
条件が違えば必ず左右差が増える、でもない
条件をそろえる大切さを強調しすぎると、「少しでも測り方が違えば、左右差は全部変わる」と受け取りやすい。しかし、変化した指標と変化しなかった指標を分ける必要がある。男女のプロバスケットボール選手27人を調べた研究は、その例だ。男女を含む競技者の結果なので、18〜39歳の一般女性にも同じ傾向があるかは別に確認する必要がある。[19]
研究では、一定の速さで膝を動かす機器を使い、膝を曲げる筋群と伸ばす筋群の最大トルクの比を調べた。トルクは、関節を回す働きとして表した力である。測定速度が速くなるにつれ、曲げる側と伸ばす側の力の比は大きくなった。[19]
ところが、その比についての左右差は、測定速度による影響が認められなかった。利き脚と反対側との間でも、力の比に有意な差はなかった。[19] 同じ研究の中でも、速度で変わったのは筋群間の比であり、その比の左右差への速度の影響は認められなかった。
この結果を「測る条件は何でもよい」と読むのも広げすぎである。対象はプロ選手で、評価したのは膝の筋群間の比の左右差だ。片脚ジャンプの高さや、自宅で続けられた回数を調べた結果ではない。[19] 条件の影響は、測っている値ごとに考えるべきなのである。
順番の話でも同様に、実際に行った比較と、その結果の対象を確かめたい。開始側を変える提案は、記録を整理する工夫であって、測定速度の研究から得られた順番の処方ではない。研究で試されたことと、自分が次の記録で確かめたいことを区別しておくと、もっともらしい説明への飛びつきを避けられる。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
運動後は、脚の力と歩き方を別々に追う
筋力の左右差は変わり得る。多発性硬化症の女性27人を、通常ケアの群と、体をつり下げる器具を使う運動の群に無作為に分けた試験では、8週間後に運動群の膝の力が改善した。膝の角度が70°の測定では、曲げる力と伸ばす力の左右差も有意に減少した。疾患のある女性の試験なので、健康な18〜39歳の女性にも同じ運動効果があるかは別の検証が必要だ。[3]
一方、膝を伸ばす力の改善は、20°では弱い脚、70°では両脚というように、測定条件と側を区別して報告されている。[3] 「運動で脚が強くなった」と短くすると、どこで何が変わったのかが消える。運動後の変化を追うときにも、前後で同じ測定課題を使う意味がある。
平均年齢17.7歳のエリートサッカー選手47人の無作為化比較試験では、もも裏の筋肉に負荷をかける異なる運動と対照群を比べた。10週間の介入後、片脚で腰を持ち上げるテストの成績は、ノルディックハムストリング運動群で右25.52%、左28.92%向上した。ロシアンベルトを使う運動群でも、右18.33%、左20.08%向上している。対象は若年競技者であり、18〜39歳の一般女性の改善率にそのまま置き換えることはできない。[4]
左右差については、ノルディックハムストリング運動群で介入前後の減少が示された。一方、両運動群の間で、左右それぞれのテスト成績に有意な差は認められなかった。[4] 左右の成績が伸びたという結果と、どの運動が左右差の改善に優れるかという問いは、同じ結論にはならない。
さらに、筋力と歩き方は別に確かめる対象である。膝の前十字靱帯を再建した男性40人を対象とした無作為化比較試験では、筋力や敏捷性などを扱う復帰プログラムと、それに不安定な刺激に対応する練習を加えたプログラムを比較した。歩行時の動きの左右差を解消する点で群間差はなく、術後1年と2年にも左右差が残っていた。男性の術後患者の結果であり、18〜39歳の女性の日常の左右差に直接当てはめることはできない。[5]
この男性の術後試験で調べた復帰プログラムでは、歩行の対称性を十分に取り戻せなかったという結果だ。[5] 筋力の数字が近づいたことだけで、歩き方や競技復帰の判断まで済ませない。手術後の経過については、医師や担当する専門職と確認する内容になる。

よくある誤解
「利き脚はどの検査でも強い」という見方は避けたい。女性サッカー選手の研究では、左右差の向きは測定項目を通じて変動していた。バスケットボール選手の研究でも、膝を曲げる力と伸ばす力の比には利き脚と反対側で有意差がなかった。[18][19] 普段使いやすい側という呼び名だけでは、個々の検査結果を予告できない。
「左右差の割合が小さければ、脚の状態はすべてよい」という判定には情報が足りない。膝の力、動かすパワー、歩行中の動きは、それぞれ別に評価されている。[1][5] 左右が近いという情報に加えて、何を測った値なのかが必要だ。差の縮小を喜ぶときにも、各脚の値と普段困っている動作を、別の欄に残しておきたい。
「後の脚が弱かったから、すべて疲労のせい」という説明も早い。疲労と左右差の関連を調べた多発性硬化症の研究は、測定順の効果を示す結果とは区別すべきである。[1] 自宅の記録では、順番を未記録のまま原因だけ決めないことが先になる。逆に、順番のせいだと思って、いつも同じ側で困るという訴えを消してしまわないことも大切だ。
