肩こり対策の科学 第6回 ヨガとピラティス、首の痛みにはどう選ぶか

肩こりにヨガとピラティスをどう選ぶか。慢性的な首の痛みを対象とした試験から、週2回のピラティスやヨガのコース、痛みと生活上の支障の変化を読む。他の運動との比較、指導と負担調整の意味、短期の効果と長期の限界を整理し、立川で運動を続けるための選択につなげる。

ヨガとピラティス、肩こりのために始めるならどちらか。仕事のあとに首を動かしづらいと感じる人には、運動の名前より、負担に合わせて動けるかが気になるはずだ。慢性的な首の痛みを持つ人を比較した研究では、調整と監督のある少人数のヨガでもピラティスでも、痛みと生活上の支障が改善している。[7]

選ぶ手掛かりはある。ピラティスには週2回を12週間続けた試験があり、ヨガには9週間のコースを家庭での運動と比べた試験がある。[12][14] この回では、首の痛みに対して確かめられた取り組み方と、どこまで期待できるかを並べて読む。

この記事は連載『肩こり対策の科学』全10回の第6回。前回:肩こり対策の科学 第5回 デスクワークの肩こり 画面・椅子・こまめな休憩の効果次回:肩こり対策の科学 第7回 歩く・走る・全身を動かす 有酸素運動と肩の痛み

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ピラティスは負担を調整しながら続ける方法である

最初に、試験で実際に行われた内容を見よう。慢性的な首の痛みのある64人を無作為に分けた研究では、ピラティス群が週2回、12週間の運動に参加した。マット上と器具を使う運動を組み合わせ、体力に合わせて内容を変えていた。各種目は1セット、反復は6〜12回で、疲労と痛みの訴えを尊重する設計だった。[12]

比べた相手は運動をせず、標準的な薬物療法だけを受ける群である。評価者には所属する群を知らせず、参加者を最初の割り付けに沿って分析する無作為化比較試験だった。開始時に加え45日、90日、180日後に評価し、群間の経時的な比較で痛み、機能、生活の質に差があり、ピラティス群がよりよい結果を示した。[12]

反復回数を決める際にも疲労と痛みを尊重していたことが、この試験の実施上の特徴だ。[12] 初回に現在つらい動きと運動経験を伝えることを、当店では参加時の準備として勧める。

別の無作為化試験では、原因を特定できない慢性的な首の痛みのある50人を、臨床ピラティスと姿勢教育に分けた。6週間後、ピラティス群は痛みと首の生活上の支障、首の深い屈筋の持久力、複数の動きや位置感覚の指標で、姿勢教育群より大きな改善を示している。[13] 首の深い屈筋とは、首の奥で曲げる働きに関わる筋肉のことだ。

首を反らす方向の動きと、左へ回す際の位置感覚は、比較で改善を示した項目から外れている。[13]

評価の内容をもう少し見ると、64人のピラティス試験はリウマチ科の外来で行われ、痛みを数値で答える尺度、首の生活上の支障を測る質問票、健康に関する生活の質の質問票を使っていた。生活の質では、体を使う能力、痛み、全般的な健康感、活力、精神面で群間の経時的な差があり、ピラティス群がよい結果を示した。[12] 働く人にとっては、痛みだけでなく、日中に活動する力や自分の健康の感じ方も評価に含まれていたことが参考になる。

50人の臨床ピラティス試験では、頭が前へ出る角度、肩が前へ出る角度、首の動く範囲、関節の位置を再現するときの誤差も測った。位置感覚は、自分の首がどの位置にあるかを捉える感覚であり、誤差の測定はその精度を見る方法だ。姿勢教育群でも、生活上の支障、肩の角度、回旋時の位置誤差には改善があった。[13] 運動群だけの前後を見ず、教育を受けた群にも何が起きたかを並べている点が、この試験を読む手掛かりになる。

とくに群間の変化量の比較では、痛み、首の生活上の支障、首の前側の深い屈筋の持久力、肩の角度、首を反らす方向以外の動き、左回旋以外の位置誤差で、臨床ピラティス群がより大きな改善を示した。[13] 首を動かす能力を、動ける角度と位置を捉える精度に分けて測っている。同じ「動きやすさ」という言葉でも、研究が調べた中身は複数ある。

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ヨガには家庭での運動と比べた試験がある

51人の小規模な無作為化試験では、アイアンガーヨガの9週間のコースが、家庭運動の冊子を受け取る方法より首の痛みと生活上の支障でよい結果を示した。[14] 働く人の予定づくりでは、仕事の合間に一度試すだけで終わらず、指導を受ける期間を確保する例として参考になる。

通常のケアと比べたヨガの系統的レビューとメタ分析でも、慢性的な首の痛みや生活上の支障への短期の利点が報告されている。[6] 試験の数字とヨガの詳しい紹介は、下のシニアヨガ特集へ譲る。

既存のシニアヨガ特集「首と肩のこり・痛みとヨガ」ではヨガを中心に扱い、姿勢の科学「スマホ首と肩こり」では姿勢との関係を扱っている。この回で注目するのは、ピラティスも含めた選択と、研究で調整された参加方法である。

直接比べると、どちらにも改善があった

ヨガとピラティスを同じ研究内で比べた準無作為化比較研究には、慢性的な首の痛みのある56人が参加した。完全な無作為割り付けとは区別して読む研究である。対照群17人、ピラティス群20人、ヨガ群19人に分かれ、運動群は理学療法士の監督のもとで、調整と段階的な進行を伴う少人数のセッションを12回受けた。[7]

首の痛みで日常生活にどれだけ支障があるかを測る首の機能障害指標では、ピラティス群が開始時11.1から12週時6.8へ、ヨガ群が12.8から8.1へ変化した。対照群には変化がなく、運動群では痛みの評価も改善した。運動群同士の結果に差はなく、関連する有害作用は報告されていない。[7]

注目したいのは、首の動く範囲や姿勢には改善が見つからなかった点だ。[7] 「痛みが軽くなるなら見た目の姿勢も必ず変わる」と期待すると、研究が測った成果を見落としてしまう。首を動かす角度や鏡に映る形だけでなく、着替えや読書など、自分が困っている行動を振り返る。その方が、この研究の中心だった生活上の支障に近い見方になる。

この研究は開始時、6週、12週に痛み、動く範囲、姿勢を評価し、クラス終了6週後の18週にも追跡した。[7] 仕事の負担と両立する方法を選ぶ際には、受講中の変化と終了後の経過を分けて振り返るとよい。

数字で読むヨガとピラティス

  • 週2回・12週間:体力、疲労、痛みに合わせたピラティスを行った無作為化試験の設計。[12]
  • 9週間:ヨガのコースと家庭運動の冊子を比較した試験の期間。[14]
  • 6週間:臨床ピラティスと姿勢教育を比較した50人の試験の期間。[13]
  • 12回:ヨガとピラティスの直接比較で行われた、監督付き少人数セッションの数。[7]

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