心肺機能が高くても疲れるのはなぜ?同じ出力と同じ負担割合からきつさを読む

心肺機能が高くても運動中に疲れるのはなぜか。同じ速さ・同じ出力で比べる場合と、自分の能力に対する割合をそろえる場合では、きつさの意味が変わる。ハイキングや自転車運動の研究から、心拍数、汗、主観的なきつさ、運動時間の違いを読み分け、自分の変化を確かめる記録の取り方を考える。

坂道のハイキングで友人と歩き出す。横に並んでいるのに、自分だけ話す余裕がなくなる。別の日には、運動を続けている友人のほうが「今日はきつかった」と言う。どちらが本当の体力なのか。並んで歩く場面を考えるときは、まず何をそろえて比べたのかを確かめたい。

心肺機能が高い人も、運動の負荷に応じてきつさを感じる。同程度の自転車の出力では体力の低い群のきつさが高かった研究がある一方、心拍数を基にした相対強度が似ていても、活動的な人のほうが楽に感じた研究もある。外から見える仕事量と、本人にとっての負担と、本人が感じるきつさは、重なる部分があっても同じ指標ではない。[1][6]

既存記事「有酸素運動の同じ速度が遅く感じるのはなぜ?脚の速さと疲労を分けて読む」には、速度の感じ方という問いを譲る。「HIITで心肺機能が高まる-疲れにくいカラダへ変わる」には、HIITで体力を高めるという論点を譲る。ここで扱うのは、体力のある人まで疲れることを不思議に思ったとき、同じ速さと同じ相対強度をどう読み分けるかだ。日常のだるさの原因を、この比較だけで診断することはできない。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

同じ仕事量と同じ負担割合は、比較の出発点が違う

自転車の出力をそろえた比較は、機械に対してどれだけ仕事をしたかを近づける。一方、最大酸素摂取量に対する割合などでそろえた比較は、その人の能力に対してどれほどの強度かを見る。男性を対象とした自転車の実験では、熱を逃がす必要量をそろえた条件と、最大酸素摂取量の60%という条件が別々に設けられている。同じ条件の言い換えではない。男性の結果を18〜39歳の女性へそのまま適用できるかは別に検証が必要だ。[6]

最大酸素摂取量とは、この研究で有酸素性の体力を表すために使われた酸素摂取の最大値である。体力の高い男性11人では平均61.9、低い男性10人では40.4 mL/kg/分だった。同じ割合で運動するという言葉は、それぞれの最大値を基準にするという意味になる。基準そのものが違えば、同じ割合に対応する仕事量も変わる。[6]

比較条件を具体的に見ると、この男性の実験では体表面積当たりの代謝性の熱産生を設定し、体から熱を逃がす必要量をそろえていた。単に自転車の表示だけを合わせた実験ではなく、発汗を比べるために熱の条件を整えた設計だった。その条件でも体力の低い群では心拍数と主観的なきつさが高かった。18〜39歳の女性でも同じ差が出るかは、この男性の群比較からは判断できない。[6]

この違いは、運動を続けている人が疲れたと話す場面にも関係する。その人がどの出力で、どのくらい続けたのかを聞かずに、体力が高いのにおかしいとは決められない。能力に対する割合を使う比較は、頑張りの条件をそろえるための考え方であり、体力が高い人ほど常に楽な課題を与える仕組みではない。[6]

同じ割合という表現を読む際には、何を基準にした割合なのかも確かめたい。男性の実験が設けた最大酸素摂取量に対する条件と、ハイキングで使われた心拍数に基づく相対強度は、測っているものが異なる。どちらも相対強度と呼ばれるからといって、別の運動、別の対象者の体感を直接並べられるわけではない。割合の数字だけでなく、その後ろにある測定項目まで読む必要がある。[1][6]

さらに、体力の最大値と運動途中の評価を分ける設計もある。運動習慣の乏しい若年成人と年長の成人を比較した自転車研究では、段階的に負荷を上げる検査で換気閾値を調べた。換気閾値は、呼吸の応答の変化を基に運動強度を区切る指標として用いられている。研究ではその区切りに対応する体感と、最大心拍数やピーク酸素摂取量に対する割合を照合した。18〜39歳の女性だけを調べた結果としては扱えない。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

同程度の出力でも、体の反応は同じではなかった

先ほどの男性の実験では、自転車を60分こいだ。熱を逃がす必要量をそろえた条件で、出力は体力の高い群が107 W、低い群が102 Wで、有意な差はなかった。それでも、心拍数、主観的なきつさ、相対的な運動強度は体力の低い群で高かった。同程度の外的な仕事をこなしているからといって、内側の反応まで同じにはならなかったのである。[6]

