糖質制限の豆はゆで汁も使ってよい?浸水と加熱で変わる糖の行き先を読み解く

糖質制限中、豆のゆで汁をスープに戻してよいのか。浸水水を捨てた家庭調理の研究と、豆の種類で異なるオリゴ糖の変化を読む。豆だけの成分減少を料理全体の糖質減少と取り違えず、枝豆への当てはめ、加熱と発酵の違い、栄養を残す選択まで、台所で判断するための視点を整理する。

豆をゆでた鍋を前に、汁もスープに使いたくなる。ところが「水に糖が出るなら、戻すと糖質制限にならないのか」と手が止まる。答えの芯は、水を使った工程そのものより、何を減らしたくて、豆と水のどちらを食べるかにある。浸水後の水を捨てて調理したインゲン豆で、特定のオリゴ糖が減った研究はある。[6]

ただし、これは「豆を水につければ、どんな料理も低糖質になる」という意味ではない。豆の種類で変化の幅は違い、浸水で減らず、煮沸後に測定値が増えた豆もある。豆に残る成分の測定と、食べる人の血糖や体重の変化は分けて読む必要がある。[1][7]

ここで扱うのは、主に成熟した豆を浸水・加熱したときの成分の話である。「間食の枝豆はよく加熱すると消化が違う?ゆで時間と豆の構造からたんぱく質を読む」にたんぱく質の消化の問いを譲り、こちらは鍋の水と豆に注目する。糖を悪者にするためではなく、料理のどこを見れば判断できるかを探す。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

ゆで汁を使うかは、何を減らすかで変わる

まず、浸水水とゆで汁を区別したい。浸水水は加熱前に豆をつけておく水であり、ゆで汁は加熱に使った液体である。家庭調理を調べた研究では、浸水しない豆、浸水水を使って煮た豆、吸収されずに残った浸水水を捨てて煮た豆などを比較している。水の扱いを含む調理条件が、研究上の比較対象なのである。[6]

この研究で用いられたのは、インゲン豆の特定の品種である。浸水して残りの水を捨てた調理では、ラフィノースが25.0%、スタキオースが24.8%、ベルバスコースが41.7%減少した。いずれも豆に含まれるオリゴ糖の名前であり、同じ工程を通しても減り方がそろわない点に意味がある。[6]

「水を捨てた」という条件を抜いて、浸水だけの効果として紹介すると話が変わる。また、この比較は浸水後の水の扱いを含むもので、できあがったゆで汁を飲む人と捨てる人の健康状態を比較した試験ではない。研究が直接示すのは、家庭調理を変えたときの豆の成分変化である。[6]

台所に戻すなら、「水に出た成分を減らすつもりなのに、その水も料理に加えていないか」という確認が役立つ。一方、ゆで汁を味や料理の素材として使うこと自体を、糖質制限という言葉だけで禁止する理由にはならない。豆の成分を減らす目的と、汁を利用する目的を別々に言葉にすれば、鍋の前で判断しやすくなる。

加工を広く検討したレビューでは、浸水に伴ってフェノール類やミネラルが水へ移ることも整理されている。水を捨てる操作は、狙ったオリゴ糖だけを選んで取り除く装置ではない。研究者も、栄養成分の保持と、栄養利用を妨げる成分の低減の釣り合いを課題としている。[9]

したがって、「汁を残したら失敗」「捨てれば正解」と採点するより、調理の目的を先に決めるほうがよい。糖の種類による変化を知りたいのか、いつもと違う料理にしたいのか。目的が違えば、同じ鍋でも評価する項目が変わる。水を捨てた事実だけから食事全体の良し悪しを決めない姿勢が必要だ。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

オリゴ糖の減少は、糖質全体の減少と同じではない

研究で頻繁に登場するのは、ラフィノース類オリゴ糖、あるいはα‐ガラクトオリゴ糖と呼ばれる糖の仲間である。食品分析では、ラフィノース、スタキオース、ベルバスコースなどを区別して量る。ナイジェリアの成熟豆を対象にした研究でも、これらとショ糖を別々に同定している。「糖」という大きな札だけでは、研究の中身を読み分けられない。[5]

地中海地域の豆を比較した分析では、フェヌグリーク、レンズ豆、ひよこ豆でスタキオースが主な成分だった。一方、調べたソラマメ類ではベルバスコースが主だった。同じ豆の棚に並んでいても、主役となるオリゴ糖は同じではない。異なる豆の数値をそのまま交換できない理由がここにもある。[1]

家庭調理のインゲン豆の研究は、特定のオリゴ糖だけでなく、総糖、還元糖、非還元糖、でんぷんも調べている。浸水水を捨てる条件で、総糖は80.6%、でんぷんは26.8%減ったと報告されている。先に挙げたオリゴ糖の減少率と合わせると、同じ調理でも糖の種類によって変化の幅が異なる。水を捨てた後の豆にもでんぷんは残り、総糖とでんぷんは別々の測定項目として読む。[6]

