま反応が遅くなる結果があった。[6]
- 朝と夕方の記録を無条件に同列にしない。翌日の約8時、12時30分、16時30分を測った実験でも、時刻によって計算や注意の成績が変動した。[3]
- 「全然できなかった」という感想と、確かめられた誤りを別に書く。40人の実験では算術の低下を実際より大きく感じた。記録の工夫を回復法と取り違えない。[4]
- 普段は暗算が得意でも、それを睡眠を削る根拠にしない。182人の実験では、普段の能力の高さが睡眠不足からの保護を意味しなかった。[2]
途中の数を見失ったら、まず動作を止める。直前の記録を確認し、確認できた分と不明な分を分けて残す。次に再開する際は、動作の区切りで記録する流れを決めておく。頭の中で数を保ちながら、過去の動作を思い出す負担を減らすための提案である。曖昧な分を推測で埋めたり、数合わせの動作を足したりする前に、記録の扱いを決めたい。こうした工夫が睡眠不足による認知成績の低下を防ぐかは、ここで扱った実験では検証していない。

オンザショア立川店で、予定を立てる材料をそろえる
回数の記録に迷った日は、睡眠の予定も含めて運動の時間を見直したい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。朝から夜までの営業時間を、自分の予定と照らして検討できる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。
溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングを扱う。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。通い続ける仕組みを考える際の、場所と選択肢の情報である。
参加条件も先に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と店の案内を確認し、参加を検討する場合は体験の予約へ進める。
参考文献
[1] The effects of total sleep deprivation on cerebral responses to cognitive performance — Drummond SP, Brown GG., 2001, Neuropsychopharmacology : official publication of the American College of Neuropsychopharmacology. DOI: 10.1016/s0893-133x(01)00325-6
[2] Intelligence predicts better cognitive performance after normal sleep but larger vulnerability to sleep deprivation — Balter LJT, Sundelin T, Holding BC, Petrovic P, Axelsson J., 2023, Journal of sleep research. DOI: 10.1111/jsr.13815
[3] Quantifying Cognitive Impairment After Sleep Deprivation at Different Times of Day: A Proof of Concept Using Ultra-Short Smartphone-Based Tests — Holding BC, Ingre M, Petrovic P, Sundelin T, Axelsson J., 2021, Frontiers in behavioral neuroscience. DOI: 10.3389/fnbeh.2021.666146
[4] The ability to self-monitor cognitive performance during 60 h total sleep deprivation and following 2 nights recovery sleep — Boardman JM, Bei B, Mellor A, Anderson C, Sletten TL, Drummond SPA., 2018, Journal of sleep research. DOI: 10.1111/jsr.12633
[5] Effects of Sleep Deprivation on the Cognitive Performance of Nurses Working in Shift — Kaliyaperumal D, Elango Y, Alagesan M, Santhanakrishanan I., 2017, Journal of clinical and diagnostic research : JCDR. DOI: 10.7860/jcdr/2017/26029.10324
[6] Effect of chronic sleep restriction on sleepiness and working memory in adolescents and young adults — Jiang F, VanDyke RD, Zhang J, Li F, Gozal D, Shen X., 2011, Journal of clinical and experimental neuropsychology. DOI: 10.1080/13803395.2011.570252
[8] Increased cerebral response during a divided attention task following sleep deprivation — Drummond SP, Gillin JC, Brown GG., 2001, Journal of sleep research. DOI: 10.1046/j.1365-2869.2001.00245.x
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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