ここでいう主観的なきつさは、運動をどれほどきつく感じたかを本人が評価するものだ。研究では心拍数や酸素摂取と区別して測られている。機械が表示する仕事量にも、本人の感覚にも、それぞれ役割がある。「機械の数字は同じだから、つらいと言うのは気のせい」という読み方は、この結果には合わない。[6]

ただし、これは体力の違う男性の群を比べた実験である。自分が運動を続ければ、同じ出力のきつさがこの群の差と同じだけ下がる、と予告できる研究ではない。女性の通勤やヨガの動作へ、そのまま数値を移すことも避けたい。比較の条件によって、体力と体感の関係が違って見えるという部分を受け取るのが適切だ。[6]

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

心拍数の割合をそろえても、体感はぴたりと重ならない

屋外のハイキングでは別の角度が見える。55〜75歳の27人が参加した8週間の介入前後の研究では、もともと活動的だった14人と、それまで活動的ではなかった13人を調べた。ハイキング中の心拍数に基づく相対強度は両群で似ていたが、終了時のきつさは活動的な群で平均的に低かった。対象は高齢者であり、18〜39歳の女性にも同じ体感差があるかはこの研究だけでは分からない。[1]

相対強度が似ていても、終了時の体感には群の差があった。心拍数を基にした比較と、終点で本人に尋ねた評価は、別の結果を返している。この研究は、相対強度という物差しが役に立たないことを示すものではない。心拍数の割合だけから、本人がどれほどきつかったかを完全に代弁しないほうがよい、という手がかりになる。[1]

参加者全体では心肺機能が改善し、その変化の効果量は0.77だった。効果量とは、変化を比較しやすい尺度に置き換えた値で、体力が77%増えたという意味ではない。また、活動的ではなかった群では、健康関連の生活の質の身体的な側面も改善していた。個人のペースで歩く活動には可能性があるが、介入前後を比べた小規模研究であり、改善のすべてをハイキングだけの効果と断定しない。[1]

このハイキング研究では、活動的ではなかった群の参加率は81%、活動的な群では74%だった。運動の評価には、終了時にどう感じたかだけでなく、実際に参加できたかという側面もある。著者らは、個別のペースでのハイキングが、それまで活動的ではなかった高齢者にも適した活動になり得ると述べている。18〜39歳の女性の継続率を予測する数字ではなく、高齢者の集団プログラムでの実績である。[1]

最大まで頑張らない検査でも、長ければきついことがある

「最大まで頑張る検査より、途中で止める検査のほうが楽なはず」という予想も、検査結果とは食い違うことがある。肥満のある10〜17歳の21人を対象とした研究では、最大の能力を調べる検査と、それより低い強度で行う検査を別の日に実施した。比較できる仕事量では、後者のほうがきつさを高く評価していた。肥満のある子どもの検査結果を、18〜39歳の女性の運動中の体感へ直接当てはめることはできない。[2]

最大まで行わない検査の所要時間は平均14分21秒、最大まで行う検査は12分48秒で、前者が長かった。同じ相対強度でも、前者のきつさが同程度か、より高くなるという結果だった。著者らは、検査の長さや進め方が、この対象者のきつさの評価に影響し得ると考察している。[2]

この結果を、大人なら長く歩くほど必ずつらいという法則にしない。対象は肥満のある子どもで、行っているのは検査である。ただ、強度の言葉だけで体感を決めないための具体例にはなる。「軽めだった」と言う前に、何をどれくらい続けたかも必要なのだ。運動名だけを並べた予定表には、終わるまでの長さが抜け落ちやすい。[2]

数字で読む心肺機能と運動中のきつさ

21人の男性を比べた自転車実験では、体力の高い群と低い群の出力が107 Wと102 Wでも、きつさには差があった。[6]

27人の高齢者のハイキング研究では、心拍数による相対強度が似ていても、活動的な群の終了時のきつさは低かった。[1]

21人の子どもの検査では、最大まで行わない検査の時間が平均14分21秒で、最大まで行う検査より長かった。[2]

運動習慣の乏しい成人を対象とした6週間の介入では、きつさの評価が変わる一方、有酸素性の体力に改善は認められなかった。[5]

がん患者の歩行を調べた11件の無作為化比較試験の統合では、疲労の標準化平均差は−0.45、95%信頼区間は−0.71〜−0.18だった。[19]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約