
足先だけの問題ではなく、ほかの筋肉や関節も関わる
足の向きで変わるのは、腓腹筋の内側と外側の配分だけではない。健康な男性14人を対象とした実験室での横断研究では、正面、外へ30度、内へ30度という足の置き方でかかと上げを比較した。皮膚の上から測る筋電図と、細いワイヤーを用いる筋電図で、下腿の筋活動を調べている。男性で得られた結果を18〜39歳の女性へそのまま当てはめられるかは、この比較だけでは判断できない。[3]
この研究で比較された筋肉には、後脛骨筋、長腓骨筋、長趾屈筋が含まれる。いずれも下腿にある筋肉の名称だ。後脛骨筋と長趾屈筋は足を内へ向けた条件で最も活動が高く、長腓骨筋は外へ向けた条件で最も高かった。足の向きを変えると、腓腹筋以外の働き方も変化したのである。[3]
腓腹筋の内側に注目して足を開いても、それだけを変更したことにはならない。見た目には同じ「かかと上げ」でも、下腿の複数の筋肉の参加の仕方が変わりうる。この点は、感じる場所の変化をすべて腓腹筋の内外だけで説明しないために役立つ。[3]
ただし、この実験で使われた30度は、全員に勧める理想角度ではない。決めた条件を比較するための設定である。角度をさらに大きくしたら活動もさらに増える、と連続した法則へ伸ばすこともできない。床に分度器を置く前に、その数字が比較用の設定なのか、日常の推奨値なのかを分けたい。[3]
関節の動きを調べた研究もある。筋トレ経験のある健康な男性11人・女性9人、計20人が、体重の135%のフリーウエイトを使い、正面・内向き・外向きでかかと上げを行った。開始姿勢の変化は足首より股関節で大きく、次いで膝に見られた。一方、足首を曲げ伸ばしする範囲、反復にかかる時間、足首の機械的なエネルギー消費には有意な差がなかった。男女を合わせた筋トレ経験者の結果であり、18〜39歳の女性の初心者に同じ動きが生じるかは、この実験から直接は判断できない。[6]
これは「つま先を変えた」という見た目の説明だけでは、脚全体で起きたことを言い尽くせない例である。研究では足の向きの違いが、股関節や膝の開始角度にも表れていた。足先だけを床に固定して無理にねじる方法を、この結果から勧めることはできない。内側を意識する前に、脚全体の置き方を見る余地がある。[6]
また、足首での機械的なエネルギー消費に差がなかった結果を、全身の消費カロリーが同じだという話に置き換えるのも早い。測った場所と指標が異なるからだ。この研究が助けてくれるのは、足の向きが違うから運動全体も必ず大幅にきつくなる、という単純化を避けることである。[6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
筋電図の大きさを、効き目の点数にしない
筋電図の値が大きいほど、そのままよい運動なのか。足の向きの研究には、この問いを考える材料もある。アキレス腱障害のあるランナー18人と、ないランナー19人を比べた研究では、足首の角度を動かさずに足先を押し下げる力を出す運動を、内向きと正面向きで20秒間行った。ランナーと腱障害のある人を含む結果で、18〜39歳の女性全般の日常運動にそのまま当てはめるには対象と動作の違いがある。[2]
内向きでは、両群で腓腹筋外側の筋電図の振幅が大きくなった。一方、アキレス腱障害群では、外側の運動単位の発火頻度は低下していた。運動単位とは、筋肉を動かす神経と、それが受け持つ筋線維をひとまとまりとして捉える単位である。筋電図の振幅と、神経の発火頻度が同じ方向に動いたわけではない。[2]
研究者は、振幅が大きくなった背景として、発火頻度の増加ではなく、より多くの運動単位が動員された可能性を挙げている。これは可能性としての説明であり、足を内へ向ければ神経の働きが一律に強まるという意味ではない。アキレス腱障害の治療で追加の利益があるかも、確定した結果ではない。[2]
この研究はランナーの静的な力発揮を調べたもので、一般の女性が日常で行う動的なかかと上げの成果を直接示すものではない。それでも、同じ筋肉でも何を測るかによって見える変化が異なることは分かる。筋電図の振幅、神経の発火頻度、筋厚は、同じ点数表の別名ではない。[1][2]
運動後にどこが張ったかは、読者が記録できる感覚である。ただ、その感覚を筋電図の実測値として扱ったり、翌日の張りから将来の筋厚を予測したりはしない。その場の活動を比べた実験と、継続後の筋厚を測った試験は、別々の方法で答えを探している。手応えの強さだけで向きの優劣を決めない読み方が必要だ。[1][5]
アキレス腱障害群でのみ、内向きにすると内側の筋電図振幅も低下していた点も見逃せない。外側と内側の比率が外側寄りになる背景には、外側の値が大きくなる変化と、内側の値が小さくなる変化が重なりうる。比率が変わったという言葉だけでは、その内訳は分からない。痛みのある人とない人の結果を同じ箱へ入れず、どちらの群で起きた変化なのかまで添えて読む必要がある。[2]
研究を選ぶときには、まず動きの種類、次に対象、そして測定項目を確かめたい。かかとを動かす実験と静的な力発揮では課題が違い、健康な筋トレ経験者と腱に問題のあるランナーでは対象も違う。足の向きという共通語があっても、同じ実験の繰り返しではない。結果の違いを自分の都合で選ぶのではなく、どの場面への手がかりかを整理するための読み方である。[2][5]

よくある誤解
筋活動の違いを、その部位の部分痩せにつなげる根拠は、今回取り上げた研究にはない。筋活動を調べた研究が捉えたのは電気的な活動であり、継続試験の結果は筋厚の増加である。測定対象を飛び越えて部分痩せの約束にしないことが、検索語と研究の答えをつなぐ際の境界になる。[1][4][5]
「内向きにすれば外側だけ、外向きにすれば内側だけ鍛えられる」という言い方も強すぎる。内向きで内外に差がなかった研究があり、継続試験ではどの向きでも両方の筋厚が増加した。狙う側を意識することと、反対側を働かせないことは同義ではない。向きは配分を変える候補であって、筋肉を完全に分離する方法ではない。[1][4]