「左右をそろえるには弱い側だけ追加すればよい」と、測定からすぐ処方へ進むのも慎重でありたい。運動試験には特定の疾患がある女性や若い競技者が参加し、運動内容と評価項目を決めて前後を比べている。[3][4] その結果は、読み手全員に片側の追加回数を指示する根拠にはならない。
今日からできること
- 運動メモを「左が弱かった」で終えず、動作名と開始側を一緒に残す。動作によって強い側が変わるという16人の測定研究を、記録を具体化する理由として使いたい。[18]
- 測定器の記録を受け取ったら、左右差の割合と各脚の値を並べて保存する。膝の力とパワーで結果が異なった各12人の比較のように、指標名も省かない。[1]
- 次の測定では前回の記録を持参し、同じ動作・同じ条件での比較なのかを確認する。27人の研究で速度の影響がなかったのは特定の比の左右差であり、条件一般の保証ではない。[19]
- 経過を見る期間は自己流で決めつけず、担当者と確認する。8週間や10週間の運動試験は、その期間の特定の参加者の結果であって、自分の差が消える期限ではない。[3][4]
- 手術後や治療中の左右差は医師に相談し、筋力の数値と歩行の困り事を分けて伝える。男性40人の術後試験でも、歩行の左右差は別の評価課題として残った。[5]
測定結果を相談するときは、左右の優劣を一言で伝えるより、何に困って記録を始めたのかも添えたい。運動中の感想と機器の数値を別に書けば、相談相手も確かめたい問いを共有しやすい。
メモを取る目的は、毎回自分を採点することではない。たとえば指導者に「前は右から、今日は左から行った」「回数ではなく、支えにくさが気になった」と伝えられれば、次に何を比較したいのかが具体的になる。記録に空欄があっても、後から都合のよい数字で埋めず、覚えている範囲をそのまま残す。それで相談の出発点は作れる。

オンザショア立川店を、通う条件から考える
左右の成績を急いでそろえる約束より、生活の中で通う時間や運動の選択肢を確認しておきたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。仕事や用事と組み合わせて通う場所を考えるとき、まず確かめられるのはこうした条件だ。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどの選択肢がある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズも行っている。種目の違いは、生活の中で続ける運動を選ぶための情報として見たい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。店舗サイトと料金案内で内容と通う条件を確認したい。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。内容を確かめてから体験予約へ進める。
参考文献
[1] Leg power asymmetry and postural control in women with multiple sclerosis — Chung LH, Remelius JG, Van Emmerik RE, Kent-Braun JA., 2008, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0b013e31817e32a3
[3] Suspension training improves bilateral isometric strength asymmetry of knee muscles in people with multiple sclerosis — Moghadasi A, Ghasemi G, Abbasi M, Kahrizsangi NG., 2024, Multiple sclerosis and related disorders. DOI: 10.1016/j.msard.2024.105885
[4] Effects of a 10-Week Nordic Hamstring Exercise and Russian Belt Training on Posterior Lower-Limb Muscle Strength in Elite Junior Soccer Players — Rey E, Paz-Domínguez Á, Porcel-Almendral D, Paredes-Hernández V, Barcala-Furelos R, Abelairas-Gómez C., 2017, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001579
