
眠気が取れたことと、回復したことを重ねない
運動すると頭がすっきりする気がする。そこから、寝不足も強く動けば帳消しになる、と話を進めるのは早い。Sanerらは健康な若い男性24人を、通常睡眠、睡眠制限、睡眠制限に高強度の間欠運動を加える条件に分けて調べた。介入は5夜にわたり、運動を加える条件では期間中に3回の運動を実施した。若い男性での比較であり、18〜39歳の女性における注意や気分への影響は、この試験から直接確かめられない。[8]
実際の総睡眠時間は通常睡眠で約449分、睡眠制限で約230分、運動を加えた睡眠制限で約235分だった。睡眠を短くした両群で気分の乱れと疲労が増し、注意を維持して合図に応じる課題の反応時間も長くなった。運動をしていた群でも、これらの不利益は軽減されなかった。少なくともこの運動条件は、短い睡眠による気分や注意力の変化を埋め合わせる手段にはならなかった。[8]
ここには逆向きのずれもある。先に見た大学選手の自転車実験では、反復運動の出力は低下したが、休息中の反応時間には睡眠条件による差がなかった。注意力がいつもどおりに感じられることから脚の出力を推測することも、脚が動くことから注意力が保たれると推測することも慎重でありたい。測る項目と睡眠制限の期間が違えば、表に出る変化も一致しない。[8][13]
さらに、筋肉の内部で起こる変化とも分ける必要がある。健康な若い男性24人を調べた別の研究では、5夜にわたり就床時間を4時間とした群で、筋原線維たんぱく質合成、つまり筋肉の構成成分を新しく作る速さが低下した。一方、同じ睡眠制限に3回の高強度間欠運動を加えた群では、合成速度は通常睡眠群の水準に保たれた。対象は若い男性であり、18〜39歳の女性でも同じ反応が得られるかは検証が必要だ。[19]
この結果は、睡眠が短い条件でも運動が筋肉の特定の指標に役立つ可能性を示す。しかし、それを「寝不足でも全身が回復する」「眠らずにHIITをすればよい」と広げない。筋肉で作られるたんぱく質の速さと、繰り返す力や反応時間は別の結果である。筋肉の指標に好ましい変化があった研究と、注意や気分が改善しなかった研究は、相互に取り消し合うものではない。[8][19]
昼寝はどうだろうか。身体活動を行う人や競技者を対象とした系統的レビューは18研究を集め、多くで運動成績への利益を認めた。一方、差がない研究もあり、昼寝後にスプリント成績が低下した研究も含まれた。研究の質や偏り、介入の根拠が限られる点への注意も示されている。対象は身体活動を行う人や競技者で、18〜39歳の女性だけで効果を確かめた結果としては扱えない。[4]
男性柔道選手9人の条件比較では、睡眠不足後の約20分の昼寝機会と約90分の昼寝機会のいずれも最大出力を改善したが、平均出力と最低出力が改善したのは長い方だけだった。短い昼寝では選択反応時間にも改善があった。同じ「昼寝の効果」でも、最も強く出せた瞬間、全体の平均、判断の速さは同じようには動かなかったのである。男性柔道選手の結果を18〜39歳の女性の運動に移す際は、性別と競技経験の違いを考える必要がある。[11]
昼寝のレビューでいう「昼寝の機会」は、眠るために用意された時間を指す。男性柔道選手の試験でも、約20分と約90分というのは昼寝の機会の設定である。昼休みの空き時間をそのまま睡眠時間として足し算する前に、横になれたのか、眠れた感覚があったのかを区別しておきたい。研究で設定された休息条件に近いかを考えることと、日常で同じ改善を期待することの間には距離がある。[4][11]
また、昼寝のレビューは運動成績全般を扱い、短時間の力の発揮、持久力、競技の技能といった異なる課題を含む。利益が報告された研究の数だけから、自分のHIITの本数が戻る確率は計算できない。自分が知りたいのが短い全力運動の出力なのか、長く続ける能力なのかを先に定めると、昼寝の結果も読み違えにくくなる。[4]
昼休みの机に伏せる時間と、競技者に用意された昼寝の機会を同一視する必要もない。ここでの数字は、日常の人全員への昼寝時間の処方ではない。仮眠を取った日は、眠気が変わったか、実際の動きがどうだったかを別々に振り返る。その程度の距離感で使う方が、休息を取ったという安心だけで強度を上げる判断を避けやすい。[4][11]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「寝不足なら必ず同じ本数を終えられない」という決めつけは、研究と合わない。反復走に差が出なかったテニス選手の試験も、朝食前の間欠運動に差が出なかった男性の試験もある。一方、決められた反復課題で出力が下がった大学選手の実験もある。完了する能力だけを答えにすると、保たれた側と低下した側のどちらかを見落とす。[3][9][13]
「眠気を感じなければ普段の強度でよい」という考えにも、立ち止まりたい。大学選手の実験では反応時間に差がないまま出力が落ち、睡眠制限が続いた男性の研究では運動を加えても注意や気分の悪化は軽減されなかった。眠気、反応時間、筋肉の出力は交換できる指標ではない。自分の体感は記録する価値があるが、それだけで別の能力の成績を保証しない。[8][13]
「HIITには睡眠不足を補う働きがあるのだから、睡眠を削ってでも行うべきだ」という理解も広すぎる。筋肉のたんぱく質合成が維持された研究は、その特定の指標についての結果である。運動後の睡眠を短くすると翌日の出力の回復が悪かった試験まで合わせて考えると、運動の利益を睡眠の代用品と呼ぶのは無理がある。予定を守るために眠りを削る前に、何を守りたい予定なのかを問い直したい。[5][19]
これらの研究では、対象に男性の競技者や若い男性が多い。一般の女性が自宅やスタジオで行うHIITで、同じ大きさの変化が出ると決められるわけではない。また、本数をどれだけ減らせば睡眠の影響を相殺できるかという換算表にもならない。ここから持ち帰るのは一律の削減率ではなく、睡眠条件と成績を一緒に見て、完了だけを評価にしない視点である。[3][5][8][13]

今日からできること
- 運動の記録に前夜の睡眠を添える。大学選手16人の実験では、通常睡眠と睡眠を半分にする条件で翌朝の反復出力に差が出た。普段の自分との比較にも、睡眠の欄を作る。[13]
- 同じ本数を終えても、それだけで普段どおりと採点しない。8秒の全力運動を10本行う研究でも出力は低下した。出力を測れる種目ならその値を、測れなければ動作や続けやすさの違いを記録する。[13]
- 昨夜だけでなく、前の運動の後に眠れたかも振り返る。男性自転車選手16人の試験では、HIIT後の短い睡眠で24時間後の出力の回復が悪かった。今夜の睡眠を圧迫する予定なら、強い運動を別の時間へ移すことを検討する。本数を減らす場合も一律の削減率は設けず、行った内容と睡眠を記録して次回の比較に使う。[5]
