
ノルディックとの比較では、裏ももの測る場所も違う
裏もものどこを測るかでも話は変わる。ハムストリングの損傷歴がない男性12人を対象にした研究は、高密度の筋電図で、大腿二頭筋長頭と半腱様筋の末端寄り、中央、付け根寄りの領域を測った。ノルディックハムストリング運動とスティッフレッグデッドリフトの、筋肉が伸ばされながら力を出す局面を比較している。男性の比較から、18〜39歳の女性にも同じ活動分布が出るかは別途確かめる必要がある。[10]
ノルディックでは、半腱様筋全体の活動は大腿二頭筋長頭より高く、効果量は1.06だった。スティッフレッグでの筋間の差は小さく、効果量は0.19であった。また、ノルディックでは半腱様筋の末端寄りの活動が最も低い一方、大腿二頭筋長頭では末端寄りが最も高く、同じ裏ももでも領域の並びが逆だった。[10]
「裏ももによく効く」と書かれた種目でも、全ての筋と全ての領域へ届く仕事には偏りがある。スティッフレッグでは、これらの領域差はノルディックより小さかった。種目名の横にハムストリングという単語があっても、測った筋と場所を確認すると、比較の内容が具体的になる。[10]
女性を対象にした先ほどの研究でも、変法片脚スクワットでは、大殿筋65.6%、ハムストリング群40.1%であり、どちらもスティッフレッグの値より高かった。お尻の活動が高い種目なら裏ももの活動は低いはず、という見方はこの比較にも当てはまらない。協力して活動することと、互いの仕事を奪うことは区別したい。[8]
ただし、片脚の種目が全員にとって最適だという結論にはしない。ここで確認できるのは、筋トレ経験のある女性が、それぞれの種目に合わせて設定された負荷を扱った際の筋電図である。片脚にすればヒップアップが速い、という長期の比較ではない。自分の目的を「活動させたい」「重りを扱いたい」「継続して変化を見たい」のどこに置くかで、必要な情報が変わる。[8]
駅の階段で裏ももを感じた日と、スタジオでデッドリフトをした日を比べても、研究のように条件はそろわない。生活での感覚をメモするなら、何をしたときの話かを残す方がよい。少なくとも種目と測定領域が違えば筋活動の結果が変わるため、「今日は裏ももだった」という感想だけを種目の優劣へ広げない姿勢が役立つ。[8][10]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
長く続けた変化は、その場の筋活動とは別に読む
継続後の筋肉の変化を調べた無作為化比較試験もある。筋トレ未経験者36人を、運動しない対照群、ノルディック群、スティッフレッグ群に割り付け、9週間追った。筋力は最大挙上重量、筋体積は超音波による立体計測で評価し、運動中の筋活動も測定した。対象は筋トレ未経験者であり、18〜39歳の女性への当てはまりは、この対象条件の範囲で慎重に考えたい。[1]
最大挙上重量の増加は、ノルディック群で37.4±13.8%、スティッフレッグ群で34.0±21.2%だった。これらは対照群と比べて有意に増加していた。平均値だけでなく、付記されたばらつきの大きさも読む必要がある。スティッフレッグを始めれば誰でも同じだけ伸びる、という予告ではない。[1]
筋体積は、ノルディック群で半腱様筋が24.3±10.8%、スティッフレッグ群で半膜様筋が11.2±12.7%増加した。裏もものどの筋が増えやすかったかは、種目によって異なった。一方、筋活動の分布には、時間の経過、群の違い、それらの組み合わせによる有意な変化が見られなかった。[1]
この結果は、筋肉が大きくなれば活動の分布も必ず目に見えて組み替わる、という見方を支持しない。逆に、筋活動の分布が変わらなかったから成長していない、という判断も合わない。活動と体積を別々に測ったからこそわかった組み合わせである。毎回の感覚の変化だけで継続の成果を採点しなくてよい理由になる。[1]
別の介入研究では、健康な若い男性36人を、週に2回、週に3回の運動群と対照群に分けた。筋肉が伸ばされながら力を出す局面だけのスティッフレッグを、1回の動作に5秒かけ、10週間行った。実施範囲も直立からの全可動範囲の50〜100%に設定された、条件の決まった運動である。若い男性の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、女性を対象にした検証が必要だ。[5]
膝を曲げる等尺性の力は、週に2回の群で20.3%、週に3回の群で26.2%増加した。半膜様筋体積はそれぞれ5.7%、7.4%増加した。さらに週に3回の群では、半膜様筋の受動的な硬さを表すせん断弾性率が11.4%低下したが、ほかの対象筋では変化しなかった。[5]
筋肉を鍛えたら全てが同じように硬くなる、という一括りの説明とも異なる結果だ。ただし、ここでいう硬さは計測された性質であり、本人の「張っている感じ」と同じ尺度ではない。また、この研究の対象は男性で、運動の局面、時間、範囲も指定されている。数字を一般向けの反復回数へ変換せず、継続研究では何を追っているかを知る材料にしたい。[5]
これらの継続試験で報告された裏ももの体積増加を、お尻の形が変わったという結果へ置き換えることもできない。ヒップアップを目指して記事を読んでいても、論文が実際に測った対象は尊重する必要がある。大殿筋のその場の活動を測った研究と、裏ももの体積を追った研究をつなぐときは、その違いを残すのが正確だ。[1][5][8]

よくある誤解
「裏ももが疲れたら、お尻のトレーニングは失敗」という理解は早計である。女性の比較研究では、スティッフレッグで大殿筋とハムストリング群の両方が活動していた。研究が測ったのは電気信号であり、疲れを感じた場所から別の筋の活動を逆算する試験ではない。裏ももの感覚を消すことを、成功の条件にしない方がよい。[8]
「膝を曲げれば、裏ももからお尻へ必ず切り替わる」という理解も単純すぎる。角度帯による差はあるが、ルーマニアンとスティッフレッグの種目比較では、大殿筋と半腱様筋で差の向きが異なった。膝角度、種目の変法、持ち上げるか下ろすかを区別する必要がある。膝だけを万能の調節つまみにする読み方は避けたい。[4][12]
