食欲を抑える方法は食べた先を考えること?目先の味と将来の結果を研究で読む

食欲を抑える方法として、食べた後の結果を考える「認知的再評価」はどこまで役立つのか。目先の味から注意を移す実験をもとに、欲求、食品選択、実際に食べた量の違いを読む。空腹時に効かなかった研究や、健康によい食品を選びたくなる側面も扱い、日常で試すときの見方を示す。

焼き菓子の袋を開ける前から、頭の中ではもう表面のさくさくしたところを食べている。夕食も近いが、香りに注意が集まる。「今のおいしさ」だけで選びそうなとき、食べた先の結果まで考えたら、選択は変わるのだろうか。

変わる可能性はある。食品の意味を捉え直す「認知的再評価」を使った研究では、特定の食品への欲求が弱まり、食品選択やその後の摂取量が変わった。ただし、実験室で欲求が下がることと、暮らしの中で体重が変わることは別の問いである。[2][5]

食欲を抑える方法を探していても、すべての空腹を消す必要はない。ここで扱うのは、目の前の食品をどう評価し、何に注意を向けるかという工夫だ。絶食後の女性では欲求を下げられなかった実験もあり、いつでも使える我慢の技術とは考えにくい。[17]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

食欲を抑える前に、何を変えるのかを決める

「食べたい」には、食品を見たときの魅力、その食品を選ぶ行動、口に運んだ量など、違う測り方がある。認知的再評価の研究を読むときは、どれが変わったのかを分ける必要がある。実験室で行う食欲への介入をまとめた系統的レビュー・メタ分析は、自己申告の欲求と客観的な摂取量を別々に分析した。[5]

この分析に含まれたのは69研究である。特定の仕組みを狙う介入全体では、欲求と摂取量の両方に小〜中程度の好ましい効果があった。なかでも自己申告の欲求については、再評価、思考の抑圧、気をそらす方法を含む認知的調整に、比較的確かな根拠があった。ただし、この効果の大きさを再評価だけの成績として読むことはできない。[5]

たとえば、菓子の写真を見て「今すぐ食べたい」と感じる強さが下がっても、帰宅後の食事全体がどうなるかは別に確かめる項目だ。欲求の点数は、夕食の量を量るはかりではない。逆に、欲求が残っていても、別の食品を選ぶという行動の変化はありうる。研究が複数の結果を測る理由は、気持ちだけで食行動の全体を代表させないためである。[2][5]

さらに、実験直後の結果と長く続く変化も区別したい。前述のメタ分析は、長期の効果、日常への移りやすさ、臨床的な対象での有効性を今後の課題に挙げている。短い課題で変化が見えたことは工夫を試す根拠になるが、それだけで長期の減量法が完成したことにはならない。[5]

本記事の問いも、体重を減らすべきかどうかではない。食品の目先の魅力に注意が集まった場面で、先の結果という別の材料を足せるのか、である。その問いなら、食品をどう評価するかを調べた実験と、実際の選択・摂取を調べた実験をつなげて読める。[2][9]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

味の想像から、先の結果へ視点を移す

認知的再評価は、対象の意味を変えて捉えることで、その対象から受ける感情的な影響を変える方法である。食品なら、見た目から今すぐ食べる場面だけを想像する代わりに、その食品を食べた先の結果へ考えを移す。食品を見ないようにするのではなく、同じ食品を見る視点を変える課題である。[9][15]

80人を対象にした実験では、高カロリーと低カロリーの食品写真を提示し、自然に見る条件と、食べた将来の結果を想像する条件を比較した。再評価の条件では、自然に見る条件に比べて、高カロリー食品への欲求が低下し、低カロリー食品への欲求は増加した。調整は、食品によって欲求を下げる方向にも上げる方向にも働いた。[9]

この違いは日常への置き換えで大切だ。店頭で「何も食べない自分」を目指すより、「これから何を選びたいか」を考える読み方ができる。研究上も、欲求を弱める対象と、欲求が強まる対象を分けている。食べる行動そのものを悪者にすると、実験で起きた選択の変化を取り違える。[2][9]

食品写真を使う別の実験では、参加者ごとに強く欲しくなる食品と、それほど欲しくならない食品を選んだ。再評価によって、どちらも自己申告の食べたさは下がったが、下がり方は強く欲しくなる食品で大きかった。誰にとっても同じ食品が同じ誘惑になる、という前提ではなかったのである。[15]