「正面向きでは狙いがなく、遠回りになる」という見方にも根拠はない。若い男性の継続試験では、正面向きでも内側の筋厚が5.8%、外側が6.4%増加した。特殊な向きでなければトレーニングにならない、という結果ではない。いつも足をまっすぐ置いていた人が、その時間を無駄だったと捉える必要はない。[1]
今日からできること
- 足の向きを試す前に、目的を「内外の働き方を知る」か「筋厚を増やす」か、言葉にしておく。9週間の試験で変わったのは筋厚であり、足の向きごとの筋肉の変化を比べた試験である。[1]
- 正面向きを比較の出発点にする。継続試験では正面でも内側5.8%、外側6.4%の筋厚増加があった。足をひねる工夫を必須条件にしない。[1]
- 向きを比べる日は、重りや台の有無も記録する。男女20人の実験は体重の130〜135%の重りと台を使っており、自重の運動とは条件が違う。研究の負荷をそのまままねる必要はない。[5]
- 足先だけでなく膝と股関節の向きも見る。男女20人の動作分析では、足の向きに伴う開始姿勢の変化が股関節や膝にも表れた。数字どおりの足形を作るために、ねじりを押し通さない。[6]
- 痛みのあるアキレス腱への対応を、内向きの20秒間の実験だけで決めない。ランナーでの筋活動の変化と治療上の利益は別の問いである。痛みがある場合の運動の判断は医師に相談する。[2]

オンザショア立川店を、通う時間から考える
向きの工夫に関心が向いたら、続けて運動する時間をどこに置くかも考えたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休である。朝に動く時間を置くか、仕事や用事の後に予定を入れるか。種目を選ぶ前に、通える時間から検討するという順番もある。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。運動を続ける場として、時間帯と種目を合わせて考えられる。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件と通える時間が合ったら、体験の内容を確認したい。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と店の案内で条件を確かめ、予定が合えば体験の予約へ進む流れである。
参考文献
[1] Different Foot Positioning During Calf Training to Induce Portion-Specific Gastrocnemius Muscle Hypertrophy — Nunes JP, Costa BDV, Kassiano W, et al., 2020, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003674
[2] Effect of foot position during plantarflexion on the neural drive to the gastrocnemii in runners with Achilles tendinopathy — Fernandes GL, Orssatto LBR, Shield AJ, Trajano GS., 2025, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-025-05729-x
[3] The influence of foot position on lower leg muscle activity during a heel raise exercise measured with fine-wire and surface EMG — Akuzawa H, Imai A, Iizuka S, Matsunaga N, Kaneoka K., 2017, Physical therapy in sport : official journal of the Association of Chartered Physiotherapists in Sports Medicine. DOI: 10.1016/j.ptsp.2017.08.077
[4] VARIATION IN MEDIAL AND LATERAL GASTROCNEMIUS MUSCLE ACTIVITY WITH FOOT POSITION — Cibulka M, Wenthe A, Boyle Z, et al., 2017, International journal of sports physical therapy. DOI: なし
[5] Medial and lateral gastrocnemius activation differences during heel-raise exercise with three different foot positions — Riemann BL, Limbaugh GK, Eitner JD, LeFavi RG., 2011, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e3181cc22b8
[6] Analysis of Heel Raise Exercise with Three Foot Positions — Arnsdorff K, Limbaugh K, Riemann BL., 2011, International journal of exercise science. DOI: 10.70252/ypic8188
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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