[5] Report of the Primary Outcomes for Gait Mechanics in Men of the ACL-SPORTS Trial: Secondary Prevention With and Without Perturbation Training Does Not Restore Gait Symmetry in Men 1 or 2 Years After ACL Reconstruction — Capin JJ, Zarzycki R, Arundale A, Cummer K, Snyder-Mackler L., 2017, Clinical orthopaedics and related research. DOI: 10.1007/s11999-017-5279-8
[18] Assessing the magnitude and direction of asymmetry in physical tests and morphological measurements in professional female soccer athletes — Gheller RG, Machado JCBP, Oliveira Franco NC, Silva JVGD, Monteiro FG, Rossato M., 2025, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2024.11.028
[19] Bilateral asymmetry of hamstring to quadriceps isokinetic torque ratio in different angular velocities in professional basketball players — Esmaeili H, Sharifi A., 2022, The Knee. DOI: 10.1016/j.knee.2022.05.007
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 心肺機能は遺伝で伸び方が決まる?家族で似る体力と訓練後の変化を分けて読む
- 心肺機能の年齢平均は目標にできる?同年代の順位と将来の健康を分けて読む
- 女性の心肺機能は測る周期で変わる?月経の時期と最大酸素量のばらつきを読む
- 心肺機能の測定と食事の間隔は?食後の燃料利用と限界時間を読み分ける
- 心肺機能は冬に下がるもの?冷たい空気で短くなる走行時間と体力を分けて読む
- 心肺機能のためのウォーキングは道で変わる?交通由来の粒子と散歩の利益を読む
- 心肺機能の踏み台テストは台を替えて比べられる?段の高さと評価の読み方を知る
- 心肺機能にマッスルメモリーはある?初めて鍛える時と再開後の適応を読む
- 心肺機能は息止めの長さで分かる?止めた秒数と動き続ける力の違いを読む
- 心肺機能が高くても疲れるのはなぜ?同じ出力と同じ負担割合からきつさを読む
- 筋力低下を握力で確かめるなら肘は曲げる?前回と比べる姿勢と数値の読み方
- 筋力低下と筋萎縮は同じこと?筋肉量を保っても出せる力が落ちる仕組みを読む
- 筋力低下の指標は最大値だけでよい?力の立ち上がりと検査結果のずれを読む
- 筋力低下は何歳から始まる?年代の平均と自分の変化を取り違えない研究の読み方
- 筋力低下のセルフチェックは腕を組む?椅子立ちで手を使った記録の読み方
- 筋力低下の検査は声掛けで数値が変わる?励ましと本当の変化を分けて読む
- 筋力低下の予防はウォーキングだけで十分?歩く時間と脚にかける負荷の違いを読む
- 若い女性の筋力低下は歩数を減らすだけでも起こる?短い運動不足の条件を読む
- 筋力低下の食事はたんぱく質だけでよい?総エネルギーと筋肉を守る条件を読む
- 運動後の豆乳は同じ大豆なら同じ?加工で変わる消化と筋肉への利用を読む
- 運動後のチーズは牛乳と同じように使える?固形の乳たんぱく質と吸収の読み方
- 筋力低下と体重減少は水分のせい?最大の力と繰り返す力で違う測定結果を読む
- 寒い日の筋力低下は筋肉量が減ったから?冷えた脚の力と測る条件を読み分ける
- 筋力低下の評価は脚の重さも引いている?伸ばす力と曲げる力で違う重力補正を読む
- 運動後のチョコは糖質補給になる?板チョコの脂質と胃から出る速さを読み解く
- 筋力低下は筋電図の大きさだけで分かる?検査の信号と実際の力を分けて読む
- 運動後のりんごはジュースでも同じ?夕食までの満腹感と食べる量を分けて読む
- 心肺機能のセルフチェックは初回から正確?慣れで伸びる記録と体力の変化を読む
- 運動後の和菓子はおにぎりの代わりになる?甘さと筋肉の燃料補給を分けて読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2