- 昼寝を取れる場合も、眠気と運動の調子を分けて見る。男性柔道選手9人の試験では約20分と約90分の昼寝機会で改善した項目が違った。長さを全員の正解とせず、夜の睡眠の代わりと決めつけない。[4][11]
- 強く動いて寝不足を解消しようとしない。5夜の睡眠制限に3回の運動を加えても、注意や気分の悪化は軽減されなかった。体調がすぐれず運動の判断に迷う場合は医師に相談する。[8]
オンザショアで、眠る時間も含めて予定を考える
眠る時間と運動の時間を、同じ予定表で考えたい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。営業時間の幅を見ながら、自分の生活のどこに運動を置くかを考える場所として案内したい。遅い時刻まで営業していることと、いつも遅い時間に参加することは分けて予定を立てられる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、HIIT、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。続ける運動を考える際は、HIIT以外の種目も含めて案内を確認できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件は店の案内で、費用は料金で確認できる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約では、運動後にも眠る時間を確保できるかを考えながら、生活に合う時間を選びたい。

参考文献
[3] Acute Sleep Restriction Affects Sport-Specific But Not Athletic Performance in Junior Tennis Players — Vitale JA, Bonato M, Petrucci L, Zucca G, La Torre A, Banfi G., 2021, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2020-0390
[4] Benefits of Daytime Napping Opportunity on Physical and Cognitive Performances in Physically Active Participants: A Systematic Review — Souabni M, Hammouda O, Romdhani M, Trabelsi K, Ammar A, Driss T., 2021, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-021-01482-1
[5] One night of partial sleep deprivation impairs recovery from a single exercise training session — Rae DE, Chin T, Dikgomo K, Hill L, McKune AJ, Kohn TA, Roden LC., 2017, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-017-3565-5
[8] The effect of sleep restriction, with or without high-intensity interval exercise, on behavioural alertness and mood state in young healthy males — Saner NJ, Lee MJ, Pitchford NW, Broatch JR, Roach GD, Bishop DJ, Bartlett JD., 2024, Journal of sleep research. DOI: 10.1111/jsr.13987
[9] High-Intensity Interval Exercise Performance and Short-Term Metabolic Responses to Overnight-Fasted Acute-Partial Sleep Deprivation — Papadakis Z, Forsse JS, Stamatis A., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18073655
[11] Improved Physical Performance and Decreased Muscular and Oxidative Damage With Postlunch Napping After Partial Sleep Deprivation in Athletes — Romdhani M, Souissi N, Chaabouni Y, Mahdouani K, Driss T, Chamari K, Hammouda O., 2020, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2019-0308
[13] The influence of partial sleep restriction on repeated sprint ability and reaction time in university athletes — Wannell BR, Brunner FMJ, Lovibond Z, Bond BO., 2025, Frontiers in sports and active living. DOI: 10.3389/fspor.2025.1519987
[19] The effect of sleep restriction, with or without high-intensity interval exercise, on myofibrillar protein synthesis in healthy young men — Saner NJ, Lee MJ, Pitchford NW, Kuang J, Roach GD, Garnham A, Stokes T, Phillips, 2020, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jp278828
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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