同じ帰り道でも、惣菜に目が向く人と菓子に目が向く人では、考え直す対象が違ってよい。この研究が示すのは個人にとっての魅力を踏まえた反応の違いであって、「この食品を避ければ全員うまくいく」という一覧ではない。試すなら、自分が何に引かれているかを言葉にするところからでよい。[15]

なお、考えを消そうとする方法の詳しい比較は、既存記事「食欲を抑えるには考えない方がよい?思考の抑圧と受け入れを混同しない読み方」に譲る。ここでは食品の意味と、目先から先へ向け直す注意に焦点を絞る。

悪い結果だけでなく、選ぶ食品の利点も考える

「食べた後を考える」と聞くと、後悔を先取りする話に聞こえるかもしれない。再評価の研究には、食品の好ましい面を考える課題もある。健康によい食品の利点に目を向け、その食品を欲しいと感じる方向の調整も調べている。[2]

合計1,528人が参加した一連の6研究では、健康によい食品の好ましい面を強調すると、その食品への欲求が増し、食品にいくら払いたいかという価値づけも変化した。また、短い認知的方略の訓練後には、健康によい食品を選ぶ行動が増えた。研究全体で報告された食品選択の改善幅は5.4〜11.2%である。[2]

ここでいう「利点」は、食品の評価を広げるための材料である。日常で考えるなら、目の前の味に加えて、自分が選びたい食事の内容へ視点を移す、という使い方になる。何を食べても自分を採点するための言葉を増やすこととは区別したい。研究が測ったのも、人の立派さではなく、欲求、価値づけ、食品選択の変化である。[2]

同じ一連の研究では、訓練していない食品にも選択の変化が広がった。練習に使った写真を暗記しただけでは説明しきれない結果である。さらに、単に食品の見せ方を変える影響を超えて、訓練する要素が必要だという結果もあった。「健康のことを考えよう」という標語を見れば同じ、とは扱えない。[2]

実際の摂取を調べた研究では、訓練後の摂取エネルギーが93〜121 kcal少なくなり、食品選択の変化と摂取エネルギーには関連があった。ただし、この数字は実験で観察された差である。毎回同じだけ減らす目標や、日々の差し引きの約束へ変換する数字ではない。[2]

食品の価値づけを調べることには、欲求の質問だけでは見えない面がある。「食べたいか」と尋ねる場合と、「その食品にいくら払いたいか」と尋ねる場合では、選び方の異なる側面を見ている。2018年の一連の研究は、この両方に認知的方略の影響が及ぶことを示した。食品に向ける考え方が、感想だけでなく価値の置き方にも関わったのである。[2]

払いたい金額は、現実の買い物を構成する条件の一つである。たとえば帰宅途中なら、店頭に何があるか、夕食をどう用意するかも選択の場面に含まれる。研究の結果を生活へ持ち帰るときは、「考え直せば買い物が全部整う」ではなく、「食品を評価する材料を増やせるかもしれない」という範囲に置くほうがよい。[2][5]

また、80人の実験では、高カロリー食品への欲求とその食品の摂取、低カロリー食品への欲求とその食品の摂取に、それぞれ関連があった。この対応は、食べたい気持ちを調べる意味を支えている。一方で、関連があるという結果だけから、欲求を一定量下げれば摂取も同じ割合で減る、という換算式を作ることはできない。[9]

自分で試したときの振り返りにも、この区別が使える。先の結果を考えて食品を選び直したのか、同じ食品への気持ちが弱まったのか、選択は同じでも量が違ったのか。それぞれ別の変化として書き留めれば、漠然と「効いた」「効かなかった」と判定せずに済む。欲求と摂取を別の結果として扱うメタ分析は、日常の観察にもそのような見方を与える。[5]

実験で練習していない食品にも変化が広がった点は、別の食品を前にした場面を考える手がかりになる。ただし、写真の課題での広がりと、忙しい帰り道や自宅で同じように使えることは、段階を分けて確かめる話だ。訓練の可能性を認めながら、生活への移りやすさを別に問う姿勢を保ちたい。[2][5]

数字で読む認知的再評価

69研究:実験室での食欲介入を統合。再評価だけの本数ではない。[5]

1,528人:食品の価値づけ、選択、摂取などを検討した6研究の参加者総数。[2]

5.4〜11.2%:認知的方略の訓練による食品選択の改善として報告された幅。[2]

93〜121 kcal:一連の研究のうち、摂取を測った実験で報告された減少量。[2]

33人:絶食後に写真を見た女性の実験では、欲求を下げる条件と見る条件に差がなかった。[17]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約