総糖という測定項目と、でんぷんを含めた食事の糖質量を同じものとして扱うと、数字は大きく見えても意味がずれる。さらに、特定の調理で得た減少率だけでは、家庭の皿に残る量を計算できない。元の成分量、使った豆、仕上がりの状態まで対応して初めて、同じ物差しの比較になる。[1][6]

たとえば、乾燥豆の袋にある成分と、ゆでて水を含んだ豆の重さを見比べる場面を考えたい。そこに研究の減少率をさらに掛けても、自宅の豆と研究の調理条件が違えば計算の前提が崩れる。ここで必要なのは計算を増やすことではなく、乾燥時、調理後、汁を含む料理全体という比較の単位をそろえることだ。

糖質制限のために知りたかったのが食事全体の量なら、オリゴ糖の研究が答える範囲とは少しずれる。逆に、水の扱いで特定の成分が変わるのかを知りたいなら、調理条件を比べた研究が役に立つ。検索語が同じでも、知りたい答えが違うことはある。まず自分の問いを小さくしておくと、数字を使いすぎずに済む。

浸水による変化は、豆と糖の種類で異なる

豆の違いを具体的に見ると、浸水の効果にも幅がある。レンズ豆、ひよこ豆、フェヌグリーク、ソラマメ類を含む5種類の分析では、浸水による総α‐ガラクトオリゴ糖の減少は、レンズ豆やソラマメで10%、ひよこ豆で40%だった。その後の加熱でさらに減少したが、浸水の段階で既に豆ごとの差があった。[1]

この分析では、生の種子の総量も、ひよこ豆の100g当たり2500mgから、フェヌグリークの4000mg超まで違っていた。出発点が違うなら、減少率だけを並べても、調理後にどちらが多いかは即断できない。割合と残存量は別の問いなのである。しかも、これらは研究対象の生の種子の値であり、盛りつけた豆の値ではない。[1]

インゲン豆の別の加工研究でも、浸水によってラフィノースは有意に減ったが、スタキオースには有意な変化がなかった。この研究はその後に乳酸菌による発酵を行っており、浸水と発酵を分けて結果を読む必要がある。「オリゴ糖が減った」という短い紹介だけでは、どの糖が、どの工程で変わったのかが抜け落ちる。[2]

さらに、フィリピン在来の成熟豆を調べた研究には、逆向きの結果もある。フジマメに相当する豆では浸水で変化がなく、煮沸後のラフィノース、スタキオース、ベルバスコースの測定値は23〜31%増加した。加熱なら必ず減少する、という一般化はこの結果と両立しない。[7]

この違いを見て、どちらかの研究をなかったことにする必要はない。近年の加工レビューも、効果は豆の種類と対象成分、具体的な工程に左右されると整理している。少なくとも、ある豆の成功率を別の豆へ移して万能の浸水法を作ることはできない。[9]

買い物では、まず豆の名前を見るところから始められる。ひよこ豆の研究を読んだあとでインゲン豆を煮るなら、同じ割合の減少を予定に入れない。毎回の食事を実験にする必要はないが、研究に出てきた食材と手元の食材が一致しているかは、手軽に確認できる。タイマーの設定より前に、袋の名前を読むのである。

なお、ナイジェリアの成熟豆の比較では、浸水せずに加熱した種子のほうが、9時間浸水した種子より総オリゴ糖の減少が大きかった。これは浸水という工程だけを特別視しないための材料になる。ただし、加熱と浸水の比較から、どの家庭でも浸水を省けばよいという手順までは導けない。何を比べて得た結果かを、そのまま残して読むことが肝心だ。[5]

研究間で一致する点と違う点を分けると、共通するのは加工で成分が変わりうることであり、共通しないのは変化の方向や幅である。そこを分けずに平均的な減少率を自分で作ると、別の豆と工程を混ぜた数字になる。台所で使う情報は、ひとつの大きな割合より、条件の付いた具体的な比較のほうがよい。[1][5][7]

数字で読む豆の浸水と加熱

5種類の豆の分析では、浸水後の総オリゴ糖の減少は10〜40%と豆によって異なった。[1]

家庭調理のインゲン豆では、浸水水を捨てる条件でラフィノースが25.0%減少した。[6]

同じ家庭調理で、スタキオースの減少は24.8%、ベルバスコースは41.7%だった。[6]

フジマメの分析では、煮沸後の特定のオリゴ糖の測定値が23〜31%増加した。[7]

工業的な脱水まで含む加工では、可溶性炭水化物の減少はレンズ豆で85%、ひよこ豆で57%だった。[4]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約