「筋電図の数値が高い種目を選べば、その部分が最も大きくなる」という予測には、長期の筋体積の測定が必要だ。未経験者の継続試験では、筋体積が選択的に増えても、筋活動の分布は有意に変わらなかった。電気信号の比較は運動を理解する情報であって、将来のお尻の形を予約する数字ではない。実感、筋活動、体積を同じ成績表へ無理に押し込まないことだ。[1]
今日からできること
- 動きを見てもらうときは、種目名に加え、下ろす局面と持ち上げる局面を伝える。競技者10人の比較でも、局面によって種目間の差の出方は異なった。[4]
- 膝をどれだけ曲げたかだけでなく、途中でどう変わるかも確認する。大学選手13人の研究は、膝角度を30度ごとに区切って活動を比較している。30度を推奨角度と受け取る必要はない。[12]
- 裏ももを感じたことと、お尻が働かなかったという判断を分けて記録する。女性18人の比較では、スティッフレッグ中に両筋群の活動が確認されていた。[8]
- 台上や片脚の種目へ変える前に、何を比べたいかを指導者と共有する。女性18人の研究では、変法片脚スクワットでお尻と裏ももの両方の活動が高かった。種目変更の目的を、お尻の活動と裏ももの感覚に分けて伝えよう。[8]
- その日の感覚に加え、継続して何が変わったかを見る。9週間の試験は最大挙上重量と筋体積を別々に追っている。研究期間を、自分に同じ成果が出る期限として扱わない。[1]

オンザショア立川店で、動きを続ける場所を選ぶ
種目ごとの分担を考えたら、次は動作を練習する時間と場所を決める。オンザショア立川店には、パーソナルトレーニングのほか、常温のヨガ、ピラティスがある。種目名だけで選ばず、何を練習したいかを整理して通う予定を立てたい。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガは、妊娠中は参加できない。常温のマタニティヨガがあり、医師から運動を止められている方は利用できない。レッスンの種類は店舗トップで確認できる。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけで25種類以上を設けている。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。営業時間は8:00〜23:30、年中無休だ。仕事や家事の予定と照らし合わせて、無理なく通える曜日と時間を選ぶ。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。料金ページと体験の予約を確認し、続ける予定を具体的にしていく。
参考文献
[1] Robustness of hamstring muscle activation strategies following selective hypertrophy induced by Nordic hamstring curl and stiff-leg deadlift exercises — Morin T, Caillet AH, Nordez A, Doguet V, Lacourpaille L., 2025, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00237.2025
[4] An Electromyographic Analysis of Romanian, Step-Romanian, and Stiff-Leg Deadlift: Implication for Resistance Training — Coratella G, Tornatore G, Longo S, Esposito F, Cè E., 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph19031903
[5] Can Eccentric-Only Resistance Training Decrease Passive Muscle Stiffness While Increasing Size and Strength of Hamstrings? — Kawama R, Takahashi K, Ikifune H, Tozawa H, Obata T, Ito R, Hojo T, Wakahara T., 2024, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000003516
[8] Gluteus Maximus and Hamstring Activation During Selected Weight-Bearing Resistance Exercises — McCurdy K, Walker J, Yuen D., 2018, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001893
[10] Region-dependent hamstrings activity in Nordic hamstring exercise and stiff-leg deadlift defined with high-density electromyography — Hegyi A, Péter A, Finni T, Cronin NJ., 2018, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.13016
[12] An electromyographic analysis of sumo and conventional style deadlifts — Escamilla RF, Francisco AC, Kayes AV, Speer KP, Moorman CT., 2002, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1097/00005768-200204000-00019
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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